たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

南アフリカ共和国についてしらべてみた。その2

昨日の続きです。

  • 次のワールドカップですが。

さて、日本も南アフリカとまったく無関係の国ではありません。少なくともうちらレベルでは、ここのところが最も気になる人も多いんじゃないでしょうか。
次回W杯がある国・南アフリカとは?
次回W杯の準備は進んでる?

ドイツのワールドカップでも、ネオナチの暴動に備えてかなり厳重な体制がとられていましたが、それ以上に南アフリカ、特にヨハネスブルグに関しては世界各国が懸念しています。

ヨハネスブルグの中心部は、「強盗に頻繁に遭う場所」とも言われています。現在の状態のままでは、選手やサポーターが安心して行きにくいかもしれません。またヨハネスブルグ内には、治安が悪いために多くのビルやマンションが空室のまま放置され、ゴーストタウンのようになっている地区もあります。W杯を平和裏に開催して終わらせるためには、4年間で治安を改善することが重要になってくるでしょう。

ゴーストタウン(wiki)!なんかひっさしぶりに聞きますね。てっきりSFの中でしか出てこないかと思ってましたよほんと。あ、身近なとこだと夕張はゴーストタウンですorz
とはいってもヨハネスブルグのゴーストタウンは、ただ廃墟になっているわけではなく、そこが犯罪の巣窟となっている点で問題があります。
ちょっとヨハネスブルグについてしらべてみます。

  • 「世界最悪の犯罪都市」

ヨハネスブルグwiki

おやおや。大都市じゃん。
南アフリカの空港はこのヨハネスブルグにあるため、いやがおうにもこの町を通らないといけないわけです。でもこの高層ビル街見ると、ずいぶん発展した立派な町に見えますよネ?
なんて思ってたら、実際はそんなにあまくない。wikiの写真ページ見ていただくとわかるんですが掲載されている写真の下に「左に見えるバスターミナル周辺が特に危険。」の文字が。ぬへ、こんなに大都会なのに、危険なの?なんかイメージとしては白人が豪勢にくらしてる町に見えますが…。
昨日も書きましたが、かつてはこの町は白人の住む豪勢な町でした。そりゃあもう、黒人なんてあっちいけ、入ってくるな、と。しかし、アパルトヘイトがなくなった今、市街地に黒人たちが一斉に押し寄せました。その押し寄せっぷりときたら半端ではありません。移住、というより強奪、といった有様です。非力な白人達はヨハネスブルグ郊外へと逃げていきました。
そんなわけでたった数年で、ヨハネスブルグは経済の中心都市から、一転して巨大なスラム状態になりました。
いっぺんに黒人が押し寄せ、白人が逃げた町で仕事なんてあるわけないんですヨ。数ヶ月前は立派だったビルが廃墟となり、そこに住み着いて餓えと貧困にあえぐ日々がはじまるわけです。
ショーウィンドウには鉄格子は張られています。バス・電車に乗るとたいてい襲われます。夜中に女性が歩いていたらほぼ間違いなくレイプされます。
アパルトヘイトはなくなった。しかし、本当に幸せなの?
21世紀に入ってからのヨハネスブルグの惨状を、口コミ情報からちょっと見てみます。あくまでも口コミなので、一応眉唾で。
 
リアルGTA Ver.1.2
ちょっとネタ記事っぽいですが、グランセフトオートの写真を使いながらヨハネスブルグの新聞記事を載せています。
「グランセフトオート」を知らない人のために簡単に書くと、「本当になんでもできるゲーム」です。車を呼び止めて運転手を殴り飛ばし奪うこともできる。町中の人を殺しまわることもできる。いろいろな人からお金を強奪できる(しないと儲からない)。PTAからお墨付きで「教育によくないゲーム」の名を冠されました。
しかし、記事見ていただけばわかるんですが、記事の内容そのままなのが怖い。

