たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

無機物パーツと男達〜男がかけるメガネの魂〜

無機物パーツと少女達〜装置としてのメガネの誘惑〜
昨日はメガネ少女は多様な方面に可能性を秘めているんだヨ!と書きましたが、メガネにおいては女性キャラだけではなく男性キャラにもその魅力が凝縮されているのを見逃せません。というわけで今日も適当にぐたぐた書いてみます。
とはいってもメガネ男道もとても深い。自分は「男がメガネを取るときは、そこに大きな感情が流れているんだよ…」とあごに手を当てながら深々と思いにひたって語るくらいしかできません。
というわけでマイペースにいきます。
 

●男性の「メガネ」の価値は、一味違う●

「萌え」で片付けてしまえばまあそうなのですが、せっかくの「萌え」パーツなのでもうちょい楽しんでみようと思います、メガネ。
はて、ちょっと昨日の女性版メガネの「機能的な価値」を引用。

1、パワーアップアイテム。知性、性格を強化させる「加速装置」。
2、ウィークポイントを補うアイテム。弱さ、素朴さの補強としての「補助装置」。
3、本人のマニアックな性格のシンボルとしての「レーダー」。
4、外界と自分を隔てるカベとしての「バリア」。

男性でもワリとそのまま当てはめらないこともない、と思うのですが、ちょっとだけ方向性が男性だと違う気がするんですよね。
こんな感じでしょうか。

1、パワーアップアイテム。知性、性格を強化させる男らしさの「加速装置」
2、ウィークポイントを補うアイテム。肉体的弱さ、精神的弱さの補強としての「補助装置」。
3、オタク性やマニア性のシンボルとしての「レーダー」。
4、一点を見つめるまっすぐさを持った「ビーム」
5、理系の魂を表明する、「試験管」。
6、狂気や悪意を閉じ込めた「パンドラの箱」。

特に5、6はでかいと思うし、個人的に好きなので。
ところで今回、BLジャンルは語れるほど詳しくないので考慮に入れていない、という致命的な部分をかかえています。メガネスーツで受けとか好きなんだけれども!あまりうとい分野を適当に書いたら「違うゼ…」と言われそうなのでやっぱやめておきます。メガネ年上受けが好きです。あ、もういいですねそうですね。
 

●男らしさはメガネという加速装置に宿る。●

痕跡の人が「メガネはなあ、アサルトパーツなんやで!」と力説していました。なるほど、つまりGファルコンですね!?
まあそれはともかく、「メガネ」を「男を引き立てるアイテム」として使われることはかなり多いと思われます。それこそ、最近はマンガなどで「メガネ女子」の席がたまに無いのに対し、「メガネ男子」の席は増えつつあるように思います。

羽海野チカハチミツとクローバー」より、野宮さん。
マンガを最後まで読めば、彼がどんな人物かはよくわかるのですが、出てきた当初はそのメガネが「出来る男」の象徴のような感じでした。いやもう、むしろ「メガネでパワーアップしている」としか思えないナイスメガネ男子っぷり。これ、ほれるなっつうほうがムリです。しかし、美脚乙女の山田さんの熱狂ファンからはうとまれるハメに。いやいや、でも野宮さんはかっこいいですよ。
「メガネくん」というよりも「メガネ男子」という言葉がしっくりきそうなこのタイプ、男の能力をぐぐっと引き上げかっこよく見せるアイテムとしては抜群な効果を持ちます。

井田ヒロト戦線スパイクヒルズ」より、スウガク。
計算家で、戦略が得意で、ちょっと何を考えているかわからない恐怖感を持ちながら、やけくそに眼光が鋭い。これもメガネという加速装置がついているからこそ、かなと思います。
 
ちょっと亜流ではあるんですが、自分が「こいつはかっこいい」と思うメガネを一つ。

荒川宏「鋼の錬金術師」のヒューズ。珍しくメガネをはずす瞬間ですが、あまりにもかっこよすぎるじゃあないですか。
家族を愛し、仕事を忠実に行う彼は普段メガネをかけ、強さを保っています。といっても「心のバリア」ではないので、はずしても男らしいのですよ。そこにメガネというパワーアップアイテムがあるからこそ、その男らしさがひときわ強調されます。
 

