たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

女は鞘、男は刀。そしてまずはぱんつだ! 鈴木恭太郎「ブレイドブレイカー」

 
鈴木恭太郎先生の「ブレイドブレイカー」にいまさらながらドはまり中でして。
まあ、名前と絵からして鈴木狂太郎先生であろうことは間違いないです(一応公式発表されてないので仮)。
 男性と少女の組み合わせ、ぱんつへのこだわり、貧乳ガリガリ体型の少女へのこだわり、ヒートアップする物語描写。
それならもう面白くないわけないと思ったら、やっぱり面白かったわけですよ。
物語も王道でありながら変化球を入れていて面白いんですが、何と言っても執念にも近い少女描写が最高でしてね!
描きたいものを全力全開で描いている、という詰め込みっぷりが心地良すぎる、濃縮して還元しない濃厚作品ですよこれ。
 

●女の形の、鞘●

この作品の一番の凄さは100の言葉でも語り尽くせない、見開きの鞘からの抜刀シーンにあると思います。
たくさんあるのですが、そのうち一つを引用してみます。

このサイズではすごさ伝わらないなあ……もうね、ページ開いた時に、少女の体からヌルっと刀が出る瞬間のエロティシズムと殺気! まずはそこが最大の魅力です。
 
人の血と怨念を吸いまくった刀は妖刀としてこの世界に何本も存在しています。
しかしそれでは妖刀は暴走して人を狂ったように殺し続けることになってしまう。
それを沈めるため、「鞘」として作られた女性が体の中に妖刀を納めている、というのが大まかな概要。
作られた理由は、妖刀を封印するか破壊するため。
自分ではその妖刀は取り出せないので、武芸の達人を主として味方につけ、妖刀を使わせる、という仕組みです。
 
鞘になっているのが少女だけではなく女性全般であるのが面白いところ。逆に言えば男じゃだめなんです。
見ていただけば分かりますが、納められているのは子宮なんです。
このへんはイメージと感覚重視なので、細かい設定とかはまだ明らかになっていません。腹に子を宿すように妖刀を女が納めており、それを破壊するか封印するために男達が戦う。
 
もーあれですよ。
上のようなシーンを描くがためにこの作品は存在していると言っていいくらいですよ。
男と少女の表情のコントラスト、最高ですね。
体から武器が出る・体が武器になるという物語は他にも色々ありますが、この作品は「女という鞘」「男という刀」にこだわりまくっているのが特徴。
上に出てくる「満天の藤」と言っているのは、主である藤堂貴俊と鞘である藤乃。主人公達のライバル的存在で、妖刀について最もよく知っている、道具としての妖刀を使いこなせる人物です。

一方こちら主人公の大森大樹と桜。
桜は傍若無人でわがままで強引な性格。ロリババァ好き必見でございます。
大樹は逆に一般人極まりないような見た目の人間。「なんでオレが」パターンに見えますが、実は彼が主に選ばれたのには相応の理由がありまして。
 
大樹には相手の敵意や悪意や殺気が見えるという特殊能力があります。
いわば、戦いにおいてはチート能力ですよ。相手の動きが全部先読みできるんですもの。
そんなわけで、戦闘能力は0に近いですが、避けることに関しては抜群すぎるほどの能力を持った彼が選ばれたというわけです。
 

●一番まともで、一番狂った主人公大樹●

一巻の最初の時点では妖刀の存在、鞘である桜のキュートな強引さ、大樹の能力の便利さが強すぎて、非常に都合のいい物語に視えるかもしれません。
しかし一巻後半に近づくにつれ、「満天の藤」コンビが運んでくる妖刀の本当の力の真実に迫り、二巻になって一気に桜が、大樹が何を背負ったのかの緊迫感が張り詰めはじめます。
 
正直二巻の途中までは、「殺気を見ることのできるチート持ち」程度で、他の殺意溢れるキャラと比べて毒にも薬にもならないゆるいキャラに見えるんですが、それこそがこの作品の一番の猛毒だったりします。

一巻の一番最初の方のシーンより。
殺気や悪意が「見える」じゃなくて「見えてしまう」んですよ。
これがどれだけ大樹という人間を蝕んでいるかって話ですよ。
人間の悪意がみえればそれだけ争いを避けて、事無きを得る手段をとることも出来ます。戦いの矛先をそらすのは戦闘中だけではありません。
しかし同時にそれが運んでくるのは、強烈な人間不信。
二巻時点ではまだその本当の姿が見えていませんが、おそらく今後彼の人間不信がいかに凶悪な物語を運んでくるかが浮き彫りになってくると思います。
 
