たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

百合「的」作品をちょっと分類してみた。

以前とりあげた「百合」の話を見てくださった人が多いようでとてもうれしいです。たまごまごです。みんな百合百合しようゼ。
ところで、「「マリア様がみてる」と百合作品の歴史」というこちらのサイトの題名を引用させていただいていました。それがそのまま他のとこでうちの記事の題名として紹介していただいてしまったようですが、混乱させてしまう書き方にしたことに深くお詫び申し上げます。
 
それにしても百合作品については語っても語りつくせないくらい好きで好きでたまらないのですが、そのへんは個々の感想などで書くとして、せっかくの機会なので少し「現在の百合的作品」と言われやすいマンガ・アニメを自分流にまとめてみようと思います。
たとえばBL作品、とくくった場合比較的「ここからここまで」って線びきしやすいと思います。たとえば「好きなものは好きだからしょうがない」なんかははっきりと「BLです」とわけれますが、「テニスの王子様」は、確かに二次創作的にはやおい真っ只中なんですが、原作は決してBLとして書かれていません。(「大きく振りかぶって」はグレーゾーンだと思うんですが妄想ですかそうですか)
一方百合作品の場合、「マリア様がみてる」は百合を意識して書いていますが、「ぱにぽに」あたりは百合というには普通だし普通というには百合だし、というグレーゾーンにいると思います。このグレーがとても多いのをひっくるめて「百合的作品」と言っておこうと思います。

そのようなことを考えた上で、少しここ近年の「百合的」作品を、簡単に分類してみたいと思います。
エロの有り無しはごちゃまぜです。AVとかは百合じゃないと思うのでとりあえず除外。
基準目安値としては6点。
1、男の子中心のハーレム物ではない。
2、女の子同士の関係の描き方に力が入っている。
3、たまごまごが百合だと思った(独断デス。好きなのもそうでないのもごっちゃまぜ。)
4、アニメ・マンガなどで盛り上がってきている昨今のものを中心にする。
5、ガチンコレズモノという分け方もしてますが、あくまでも創作で百合的なものです。「レズビアン」として書かれたものは一緒にするのは失礼だと思って、入れていません。(9月3日追加)
 
あくまでもたまごまご流解釈なので「この作品はこっちだ」とかいうのは生暖かい視線でおさえておいていただけると幸いです。逆に「こんなステキ百合作品あるんだゼ!」ってのは教えてくれるとうちが鼻血を出しながら本屋に駆け込みます。
あ、リンク先はほとんどアマゾン(アフィなし直リンク)とオフィシャルです。
追記・ちょびっと追加しました。(9月2日)
追記・けっこう増量しました。(9月3日)
追記・コメント欄に書いていただいた作品を入れてみました。ちゃんと内容しらないのも多いので適当に突っ込んでます。スイマセン。(9月6日)
 
追記・「百合作品の定義ないじゃん?」という意見を見つけ、書くのを忘れていた自分に絶望した!とりあえずたまごまご的観点で記載しておきます。
「女性と認知される人物が、女性と認知される人物に対して親愛の情を描くさまを主題、またはサブテーマとして、そのようなキャラクターが出てくる作品」
まわりくどいっすね。うーん、短い言葉でうまくかけないのでまた後日。とりあえずかなり広い幅で取っていることをご了承ください。ジャンル分けはムリにする必要はないですが、自分が百合について考えていく目安、または今後人にすすめる時の目安として書いたものです。(9月13日)
追記・書いてみた。(9月13日)
追記・ちょっと追加しました。(10月5日)


ガチンコレズビアン

|・姫百合たちの放課後(小説)(森奈都子)
|・からくりアンモラル(小説)(森奈都子)
|・MAKA-MAKA(マンガ)(岸虎次郎
|・ピエタ(マンガ)(榛野なな恵