●さりげない弱さを補強するメガネ●


高津カリノWORKING!!」より、小鳥遊宗太。確かに彼は心も体も「強くならざるを得ない環境で育った」強い子です。が、周りとの対比でものすごく弱く見えます。周りが強すぎなんです。
この場合、メガネは「この子はちょっと弱気ですよ」というのを逆に強調しそうですネ。それを補う面でもメガネをかけていなければいけない、という雰囲気でいっぱいです。

北崎拓さくらんぼシンドローム」より、阿川宗則。彼も一見やり手に見えますが、かなーり精神的には振り回されてしまう「弱い男」だったりします。かっこはいいんですよ、でも内面にほんのり弱さが詰まっています。それをある面では隠し、補強しているメガネ。ちょっとしたハリボテみたいな感じもします。オシャレメガネなのにね。いや、オシャレメガネだからこそ、行動とのギャップでハリボテ感が増すのでしょうか。

きづきあきらヨイコノミライ」より。精神的弱さを如実にあらわしているメガネですね。こういう子って、ものすごいがんばり屋だったりするのですが、苦悩するのを補助するアイテムのようにメガネがそえられると説得力が倍増だと思います。こちらは「地味でやぼったいめがね」ほど、似合う感じがしますネ。…ヨイコノミライにはもう一人メガネがいましたが、こちらは別。
さらにやぼったくなると、「ドラえもん」ののび太のメガネになっていきます。補助装置どころか、「こいつは弱いヨ」と言う証みたいな感じにもなってきますネ。また「名探偵コナン」のように、実は凄腕なんだけれども一見弱弱しそうに見せる、というトリックにも使えます。「ハリーポッター」なんかもそうですが、そのギャップがかわいいんです。「銀魂」の志村新八なんかはちょい強、チョイオタですが、へっぽこっぷりという意味ではコレでしょうか。
さらに弱く弱くすると「さよなら絶望先生」になります。
さよなら絶望先生(7) (講談社コミックス)
メガネでかっこいいんですけどねえ…よわよわ。そこがいい。

 

●男のオタレーダーメガネは、余りにも敏感ですぞ●

オタク・マニアのメガネとして一番最初に思いつくのは、やっぱり「うる星やつら」の「メガネ」ですよね。マニアックな男がメガネをかけている、というイメージの決定打のような気がしてなりません。
この系統のキャラはメガネに手をかけることが非常に多いです。

同じく「ヨイコノミライ」より。もう典型的なダメオタメガネなんですが、確かにメガネであることが指ししめす力は生半可ではありません。これでメガネに手をそえてクイッとかやられたらもうもう。いろいろな意味で「うがぁ!」となります。それが作者の狙いだから、釣られた!としか言いようがありません。
他にもオタメガネくんは数え切れないほど多く存在します。
NHKにようこそ!(3) (カドカワコミックスAエース)
大岩ケンヂ「N・H・Kにようこそ!」より、山崎。まだこいつはかっこいいからマシなんですよね。オタメガネキャラにはいかにも絵に描いたような、太めでファッションめちゃくちゃでメガネ、って言うのもマンガや小説らしい表現として多いのですが、最近はキレイなメガネ男子のオタも増えています。実際問題、最近おしゃれメガネ男子オタ増えてますしね。
とはいえ、そんな差異はあれ、メガネレーダーが察知するオタク情報は、同じくらい鋭いです。常に目を光らせていて、何かがあったら喰らいつく!それがオタメガネキャラの魅力だったりします。