高速道路上で車強盗発生

ヨハネスブルク在住Aさん運転の車が、高速道路上で故障、 道端に寄せて、車のボンネットを開けていたところ 突然、車強盗に遭遇、Aさんは殺された。現場付近はきわめて強盗の多いエリアであったが 警察は「いくら故障したとはいえ、車の外にでるのはきわめて無謀。Aさんの場合は、車が故障した時点ですぐ車を道端に止め、ただ単に停車しているそぶりを見せながら、ドアのロックを確認し、携帯電話で緊急連絡先に連絡してレスキュー+警察を呼ぶべきだった。Aさんにも落ち度がある。携帯電話なしで、車の運転をするのは無謀極まりない」とのコメントを発表した。

これは新聞記事に載っていたものです。2001年かな。しかし「落ち度がある」ってのも変ですね。どう考えても被害者なのに、「犯罪はあって当たり前」なんですかネ。まるで「サファリパークで車から降りるのは無謀」って言ってるみたいです。

十分歩けば百パーセント強盗に出会えると言われている。ここを通る車は赤信号でも無視するし、警察からも無視するように通達がされている。律義に赤信号で停車して強盗に殺された日本人は翌日の新聞で非常識呼ばわりされていた

赤信号で止まったら殺される街。一時停止の車を襲うことを「スマッシュ・アンド・グラブ」というそうです。
また、警官の格好をして車を止め、暴行を働く事件も増加し続けています。どこで手に入れたんだその服?と思って調べてみたら、警官もグルなのね。本物の警官が検閲をして、強盗をするという仕組み。賄賂をわたせばなんとか助けてくれるものの、賄賂を渡した時点で犯罪という、んじゃどうすればいいのよって感じです。
徒歩で歩くと殺される街。どうしても南アフリカにいくにはヨハネスブルグを通過しないといけないのですが、空港についたらそこからホテルまでは必ず車。どこかに買い物にいくにも必ず車です。止まったら死にます。

犯罪発生率は世界一、殺人事件はニューヨークの十倍、レイプは24秒に一回。この町の女性の三人に一人はレイプの経験があると言われている。レイプ被害者の半分が15歳以下の少女で、犯人の44%が教師、21%が身内である。おまけにエイズポジティブは国民の20%に及ぶ。0歳児ですらレイプされる事すらあった。というのも、アフリカでは処女とセックスするとエイズが治ると信じられているので、乳児がしばしばレイプされるのだ。

以前ジンバブエの記事でも書きましたが、とにかくエイズ患者が多い。この記事が書かれたのが3,4年前でこの数字ですが、現在では国民の3分の1はHIV感染者といわれています。そして、このわけのわからない都市伝説。0歳だよ!?どうやってレイプするんですか!?加えて教員によるレイプ事件の数の異常さを見ると、学校に行かせることもできません。なんだろうね、レイプは生活の一部なのかもしれません。

ヨハネスブルグ

数人の輩に囲まれた瞬間、すべてを強奪されてしまう。履いている靴でさえも奪われてしまうかもしれない。
挨拶代わりともいえる手荒い仕打ちを受けて初めて、厳しい南アフリカの現実を知ることになる。アフリカ人たちの置かれている立場にひたすら同情する気持ちは吹っ飛び、憎しみさえも感じることだろう。「黒人のクソ野郎!」と叫びだす人がいるかもしれない。きれいごとでは済まされない現実を、私は幾度となく経験するハメニなってしまった。
(中略)
かつて南アフリカを支配していた白人政府は、自分たちの利権や財産を増やすために、アフリカ人たちの土地を強奪し、荒れ果てた土地に彼らを隔離した。そのためアフリカ人たちの伝統的な農村社会は崩壊され、彼らは出稼ぎによる低賃金労働をしなければ生きていけない状況に置かれてしまった。

もっとも、世界のどこの国でも夜中にフラフラするのは危険極まりないんですが、ヨハネスブルグは昼間に人通りが多くても危険なのがミソ。しかも徒党をなしているので、いったん囲まれると頭のてっぺんから足の先まで全て強奪されます。容赦ないなー。それでも「命が助かればマシ」だそうです。
なんだか想像を絶するなあ。ちょっと数字でみてみます。