少女たちの恋愛感情

|・エスカレーション(アニメ18+)
|・処女宮(ゲーム18+)
|・少女セクト(マンガ18+)(玄鉄絢
|・サフィズムの舷窓(ゲーム18+)
|・SuperLovePotion(マンガ18+)(ぢたま某
|・全寮体験、みんなでたべて(小説18+)(鈴木忍)
|・ヤミと帽子と本の旅人(ゲーム18+・アニメ)
|・青い花(マンガ)(志村貴子
|・櫻の園(マンガ)(吉田秋生
|・Blue(マンガ)(魚喃キリコ
|・ストロベリーパニック(アニメ)
|・神無月の巫女(マンガ・アニメ)(介錯
|・セクサロイドSAYURI(小説18+)(星野ぴあす
|・SIMOUN(マンガ・アニメ)
|・ストロベリーシェイク(マンガ)(林家志弦
|・ULTRA SWORD(マンガ18+)(林家志弦
|・にくらしいあなたへ(マンガ)(森永みるく
|・アプローズ ―喝采―(マンガ)(有吉京子
|・秘密の花園(マンガ)(藤井みほな
|・くちびるためいきさくらいろ(マンガ)(森永みるく
|・最後の制服(マンガ)(袴田めら
|・絶対x浪漫(マンガ)(むっちりむうにい
|・アトラク=ナクア(ゲーム18+)

少女達の閉じられた空間の中で

|・トランジスタにヴィーナス(マンガ)(竹本泉
|・さくらの境(マンガ)(竹本泉
|・少女革命ウテナ(アニメ)
|・アカイイト(ゲーム)
|・セラフィムコール(アニメ)
|・不思議の国の美幸ちゃん(マンガ・アニメ)(CLAMP)
|・あやかし忍伝くの一番(ゲーム)
|・美女で野獣(マンガ)(イダタツヒコ
|・ホーンテッド!(小説)(平坂読
|・ことのはの巫女とことだまの魔女と(マンガ)(藤枝雅
|・初恋姉妹(小説・マンガ)(東雲水生
|・マリア様がみてる(小説・マンガ・アニメ)(今野緒雪
|・極上生徒会(マンガ・アニメ)
|・白い花の舞い散る時間(小説)(友桐夏
|・夢みたいな星みたいな(マンガ)(あらきかなお
|・ひみつの階段(マンガ)(紺野キタ
|・乙女は祈る―ひみつのドミトリー(マンガ)(紺野キタ
|・クララ白書(小説)(氷室冴子
|・おにいさまへ…(マンガ・アニメ)(池田理代子
|・降っても晴れても(マンガ)(藤村真理
|・零〜紅い蝶〜(ゲーム)

ライクとラブの間なのネ。

|・voiceful(マンガ)(ナヲコ
|・苺ましまろ(マンガ)
|・ニニンがシノブ伝(マンガ・アニメ)(古賀亮一

百合的イメージを連想させる作品

|・NOIR(アニメ)
|・舞-HiME(マンガ・アニメ)
|・舞-乙HiME(マンガ・アニメ)
|・楽園の魔女たち(小説)(樹川さとみ
|・リトル・ウィッチ パルフェ(ゲーム)
|・リトル・ウィッチ レネット(ゲーム)
|・恋水蓮(マンガ)(垣野内成美
|・ぱにぽに(マンガ・アニメ)(氷川へきる
|・ニナライカ(マンガ)(秋重学
|・メタルアジア(小説)(日高真紅)
|・MADLAX(アニメ)

友情と百合の境目で

|・カードキャプターさくら(マンガ・アニメ)(CLAMP
|・R.O.D(マンガ・アニメ)
|・丘の家のミッキー(小説)(久美 沙織)
|・蒼穹の女神(小説)(すずきあきら
|・はいぱーあんな(マンガ)(近藤るるる
|・バトルアスリーテス 大運動会(アニメ)
|・トップをねらえ!(アニメ)
|・トップをねらえ!2(アニメ)
|・カレイドスター(アニメ)
|・スパーク!!ララナギはりけ〜ん(マンガ)(もりちかこ
|・ふたりはプリキュア(アニメ)
|・美少女戦士セーラームーン(マンガ・アニメ)(武内直子
|・はやてxブレード(マンガ)(林家志弦
|・「あなたとスキャンダル」椎名あゆみ
|・魔法少女リリカルなのは(アニメ)
|・魔法少女プリティーサミー(マンガ・アニメ)
|・一騎当千(マンガ・アニメ)(塩崎雄二)

