たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

今ここに、苦悩キャラへの愛情を提唱しよう!「苦悩萌え」のお話。

ツンデレ論は終わらない●

らき☆すた」では今、アニメ店長の話題や、こなたの持っていた本でも話題騒然ですが、「らっきー☆ちゃんねる」内の「ツンデレ論」についてもまた、話題騒然なところだと思います。どのへんかというと、自分と友人達の間で。

そもそも、話の発端は「かがみは『ツンデレ』ではない」という話からでした。まったくもってその通りなんですよね。実は心優しい子が恥ずかしがってツンツンする、なんてのは実は単なる「恥じらい」で、かがみは「恥じらい」の域です。
ツンデレが「ツンツンしていた子が、次第に心氷解し、デレへとシフトしていく」という流れがよいのであって、それこそが真のツンデレであーる!

なーんてのはここ数年、延々と語られつくして、終わりが見えないまま煮詰まっている論議だったりします。
ツンデレ(wikipedia)
ツンデレ派とか
ほんと、大変だあね。ものすごい気になるジャンルではあるのですが、一定基準としての「定義」は余りにも難しい。そのようなわけで、デレツン、クーデレ、ヤンデレとさまざまな亜種(あるいは包含されてる?)が発生し、細分化しました。
ツンデレ論も続きに続いてはや5年以上。今下火?いやいやとんでもない。今こそ炎が赤から青にかわらんとしている時期です。
まあ、煮詰まってるんだけどね。
 

●マンガは「物語」に萌えるんだろう?●

さて、ツンデレが好きな人にもいろいろあって、キャラがデレモードになっている状態が好きな人もいます。しかし一部の通は「鼻にもかけないようなツン期から、デレへと移行していく心理の変化が面白いんですよ!デレ期に入ったら別にもういいです。」という人もいらっしゃる様子。これ、ちょーっとわかる。
個人的にはデレデレしてる子が好きなので、その人とは意見がかみ合わないかもしれませんが、「物語を楽しむ」という視点だと、ツン→デレへの心理の機微がほんっと面白いわけですよ。ちょっと前の「スクラン」の沢近なんかはまさにそうですよね。ハラハラドキドキですよ。
 

●ここで、「苦悩萌え」について語ろう●

さて、「苦悩して悩んでいる状態そのものに萌えるっていう需要もあるよな?」という話をだんげさんTAKEXさんとお話していました。
いうなれば、「ツン」とか「デレ」とかそういう問題じゃなく、「もう逃げることが出来ないような自分の中の何かに関して、苦悩しもがく様が萌える」という、シチュエーションや物語の構造に近いものに萌える、というものです。
 
一番わかりやすい例としてTAKEXさんが提唱していたのは、「ジョジョ」に出てくる吉良吉影
参考・荒木飛呂彦吉良吉影を語る
平凡な日常を送っていきたいと心の底から願っているのに、殺さずにはいられない、そんな殺人者の苦悩!もどうやっても逃れられないわけですよ。これは苦悩する!その悩み苦しむ部分が、萌えるのです。
自分が挙げたのは、「げんしけん」の荻上千佳」ツンデレっちゃまあツンデレですが、彼女の苦悩は恋愛じゃない部分にもあるわけですよ。過去の激しいトラウマを抱えていて、それをどう解決すればいいのか全く理解することができずもがき苦しむわけです。できればきっぱりオタクから足を洗えばいいのかな、と思いつつも、オタクの心から抜け出せず、そのギャップに苦悩するわけです。その苦悩っぷりに萌えるのです。
 
ようするに、

・結論はどうでもいい、苦悩しているかどうか。
・それがなんとなる程度のものではなく、穏当に逃げられないもので、抗おうともがいているかどうか。
・自らの中で生まれた苦悩かどうか。
・絶望にも似た気持ちを抱えながら、戦う意思も持っているかどうか

がカギです。
 

●薄幸とは違う●

「苦悩萌え」定義に向けてのあれこれ(キタサカエ帳)
だんげさんの意見
そんな話をだんげさんとだらだらネットラジオではなしていました。それを余りにも見事にこちらのサイトでまとめてくださったので紹介。必見!
ちょっと「薄幸系と苦悩系」という項目があるので、見ていただきたい。

薄幸系は「自らの不幸な境遇などの外圧による苦悩」、苦悩系は「自らの資質などによる内圧による苦悩」ではないか?と仮説を立てられる。

小公女セーラ」や「ナージャ」は確かに萌えます。しかし、本当に悩み苦しんでいるかというとそうではなく、けなげに戦っているんですよね。萌えるポイントは「苦労」ではなく「苦労してもがんばっている」というところになります。まわりまわっていくとアイマスのやよいもこっちな気がします。ポジティブなんですよ。
しかし、「苦悩キャラ」は、戦わなきゃ!と思っていても、どうしようもない闇も知っていて、苦悩して苦悩して苦悩しまくるわけです。そこでもがいて前に進んで、しかし悩み苦しんで後ろに下がってという様子がたまらない!
こうなってくると「エヴァ」のシンジくんなんかはちょっと違う。彼は苦悩しているようで、後ろ向きにうじうじしているだけです。戦って苦しんでません。どちらかというとアスカの方が、血のにじむ思いで苦悩して必死になって歯を食いしばって、でも自分の心や境遇から抜け出せずただ絶望に追いやられる、という点で「苦悩キャラ」です。アスカ大好き。
 

