たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

キズナアイ、ガラパゴスを渡る

 

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ニコニコのタイムシフトがギリギリだったので、キズナアイの大阪ライブを見ました。

巨大モニターの中で歌い踊るキズナアイっていうだけでも、ああ素敵だなあという感じなのですが、それよりもゴリゴリのクラブミュージックがかかる中で、サイリウム(ペンライト)の光入り乱れているのがすげえなあーと思ってみていました。

 


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ここ何年か、ライブ類に行っていません。いやもう単に忙しい+元気がないだけなんです。その前は、小さな箱から大きなステージまで、ロック・ジャズ・クラブ、割となんでも行っていました。フェスは一年の楽しみのごとく、ライジングサンとジョインアライブによく行ってた。

アニメ・ゲーム系は、アイマスはちょいちょい行ってました。

で、双方の文化圏のマナーの違いに本当に混乱して。

一番迷うのが、サイリウム・ペンライト文化。自分の経験にないアイテムだったので、どう使えばいいかよくわからなかったのが初期。あとこれだいぶ前も書いたけど、サイリウムを振るのが前ノリなのを身体にあわせるので戸惑う。スローな曲の捧げもわからなかった。

アニメ系、アイドル系のサイリウム文化はほんと、オーケンも書いてたけどガラパゴス化していて、すごく日本の中でも特殊。

 

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一方でロック圏はノーボーダーな場合が多いものの、J-ROCKはガラパゴスがあるというか、もっといえばバンドごとに地方ルールがあったりする(メンバーがどうこうっていうより、ファン側のノリ)。これはなれると楽しいんだけど、一見さんには厳しい。お約束モッシュとか喧嘩になりそう。

クラブミュージックはあんまりルールがないと思うんだけども(ふらっと入ってこそだと思うんだけども)、テクノハードコアを00年代追っかけてきたので、今のEDMなノリはよくわからない。

 

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で、キズナアイのライブはがっつりクラブミュージック。曲作っている人たちがクラブミュージック一線の人たちばっかりだから、本物も本物。音はゴリゴリです。

大阪のライブはTeddyLoidとかがガッツンガッツンの、キックと低音効いた音出している中、サイリウムがキラッキラしている。

ほえー、ってなった。そっかー、そういうことなんだよなあ。シンギュラリティ。

サイリウム文化とかクラブ文化とかを分けて考えている自分が頭固いのであって。

場はそんなのは関係なくなっている。他のオタク系・アイドル系音楽もそうなのかなあ、だいぶ前からかもなあ、J-POPはそういやたまにサイリウム振ってるよなあ、変化を知らないだけだったのかなあ、なんて思ったりする。

 

閉鎖的かどうかは別として、ガラパゴスだったのはぼくの感覚的にやっぱりあったわけで。

もしオタクじゃない人がアニメ系ライブに来たらどうするんだろう?

というのはぽわぽわ頭にありました。逆も同じ。でも今はオタクっていう枠が、そもそも融解してきてるんだよなあ。

 

最近キズナアイは、VTuberとのつながり以上に、リアルYouTuberとの接触を意図的に増やしてる。正直知らないYouTuberの話がひょいひょい出てくる。慌てて検索してます。

クラブミュージックもYouTuberもオタクも何もかも橋渡ししていくキズナアイ親分。次はお茶の間に当たり前のように現れて、おじいちゃんおばあちゃん世代への壁も壊していってほしいなあ。そうしたら、初音ミクが越えきれなかった地平を見られるね。

 

VTuber界隈はクラブミュージックとヒップホップが目立ちます。マイナージャンルをやる上ではかなり強い場所だと思うので、音楽やっている人はどんどん参入したらいいなー。

残響レコードを思い出す、オルタナオリジナルをやっているmemexが最近とても素敵。

プログレVTuberもいたような。メタルはいたかなあ? もしライブやったら、ロックとサイリウムが混じり合っていくんだろうなあ。次はロック・J-POP寄りの、樋口楓のライブの光景が楽しみ。生バンドなんだよね。


memex / Cloud Identifier: 集合知に偏在する残滓による自意識の再構成

 

一方で、月ノ美兎なんかはディープなオタクにどんどん訴求するのが面白いネットの申し子、逆シンギュラリティなので、そっちの深化はとても気になる。サブカルの口伝者的な。

