たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

オタ会話の中にある、キャラ独占欲とキャラ共有感

以前「俺の嫁」発言は面白いなあ、と思って記事を書いたところ、多くの意見をいただき非常に興味深かったです。
その中でも面白いなあ、と思ったのが、この用語を見て「独占欲」と感じる人と、「共有感」と感じる人がいたこと。コレ別に言葉の意味的にどちらが正しいとかじゃないんですよね。
どうも、少し前のネットでの使い方と、今の開けた使い方のギャップが大きいようです。
ちょっといただいたコメントから、オタクの「キャラ独占欲」と「キャラ共有感」を見てみたいと思います。
 

●ネットの上で独占欲を叫ぶケモノ。●

大好きなキャラに対して「○○萌え」「○○好き」というのはよくありますが、「嫁」となると独占欲的な印象がある、というのを聞いて、ちょっとびっくり。しかしそういう風潮は実際結構あったみたいで、抵抗がある、なんて話を各サイトでも今回目にすることができました。。

mashimaro
俺の嫁発言は独占欲の愛情表現ですね。他のファンの誰よりも私が一番愛情が強いんだという表れでもあると思います。萌えは愛でる気持ちが勝っていますが、嫁は私のものにしたいという気持ちでしょうか。ただしほとんどの場合コミニケーションの一手段として冗談で使われているようですね。一人が○○は俺の嫁発言をすると、それなら××は俺の…、△△は俺がもらう…、ここが嫌い、ここが好きといったように個人のキャラ萌えから会話が広がりますから。この様に会話が続くのは、「萌え」という発言が単なる独り言として受け流されてしまいがちであるのに対して、「俺の嫁」発言は独占欲の表れでもありますから、他のファンに取られまいとする心理が働いて静観していられないからでしょうね。』

「おれが○○を一番好きなんだ!」という情熱は今でも少なからずあるもの。もちろん決して悪いことでもなんでもないです。
しかしこれが、本当に一番だからお前らにはわかるまい、というわけのわからない展開になって、なんだかなあな思いをされた方も多い様子。自分は実際に経験したわけじゃないのですが、「最近の『俺の嫁』発言は、そういう妙な論争を思い出して好かないなあ」という方もいるようで。
とはいえ、アイドルとかとは違って、所詮二次元キャラなので、「誰のもの」と主張しても結果が出ないのもまたしかり。
そんなわけで、無害な感じでさらにラブアピールを強めるとこうなっていきます。

t
『X-Moe:とX-Wife:を思い出したり
使い方はこんな感じで』
メールヘッダの見方
X-Wife(通信用語の基礎知識)

非常に面白い話題、ありがとうございます。これはびっくりだなー。メールヘッダに自分の愛するOR萌えるキャラの名前を入れて、世にアピールするのが目的。

X-Wife: は一つの名前が原則(一夫一妻の原則)で、複数入れたい場合は他の名前をX-Moeとして利用することが推奨される。

このへん律儀で面白いですよね。その律儀さが、オタクゆえの魅力でもあります。押し付けがましくならない程度ならば。
メールヘッダはともかく、URLのドメインなんかで萌えキャラ名は結構取り合いになるんじゃないでしょうか。また、ネットゲームのキャラクターでも同じような現象があって、萌えキャラの名前は早い者勝ちという雰囲気があると思います。
ちなみにラグナロクオンラインでの私のキャラは「ξ松平瞳子ξ」というセージと「卍二条乃梨子卍」というモンクでした。ばかだねーこの人。名前の前に記号がついてるのは、早々に取られていたからです。南無。

ニコ厨
『「お前の嫁は俺の嫁俺の嫁は(俺の嫁)( ゜Д゜ )」 〜某ガキ大将の名言より〜』 (2007/06/16 01:56)

このへんをお互い笑って済ませあえると、楽しくなりますネ。ヒートアップするとアンチVS信者になって大変なことに。
ここをいかにうまく笑いながら共有できるかが、次のステップで楽しむカギなのかな、と思いました。
 

