たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

見つかる危険があろうとも、同人誌を買ってしまうそんな生活。

●よくある怖い話。●

 
ある日、いつものようにゲーセンに寄ってから、学校から帰ってきました。
すると、机の上に。
エロ本が!
エロ雑誌が年月日順に!エロマンガがあいうえお順に!
ギャー。
しかもその晩の夕飯のときに変に笑顔だったりして。
 
というのは家族と一緒に住んでいる人なら誰もがかかえる日々の恐怖です。
恋人が自分の部屋の特殊AVを見つけて…、親が自分の部屋のエロ本を見つけて…、奥さんが風俗のカードを見つけて…。ああ修羅場ラバンバ。
いかにもドラマでよくありそうなシチュエーションです。あり得なさそうでいつでも起きそうなあたり、へたなホラーよりよっぽど怖いですネ。男性ばっかりじゃないよ、女性もですヨ。
とはいえ、エロ系ならまだ普通にスルーされることも多いです。よくあるしね、年頃だしね、程度で。
しかし、オタク生活となるとこれがグワーっと一変します。エロの有無は関係なしに「あれが見つかったら!」と心臓バクバク言うアイテムやデータはそれぞれ一つくらい持っているのではないかと予想。
判断基準は「自分が不慮の事故で死んだとき、見つかったらやばいと感じるかどうか。」
 

●オタクアイテムが見つかったとき。●

親に大事にしていた同人誌を処分された!(2ch)酔拳の王だんげの方より)
今回色々考えるきっかけになったスレ。もう1年近く前の話なんですね。つりであってほしいなあと思うばかりですが、実話なんだろうなあ。
他にもこんな話も。
嫁にエロゲ焼かれた
模型を捨ててから夫の様子がおかしい(世界はゴミ箱の中に)
妻に漫画を一切捨てられました
個人的な意見は以前も書いたので、そちらを参照しておきます。
関連・あなたの捨てたものは何ですか。
価値基準なんてどうやっても合うものではないですが、なにがどうあれ許可なく捨てる時に失うものは確実にあります。
 
はて、これらのスレに出ている話はかなり極端な例ですが、オタク経験ある人なら心に「ずきっ」と来るものがあるはず。それは価値観の対立であり、同時に「明日自分に起きるかもしれないこと」であること。
隠れオタやっている人なら、友人にオタ趣味バレるのは恐怖であります。
伴侶や恋人に、なかなか理解されていない趣味にイヤケがさされるのは恐怖であります。
両親に、オタクアイテムしかもエロを見つかるのは恐怖であります。
 
普通のマンガがどう見られるかとか、同人誌はどう考えられるかはあまりにも難しいので、まず考えやすさを踏まえて、二次元エロでちょっと色々書いて見ます。
 

●エロゲ・エロマンガの破壊力●


アーーーッ!
マンガ版「N・H・Kにようこそ!」より。伝説と化したシーンです。
百歩譲ってオナニー中なのはまあ許すとしましょう(?)。しかしロリエロゲでこれ。心の臓がとまってしまいそうです。見た方も見られた方も。
エロゲー文化はかなり浸透してきたとはいうものの、「後ろめたい趣味」であることには変わりありません。文化としてかなり発達して名作が誕生してはいるものの、サブカルチャーだし、だからこそいい、という部分も少なからずあります。
そのへんはこちらの意見が面白いです。エロゲはエロゲであるがゆえに、やる。と言うのが伝わってきます。
いったいエロゲに何を求めているのか。(something orange)
いかにして僕は泣けないエロゲを愛するようになったか(tukinohaの絶対ブログ領域)
しかしそれがどんなものであれ、「エロシーンを見ているときは人に見られたくない」のは現実。いや確かに、趣味を分け合う友と一緒に見ることは非常に楽しいものですが、親や一般ピープルには見せられませんとてもじゃないけど。泣きゲーであろうと抜きゲーであろうとそこだけはカベが。
エロマンガも同じですよね。エロが見たいから買う人もいれば、マンガとして面白いから買う人もいます。そして一番多いんじゃないかなと思うのは「エロマンガだから読みたい」という人。自分とか。
エロマンガ文化について色々話そうと思うとキリがないのでここでは書きませんが、「エロマンガ」っていう存在自体が独自の進化を遂げているので面白いんですよね。もちろんその上でエロくて面白ければ最高です。
が。これまた人に見られるのはイヤすぎるものの決定版。どんなにそれが「文化」だと思っていても、所持しているエロマンガを見られるのは内臓がねじれるほどイヤな人は多いと思います。
エロゲ・エロマンガ、ともに「後ろめたさ」が一つの要因になっている場合もあります。鬼畜モノとか。いくら素晴らしくても、どれだけ好きだとしても、小脇にロリエロマンガを手にして表に出られる自信は自分にはありません。
部屋の押入れに、クローゼットの中に、ベッドの下に、天井裏に。かくしてナンボなのは承知の上。
 