そんな中でもとりわけ愛されていたのが、これ。「げんしけん」の斑目。そこまでルックスが悪くないのに加えて、男らしい(?)までのオタク力を発揮する、いいメガネレーダーでした。彼のメガネレーダーはオタクアイテムを決して見逃しません。が、人間関係にはめっぽう弱い。それがデメリットであり、見ていて「あーあ」となりがちなところですが、彼の魅力はその一途さでした。そのようなわけで、男女ともに愛される「オタクメガネ」はなかなか貴重ではないでしょうか。ということで、彼の一途な視線のことを踏まえて、次のタイプ。
 

●視線力をビームに変えるメガネ●


日本橋ヨヲコ「G戦場ヘヴンズドア」より。
1の加速装置と似ているのですが、強さの証というのに加えて「メガネをかけることで何かに没頭する男」を描く場合があります。それが仕事であったり、趣味であったり、スポーツであったりするのですが、通常の視線ですらまぶしいそれらの男達が、メガネをかけることでさらに眼力を強調されるのだから恐ろしい。いわば、読者に向かっての視線のビーム兵器です。それが攻撃的に、ある種盲目のようになると、「るろうに剣心」の雪代縁のようになるかもしれません。

ハチミツとクローバー」より真山。彼も1の強さや2の弱さを持ち合わせるナイスメガネなのですが、それ以上に、メガネから見る視線の視界が余りにも狭く一筋なことに心打たれます。それがエスカレートしすぎて、ストーカーまがいになってしまうのですが、ご愛嬌…いやだめだろ。似たようなタイプだと、「スクールランブル」の花井でしょうか。
School Rumble(7) (講談社コミックス)
また、職業に打ち込む人もメガネの場合が多いかもしれません。

武富健治鈴木先生」より。先生キャラがこのようにメガネをかけているのも、教育という仕事に熱心でそれに打ち込んでいるから、という印象を強く持たされます。そしてそれらの先生のメガネから出るビームはあまりにもまぶしいじゃないですか。「こどものじかん」の青木先生もメガネでしたね。「ドラえもん」の先生もメガネ。探せばいっぱい出てきそうです。医学に真剣に取り組むお医者さんキャラもメガネおおいですね、そういう点で。
 

●サイエンティストはメガネの奥から試験管を覗き込む●

GOD SAVE THE すげこまくん!
永野のりこ「GOD SAVE THE すげこまくん」より。つかドラマCD出てたのですか。
コメント欄でも多くいただきました、彼のこと。みんなすげこまくん大好きなのですヨ。永野のりこ先生のメガネ白衣愛は、マンガを読まれている方なら誰もが一発で覚えるほど強烈です。「すげこまくん」も「みすてないでデイジー」もそのマッドサイエンティストっぷりにほれぼれします。「メガネ男子」というとこれを連想する方もすごく多いでしょうね。
科学者が目をよく使うので、どうしてもメガネをかけることが多いという理由もあるのですが、「白衣+メガネ」の持つ視線が、他の一般の人が見ている世界と違う、という描かれ方をしたときに一気に魅力が爆発します。メガネがあることで、その男性の見ている世界は「科学の世界」へと突入するわけです。
そのメガネは、外界をねじまげて数式にするカベなのか、あるいは世界を試験管の中に閉じ込めるものなのか。うまく描かないと単なるアホキャラになってしまうのですが、そこの魅力を突き詰めたときに、メガネは倍増効果で男の魅力を引き立てます。
このタイプ、さらにマッドになっていくと、メガネが完全にパーツ化していくこともあります。

ああ、メガネですらない。あさりよしとお「HAL」より。虚構と科学をごちゃまぜにしたウソ科学満載のマンガです。「まんがサイエンス」とあわせて読むと、あさり先生の毒がよくわかって面白い一冊。
科学者だからこそ、メガネを改造したり、人と違う特別なメガネにこだわったりしはじめることも多々。白衣メガネキャラのメガネの種類を見てみるのも面白いかもしれません。案外すごいブランド志向だったりとかネ。

