たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

マンガやゲーム作品の題名に4文字が多いワケ

●4文字マンガ大行進●

タイトルがひらがな4文字の漫画・アニメ・ゲーム・ライトノベルを挙げてください(はてな)
これは昨日も紹介した記事。もうほっといたらとめどなく出てくるのではないかと思われます。
オタ文化での4文字、とにかく多いの何の。
一例として、手元にあるコミックハイを開いて見ます。音が4文字のものはというと。

ひとひら(桐原いずみ)
ちゅーぶら!!中田ゆみ
・あいたま(師走冬子
・アリーナ!(ミキマキ
・そら☆みよ(梅川和実
・つぶらら(山名沢湖
ぽてまよ御形屋はるか
・まちまち(かがみふみを
・みーたん(大便モレタロウ)(←今月から名前変えられています。ヒドい)

多いですねえ。18作品中9作品という多さ。加えて、「女子高生」とかも漢字で4文字。
アフタヌーンも見てみます。

プ〜ねこ北道正幸
ラブやん田丸浩史
・ななはん(ももせたまみ
・ガガガガ(山下ユタカ)
・るくるく(あさりよしとお
ナチュン都留泰作
・EDEN(遠藤浩輝)(この二つ、音的には3文字)

漢字もいれれば「世界の孫」なんかもはいるでしょうか。
 

●たっぷり集めてみました。●

ひらがな4文字マンガデータベース(マヒナートランキラヰザー)
ひらがな4文字のエロゲ(梟と共に行こう)
時代は「4文字」を求めている?〜萌え系4文字タイトルデータベース〜(改訂版?)(F!I!E!)
○○○○マンガ五十連発!

それぞれ分け方のジャンルが別々な基準なので、非常に面白いです。必見。
とりあえず、これだけでは絶対収まっていない気がします。というか全部集めていたら死んでしまいますたぶん。4コマ系とかだと異常なほど多いでしょうしね。仮に名前系(パタリロ!など)や単語系(ハピネスなど)を抜いても、かなりの量になるでしょう。
はて、なんで4文字作品がここまで多いのでしょう。さまざまなサイトの意見を取り上げながら、ちょっと考えてみます。
 

●仮説1、日本人は二文字でリズムを刻む●

文字数とリズムの関係(めっさメモ)
非常に細かく解説されています。詳しくはリンク先を。
4文字のリズムがしっくりくるか、といわれると、しっくりこないんですよね。むしろ、3でも5でもなく4文字だと気持ち悪いです。
しかし「2+2」の発音と考えると、これがまた非常にしっくりくるから不思議。「ゴス+ロリ」とか「パソ+コン」とかですよね。
先ほどのマンガ類でも、「ラブ+やん」「らき+すた」のように、基本二文字+二文字の音の組み合わせです。
略語を作るときに2+2の4文字が多い、というのも説得力ありますネ。どこかのサイトで「ファイナルファンタジーの略語も、ファイファンよりも、2+2の「エフ+エフ」が主流になった」と言うのを書いていた気がします。どこだったか失念。

mimo
『日本人に一番心地よい文章が五七五で、略称が4文字なのは、「名詞+てにをは」で5文字になって言いやすいかららしいですよ。』
コメント欄より)

なるほど。耳なじみのいい五文字から、助詞を抜くと4文字ですね。納得。
 
3文字5文字は日本人的には心地よいんですよね。リンク先に書かれていますが、「素数の音が心地よい」というのは非常に興味深いところ。
ちょっとオタクなふるい例を挙げてみます。
センチメンタルグラフティー」というゲームがありました。
長い題名ですよね。
これを略す時に、大きく分けて二つの派閥がありました。
A・「センチ」と3文字で呼ぶ。
B・「セングラ」のように4文字で呼ぶ。

はて、どっちの方が語呂がよく聞こえるでしょうか。このへんで、それぞれの文字のリズム感の差異がわかるのではないかと思います。ちなみに友人は「チングラ」と略してました。
 

●仮説2、字数4つの美しさ●

日本人はむかーしから四字熟語に慣れ親しんできました。
四字熟語も色々な成立方法があるので一概には言えませんが、上二文字+下二文字で意味が分かれていて、メリハリがつくもの多いですよね。「一騎当千」とか「落花流水」とか。
実はこの2+2の「意味の分け方」が、そのまま4文字マンガ類にも当てはまりそうなの多いですよね。
先ほどの2+2の略語系は前半2文字と後半2文字で意味が違いますよね。なるたるは「骸なる星珠たる子」の略(?)。前半と後半で意味が違いますよネ。ラブロマもラブ+ロマです。
 
はて、見た目的にもこの4文字は覚えやすいんですよね。
アクメツ」とか「ササメケ」とかあたりになると、音の特殊さと響きの鋭さで、一発で覚えられます。これが「悪を滅する」とかって題名なら覚えずらいだろうなあ。
 