バーチャルアバターとお洋服とコギト・エルゴ・スム

ほんと、皇牙サキっていう黒ギャルVTuberはすごいよ。先を見通しながら、ひとつずつ噛み砕いて言葉にする能力が高い。バーチャルのあり方についての考え方が深い。ものすごく影響受けてます。

まずはこの記事読んで。

www.pixiv.net

負の感情に対して考え方のパートは、とても生々しい。最近VTuber界隈は、負にとらわれがちだしね、見ている側もやる側も。その負の状態をおもちゃにされるだけは悔しいから、バリバリ進んでほしいと願うばかり。

んで、「自分って何者なんだろう?」の部分は、本当に「バーチャル」に向き合う時にややこしくて、大変なポイント。

 

ぼくは、サブカルチャーにどっぷり浸ってきて、VTuber文化面白いなーと追いかけ続けているんだけど、「じゃあVTuberになれよ」とよく言われるんだけど、なってからすることがないんだ。

今こうやってブログなり商業誌なりウェブメディアなりに、思いっきり書いている状態の自分が好きなので、はいVTuberの身体手に入れました、チャンネル持ちました、何出すの?と言われても、思いつかない。空っぽっていうか、仕事でも書ききれなくて追いつけない状態で、新しい身体持ってなんかできるのかって…いやー無理。時間と体力と、想像力がない。

 

それに「新しいバーチャルの身体手に入れて、お前はそれを一生使うのか?」みたいな感覚があまりにも強すぎて、無理だわーというのもあった。使い捨てとかあんまりじゃない?みたいな。でも少なくとも数年愛せるのかというと、自信はないなあ。仮に3Dの身体作るとして、それだけの時間をかける、それだけに見合うお金を払う、目指すものがあるのか?

好きなアニメ・漫画キャラクターはたくさんいるけど、それは愛しているだけで、なりたいわけじゃないんだよ。ぼくは惣流・アスカ・ラングレー城ヶ崎莉嘉が好きだけど、惣流・アスカ・ラングレー城ヶ崎莉嘉になりたくはないんだよ。

 


DJ RIO 3Dお披露目配信

ここでハッとさせられたのが、REALITYのWFLEの荒木英士さんことDJ RIOさんの活動。

以前ぽんぽこ24の「有識者会議」でお話させていただいたんですが、ぼくのモヤモヤに対してさくっと、バーチャルアバターは洋服であることを述べていました。ようは何着も持っていていいし、もっとカジュアルでいい。バーチャルになることを、覚悟するほどに重く考えすぎなくていい。

普通に働いていて、仕事に行くスーツ、学校に行く制服、外出着、部屋着、遊び着、ジャージと人間使い分ける。アバターだってそれくらいでいいんじゃないのと。

 最近荒木さんは、DJ RIOというアバターを自分のポケットマネーで作り、自分で色々設定し、活動させています。これがただの道楽じゃないのがすごい。DJ RIOの身体で登壇とか取材とか全部やっていくつもりとのこと。最初「えっ、グリー取締役が?」って思ったけど、VTuberを運営する母体になる人が率先してやらないと、バーチャルの未来は確かに開かない。目標がそっちなら、自分からやらなきゃ、ということらしい。

しびれる。

 

彼(彼女?)の発言に、ぼくの「バーチャル」観はすごく影響を受けています。

そもそも「VTuber」はエンターテイナーなわけで、みんながみんなエンターテイナーになる必要はない。「こんな身体手に入れたぜ!終わり!」で別の身体手に入れるだけでも十分。

今6000体ものVTuberがいる、多すぎる、という声はよく聞くけれども、表に出ているバーチャルアバター6000しかない、だと思う。日本人、世界の人みんなが「サマーウォーズ」のOZみたいに、別に発信するわけでもないアバターを持つようになる時代はそう遠くないと思っているので(すでにSNSが広がって、アイコン使っている時点で、バーチャルの層にいるみたいなもん)、その中の6000人は、思い切って足を進めた偉大なる開拓者ですよ。まだ一年しか経ってないぞ、どうしても焦りすぎちゃう。

だからやめたり、休止したり、転生したり、飽きたりするのも全然ありじゃないかなーって。天開司が、苦しんでいるVTuberに対して「休め!」と言っていたのがすごく印象的だった。