●「同人誌」のカベ●

ちょっとここで、同人誌の話にシフトチェンジ。
同人誌が男性向けエロややおいばかりでないのはオタクなら知っていることですが、それはなかなかオタクじゃない人にはわからないトコロ。そして、エロややおいが少ないわけではないのもまた事実。

げんしけん」の回想シーンより。友人にはめられて、学校にクラスメイトのエロ同人を描いていたのを学校と親にさらされた瞬間の荻上さん。
うおおお、穴掘って埋まりたい、消えてなくなりたい!あいたたた。心臓がありんこにしくしく食い尽くされていくかのようです。
これはマンガということもあってかなり極端すぎますが、自分が描いたものを知り合いや家族に見られたくないという人はわりと多いと思います。エロがあるにしろないにしろ。作品を多くの人に見られるのはうれしいけれど、家族に見られるのは恥ずかしい!という人も結構いらっしゃるのではないでしょうか。サイトなんかもそうですね。
実際にサイトや同人誌が会社や家族にバレた!という人もわりといらっしゃると思います。案外そういう場合も相手が大人なら、スルーしたり「はは」と笑って済ませてくれる場合の方が多いんですよネ。「ほうー、こんなの作ってるんだー」と感心することも。
しかし、一人でも価値観の合わない人がいて、しかも何やら「同人誌というのはすべてとてもイヤラシイもので、異常性癖なんだ」みたいな誤った情報だけが伝わってしまっているとさあ大変。たとえエロじゃなくても見つかったら人生の大惨事。ちょっとした事故レベルじゃすみません。買って所持している場合も同じ。
だから、特に同人誌は、家族暮らしだと「いかに隠すか」で頭を悩ませることに。そんなに偏った価値観で見られているわけじゃなくても、なんとなーく隠してしまうことってないですかね。
 
そして、一人暮らしになったときの反動たるや。
 

●一人暮らしと「危険物」の増加●

うちもうるさい親だったので、小学校のころ少ない小遣いで買った漫画とかは、ある程度たまったら捨てられるの繰り返しだった。 それが悔しくて悔しくてどんどんオタクへ。 逆効果だったw
酔拳の王だんげの方さんコメント)

自分もあちこちに引っ越して一人暮らししてたので、何度も何度も大量のマンガを捨てたり友人に寄贈(という名の押し付け)をしてきました。が、引っ越した先で反動が出てしまい、倍以上に膨れ上がることしばしば。そして今も数は増える一方です。
こうなっていくと、人に見せずらいタイプの同人誌が増えるのもまた必然。
一人暮らしだからとかまけてオタグッズ増加させすぎると、人を呼べない部屋が誕生してしまいます。これは危ない。
でも…仕方ないじゃん!ほしいんだから!
 
「んじゃ、明日入院したとしてそれ見つかったらどうするの?」
 
うごぉぉ…。
そして自分は、大量の同人誌と、箱に入ったフィギュアを前に苦悩するのだった。若きたまごまごの悩み。
 

●それでも買ってしまう。●

しかし、それでも同人誌を、愛してやまないわけです。
人には見せられないと分かっていても。場所をとるとはわかっていても。
それは「同人誌」だからこそ得られる連帯感だったり、作品への愛や情熱を直に感じられる温度だったり、同人誌を通じて出来た思い出だったり、創作することを分かち合える無限の喜びだったりするわけです。
もうね。作ったり買ったりするのは仕方ないです。後から恥ずかしくなることもあるけど、それもまた自分の足跡であり楽しみですもの。
だけど…だけど見せれないですよね。
時には家族や友人への説明がうまくて、うまーくやりすごせる+巻き込める人もいるようです。
仮にそれで家族や友人とどデカイ価値観の差が出来てしまうとしても、本当に自分が愛しているものであるならば、真剣に話し合っていくのも時には大事かもしれません。特に夫婦とかだとなおのこと。時にはお互い妥協しなければいけないかもしれませんし。
そして、敵と見なして溝を深めるよりは、価値観の違う知り合い・家族ともうまく距離を保って一緒にいたいものです。それに色々心配してくれることほど大切なことはないですしね。それでも誰かに対して強烈な罪悪感を感じてしまうものがあるのなら、それはその物に別れをつげる合図なのかもしれません、つらいけれども。
そうでなければ何とかなる、と信じたいですネ。ある程度理解のある大人の関係が出来るならば、一定以上のプライバシーはそれぞれが守れるものです。どちらの立場であってもそれは「人間」としておさえておきたいところ。自分が逆の立場になったときに受け入れられるように、心がけておきたいものです。
 
と、理想を書きましたが、問題は万が一事故ったりしたら、その危険物がどうなるか。
これはあれだ、処理してくれる友人を今のうちに確保しておくしかないかもしれませんゼ。あるいはデスノートの月ばりのトラップを仕込んでおくか。
…はっ!エロ同人誌を隠す気持ちとデスノート隠す気持ちって似てネ?!   似てないですかそうですか。

なむさん。 
 
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これは本気で家族や知り合いに心配させてしまうので気をつけたいトコロ。
ちょっぴり後ろめたいくらいがオタク的には心地イイ。
 
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