同じことは音的には3文字でも4字の単語や、四字熟語や仮名漢字交じり4文字でもいえます。放浪息子とかかみちゅ!とか「EDEN」とかですネ。
やはり、四字熟語慣れした目には、4文字の題名は目に入りやすいし脳に刻みやすい、というメリットはあると思います。
ただし、ある意味最近では「まほらば」と「まぶらほ」とか、「あいこら」と「あいどる」と「あいたま」とかは、分かりずらいっちゃわかりずらいんですが。
 

●仮説3、長々語るより、コンパクトに意味が伝わる●

「かな/カナ4文字」作品に関する資料(Milkwhite::metaphors)
「エアギア」なんかは非常に秀逸な題名ですよね。ぱっと聞いてどんな雰囲気か伝わるからスゴイです。やはり「ギ」の音が入っているのがポイント高いのかもしれません。一気に引きしまります。
アクメツ」「シグルイなんかも、ぱっと聞くと意味はわからないけれども、少なくとも何か殺伐としたものが起きるのだろうな、という空気が伝わってくるから不思議。サ行、タ行、カ行、濁点を効果的に使うと、空気が引き締まるかもしれません。
一方ぱにぽに」「ぽぽたんなんかだと、明らかに萌え系のにおいがします。「ぱにぽに」に至っては意味がさっぱりわからないという要素も手伝って、作品のシュールっぽさがまたにじみ出ていますよね。先ほどのエントリでもありましたが「ぱにぽに」は今の萌え系ひらがな4文字に及ぼした影響大きそうです。半濁音効果です。
らき☆すた」「そら☆みよ」のように☆が入ると、またキュっと世界観にじみますね。後者は特に星の話で少女漫画風、というのを一気に伝えるこれまた秀逸な題名。
ゆめりあ」「ラブひなあたりになると、間違いなく萌え系だなというのが伝わるのがおいしい。これも4文字だからいいのでしょうね。「ひな」の響きが、ほんとうは「ひなた」なんだけれども、「ラブひなた」だったらこんなには売れなかったでしょう。だって「ひな」ってかわいいじゃん。ひらがな・カタカナの切り替えは作品を表す上で大きなファクターになりそう。
一方それを逆手にとったのが、なるたるでしょうネ。あの題名であの中身はトラウマだヨ。
 

●仮説4、アクセントがポイント●

はてブコメントですごいものがあったので追記(6月1日)。つい「なるほど!」と納得してしまいました。
たとえば「ぱにぽに」だと、呼び方はいろいろあるものの、アクセントは主に「_---」なわけです。後ろ三文字の上下ないんですよね。トリコロ」「るくるく」「かしまし」「ラブコン」などすべてそうです。
「いいひと。」「ぼくらの」は「^ - _ _」、でちょっと特殊でしょうか。
いずれにしても、あまり抑揚のない音の響きには独特の安定感があり、耳なじみがいいんです。
 
これが五文字になると、どこかにアクセント入るんですよね。
ヘルシングなら「^ - _ _ _」。こうかな。どこかに力はいるんですよね。
この4文字の力の入らなさ具合と、萌え系マンガの力の抜きっぷりの相性はよさそうな気はしますネ。
はて、「よつばと!」「シグルイ」あたりはいまいちアクセントがわからないのですが、これは正しくはどう読むんでしょう??
  

●「4文字は手抜き」と思った時点で、作家の手中に。●

いやまあ、手抜きが絶対にないとはいえませんが。
題名に困ったときは ひらがな4文字ジェネレーター!(ことりのおはか)
適当にやってたら、「のむかの」って出ました。「飲む彼女」だったら、めっちゃ読んでみたいです。
こんな感じで適当につけることも確かにできるわけです。なんとなく偽林檎思い出しました。
 
「4文字はやりだからねえ」と言われたら、確かにそうなのですが、逆にその4文字で作品世界をがっちり表現するのは、腕の見せ所だったりします。長い題名つけても略される昨今、最初から短い題名をつけるとなると、相当言葉のセンスを磨いていないとなかなか生き残れません。
4文字だなあ、と気にかかった瞬間、実は作家の狙いにはまっているんでしょうね。見易さ、響き、わかりやすさ。

daibu2
「で、漫画好きとしては気に入った新連載のタイトルが長い時、勝手にその愛称に結構苦しんだりしてしまいます。既にタイトルが四文字だと考える必要が無くて便利だなと思ってしまいますが、それはすでに自分自身が作者の手の平の上で転がされていることを表しているのかもしれませんw」
コメント欄より)

まだまだ、しばらくは4文字作品攻勢は発展していきそうです。でも案外、さらっと5文字ブームきたりしてネ。
 
おまけ。
3文字売れないジンクス説は、昔の日本映画で言われていたようです。実際、一部をのぞいて3文字作品は売れないことが多かった様子。ゴジラとかを除いて。
まあ、ジンクスなので、根拠もなにもないデス。
 
おまけ2。
すごいなあと思った4文字はこれ。
はあはあ
ツンデレ!
超直球勝負。すごいね。
 

〜関連リンク〜
意味不明4文字タイトルは萌えの証か?(たかひろ的研究館)