エイズでアフリカの平均寿命が急落
外務省・在南アフリカ在留邦人安全対策マニュアル

 最新の2003年の犯罪統計によると、殺人事件19,824件(1日当たり54.3件)、殺人未遂事件30,076件(1日当たり82.4件)、武装強盗事件133,658件(1日当たり366.2件)、強盗事件95,551件(1日当たり261.8件)が発生しています。前年に比較すると殺人及び殺人未遂事件が微減、強姦及び強姦未遂事件が微増、武装強盗事件が大幅増加、強盗事件が減少となっているが、いずれも発生件数は異常に高い水準であり、人口4,400万人に対する発生件数であり、人口比を鑑みれば我が国とは到底比較になりません。

今年の情報じゃないのでちょっと古いのですが、参考に。やはり武装強盗が異常に多いようですね。レイプに関しては先ほどのべたように「処女とのセックスがHIVを治す」と信じられているため、6,7歳の幼児を襲う事件が急増しているそうです。HIVを治そうとする暴徒のためにHIV患者数がうなぎのぼりになっているという皮肉。おそらく感染者の数も記録よりはるかに多いのではないかと思われます。
この防犯マニュアル、ものすごいボリュームがあるのですが、2と3だけでもゼヒ見てみてください。いかに南アフリカが防犯に神経を使わないといけないかわかると思います。特に3の住居のセキュリティっぷりは本当に異常。ここまでしないと住めないなんて・・・。どおりで白人たちが逃げていくわけです。
 
とはいえ、そこで生きていかないといけない人もいるのが事実。日本人もこの国にはいっぱいいるわけです。
ヨハネスブルグ日本人学校
警備・警報装置及び無線機他の設置

①学校所在地域の事情
本校が所在するヨハネスブルグは,以前は風光明媚な都市であったが,現在では治安の悪化にともない,
日本企業も北部へ移動したり撤退したりする傾向にある。また,一般道路での歩行は危険をともなうため厳禁であり,各家庭は警備員を配置したり有刺鉄線や電流鉄線を設備している。尚,本校に於いても24時間体制の警備員と電流鉄線により,強固な警備システムをおこなっている。

電流鉄線!それってほかの海外の地域では普通なんでしょうか?この学校が特殊なんでしょか?ちょとわかりません。
子供達は格好のエモノ。へたすると学校に銃を持った武装グループが進入してきて、強盗するわレイプするわの大惨事になりかねません。(南アフリカの周辺の国では、すでにそうなってる実例があります。)
行き帰りもスクールバスで送迎しているからといって気を抜くわけにもいかないです。バスジャックなんて、武装強盗グループにしてみたらお手の物なわけですし。

いやはや…たしかにアパルトヘイト政策はよくないヨ。黒人はかわいそうだったヨ。でもここまで見てきて、本当に「全員が」かわいそうなのか?って思わざるを得ません。アパルトヘイト、撤廃は正しかったのか?
 
死にたい人にお薦めの危険な街ヨハネスブルグ

84 名前:   投稿日: 02/03/14 23:17
今日の朝日の夕刊にアパルトヘイトを乗り越えて白人と黒人がともにサッカーをするようになったすばらしいことだ、という記事が出てたけど、あれって本当に物事を一面的にしか捉えてない代表例だ。
「人種差別は悪」
「白人と黒人が一緒になるのは善」
なんてナイーブな感性だ。
なぜ諸外国から非難されながらもアパルトヘイトを取りつづけたか、その理由をぜんぜん考えてない。 そうでもしなければ、社会的な安全を維持できないからだ。
差別されている人はすべからく善人だとでもいうのか。
あまりに単純な考え方だ。差別されていた人間にだって悪人はいる。むしろ、それまで抑圧されていただけに性根が捻じ曲がった人間だっているという、当たり前のことに気付いていない。

