たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「サクラクエスト」23話 誰かが苦しむならそれは町おこしじゃない、ただの開発だ

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(公式サイトより)


20歳女子の木春由乃。ド田舎の間野山観光協会に呼ばれて、和菓子屋に洋菓子屋の相談をしにいく。
アニメ『サクラクエスト』23話。Amazonプライムビデオでは、テレビ放送後すぐに配信されています。

 

 


『アオシマ書店』からレビューお引っ越しです。今までの一覧は下記に。

今回も商店街メインの話なので、また老人だらけ。
このアニメの真価は、年寄りの描写にあると思う。田舎で年寄り描かないと嘘だもんね。

ホワイトボードに「第27回 タブレット講習会」と書かれていたのが、すっごく嬉しかったなあ……蕨屋集落の独居老人たちがコミュニケーションを取るためにはじめたタブレット講習、こんなに続いてたんだ。「続ける」ことこそが町おこしで一番大事なことなのを、ちゃんと描いている。

 

●23話「雪解けのクリスタル」


隣の大都市・富蔵市のおしゃれな洋菓子屋から、観光協会主催のみずち祭りに協賛したい、間野山に支店を出したい、という話の持ちかけがあった。これ以上ないおいしい話だ。
ところが、シャッター商店街の誰も、店舗を貸してくれない。二階に住んでいる人が多いからだ。そこで引っ越してしまった老人・秋山に連絡するが、断固として話を聞いてくれない。

商店会会長の織部千登勢によって、商店会の会合が行われた。前向きに何かしようとする人間のいない商店街の現状を話す。問題提起をして全員に動揺が走った。
ケンカに発展しそうなくらいの腹を割った話し合いのすえ、貸店舗が確定。本格的にみずち祭りへの計画を動かせるめども立ってきた。
そこに飛び込んできたのは、間野山の富蔵市への吸収合併の話だった。

 

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(公式サイトより)

 

●最大多数の最大幸福は、幸福ではない

秋山老人の表現は、過疎地の悲しみそのものだった。
店舗を貸した若者に夜逃げされてしまい、保証人になっちゃったがゆえに若者の借金を背負うハメになってしまった。
ここまで極端なのはあまりないにしても、よそから来た人に引っ掻き回されて、迷惑をかけられたというのは、まれにある話。
価値観の違いでぶつかる事象はまれにある。ぼくも見てきた。

秋山が心が救われ、納得した上で店を貸せれば、ハッピーエンドだった。
でもこのアニメは、そうしなかった。
人の心はそんなに簡単に癒やされない。じゃなきゃ、山奥に一人引っ越しなんてしない。
お金の問題じゃない。「裏切られた」というトラウマと、商店街のためにそれをずっと言えなかった苦しみは、一生そうそう癒えない。

会議中のみなのお願いは、最大多数の最大幸福理論に基づいて語られる。
全員が洋菓子屋が来て助かる。秋山1人は辛い思いをする。
一斉に説得しようとする空気は、ほとんどいじめだった。
でも死にかけの商店会の人々が必死なのは、良かれと思っているからだし、間違ったことは言っていないのだ。

「皆さんのおっしゃってることは多分正しいです。町の為を思っていってらっしゃってるんだと思います。でも、望まない人にとっては、押しつけでしか無い気がします」「きれいごとかもしれません。でも、間野山に住む一人ひとりが自分から何かを変えようと思わなきゃだめなんです。多数決で物事が進められて、それが誰かの犠牲の上に成り立つものだったら、それはもう町おこしじゃありません、ただの開発です」

由乃の訴えは、今まで彼女が感じてきた「町のあり方」へのアンサーそのものだ。

 

ぶっちゃけ、「ただの開発」が悪いわけじゃない。高速道路やダムの建築で「お金払うから引っ越してネー」みたいなのはよくある話だ。
それで喜ぶ人の方がトータルでは多い。
ただし、誰かが涙を飲んで諦め、心に傷を負うこともある。