女の子だらけワンダーランド

|・東方Project(ゲーム)(上海アリス幻樂団
|・Holy Hearts!(小説)(神代明
|・鋼鉄の白兎騎士団(小説)(舞阪洸
|・萌えよ!戦車学校(その他)(田村尚也野上武志
|・鋼鉄の少女たちしけたみがの
|・魔法のトンネルSoftEther(その他)(秀和システム
|・ネコネコパンチ!(マンガ)(大見 武士)
|・かみさまのいうとおり!(マンガ)
|・ARIA(マンガ・アニメ)(天野こずえ
|・ココロ図書館(マンガ・アニメ)
|・でびるbox あくまで姉妹!(小説)(広井王子
|・がくえんゆーとぴあ まなびストレート!(マンガ・アニメ)
|・あずまんが大王(マンガ・アニメ)(あずまきよひこ
|・ひだまりスケッチ(マンガ・アニメ)(蒼樹 うめ)
|・らき☆すた(マンガ)(美水かがみ
|・トリコロ(マンガ)(海藍
|・錬金3級まじかる?ぽか〜ん(マンガ・アニメ)(がらくたはうす)
|・ガルフォース(アニメ)
|・ムクナテンシタチ(マンガ18+)(へっぽこくん
|・百合星人ナオコサン(マンガ)(kashmir
|・女子高生(マンガ・アニメ)(大島永遠
|・出ましたっ!パワパフガールズZ(アニメ)


 
例外・男性が女性化して百合になっているもの
|・かしまし〜ガールミーツガール(マンガ・アニメ)(桂遊三丸)
|・処女はお姉さまに恋してる(ゲーム18+・アニメ)
その逆
|・滅びのマヤウェル―この愛がナイフでも(小説)(岡崎裕信
乗り移り系
|・ゆみみみっくす(ゲーム・マンガ)(竹本泉) 

その他コメント頂いたもの。
hack//sign(アニメ)
ケロロ軍曹(マンガ・アニメ)(吉崎観音
ウルトラマニアック(マンガ・アニメ)(吉住 渉)

ここまで書いてアレですが、自分は脳みそとけてるんじゃないかと思いました。それでもいいんだい。
ちなみに全部を見たわけではないので、あんまりわからないのは適当に突っ込んでみました。違ったらすいません。
歴史的作品はSomethingOrangeさんが詳しいので必見。あとレファニュの「吸血鬼カーミラ」とかかしら。川端康成もなんか書いてましたね。
おそらく少女小説(コバルトとか)にはもっといぱいあるのでしょうが、そこまでは読んでません。萌え系4コマは「ワンダーランド」ゾーンのもの数え切れないくらいあるなと思い、知ってるのだけにしておきました。エロゲ方面もまだありそう。
 
こうしてみるとわかるのですが、上から下に行くにしたがって、だんだん現実味がなくなっていきます。
そして、男性向けがふえていくのもわかりますネ。
タブン横軸で「現実的←→ファンタジー」というのを作ったら、後半はほぼ右よりになると思います。
ふと思ったんですが、立体軸で「恋愛的か」「曖昧な感情か」でもずいぶんかわりそうですね。

女性視点でもしこれを見たとしたら、「女だらけのワンダーランド」付近はちょっと江戸川乱歩のパノラマ島状態だと思います。かといって、上の方のガチ物のようなリアルさやエロさもあまり求めていないでしょう(「青い花」「櫻の園」「blue」はちょっと別格)。男性でBL好きな人でも、BLのエロシーンやホモ物を見たいんじゃないのと同じですネ。
しかしギャグ百合マンガ「ストロベリーシェイク」から下は「女性向け」をかなり意識していると思います。同性から見ても「かわいい」「こういう空間見ていて楽しい」という距離感。
ではこの空間で自分もそうなりたいですか?とたずねたら、答えはノーでしょうね。百合好きの女性が女性に恋をしているかというとそんなことはない。もちろんそんなことはある人もいますが少数でしょう。あと女性社会は現実的にはモゴモゴ・・・。
どっちかというと、先日書いたように「性への抵抗感」からBLと百合はうまれると思うので、生々しい性から離れたファンタジーの結晶だと思います。結晶だから、心情描写が繊細なものほど好まれます。あと、詳しい方はお気づきかと思いますが、カップルになってハッピーエンドな作品が意外に少ないんですよね。時には百合・ビアンなのに彼氏がいたりします。そのへんの「一瞬」の世界観がこのジャンル最大の魅力。いつ壊れてもおかしくない。一部にいたっては女性であるかどうかすら意味をなさないものもあると思います。
一方男性視点から見ると、個人差はあれ上から下までアリでしょう。男性として「女の子キャラが出るから萌える」というストレートパンチな欲求はあるでしょう。特に下の方。
加えて「この輪の中に入りたい」「この心理状態に感動する」というのもあると思います。一緒にいたいんですよネこの空間のぬるま湯に。だから心情描写も大事だけど、いかにその場が楽しそうかがメインになるのではないでしょうか。もちろんこれもファンタジー。現実に飛び込みたいわけではなく、脳内で飛び込みたいのです。「かしまし」は繊細な心情描写にくわえて「あかほりさとるのめちゃくちゃワールド」+「男の子が女の子になって恋愛する」というものすごい濃度になったので、男女ともの心をわしづかみにしたんだと思います。いらない人といわれ続けた月並子先生もバランスとしては必要だったんだ!いやどうかな。
(蛇足・男性向けで百合でエロで同化していきたい願望を突き詰めると、フタナリモノになって行きそうな気がします。表中の「ULTRA SWORD」なんかはそうです。このへんは百合とまた別のお話。)
(追記・フタナリ物はどうも別扱いのようで(もちろんそういう意味で好まれる人も多いです)、百合物好きの方たちのおおまかな傾向としては「フタナリはいらないだろう」という意見が多いそうです。(コメント欄より9月8日記))
 
