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これからのヒロインはもりもり食う時代へ!「プリキュア5 第5話」

ずいぶん遅れましたが、やっとプリキュア5五話を見ました。
 

プリキュア5の第5話はこういう話でした。●


かれん「なんてこと…新しいプリキュアになるには、ヘソを出さなければいけないなんて!年齢詐称している私には…なれないわ…。」

うらら「ババァですからしかたないですよね!」

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,  \        ヘ、弋::::::/         /  /:{__∧  Y´. ' l l  この私がババアですって?! 
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年齢詐称疑惑が晴れず、変身できないかれんさんでした。おしまい。
 
というのはおいておいて。
キュアババア」の愛称で親しまれまくっているかれんさんの回でした。といってもキュアババァというのは決して攻撃的な言葉ではなく、ファンの間では「かれんさんに愛をこめて、やさしくそう呼ぶ」ための言葉です。キュアアクアファンは「ババァ」と聞いたら「この人骨の髄までかれんを愛している…っ!」と思ってください。
 

●夢見る蝶を捕獲する生物たち●


どこで見たのか失念しましたが、どうも今回のプリキュア、敵のコンセプトは「チョウを食べる生物」のようですね。

ギリンマ(斑目)→カマキリ
ガマオ(バイト)→カエル
アラクネア(エリート)→クモ
ブンビー(ギース)→ハチ

ははー、なるほど。つまり「夢なんてないよ、信じてもしかたないよ、食い尽くされるよ」という絶望のささやきなのかもしれません。

結局今回はかれんはプリキュアにはなれません。それは「私がやるしかないんだなあ」という、自らの希望、アイデンティティがないから。一番ありそうなキャラなのにそこが抜けている、という描写は非常に中高生の心理をうまく描いていると思いました。これ子供が見て理解できたらすごいなあ。
これで、夢を持っている人(うらら・こまち)、大好きな人を守りたい人(りん)、夢を夢見ている人(のぞみ)、自己が見つからない人(かれん)という構図が出来ました。ポジション的にはのぞみとかれんが近そうです。
ただ、「夢」という曖昧だったりもろかったりする物が、今はぼんやりした形でしか出ていないんですよね。実際「プリキュア」という存在も、まだ回を重ねていないこともあって非常に希薄な、輪郭の見えない存在なのを本人たちもわかっているようです。どうも実感がわいてない、そんな感じ。そりゃそうですよね。
これがどうぶつかりあったり挫折したりするのか楽しみです。
はて、今回5話のテーマはそこにもあるのですが、自分はそれよりもスゴイものを描いたと思うのですよ。
 

●もりもり食うプリキュア


食う!

食う!!

食らい尽くす!!!
もうめちゃめちゃ食べます。もりもり食べるんです。こここそが、プリキュア5の魅力です。
実は今回のプリキュアたち、元の設定からして「よく食べる」んですよ。特に黄色のうらら。オフィシャルで「食べるのが好き」と明言されております。
最初はOPでラーメンなんぞすすってるもんだから「黄色のくせに!」とか言われましたが、今回はカレーをもりもり食べていました。これで日本の文化は守られたのです。

これは、こまち(緑)の持ってきた重箱を平らげるというなんとも残酷なシーンであります。ちょっとは本人の分残してやろうとかそういう気がないのがすごい。ヒドイぜ!
とはいえこまちさんも、「毎日母が作りすぎていつも食べきれない」とは言いますが、重箱持ってきて、がんばって残さず食べようとするだけでかなりの大食いだと思うのですが。
 
ヒロインが「よく食べる」か「あんまり食べない」かはアニメの方向性を大きく変えるものかもしれません。
たとえば「あまり食べない」ラピュタのシータなんかは、清純派「守ってあげたい」少女の代表格です。その分パズーとドーラ一家がもりもり食べるので、なかなか爽快でしたが。
シータ型ヒロインはもちろん今でも愛されていて、小食だったり、人目を気にしてなかなか食べれなかったりします。でも最近はかなり減ってきましたネ。
一方、「もりもり食べる系ヒロイン」はセーラームーンなどの「戦うヒロイン」になってからかなり増えつつある気がします。特に主役級。それでも男性の前に行くと、時々恥ずかしがったり、なんてのもたまにありますが、時代はむしろ「もりもり食べる元気な女の子」が活躍するのを望んでいるんじゃないかなあ、と思います。
とはいえ、それでも「もりもり食う」のは一人か二人で、他はそこまで食べないんですよね。キャラの性格などもありますし。
ですが、今回のプリキュアは「みんな食う」のです。これはすごい。大食い戦隊じゃないですか(かれんは未確認)。
 

●なぜあえて、もりもり食べるのか。●

これ、いくつかポイントがあるんだろうなあと思いました。
1、舞台が女子校
男の目がないので、そのへんをまったく気にせず、特にのぞみ・りんは部屋にいるようにくつろいでいます。異性の目がないから羽を伸ばせる、というのはなかなかリアルで貴重な気がします。もっとも主役級のキャラ達以外は、リリアン女学院のようにおしとやかな雰囲気ですが、その中でものびのびもりもり食べる子を見られるたぁキモチいいじゃあないですか。比較によって魅力も身近さも倍増です。
 
2、食べる子はかわいい、という見せ方

こまちの家のようかんをバクバク食う年下組3人。面白いのはうららのような、比較的おしとやか風味の子も、とにかく礼儀よりも「おいしそうに食べる」ことをポイントに描いています。さっきなんてカレー口のまわりにつけながら食べてましたものね。
で、その様子がかわいいんですよ、とても。これは「よく食べる子は元気」「割とおっちょこちょい」みたいな空気をやぶって「食べるのが楽しそう!」と思わせてくれます。
実際、もりもり食べる女の子ってかわいいと自分は思います。まあ、趣味の問題なんですけどね。でもマンガ・アニメのキャラとしては、その「いきいき感」の一つでもあるんですよね。
 
3、食べることで生まれる人間関係のよさ。

特にりん(赤)なんですが、この子は今は全員の突っ込み役に回っています。正直この子がいないと今のプリキュアは機能しないかもしれません、ボケばっかりだから。
りんと、のぞみの関係は親友以上のものであることが今までの回でもじわじわ描かれています。それを「もりもり食べる」ことで絆として描いているのが見て取れます。
また、今まではちびちびと一人で食べていたうらら(黄色)がポイントですよ。一人便所飯だったんじゃないかというリアルさのあった彼女が、のびのびもりもり食べるあたり、3人に心許したのが非常によくわかり、うれしいじゃないですか。
もしかしたら、かれんもみなに心を許し信頼しあえたとき、もりもり食ってくれるかもしれません。
 
ところでこのシーンなんですが、友人いわく
「この時、羊羹をさしていた楊枝はのぞみのです(りんちゃんの楊枝は皿の上なのを確認)つまりは間接!」
はっ!なるほど!しかも手を握ってるじゃないか。こんなとこに百合チャンスが眠っていたとは、あなどりがたしプリキュア5。
 

●少女よ、もりもり食え●

今回のプリキュアの方向性は「もりもり食べる」に象徴されているんでしょうネ。
女の子の憧れの代表選手、プリキュア。彼女たちが照れて小食なよりも、もりもりばくばく元気に食べて運動する方が子供にとってもいいでしょうネ。
そして大きなお友達にとっても、良好な人間関係とかわいらしさあふれる「もりもり食い」は、なかなかハートにくるじゃないですか。かわいいなあもう!
公式設定で「食べるのが好き」ってくらいですから、今後も特にうららがもりもり食べるシーンを見たいものです。
 
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