「きれいごとかもしれません」は絶対忘れてはいけない。やっぱり由乃はまだ根をおろしきれていないよそもの。
だからこそ自分が言えること、受け入れてもらった一人として言えることを、彼女は言った。
商店会に対してとか、秋山に対しての同情ではないのがポイントだ。かなりフラットな、町おこし論としての、感情に流されていない意見を言えるのは、彼女しかいない。

 

●曲がらない千登勢

今回は本当に千登勢さんがかっこよかった。じゃないですね。いつもかっこいい。
和菓子屋の彼女の元に洋菓子店の話を持ってくるとか、ほんと失礼千万。でも千登勢は、商店会のためになるならと、自ら足を運んで皆に誘致の相談をした
ものすごい労力と、懐の広さだ。

千登勢は一期では、観光協会のラスボス(彼女を納得させなければ意見が通らない)的な描かれ方をしていた。
二期では、観光協会の面々を叱咤しながら、ポイントごとに町に目を向けるよう導く教え手の立場になっている。
保守的な一面はあるけれども、それはグッとこらえている。観光協会の若造の意見を、正しければ聞く。常にトータルでのプラスを考えている。

「(商店街が)必要とされないならそれも時代の流れだ」
みながぎょっとする発言もする。でもここで「みんなで頑張っていこう」という方がよっぽどきれいごと。千登勢は現実的な話しかしない。

早苗が「あの人は最初から筋が通ってるわよ」と言うように、面々は時々怖がるけど、ちゃんとわかっている。
クライマックスに向けての展開で、感情的にあまりならない彼女がどう動くのかは、話のキモになりそうだ。丑松会長とも和解したし、ここで力をあわせたら熱いんだけどなあ。バラが咲いちまわないかなあ。

●合併のお話 

市町村合併。ああ、ついにきた、田舎の問題の真のラスボス!
町が無くなる、故郷の名前が消滅する。
平成の大合併の影響で、00年代に日本中で合併が起こった。経験者は多いと思う。

舞台になっている現実の富山県を話に取ると、富山市は05年にものすごい合併を行っている。
大沢野町、八尾町、大山町、などなど7つの市町村が新設合併し、新しい「富山市」が発足した。おかげでめちゃくちゃ広い面積の市になっている。

悪いことではない。経済と行政をなんとかするための動き、という名目だから。
ただ、それで何もかもがうまくいくとは限らない。
もし合併したら、観光協会も今までのように自由には動けなくなりそう。

本当に、片っ端から地方の問題を拾ったなあと感じますサクラクエスト
他の問題は、作品なりに理想像を提案していてゾクゾクしたけど、合併はなあ……女の子にどうこうできない。
今までまいてきた人間関係の種が、芽吹いてくれることを祈るばかり。

個人的には野毛さんが、あんなにかっこいい「前向きな町おこし像」を叩き出すキャラになるとは思わなかった。もしかしたら、今まで出てきたあのキャラやこのキャラが、もしかするかもよ。

 

サクラクエスト (3) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

サクラクエスト (3) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

 

 


コミカライズ版3巻、よかった! なにより夏に水着回がなかった(流されそうめんだけだった)のが、まさかのオリジナルイベントで掲載。本編がハードすぎてキャラ萌えする余裕ないので、ここで充填しよう!