人生単位で考える。絵を描くのも文章を書くのも音楽の練習するのも、年単位、人生単位。なんかやるならそのくらい。嗜むなら「ライブやる気ないけど楽器触ってみた」程度でいいんだなーと。

 

その上で、洋服みたいに着たり脱いだりしたい。粗末にガワを扱うのは…と思ってたけど、自作のアバターは粗末に扱うのもありかなーと。いやそんなことは多分絶対できないけど、とりあえず作ってグレードアップするとか、後々別のものに変えるとか、もっと気楽でいい。

 

「自分って何者なんだろう?」という点では、サキちゃんのようにVTuberとして活動する熱意を持っている人はとても苦しみ、かつ強力な武器になる部分だと思う。プロ作家が技術を身につけるのと同じ。

けどぼくみたいな「お洋服買いに来ました!」くらいなら、「自分」っていうのはリアルの自分の延長(ロールプレイしない)でいい。

限りなく現実に近い生き方のまま、新しい洋服を着れば、新しい場所に行ける。それだけなんだよなあ。

となると、やっぱり「じゃあリアルな自分自身は何をしたいのか」を見つめ直すことに戻ってくる。

バーチャルは逃げじゃない。ビジュアルは自在だけど、むしろトータル的な「自分」との向き合い方には、何らかの形で発信する分、リアルより現実を突きつけられる。

リアルとバーチャルの「自己」を考えている時に、自己があることを証明できる、コギト・エルゴ・スム的な。

 

とりあえず、格ゲーで好みの女の子キャラ選ぶくらいの感覚で、アバター作りたいです。

 

ロールプレイとアバター性については、この動画が面白い。


【※重大発表※】桃乃葉さくら、バーチャルYouTuber引退します!!【Vtuber】

2018年のぼくが好きなエロ漫画ベスト15

2018年に買った中から「自分にとってのベスト15」を書いてみます。

「クオリティがいいか悪いか」「売れたかどうか」ではないです。

「ぼくの性癖にあっていたか」「印象的だったか」「面白かったか」の、完全なぼく基準です。なので圧倒的にロリ漫画多めです。

 

1位・荒田川にけい「おひさまはまわる」

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あらゆる人に読んでもらいたい、世界中の少女の性を描いたオムニバス。どんな国にも少女がいて、少女は性を知って、生きている。ベトナムが舞台のエロ漫画とか初めて読んだ。アメリカ、北欧、南国、西欧など、あらゆる場所での女の子を描く作家。今後も世界中をウォッチングしてほしい。ビターな話がちらほらあるのもいい。こういうすっきりした線のエロ漫画、好き。

 

2位・木谷椎「泡のお姫様」

ロリ漫画に振り切ってからの木谷椎作品は、神がかったものがある。快楽と人間の業とがドバドバに詰まっている。以前出た「ひめはじめ」(大傑作!)が業メインの苦い少女の性だとしたら、今回は快楽メインで、ちらっと業が見える、ビジネスから始まる性の話。でも基本明るいです。ロリは全裸が最高の衣装だろという人はマストバイ。

 

3位・ほた。「ラブみごろ。」

待望の、ひさーしぶりのほた。のエロ漫画単行本。もう温泉に行くいとこ同士の「らぶすぱ」2作品でお釣りが来る。ロリものとおねショタ好きなら満足間違いなしな、ふんわり純愛ラブコメの旗手。

 

4位・幾花にいろ「幾日」

去年の話題性で言ったらトップクラスなんじゃないかなあ。恋愛漫画という枠の中のエロ漫画、という感じの作品。すれた感じの女性たちとの心の触れ合い、からのえっちが最高にときめく。今は「楽園」でも連載してますね。

 

5位・アズマサワヨシ「あやかし館へようこそ!」

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ロリババアもので純愛ストーリーが見たければ、これ! 一冊かけて人間と鬼の心の通い合いを描いた、長編作品。エロシーンはテクニカルなのとピュアなのが混じっていて、本能と恋心が入り組み、関係が育っていくんのがとてもいい。

 

6位・逆又練物「小悪魔☆アラモード」

女の子があっけらかんとエッチ大好きで、男を食らっていく様子が大変心地いい。セフレの射精訓練する話と、童貞大好きJSの話がとてもサキュバスめいていていい。逆又練物は「デジタルぷにぺどっ!」7巻の「ナイショのおふろやさん」もよい。