●このキャラが本当に好き!だからみんなで分け合いたい。●

『自分の好きなキャラが他の方に俺の嫁発言されているのを見ると色々な意味でニヤニヤしてしまいます』

この方名前がなかったのですが、本当に受け皿の広い方でステキだなーと思いました。
そうそう。自分の好きなキャラが他の多くの人に愛されてるのを見ると、すっごいうれしいじゃないですか。独占するとかじゃなくて、「オレも好き、みんなも好き。愛されてるね!」という感じ。

葛葉
『あすかちゃんは俺の嫁、りょうちゃんは俺の婿
とか言ってたりしますw性別とか関係なしに「スキダー!」って思ったキャラに使いますね、私の場合。』
 
MKK
『微妙にキモい話ですが、僕は中学の頃にはすでに「○○は俺の嫁」という表現を使っていましたww
中学の頃なので5年以上前、しかもインターネットなんて使ったことない時期のことです。
つまり中学の頃から千早は俺の嫁w』

好き→萌え→俺の嫁
もちろんこれ、普段から日常生活で毎日使うってのはあまりないのですが、たまーに冗談で使うから面白いですよね。しかし中学生の頃からリアルで、というのはなかなか強いですね。ステキ。
また、後でも書きますが、男女関係なく好きなキャラへ使えるというのは大きいなあと思います。しかも、ちゃんと「ネタ」っぽいのがいいですよね。そういう点ではこの言葉が、ニコニコ動画のように匿名な場所だからこそ今盛り上がっているんだろうな、というのもわかります。自分の性別も名前も明らかにしなくていいから、使いやすいんですよね。逆に名前出しているところで言うのがちょっと気恥ずかしいのも確か。だが、そこがいい。

たかし
『たぶん双葉ちゃんねるあたりが初出だと思うんですが、「萌え」とちがってバラエティ番組などによってその用法を捻じ曲げられる心配が少ないのが良いですね。(あまりにも一般人の感覚から乖離しすぎていて)』

そのうちテレビとかでネタにされるのかなー、という気もしますが、多分スルーされるだろうな、という気はします。そして、使い方がわりと使っている人の中ではっきりしている分、何言われてもかまわない感じなのもちょっといいですよね。だってもうほら、わざとズれた感覚で言ってるのは最初からわかってますし。
何かの作品が好き、キャラが好き、ってのは「好き」とか「萌え」では表しきれない場合がありますが、せっかく好きならうまく表現したいところ。「俺の嫁」以外にも、もっとバリエーション豊富な「好き」を表す言葉が今後生まれていったら、オタクライフは充実したものになる気がします。それで持てる共有感は、きっと楽しいものになりそう。
 

●俺は〜の婿。●

piro_or
アイマス動画においては、男っぽい女性キャラクターの「真」に対して「真は俺の婿」「俺は真の嫁」というパターンのコメントが散見されます。』

うわーお、ひどいw
このへんは、キャラが作品から一人歩きして二次創作的に愛されている部分なので、笑って済ませられるとベター。
「嫁」ばかりじゃなく、最近では「○○は俺の妹」「○○は俺の娘」「俺は○○から生まれる」なんてのも結構見かけます。最後のはちょっと狂っている感じなのがまた面白い。ネタとしてネ。

流れ物
『「〜は俺の旦那」ちうのを見たことがありますが、男性限定というわけじゃなくて「漢らしい」人が対象だったようです』
 
七誌
『むしろ、〜の嫁は俺とかいうのもありかなっと』

ようは、なんでもいいんですよね。そのキャラと、あるいはそれを見ている人と、何らかのつながりができそうな単語なら。こういう使い方している人は、「人に見られる」ことをも意識しているので、さらに連帯感や共有感重視で、独占欲からは離れている人なんだろうなー、というのも感じます。