『サクラクエスト』1話 就活失敗女子、限界集落寸前の町で疑問だらけの行動の末、国王になりました|おたぽる

『サクラクエスト』2話 最初の町おこし失敗、サイト作ったくらいでお客さん来たら苦労はしません|おたぽる

『サクラクエスト』2話 最初の町おこし失敗、サイト作ったくらいでお客さん来たら苦労はしません|おたぽる

『サクラクエスト』3話 町の発展とか正直どうでもいい、住む権利はあるけど、盛り上げる義務はないでしょ|おたぽる

『サクラクエスト』4話 由乃国王、サーバルちゃんみたいになる「すごーい!」|おたぽる

『サクラクエスト』5話 バカは立派な褒め言葉、サグラダファミリアみたいな建造物をつくりたい由乃国王|おたぽる

『サクラクエスト』5話 バカは立派な褒め言葉、サグラダファミリアみたいな建造物をつくりたい由乃国王|おたぽる

『サクラクエスト』6話 売れたかったら蝉を食え。女優って職業の人は……「変わった人間」なんだなぁー|おたぽる

『サクラクエスト』7話「そんなのふるさと捨てた由乃ちゃんだから言えるんだよ!」|おたぽる

『サクラクエスト』8話 年上キラーしおりちゃんの冷たい微笑みはまじサタン|おたぽる

『サクラクエスト』9話 田舎の人間関係の間合いを実感しつつ、水着で流されそうめん女子|おたぽる

『サクラクエスト』10話 オタク「コミュ障気味」女子、田舎の婚活ツアーが無理すぎてほとほと疲れ果てる|おたぽる

『サクラクエスト』11話「私のことなんか誰も認めてくれない」そんな引きこもりUMA女子ががんばった|おたぽる

『サクラクエスト』12話 田舎に人気ロックバンドを呼ぶとかやめてー! 大失敗フラグじゃないの?|おたぽる

『サクラクエスト』13話 待て待て、半年程度で観光客が毎日もりもりくるようになるとか、絶対ないから!|おたぽる

傑作の予感『サクラクエスト』2期へ。大成功しないリアルな歯がゆさの中、20代女子5人町おこし奮闘中 | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト -

恐怖、うら若き女子に詰め寄る安産軍団「サクラクエスト」14話、定住人口を増やせるのか問題 | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト -

UMAが好きなら言葉なんていらない「サクラクエスト」15話 凛々子、外国人女性の友達ができる | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト -

東京に出て音楽をやるんだ「サクラクエスト」16話 今は頑固な老人たちも、ロックに叫んでいた | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト -

「サクラクエスト」17話 若い女の子たちが、独居老人の限界集落問題なんて解決できるのか | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト -

神回「サクラクエスト」18話。このアニメやるな、過疎地区の独居老人問題に1つの解を見事に示す | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト -

「サクラクエスト」19話 廃校舎は再利用できるし、女優の夢だって諦めなくていいんじゃないの? | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト -

「サクラクエスト」20話 廃校での演劇でアレを見せるなんて、そんなの卒業生泣いちゃうじゃん | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト -

「サクラクエスト」21話 シャッター商店街は必ずしも悲劇の舞台ではない | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト -

「サクラクエスト」22話 終わろうとする商店街を全て救うことはできないけれど | アオシマ書店 - 電子書籍の情報サイト -

 

お引っ越しテストです。

とうとう「はてなダイアリー」から「はてなブログ」に引っ越しました。

今までダイアリーにいたのは、「はてなカウンター」等々があったのと愛着だったんですが、ついに「はてなカウンター」消滅したので、いい機会かなと。

てかあのカウンター消えたのは、だいぶ悲しいのですが(3千万くらい?忘れた)、最近は更新してなかったので、心機一転いい機会かなーと。

 

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というわけでこちらでもよろしくお願いします。

旧記事はリダイレクトしたので、勝手にこっちに飛んでくるはずです。

 

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ライターのしごとがもそっと増えてから、ブログで書いていた労力全部まわしていたので、アウトプットしすぎて枯れていました……なんてことはなくて。時間はそうなんだけど。

色々見て読んで面白いもの、いっぱいあるのに書けていない。これが放置状態で腐っていくのが辛い。発酵ならいいんだけど。もっとどんどん出したい。「面白かった!」の一言でもいいはずなんだ。でも書けてなかった。もったいない。

無理せずやりたいです。

自画自賛だけど、過去の記事面白くてな……こんなにワクワクしてたんだなーって。そうでありたいよ、年をとっても。いや一生。

特にエロマンガ類は外で書けないので、こっちで書きたいな。

みんな木谷椎『ひめはじめ』読んで。絵もストーリーもエロも甘々も悲しみも、最高だよ。読もう『ひめはじめ』。

 

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にしてもヘッダ画像小さいな……。

 

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以下画像とかテスト

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賭ケグルイ双 5巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)

早乙女芽亜里のヒーロー感最高。

 


Poppin'Party 3rd 両A面SingleCD「ティアドロップス」(BanG Dream!(バンドリ!)2nd LIVE フルサイズVer.)