にしても、今の「オタク文化百合ブーム」の元祖にして中堅という感じの「マリア様がみてる」。女学校系の作品はほとんど「マリ見て」の影響から派生しているといっても過言じゃないかも!とマリみて信者乃梨子瞳子派の自分は思うのです。瞳子乃梨子でも可です。きいてませんねそうですね。
「初恋姉妹」はまあそのまんまとして(イラストも同じだし)、「ストロベリーパニック」「極上生徒会」なんかもモロ影響受けてます。百合社会をリードする雑誌「百合姉妹」「百合姫」も「マリみて」の勢いで創刊したと言ってもいいですしネ。
ただし、そろそろマリ見ての呪縛から解放された「百合」作品もでていかなければ、百合は「ブーム」のまま終わってしまう気がします。BLも確かにお約束の範囲の中での広がりが面白いのですが、それでも幅の広さがハンパじゃありません。(初期には百合以上の困難があったでしょうネ)
しかし百合はエロスな男性向けとしても市場を広げずらく、また男女とも百合スキーは比較的エロを嫌う傾向もあると思います。となると「お姉さま」からどうにも抜け出せない。かといって奇をてらったような過激な百合もあまり歓迎されない。
話ズレちゃうかもしれませんが、ゲイカルチャーや美少年小説が昔から多く存在するのに、レズビアン作品が極端に少ないのは「男が強い」という歴史背景から切って離せないのが事実のようです。仮にあってもそれは男性の描いたもので、女性が描いた作品はやはりマレ。
もし今オタク界に百合ムーブメントが起きているのなら、それがきちんとしたカルチャーになることも可能だと思うのです。それは「ファンタジー」が形になった時か、あるいは「ファンタジー」を超越した時かは想像つきません。
 
マリみて」がとても完成された金字塔であるので、それをさらに高める作品が増える縦ベクトルも自分的には望ましいのですが、さまざまな心理描写を描く横ベクトルの作品を増やしてほしいと心から願います。完全ファンタジーにした「ことのはの巫女とことだまの魔女と」や男女性別を失った「かしまし」、リアルな心情を突き詰める「青い花」などの良作が出ることを今後大いに期待します。
  
もし「百合作品すきだな」とちょっとでも思った人は、「百合姫2」に載っているタカハシマコの「タイガーリリー」を読むのを薦めます。読んでください。読んで!

最後の制服 2 (まんがタイムきららコミックス)ストロベリーシェイクSweet 1 (IDコミックス 百合姫コミックス)少女セクト (メガストアコミックス)Voiceful (IDコミックス 百合姫コミックス)es~エターナル・シスターズ 乙女と乙女の恋するコミックアンソロジー(2)
マリア様がみてる―イラストコレクション (コバルト文庫)ことのはの巫女とことだまの魔女と 限定版 (IDコミックススペシャル 百合姫コミックス)絶対×浪漫 (IDコミックス 百合姫コミックス)乙女は祈る―ひみつのドミトリー (POPLARコミックス (No.2))コミック 百合姫 2005年 VOL.2

参考
百合美少女
百合同盟
百合wiki
Kaoristics
百合ちゃんねる