U-touhu
『「俺は〜の婿」ではないってとこが、興味深いですね。』
 
radar
『他にも、めっちゃかっこいい男キャラに対して、「〜になら抱かれても良い」みたいな言い方をするときもありますよね。と、言うか自分は使ったこともありますし見たこともあります。
U-touhuさんが※で仰ってることに自分も興味がわきました。やっぱ婿って言葉が使われないのは、古くからの情の方向性のせいでしょうか。最近は決まっていませんが、昔なら好き・愛してるって感情を表現して働きかけるのは男の側だったので、能動的な方(視聴者など)が受動的な方(キャラクターなど)を嫁とするって感じでしょうか。
では、せっかくですので最後に・・・
たまごまごさんは俺の嫁!」』

わーお、照れるワ。
この考察すごい面白いなあ、と思いました。確かに女性が「○○とけっこんしたい」「○○に抱かれてもいい」というのは使いますが、「婿」ってあんまり見ないですネ。オタク的使い方のネットユーザーに男性が多い、というのも影響しているとは思いますが、情の方向性というのは興味深い話だと思いました。
 

●BLや百合でのカップリングいったりきたり●

「嫁」発言が面白いのは、BL、百合、ノーマルのカップリング遊びにも適していること。自分も「瞳子乃梨子の嫁」と常に言ってます。言い過ぎてひかれるのですが、あまり反対意見を言われたことはないです。みんなやさしいなあ。

あこ
『BLというか同人誌のほうですが、「○○は○○の嫁」、逆に「○○は○○の旦那」は使いますね。同じカップリングが好きな人同士では、普通に「嫁」と「旦那」ってキャラを呼んだりします。
ただ、腐女子の多くは「自分という存在と関係のない恋愛」を楽しんでいるので、「俺の〜」と表現するのはあまり多くないのでは…と思っています。少なくとも、「俺の嫁」は言っても(「俺」は自分が男だったら、というIFに基づいているのであくまで実体と関係ないが故に言える)、「私の旦那」という表現はあまり聞きませんね。「結婚したい」がギリギリだと思います。個人的意見ですが。』
 
腐女子
腐女子的には最愛の受キャラを『俺の嫁』とし、攻キャラを『嫁の婿』と言ったりすることもあります。』
 
774
ハルヒキョンの嫁
これだけは絶対譲れない』

面白いご意見ありがとうございます。
「結婚したい」「俺の嫁」はちょーっと恥ずかしいんですよね。どっちかというとドリームに近いし、なんかもぞもぞはがゆい感じも強いです。それは別に乗り越えるべき壁、ではないですし。
しかし、カップリング遊びが楽しい昨今としては、コレは本当にいいツールだなーと思ったりします。ここにも挙げられているように、受けが嫁、攻めが婿、ですよね。「○○の嫁」だけでどのキャラを想像するか、というのもまた面白い。カップリング遊び自体苦手な方もいらっしゃるようですが、あくまでも理解しあえる仲間同士のヒソカな遊びとして使う分には楽しくてしかたないから困る!もっと使おう。こっそりと。
 

●定義するより楽しもう●

どんなオタ用語でもそうなのですが、これでないといけないとか、これは使ってはいけない、というのはないですよネ。あくまでも会話のツール。言葉で共有感を分け合うのが何より楽しいです。
しかし、同時にそれについてこちゃこちゃと考えるのもまた楽しいんですよねえ。今回さまざまなご意見いただき「こんな使い方もあるのか!よしやってみよう」とか思うのばかりでした。色々な人のいろいろな考えを聞けるということ自体が、こういう言葉の真の醍醐味なんだろうなあ、と思ったりするのです。もちろん、たまには「キショい!」って言われるかもしれないですけどネ。うん、そのへんは自分たちでもわかってるからいいんです。わざとわざと。
むしろ、どんなキャラや作品でもあっても、「好き」っていえないことの方がしんどいです。好きなものは色々な形で「好き」と言いたいし、分かち合いたい。そんなオタクのきわめて純粋な根っこの部分が現れるのが、見ていて気持ちいいじゃないですか。そんなピュア☆オタクでありたいものです。
 
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