バンドリガルパ楽しい。ハロハピこころ教です。

山田エルフ先生がぼくの心に噛み付いて離れないいろいろな理由

全裸大好き中学二年生作家 「エロマンガ先生」のグレーターノベリスト少女・山田エルフ先生と結婚したい - ねとらぼ
エロマンガ先生(6) 山田エルフちゃんと結婚すべき十の理由<エロマンガ先生> (電撃文庫)
 
エロマンガ先生』の山田エルフ先生、めちゃくちゃ好きで毎日1時間は彼女のこと考えています。
ただこの子……というか『エロマンガ先生』の構造自体が歪なので、それを踏まえた上での「好き」。
ちょっとぼくの主観をまとめて、山田エルフ先生愛を整理したい。
 

 
同じ作者の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』も大ヒット作品ですが、少し質が違うよなーと思っているところがあって。
『俺妹』は、オタクのリアルと壁というテーマがあるので、まずはそこを乗り越えないと誰が好きとかにならない。
人間関係自体ファンタジーなところは多いけど、血が数滴垂れたような生々しさがある。
 
中でも高坂桐乃は、最初のふるいになっていると思う。人によっては今でも、受け付けないみたい。
うん、わかる。後半になるまで兄貴へのあたり強いし、なんだかんだでリア充(当時そんな呼び方じゃなかったなあ)だし、オタク状態の彼女は完全に「おれら」状態なエロゲオタクだし。
そうだよなー、当時よりもう少し前は、エロゲがオタク文化の最先鋭みたいなとこあったよ。
 
ぼくはフィギュアごっそり買うくらいには、桐乃大好き派です。
あの子努力の子じゃないですか。んで反発感情も「素」じゃないですか。その生っぽいとこたまんなく好き。
 
多分あやせ派の人も、同じような好み(リアルさとフィクション感)のバランスなんじゃないかしら。
黒猫も好きですが、あの子はぼくの中では、もうちょいフィクション寄りなかわいさ。
でも家に変えると地味ジャージとか、そのへん!そのへんの生々しさ!好き。
 
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だから『エロマンガ先生』の一巻出た時、驚いたんですよね。
めっちゃフィクションだ!
あの世界ラノベ作家もイラストレーターも若い子ばっかりで、しかも中1!中2!高1!! 売れっ子なの!?
それは自慢しても全然いいよ。世界的にすごいよ。
 
紗霧のかわいさには、もうグゥの音も出ません。
あれは「引きこもり」じゃなくて、妖精ですよ。妖精は森に住まないといけないんですよ。
「エロマンガ先生」がどんなアニメか知りたければエンディングを見ろ! - ねとらぼ
 
彼女のかわいさがあまりにもパーフェクトすぎて。
これ以上なにか継ぎ足す必要ないもん。
しかも兄さんのマサムネ、めちゃくちゃいい人だしさあ。1巻時点で「あっ、メインヒロイン変わらないな」って信じて疑う余地がない。
 
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そこで山田エルフ先生
中2! アニメ化!!! オリコン!一位!!!
 