かなり極論ですが、白人側からしたら、こういうことなんですね。
アパルトヘイトよくない!」といって南アフリカに乗りこんだはいいものの、何もかも強奪されて命も狙われて、本当にその人は「よくない」と言い続けられるのかなあ?
自分はヘタレなので、多分言えません。もうどうやって生きていくのかで精一杯だと思います。それこそ「武装した相手がいるならこっちも銃を…!」なんて考えるかもしれません。が、それで黒人を撃ち殺すならば、アパルトヘイトしていた白人と同じなのかもしれません。正当防衛、という考え方もありますが、家族がレイプされ殺害された人が、恨みなしで冷静に対処できるんでしょうか?
もしかしたら、黒人の国と白人の国をわけなければ、安全に暮らせる場所はできないのかもしれません。それをわかっていて、アパルトヘイト政策が取られていたのかもしれませんね。もちろんそんなのはつけ刃でしかないんですケド。
 
無論「アパルトヘイトがよかった、戻すべきだ」とはなりませんネ。やっぱり非人道的なわけです。
少なくとも、今は反動で犯罪も増え続けていますが、黒人達の間では「少なくとも昔より確実によくなってきている!」と見ている人も多いのが事実です。今はめちゃくちゃだけど、少しずつ変わっているんだ!と。
それは日本人や白人でも同じです。

  • まだまだ深い傷跡の向こうに

南アフリカについての質問「ヨハネスブルグの治安について…」

現地ガイドの話では、南アの失業率は公表35%であるが実際は55%だそうで治安は悪化の一途を辿っているようです。(因に、アフリカに強い旅行会社「道O神」のHPでは70%近いとあります)

アフリカ全般に言える話ですが、数字はあまり当てになりませんネ。先ほどの外務省の犯罪の数も、おそらくかなり少なめでしょう。警官も犯罪にかかわってるくらいですしね。失業者数が35%と70%だと倍も違うんですが、ヨハネスブルグなどで考えるならば後者を参考にする方がいいかもしれません。

本当に危ないところはヨハネスブルグにもあるようですが、たとえばロスのダウンタウンも同じことじゃないでしょうか。そういう場所には寄らない、寄り付かない・・・夜は出歩かない、初アフリカであんまり安いHotelは取らない・・・などなど充分に気をつけてとくに、荷物ですね。持ち方やバッグの色、いでたち、言動すべて・・・とにかく目立ちますから、黒人しかいないところにはけしてわからないのに一人で入らないほうがいいと思います。
(中略)
南アフリカは素晴らしい国です。本当に素晴らしい国です。大好きな国の1つにするためにも、守ることを守って動けば大丈夫です。Enjoy your trip !!

日本は「平和」です。だからどうしても南アの異常さに目がいってしまいますが、南アは変わり続けています。それが自分らにはあまり見えません。危険なことには変わりないんだけど、他の国だって十分危ないわけです。
危険に十分気をつけるならば、すばらしい大自然の姿を見ることもできるでしょうネ。
犯罪大国南アフリカアパルトヘイトの影が作った狂気はまだ衰えることがありません。次のワールドカップには、美しく広大な南アフリカの姿が見られることを願います。あと4年でどのくらい変わるのでしょうか。
 
最後に南アフリカ在留日本人のブログを紹介します。コレ見てると南アがちょっと楽しそうに見えてきますヨ。危険さへの注意と、楽しさが写真たっぷりで載せられているので、ゼヒ。
ヨハネスブルグ滞在記@2010年ワールドカップ開催地より。
ヨハネスブルグ犯罪多発地区(Yeoville-Hillbrow)
南アに居てはいけないと思う時
チャレンジャー1号
 
オマケ
「南アフリカW杯の観戦に来るなら、命懸けの覚悟で」…男性がHPで警告
まったくもって誇張なし、ジョークなし。
ヨハネスブルグのガイドライン(神霊K・B・Y・Sが一体出た!)
こちらはパロディ。とはいえこういうネタが一般化するくらい、ヨハネスブルグは有名。
アパルトヘイトgai_loan_other「負の遺産」 南アで被ばく訴え原爆製造労働者「日本の支援を」
こんなとこにも問題出てたのね。どこから手をつければよいのやら。ワールドカップまでの4年で、なんとかなるんでしょうか?