●苦悩キャラを見る視点●

167 :raku:2007/06/10(日) 03:10:35
「苦悩」は読者から見て、「共感」や「見守る」等に分かれるのかも。

先ほどのエントリより。
ツンデレが比較的「自分に対してもそうであればいいな」「このキャラにそうだったら萌えるな」という思いなのに対して、「苦悩萌え」って、神の視点なんですよね。ようするにその場にいないんですよ。読者が。
ここで書かれている「共感」は、おそらく「キャラの苦悩と自分の感じてきた苦悩をだぶらせる」という同一感を楽しむものでしょう。そして「見守る」は、「あくまでも遠くから苦悩しているキャラのもがきっぷりを見る」という楽しみ方。吉良なんかまさにそうですよね。共感できちゃった人は警察に行ってください。

・キャラクターの悩みに対しての読者の捉え方(「見守る」か「共感」か?)
・キャラクターの苦悩の質(簡単に言えばヘビーかライトか?とか)
・その苦悩の着地点/解決するのか?(カタルシスを得られるかorどん詰まり感を得るか/陽か鬱か(?))

キタサカエ帳より)

すごいまとめ!詳しくはリンク先を。
荻上だと「人によって共感」「ヘビー(トラウマだから)」「カタルシス」型ということになります。
吉良だと「見守る」「ヘビー」「鬱」型。
 
はて、この3つのポイントをおさえておけば、「苦悩萌え」キャラを探して、視点を操って楽しむことができそうです。
例えばガンダムアムロなんかもそうでしょう。あるいは鈴木先生なんかは人によってどうとらえるか変化して面白そうです。
あと思いついたのは、「RED」のムラサキ、「フルーツバスケット」のなど。つかフルバのキャラはほぼ全員「苦悩萌え」だなあ。
と、ここまできて気づいてしまった。
男ばっかりじゃん!と。
 
女性の「苦悩萌え」キャラ募集。
 

●苦悩キャラの大御所●

物語の作りに「萌える」のが苦悩萌えの楽しみ方、ということで絶賛提唱中です。実は「キャラクターが苦悩する」というのはスレでも出ていたのですが、物語においては王道パターンでもあるんですよネ。少女漫画なら「恋」に苦悩するし、少年マンガなら「敵や自分」に苦悩するのが、面白いわけです(全部じゃないけど)。
ただそれをそのキャラがどうとらえるかで解決策が変わってきて、苦悩っぷりに萌えられるかどうかの差異が出てきます。
この点で大御所中の大御所だなあと思ったのはフランケンシュタイン
博士も苦悩するし、人造人間も苦悩するわけですよ。しかも、どんなにあがいても苦しんでも、その苦悩が解決できる糸口が全く見えないのがまたいいじゃないですか。その悲劇的な部分に「鬱」の「苦悩」の「萌え」が確かにあります、自分には。数多くある吸血鬼物や、獣人物なんかもこの路線のは多そうですね。インタビューウィズヴァンパイアなんかも苦悩萌えだと思います。
ポイントは、いきすぎて「ヤンデレ」にならないこと。
 

●定義の意味●

たまごまご「でもさあ、ツンデレとか苦悩萌えとか、論じ合っても答えなんて出ないよね。」
だんげ「何言ってるんですか、こういうのは語り合うことが楽しいんじゃないですか!」

全くその通りであります。はい。解答を求めたところで、意味はないです。
しかし、こういうのは語り合うこと自体が楽しい!そして、相手の価値観や視点を知ることができるのも楽しい!
というわけで、「苦悩萌え」提唱します。
ただ、「苦悩萌え」って語呂悪いんですよね。何かいい言葉はないものでしょうか。
  

はて、「らき☆すた」のかがみも、「ツンデレ」ではないことも納得しました。
じゃあ「かがみの属性名は?」というのが今回の「らっきー☆ちゃんねる」のネタでした。君も考えてみよう!というもの。
・お姉さん的  ・突っ込み  ・何気に照れ屋で素直になれない  ・気が使えて、空気を読むのがうまい
うーん、なんと名前をつけるべきか…。個人的には「みつどもえ」のみつばは、属性的にかぶってる部分大きい気がするのですが!どうカナ?
 
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かがみの新属性を考えてみる(酔拳の王 漫画の方)
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