妖刀はただの刀ではありません。触れた物を豆腐のように切り裂く、触れただけで人間程度ならまっぷたつ。鋼鉄だろうが大地だろうがたやすく切り刻みます。この切り裂きっぷりは、かなりグロ表現もありますがあまりにも見事なので、一見の価値ありです。
ミサイルやマシンガンなんて目じゃないくらい、洒落にならんシロモノで、国家レベルで監視される妖刀たちと鞘たち。
主として認められた人間はたいていは道具として鞘と妖刀を使うらしいのですが、大樹をはじめこの作品に出てくる主たちは彼女たちを「道具」として扱いません。
先程の「満天の藤」にしろ、大樹にしろ、非常に丁寧に鞘である少女達を扱うんですよ。他にも何組かのコンビが出てきますが、みんな鞘を一人の人格を持った者として尊重しています。
人の形をしているということは、そういうことなんです。情がわき、主として命を賭して妖刀を守る。
 
ただし、大樹の桜への情の入り込み方は異常です。
人間不信だった大樹が人間ではない、そして真に慕ってともに戦っている桜に情がわかないわけがない。
ここからの結末が何を産むのか分かりませんが、さらなる惨劇は間違いなく生まれるでしょう。

二巻ラストではそれをこじらせてしまった、妖刀の封印と破壊を阻止して鞘を守らんとする「鬼一の睡蓮」チームが登場。
人の形をして感情を持った鞘と、人間的感情を失っていない主が、現代兵器が束になっても叶わないほどの力を手にした時にどうなるのか?
このへんの狂い具合、ジェットコースター的に加速していくので、物語の細かい点とかを理解するよりも先に、彼ら・彼女らの心理状態にぐいぐい引きこまれていきます。
鞘少女から出てくる刀の描写が最大の見所だとしたら、人と鞘の心の絡み合いと血塗られた道もまた大きな見所。
あわせて、不老の体を持って長きに渡る苦悩の日々を送ってきた鞘の心情の変化も、少しづつですが見え隠れしているのも気になるところ。
 

●それよりぱんつだ!●

鞘は別に少女じゃなくて、大人の女性でも問題ないんです。
実際、大人の女性の鞘も登場します。
しかし、執念のオーラ漂うほどに少女描写が細かいのは見逃せません。
大樹に殺気が見えるなら、読者にはこの本からロリオーラが見えるはず!
 
やはり男性と少女っていう組み合わせ、すっごい映えるんですよね。
主とはいえども、お互いが守り守られ、ともに戦う共闘関係ですもん、そりゃかっこいいわけだよ。
で、子宮付近に刀をしまっている、ここポイントです。
つまりどういうことかっていうと。

こういうことだよ!
少女たちはスカートをめくり、ぱんつを顕にしてへそを差し出す!
うん、間違いない。
本作のもうひとつの魅力は、ぱんつである。
もうね、ぱんつへのこだわり尋常じゃないですよ。見える時は見える、むしろ見えるアングルを選んでいる、という徹底っぷり。
また、少女たちみんな骨ばっていて、すっごい細くてもろそうなのにめちゃくちゃ動くんですよ。ぱんつ見せて。
 
また、履いているぱんつのデザインもこだわりが深くて深くて。
フリルの一つ一つに魂こもってます。シワの一つ一つに念こもってます。
薄くて柔らかそうなおしりとぱんつのコントラストと少女の筋肉に、執念を感じます。
妖刀が怨念を吸って生きてるなら、このマンガぱんつと戦闘シーンへの情念吸ってますよ。

鞘少女も色々バリエーションがあって、こういうちょっと育ちかけの子もいます。
いいね!
多分姿は成長せず、永遠にこのまま固定だと思われます。
いいね!
このコンビもまた「ともに戦う」という、道具としてではなく戦友として鞘を扱っています。
にしたって刀を取り出す際におっぱいもまなくてもいいだろうとか思いますが、正直この育ちかけのおっぱいはもみたくなるので仕方ないな!
ちなみに桜には揉むおっぱいすらありません、カバーをめくると乳比べが掲載されていますが、桜は「NON」サイズ、藤乃は「AAA」サイズ。
いいね!
 
まあ、マンガにおける真剣勝負描写は非常にセクシャルであることが多いですが、まさにそれを地でいっているような作品です。
このへんの熱さとエロティシズムの盛り込み方はエロマンガ時代から一本通っているどころか、さらに洗練されている気がします。
改めて「ここが見所」といったところが多すぎて、本当に濃すぎるくらいに作者の描きたいものの魂の咆哮が詰まった作品です、読んでいるだけでテンション上がりまくります。
テンション上がるポイントは、戦いかもしれないし、抜刀シーンかもしれないし、残虐シーンかもしれないし、貧乳かもしれないし、ぱんつかもしれません。
いやあ、実においしいご馳走のような作品、今後他の鞘と主達がなにをしでかすのか楽しみです。
 

主人公の大樹と桜が、抜刀時に指絡め合っている細かさがキュートにしてセクシャル。死を見てきたた者達の心の通わせ愛です。
個人的にはドSっぽいえらそうな幼女桜もいいんですが、青髪の従順少女藤乃と藤堂コンビに惹かれます。何気に可愛がられてる感じがねえ。パフェ食べさせてもらってるシーン大好き。
加えて、こんな無茶苦茶に強い妖刀、さらにシューティングで言うところの「ボム」みたいなのも持ち合わせています。
ゲーム的な駆け引きとして読むこともできる、良質エンタテイメントです。