たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

コックリさんについてしらべてみた。その1

子供たちが「こっくりさん」をやろうとか話していたので、もう大人になっちゃった自分は「それはやめなさいよ!」と言いました。まあ、反射的に。
「でもね、7回までは大丈夫なんだよ!」その子は嬉々として言いました「まだ5回目だから!」
何その地方ルール。
とはいえ、コックリさんの何が危険か、ってのは昔は散々語られていましたが、最近あまり聞かなくなりましたね。しかしまだ、あるんですよ実際には。昔ほどメジャーではないですが、小中学生女子には根強く人気を誇っています。
ご存知の通り、コックリさんにはさまざまな危険が含まれています。
 
交番のポスターを盗んでコックリさんをやる少女3人
そのニュースの詳しい解説
「アホだろ?」とくくるのは簡単なんですが、なぜここまでハマるんでしょうか。
あらためて、コックリさんとは何なのか、なぜ大人はそれをやめさせようとするのか、しらべてみたいとおもいます。
あ、スタンスはオカルト前提ではなく「起源」と「何が危険なのか」という形で行きたいと思います。信じるかどうかは自分次第ということで。
 
まず、コックリさんと、それに似たものをちょっと並べてみます。

エンジェル様・エンゼルさん
キューピットさん
権現(ごんげん)さん
コンコンさん
守護霊さま
スピリッツさん・精霊さん
分身様・分身さん
霊魂さん

多少違うものや、地方によって異なるものもありますが、一般論としてあげておきます。
コックリさんは恐ろしいもので、エンジェルさまはやさしい、なんていう噂もありますが、やはりこのへんも土地伝説の域かもしれません。
 
心霊術で実際に現在でも使われているものにウィジャボードがあります。

フランス語でyesは「ウィ」ドイツ語でyesは「ジャ」。つまり「yesyes盤」です。ですか?
アメリカでのイタコ、と考えればいいのかな?死者との行進や、未知なるものからの解答を求める際に行う「自動筆記(オートマティスム)」の一種です。
加えて、ウィジャとは違う形式の場合が多いようですが、元になっている自動筆記として「テーブルターニング」が伝統的に行われている、というのを付け加えておきます。
 

自動筆記かア。確かにコックリさんも「はい、いいえ」だけではなく、「誰がすきですか」とか具体物聞いたりしますネ。
基本的な仕組みは同じで、板または紙に「五十音またはアルファベット」、「はい」「いいえ」「わからない」「数字」を書きます。あと、出口(ウィジャだと「GoodBye」、コックリさんだと鳥居など)を書きます。書かないと帰ってくれないということでよくパニック状態になりますネ。加えて、恋愛系占いの場合は「男」「女」も混ぜたりします。
コックリさんやウィジャ自体は、実は一人でもできます。ただ、数人でやるとより交信するための力がたかまる、と言われています。誰が言い出したのかは定かではありません。
その他、地方ルールが非常に多いので、「自分のとこはこんなふうにやったゼ」というのは色々例がありそうですね。とりあえずうちの近所では7回までOKだそうです。ほんとかヨ。
コックリさんは10円玉、エンジェルさまは5円玉だと思ったのですが、これも地方ルールなんですかね?逆の地方もある気がします。
個人的には5円玉の穴が不気味でしかたありません。
 
キューピットさんは、恋愛関係の占いで使うことがあるようです。これも5円玉だったと思います。
「キューピットさん、キューピットさん、南の窓からお入りください」というセリフは結構あちこちにあるんじゃないでしょうか。そういえば、コックリさんは逆に「北の窓」から入るらしいですね。開けておくとか。
今はかなりやる子減りましたが、一昔前は女子はコックリさん以上にこちらに熱中したものです。
 
西洋ではウィジャですが、中国では「フケイ」という似たような占いがあるそうです。伝説上で戦争を起こす鳥として「フケイ」ってのがいるんですが、それは関係あるのかないのか?ちょっとわかりません。
これはなんと平安朝時代にすでに日本に伝来していたそうで、今とは形も結構違うのかもしれませんが、貨幣をつかって自動筆記する、という形式はすでにとられていたそうです。
 
さて、そのような形で古今東西に普及しているコックリさん。
よくマンガや小説では「キツネ」「イヌ」「タヌキ」で狐狗狸(コックリ)の意味、といわれますね。動物霊と関係している、という説もあります。
しかし、由来は実は他のところにあるようです。
コックリさん研究同好調査会報告記録
いくつか説がありますが、簡単にまとめます。

1、昔のコックリさんは傾きで占ったので、その傾き方が「こっくりこっくり」しているので名づけられた。
2、真実が伝えられる、というニュアンスで増田英作が「告理」と名づけ、それがコックリさんになった。
3、占っている最中の催眠状態が「こっくりこっくり」して見えるのでコックリさん。

学説的には「狐狗狸」は当て字である、という説が強いようです。
ただ、どうしても「狐狗狸」のイメージが強いため、そこから派生して「キツネさま」に予知をお願いするなんてのもあるみたいですね。しかし、本来のものは、動物とまったく関係がない、というのが現在の見解のようです。
 
コックリさんは輸入品
一応平安・室町時代に貨幣を使った「遊び(この場合は普通の「遊ぶ」も、神事の「遊ぶ」も含む。ちょっとややこしいとこなのでいずれしらべてみたいです)」の記録がありますが、まったくキツネたちとは関係のないギャンブル的なものだったようです。
現在のコックリさんの原型は、アメリカからやってきました。
明治17年(1884年?)、下田にとあるアメリカ人が難破し、漂着しました。
そのとき、みんなの前でお盆をゆらゆらさせながら占う実験を見せたわけです。するとみんな大驚き!(このゆれ方が「こっくり」の由来という説もあります)
さて、人に取り憑くといえば、日本人なら誰もが思い浮かべるのが「キツネ」。そこで人をだます、または神様扱いされているキツネや他の動物をまぜまぜして、「狐狗狸」さんになりました。海外由来ということで、たしかにキツネは関係ないわな。
その後大ブームを巻き起こし、「狐狗狸伝授所」なんていうお店もたつほどに。コックリさんを使った占い屋さん、ってことでしょうか。
その後第二次大戦中にまた大きなブームがやってきます。戦後はその知名度を広げ、1970年代になると誰もが知っているちょっと危険な遊びとして、一つのムーブメントにすらなります。
70年代後半から多くの派生がはじまり(エンジェルさまなど)、あまりにも子供たちが夢中になるため社会問題として取り上げられるようになります。80〜90年代にはコックリさんによる事件が多発。禁止される地域が激増しました。
コックリさんによる集団ヒステリーや発狂事件などが起きて、00年代にはほとんどの小中学校で「禁止」になりましたネ。しかし今でもこっそりと行われているのが実情のようです。
 
とりあえず概観はこんな感じ。
実際にやった人の体験談も交えて、何が危ないのかは、・・・続く