声優・VTuber・覆面配信者・実況者やYouTuber、という境界線。
VTuberってなに?というのは、意外とやはり知られていない。キズナアイみればわかるよねといいたいところだけど、ネットの中では「有名だけどメジャーではない」分化が数多くあるからです。
その一つが、歌い手文化と、本人の顔が出てない配信系文化。ゆっくり実況もそうかも。
VTuberに対して「中の人は?」「声優は?」という質問が悪気なくでてくるのもそう。VTuberには魂はあっても「中の人」はいないというのが基本なんだけど、そんなのわからないよね。声出している人いるんでしょといわれたら、そうだけどちがうんだよ、では納得してもらえない。
ということで、ざっくり考えてみました。だれかちゃんとまとめて。
先にツイートをふたつ。
P丸様とかすとぷりとか、絵としてのキャラはあるけど、YouTubeでは自分を出していて、その上で基本顔出しはしないYouTuberスタイルを、どう考えるかとても難しい。一応ぼくは「VTuber」「仮面配信者」「YouTuber」でわけてる。歌ってみたも顔だしているかどうか、自身か否かでこの3つに分ける。目安。
— たまごまご・オブ・ザ・デッド (@tamagomago) 2019年1月17日
で、キャラクターありきで演じていると名言していれば「声優」、キャラクターに対し人間が魂として一体化(イコールになる)するのが「VTuber」、自分を表に出してそのお面に絵をかぶるのが「仮面配信者」。これが今だと説明しやすい。仮面配信者の界隈は、歌ってみたともかぶって、結構でかい。
— たまごまご・オブ・ザ・デッド (@tamagomago) 2019年1月17日
・声優
なんらかの「キャラクター」の声を担当する、という扱い。なので声優の発言は必ずしも声優の意見ではなく、演技です。そして声優は声の再現するのが仕事。だから、入れ替わることもあるし、しかたないこと。人気がなければカットされるけど、それは声優のせいではない。他の兼任も多々。
バーチャルキャラクターは自分自身の「アバター」なので、それをわけることは不可避。いわばペンネームを語っている人に「本名はなんなの?」とずけずけ聞くようなもの。ペンネームが、アバターがその人そのものです。だからその人が死ねば、アバターキャラクターも死ぬかもしれない。逆にアバターキャラクターに飽きたり、問題があったら、着替える権利もある。魂が色々な服を着ていると思いねえ。攻殻機動隊の草薙素子が色んな素体に入るのに似ている。
VTuberに「中の人」というのがご法度なのはこのへん。だって表にでているのが「本人」だから。あえてメタ的にいうならば「魂」と言いましょう。VTuberへの暴言や性的目線は、そのまま本人につながっていく点に注意。
・仮面配信者
歌ってみたやYouTuberなどでも、自らの姿をイラストで表現して、顔を出さない人がわりと大きな文化圏になっています。これなかなか大人社会に見えないので、すごく体系化しづらい。ニコニコとYouTubeに多い。
これらを、「仮面・覆面配信者」と名付けます。わかりやすいのは、P丸様。や、すとろべりーぷりんす。名前はあるし自画像もある。自分のやりたいこと優先で、ロールプレイはない。ただし何をやっても顔はださず、イラストで完結させる。
ここがVTuberと混乱させられがちなところですが、自分を優位にだす「お面」か、キャラクター性やアバターを前面に出す「きぐるみ性」「義体性」の違い。並べれば一発で分かると思います。
・なりきり
一時期ネットではやって、最近ちょっとだけまたリバイバルしている、TRPG的な「キャラクターに鳴りきってロールプレイする」もの。本人が「演じる」のが大きい。このへんから「自分がこれになりたい、これで人生を作りたい!」となったらVTuber化。あくまでも遊びだとなったら、覆面配信者。
・実況者、踊ってみた、YouTuber
顔出しで「俺・私」をガンガンだしてアピールしていくのは、YouTuber族。今まで上げたものと明らかに層が違うので、これはわかりやすい。
分ける必要ってないっちゃないんですが、外部からみた人が混乱するから簡単にまとめてみました。
特に仮面配信者とVTuberの境界線はあまりにもわからない。
と考えるとすっきりまとまるんじゃないかなーって。
また考えたら足します。
桃井はるこはすごかったっていうメモ
たまたま、僕がかなり昔にしたツイートをRTしたのが目に入って、それを見て「うぉっ」ってなった話をメモ。
別冊spoon.のモモーイとすみぺの対談読んだけどこれ本当にいいよ!客観的に言われるサブカルは自分たちの好きなもので、人に笑われるものだったりするけど、売上とかメジャー志向に流されず自分の好きなものを追いかけようよ、やるなら徹底しようよと。上坂すみれプロジェクト、楽しみです。
— たまごまご・オブ・ザ・デッド (@tamagomago) March 2, 2013
