たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「立喰師列伝」をみてきた。

公式はこちら。
「押入れでぶつぶつ2時間押井監督の独り言を聞かされる映画」という人も「色々な笑いの要素を詰め込んだエンタテイメント」という人もいますが、「どっちも正解だなー」と思いました。
面白いです。とても。
ただし、「誰にすすめようかな」と思ったときすすめる人がいないという罠。ものすごく人を選ぶ映画だわ。
押井守という人を知っている人
・押井作品(パトレイバー攻殻ビューティフルドリーマーなど)を見た人
・言葉を並べて遊ぶことが好きな人
・人の顔見てその人が何考えてるのか妄想するのが好きな人
・映画やアニメの小ネタが気になる人
・「昭和」という時代が好きな人
「ミニパト」が大好きな人。
どれか、ではなくて、この中の半分当てはまる人じゃないとなかなか見ていてつらいかもしれません。
逆に、半分当てはまればかなり笑えます。「マッハ軒」「冷やしたぬき」「犬丸」と聞いて「ぶっ!」と吹いたらもう全部見るしかない!いやまじで。
押井作品をひとつでも見たことある人ならわかると思いますが、思いをあらゆる角度からあらゆる言葉でつむいで延々と語る独特なナレーションが特徴です。それが「ミニパト」以上にびっちりと、沈黙なくぶつぶつぶつぶつ・・・と語り続けられます。きちんと聞くとネタがびっちりつまっているので、ファンにはたまりません。たまらないんです。少なくとも自分は!
・・・だからすすめられないwファンじゃなければ拷問かもしれません。暗い映画館(見た映画館が40人までという教室のようなサイズ。狭い!)で、暗い画面にぼんやりと浮かぶ人物の顔がどんどん近づきながらこつこつと思いを語る。その空間の異常さたるや。イイ!!!
写真を取り込んでそれをアニメーションさせるという手法をとったこの作品、なんだか不思議ながらも、この方法じゃないとこの作品は映画化できないだろうなー、と思いました。公式のキャストを見ればわかるのですが、河森正治マクロスのデザイナー)、寺田克也バーチャファイター2のイラストレーター)、樋口真嗣エヴァンゲリオン参加、ローレライ監督)と、ある意味マニアックなそうそうたる面々。そのほかにもなんだか内輪な人たち(業界ではすごい人たち)が次々登場。とはいっても、写真。だから一人の撮影には長くて1時間、短い場合は10分だそうです。見てもらえばわかるのですが、面白い人がちょびちょびと出てきます。「ネガティブハッピーチェンソーエッジ」の滝本竜彦さんが一瞬だけ出てたときは「ぶっ」と吹きました。
狭い館内だったから、ってのもありましたが、みんな「わかって」見に来ているので、笑いの絶えない映画になりました。実際、面白いネタ満載です。あとはある程度予備知識があるかどうかかも。
ところで、「月見の銀二」役の吉祥寺怪人さんが、不思議すぎです。どんな人なんだろう? 

知っておくと便利な元ネタなど。(野良犬の塒)
ヤッターマンヤットデタマンにもう立喰いでてたんですか!?うわあ、本当に立喰い人生。
うる星やつら」の牛丼は比較的有名。牛丼っていわれたらキン肉マンが先に浮かびますが。先ほども書いた「マッハ軒」は「ビューティフルドリーマー」のソバ屋。「犬丸」は「御先祖様万々歳」。「冬の冷やしたぬき」は「機動警察パトレイバー」の「その名はアムネジア」ですね。太田がソバについてこつこつと怒っていました。トワイライトQ、紅い眼鏡はレンタルで見つからないので見てません;;
 
押井守監督が立喰いのプロについて語る。
なるほど、言われてみれば確かに面白おかしいつくりにはなってますが、そこには陰鬱とした昭和の膿が押しても押してもぶにゅぶにゅ出るかのように描かれています。
某雑誌の押井監督対談からちょっと抜粋。
「言っちゃえば総パクリなんだよね。そういう観てきた映画への想いなしで、映画は作れないから。」
色々なオマージュ・・・いや、パクリが映画各所に出てきて面白いので、それも見所。逆にこうやって言い切れるのは大事ですね。好きな映画への愛を感じます。「テコンV」の監督に聞かせたい。
 
幻の企画書
えーと、読んでもあんまりわかりませんでしたw
名前しかでてこなかったクレープのマミも観たかったなあ。
 
原作本もあるようです。
さらに濃いらしい。どんなのなんだろう・・・読みたい・・・。
 

本当だったのか!!!うわー、もう単純に楽しみだー。