 

7位・サガノユウジ「いろづきおとめ」

めーちゃくちゃ絵が好きです。丸みがあって、柔らかみも感じられて、それでいて線がシンプルでしっかりしている。「夏の戯れ」の叙情性とエロスのバランスは、田舎少女ものエロ漫画としても究極の理想形だと思います。

 

8位・RECO「てんぷてーしょん」

RECOの描く胸って、巨乳でも貧乳でもなくて、美乳なんですよ。柔らかいけどはりがあって重みもあるけどふんわりしている。ジャストサイズのおっぱい好きには断然おすすめ。全裸の接触がキモチイイ「えっちごっこ」は名作。

 

9位・チグチミリ「ふくらみかけがお好きでしょ」

ロリマンガって、お腹の膨らみが重要だと思っていて、そのイカ腹までいかない、「幼くて肉付きがよくないけどついている肉」みたいなアンバランスさへの追求が凄まじい。心底女の子がエッチ好きそうなのが、読んでいて楽しい。

 

10位・Hamao「温かくて柔らかくて」

タイトルじゃないけどHamao作品はどれもこれも温かい気持ちになれるから好き。純愛エロ漫画を誰かに勧める際、安心して手渡せる作家の一人。働く奥さんと主夫の旦那の夜の生活を描く「メヌエット」は読み終わった後、幸せしか残らない充実感が得られます。少年少女から大人まで、描き分ける作家だなーと。

 

11位・スミヤ「Grand Hotel Life」

ホテルを舞台に、色々な男女の性模様を描く「Grand Hotel」シリーズは、ホテルだからこそのびのびする人間たちの様子が盛り込まれていて、あらゆるものから解放されているのがとても気持ちいい。スミヤ作品は割とみんなリア充で、かつ嫌味がなく楽しそうなのが好き。

 

12位・あきのそら「姉季折々」

異世界からやってきたお姫様がちんこに刺さる姉季折々シリーズもコミカルで面白いのですが、褐色微少女異母妹とのラブラブを描く「海びより」を始めとした、思春期少女ものでの本領発揮っぷりが尋常じゃない。巨乳物も多く描いてるんだけど、最近ちょくちょくゼロスで少女物を描くようになっているので、今後大いに期待。

 

13位・武藤まと「こあくまは小動物」

かわいいを極めたエロといえば武藤まと。けもみみ少女たちがまとわりついてきてえっちを求める様子も、愛を求める様子もキュート。けもみみを求める場合って「かわいい」が目当てだと思うので、それをつきつめた武藤作品は読者層の的のど真ん中じゃないかなあ。

 

14位ノジ「お兄ちゃんの抱きまくら」

同人は読んでいたんだけど、商業に移ってからの絵柄の変化で驚いた。最初「下書き?」とすら思うほど、ダイナミックで大胆すぎる線の引き方。読んでいくとその線がとてつもなく生々しくて、リアルではないけど性感を刺激することに気付かされました。この表現手法は見ないとわからないやつ。

 

15位・emily「恋愛スペシャリテ

 ほそーい身体のラインの表現が抜群にうまい。胸は大きいんだけど、抱いたらおれそうな女の子を見たかったらこの作家さん。セックスで終わらず、そこを通じて、結婚したり、身ごもったり、時に別れたりという人生の幸せと哀しみにちゃんと向き合っている。

 

 

雑誌はKomifloとDMM電子書籍のおかげで、結構読んだ年だったと思います。本当にKomiflo偉大。もっと色んな雑誌参入してー!ワニマガ大好き。

ロリ方面は、LOがクオリティも多様さも増えてきて面白い時期だと思ってます。あと「デジタルぷにぺどっ!」がいい。木谷椎やあ~る・こが作品を中心に、ロリ漫画家がじわじわ集まっている。そことMateLは、独自ロリマンガ層作ってるなーと。

あとは「BAVEL」。前から安定したクオリティの雑誌だったんだけど、幅を大きく広げ、保ちながら作家と共に育っているのが本当に好み。ロリ枠と少女枠をちゃんとわかってやっているのがいい。

逆に売れ線ストロングスタイルエロ漫画をあんまり読めていないのはよくなかったなーと。超絶クオリティでも、巨乳は怖くて、なかなか読めない…。

以上です。