桃井「男のオタクの人ってかわいい女の子と付き合いたいわけじゃなくて、可愛い女の子に自分がなりたいんですよ」「だから性別っていうのを超越した存在なんですよ、オタクって」 あああ、わかる、わかる、わかる。
— たまごまご・オブ・ザ・デッド (@tamagomago) March 2, 2013
何で聞いたか忘れたけど、桃井はるこの言葉ってまさにいま、男性が美少女になりたがっているVTuberのあれこれそのままなのでは…。先見の明どころじゃないですね。これツイートしたころは、考えもしなかったわ。
美少女になれる時代来ちゃったからなあ。
何かで使いたいので覚えておくために記録しておきます。
キズナアイ、ガラパゴスを渡る
ニコニコのタイムシフトがギリギリだったので、キズナアイの大阪ライブを見ました。
巨大モニターの中で歌い踊るキズナアイっていうだけでも、ああ素敵だなあという感じなのですが、それよりもゴリゴリのクラブミュージックがかかる中で、サイリウム(ペンライト)の光入り乱れているのがすげえなあーと思ってみていました。
ここ何年か、ライブ類に行っていません。いやもう単に忙しい+元気がないだけなんです。その前は、小さな箱から大きなステージまで、ロック・ジャズ・クラブ、割となんでも行っていました。フェスは一年の楽しみのごとく、ライジングサンとジョインアライブによく行ってた。
アニメ・ゲーム系は、アイマスはちょいちょい行ってました。
で、双方の文化圏のマナーの違いに本当に混乱して。
一番迷うのが、サイリウム・ペンライト文化。自分の経験にないアイテムだったので、どう使えばいいかよくわからなかったのが初期。あとこれだいぶ前も書いたけど、サイリウムを振るのが前ノリなのを身体にあわせるので戸惑う。スローな曲の捧げもわからなかった。
アニメ系、アイドル系のサイリウム文化はほんと、オーケンも書いてたけどガラパゴス化していて、すごく日本の中でも特殊。
一方でロック圏はノーボーダーな場合が多いものの、J-ROCKはガラパゴスがあるというか、もっといえばバンドごとに地方ルールがあったりする(メンバーがどうこうっていうより、ファン側のノリ)。これはなれると楽しいんだけど、一見さんには厳しい。お約束モッシュとか喧嘩になりそう。
クラブミュージックはあんまりルールがないと思うんだけども(ふらっと入ってこそだと思うんだけども)、テクノハードコアを00年代追っかけてきたので、今のEDMなノリはよくわからない。
で、キズナアイのライブはがっつりクラブミュージック。曲作っている人たちがクラブミュージック一線の人たちばっかりだから、本物も本物。音はゴリゴリです。
大阪のライブはTeddyLoidとかがガッツンガッツンの、キックと低音効いた音出している中、サイリウムがキラッキラしている。
ほえー、ってなった。そっかー、そういうことなんだよなあ。シンギュラリティ。
サイリウム文化とかクラブ文化とかを分けて考えている自分が頭固いのであって。
場はそんなのは関係なくなっている。他のオタク系・アイドル系音楽もそうなのかなあ、だいぶ前からかもなあ、J-POPはそういやたまにサイリウム振ってるよなあ、変化を知らないだけだったのかなあ、なんて思ったりする。
閉鎖的かどうかは別として、ガラパゴスだったのはぼくの感覚的にやっぱりあったわけで。
もしオタクじゃない人がアニメ系ライブに来たらどうするんだろう?
というのはぽわぽわ頭にありました。逆も同じ。でも今はオタクっていう枠が、そもそも融解してきてるんだよなあ。
最近キズナアイは、VTuberとのつながり以上に、リアルYouTuberとの接触を意図的に増やしてる。正直知らないYouTuberの話がひょいひょい出てくる。慌てて検索してます。
クラブミュージックもYouTuberもオタクも何もかも橋渡ししていくキズナアイ親分。次はお茶の間に当たり前のように現れて、おじいちゃんおばあちゃん世代への壁も壊していってほしいなあ。そうしたら、初音ミクが越えきれなかった地平を見られるね。
VTuber界隈はクラブミュージックとヒップホップが目立ちます。マイナージャンルをやる上ではかなり強い場所だと思うので、音楽やっている人はどんどん参入したらいいなー。
残響レコードを思い出す、オルタナオリジナルをやっているmemexが最近とても素敵。
プログレVTuberもいたような。メタルはいたかなあ? もしライブやったら、ロックとサイリウムが混じり合っていくんだろうなあ。次はロック・J-POP寄りの、樋口楓のライブの光景が楽しみ。生バンドなんだよね。
memex / Cloud Identifier: 集合知に偏在する残滓による自意識の再構成
一方で、月ノ美兎なんかはディープなオタクにどんどん訴求するのが面白いネットの申し子、逆シンギュラリティなので、そっちの深化はとても気になる。サブカルの口伝者的な。