多分意図的に、一人飛び抜けてファンタジーな子にしたんだとは思います。
金髪縦ロールで、文武両道に長けていて、ありとあらゆる芸事をこなす。
こつこつやるタイプじゃなくて、一発思いついたら一気に書ける天才型で、しかも面白い。
ラノベ執筆は仕事ではなく「遊び」と割り切っている。
完璧超人すぎる。頼りがいがありすぎる。
 
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彼女の魅力の一つが、この子がいないと人間関係が成立しないくらいにいい子というのがみんなにわかってるところ。
 
ぼくは色んな所でツンデレからツンを抜いた子」って表現してます。
彼女のキャラクター造形の基盤は、典型的なツンデレスタイル。
でもそこからツンを抜くと、素直でストレートにコミュニケーションを取り、好意をはっきり伝え、時に空気を読むのが絶妙にうまい(ツンデレって空気読め過ぎちゃうとこ、あるしねえ)。
本人自身も「……ラノベと違って、現実世界だとツンデレは甘えだと思うのよね」と言っているのが面白い。
 
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エロマンガ先生』が完全にフィクションかというと、どちらかというと「現実的なラノベ界隈を、デフォルメしてみた」が正しいのかな?と思ってみています。
だからその上に乗るキャラは、フィクション度合いが高め、味付け濃いめ。
エルフのみならず、ムラマサもわけわかんないですよ、あの売れ方。それでいてポカンと抜けているのがかわいい。
 
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紗霧が妖精であり姫であり、マサムネと共に歩むパートナーなのは、誰が見てもわかるわけで。
それに対して、山田エルフ先生が、自分の好意をちゃんと伝えつつ(真名をあかすほどに!)、二人きりをつなぐために空気を読んで背中を押し(花火大会でシドーくんとムラマサを連れて行くことで二人きりにさせる彼女の心中たるや!)、紗霧とマサムネの関係を飽和して自分が受け入れるくらいの懐のデカさを見せ(おそらくわかっている上で、一緒に住むように言うなんて!)、器のでかさをマジマジと見せつけてくれる。
 
マサムネに「姉」と称されるのももっともでしょうよ。中2だけど。
行き惑うマサムネと紗霧を導いているのは、間違いなく山田エルフ先生だからな!
っていうか、「家族がほしい」と願っているマサムネに「姉」って言われるってことは、これ以上無い賛辞なのでは。
っていうか、兄さん的だよねエルフ先生。

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彼女には中二病的属性があるけれども、そこはあまり深掘りされてない。少なくとも黒猫が大事にしているものとは大いに違う。
なんせエルフには、ラノベも、ゲームも、中二ごっこも、料理も、なにもかもが最高に「楽しい」「やる気マックスファイヤー」だから、何かに偏ってアイデンティティづくりをする必要がそもそもない。とてつもなく芯が強い。
彼女が売れっ子になるのは、そのくらい頑丈で楽しんでいるのが、作品からビリビリ伝わるからなんだろう。
 
もっとも、楽しいの意味が「自分のためだけに染み込む」というムラマサからしたら、みんながハッピーになれるスタイルのストロング娯楽小説は、「つまらない」と言われても仕方ないのかも。2人は生き方のスタイルがそもそも逆。
 
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表情が豊かなのは、山田エルフ先生の魅力だと思う。
 
結局、ぼくが好きなエルフは「ラノベ作家で人を楽しませる天才の山田エルフ先生」。
彼女の外側から見た全てひっくるめて、好き。
(人は時に、外見だよ)
だから、最初から正ヒロインになれない切なさも、子どもっぽく怒っている素直さも含めて、愛しくて仕方ない。
あの子わかってていつも笑顔なんだよ。好きにもなるだろ。
 
「じゃあ山田エルフ先生と結婚したいの?」と言われると、したいけど、なんていうか、そういう「好き」じゃないんだよなあ。
理想的すぎて。
好きなもの詰め込んだ、神様みたいで。
「裸でピアノを弾く」シーンはほんとバカだなと思うと同時に、そういう神様の彫像あったら、見入るじゃん。
 
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エルフは、努力をしているだけでなく、本当にみんなのことが好きなんだろうなって
どんな状態でもいつも「幸せ」だと信じているから、幸せが寄ってくるんだろうなって。
そんな山田エルフちゃん先生が大好きです。