●メガネの奥に眠る悪意と狂気●


自分の中で大好きなメガネキャラナンバー1はこの人、ゆうきまさみ機動警察パトレイバー」より内海課長
彼の恐ろしさははっきりいってメガネです。ふちのはっきりしたメガネをして、目を常に細めてニヤニヤしている裏で腹黒いことを常に考え続けている。その「外界からの拒絶感」と「開けてはいけないパンドラの箱感」が満載。メガネがなかったらこれだけの威圧感もないのでしょうが、同時に歯止めを利かせるものもなくなってしまいそうで恐ろしい。似たタイプのキャラとしては「サイキックフォース」のウォンなんかもそうですね。加えて、パトレイバーのクールメガネといえば黒崎くんも良キャラでした。

平野耕太ヘルシング」より、少佐とアンデルセン神父。殺戮と狂気の空気をメガネがぐっと後押ししています。闇夜で彼らのメガネが光るシーンや、メガネの反射で目が見えず、何を考えているのかわからないという演出は、男の狂気を強く描きこんでいます。「ヘルシング」自体がかなり、個々のキャラの狂気を詰め合わせた名作なだけに、そのメガネの描き方も尋常ではありません。そういえば凄腕執事ウォルターは片メガネでしたね。やはり片方だけにすることで、まだバケモノ的狂気の一線を越えていないというのがあるのかな、と思いました。
メガネの奥に眠る狂気的なキャラや悪意満載のキャラ、または独自の哲学によってしまった独裁者的キャラ、かなり多いと思います。ムスカとか。彼らのメガネがどんなシーンで目を隠しているかチェックすると、物語の演出を楽しめるかもしれません。
 

たまごまごの、マイベスト メガネ男子●

あ、もう言っちゃってますね。ナンバー1は内海課長です。ぶっちぎり。自分がメガネ男性が好きになったのは彼のせいです。
そして、もう一個大好きな「メガネくん」がいるのでこちらも。

「オーバーマン キングゲイナー」のゲイナーくん。
まさに「メガネくん」の呼び名にふさわしいじゃないですか。確かに気が強くて性能のいいパイロットである意味でも「加速装置」なんですが、とにかくどこかテンションや視点がずれていたり、妙に子供っぽかったり、時にはサラさんにアホみたいに告白しちゃったりするあたりの暴走っぷりが、たまらなくいとしいのですよ。
ルックスもまたイイ!背が高すぎるでもなく、ひょろひょろっとワリともやしっ子で、だけど信念とぶつかり合うときはメガネの奥で視線を燃やすのです。
 

●男性メガネと女性メガネの差を、ぼんやり考えてみる●

あくまでも視点の問題なので、角度を変えたらどちらも同じっちゃ同じかもしれません。ただ、同じ加速装置メガネでも、女性の場合は「かけていること自体で強くなるパーツ」で、男性の場合は「かけているときは強く、そしてはずすと男らしさがにじみでる」という差異がある感じがします。女性がメガネをはずすときは、昨日書いたように「バリア解除」的な効果もありますしね。男性がメガネをはずしてキュキュっと拭く仕草は、そこに男らしさを感じることも。
マッドメガネに関しては、男女共にあります。狂気メガネは圧倒的に今までは男性が多かったのですが、最近は女性でも増えつつあります。ただ、いまだ男性メガネ狂気の半端のなさには及んでいないかもしれません。
 
いろいろつらつらと書きましたが、まだまだこんなんじゃメガネの深さは語れていないと思います。また、メガネが好きな方はそれぞれの「メガネ美学」を持っておられると思います。
あくまでも1意見としての角度でメガネを「パーツ」として書いてみましたが、自分の知らないナイスメガネキャラがまだまだいっぱいいるんだろうなと思うとワクワクします。そして、それはどんなにテクノロジーが進もうとも、消えない体の一部として、男女共に存在していくんでしょうネ。
消費される記号としてではなく、人間の、キャラクターの魅力をそえるメガネ。ある意味では融合を果たした今日、サイボーグ的思想の一部をもう担っているのかもしれません。
…とか書いておきながら、単純にメガネが好きなんです、の一言でまとめられちゃうのもまたしかり。パーフェクトアイテムですね、メガネ。
 
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