たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

まったりオタライフとしての、「らき☆すた」のほどよい熟成感


らき☆すた」5巻読み終わりました。たまごまごです。
いやあ、なんか熟成してきている。あれだ、ほどよく発酵したチーズとか日本酒みたいです。いかに「まったり」を楽しむかのリズムを作者が完全に把握しているのが伝わります。
うん、相変わらずあわない人には絶対あわないテンポの作品だと思うけれども、このリズム感に乗ってしまえばやっぱり、この心地よさは別格だと思います。
というわけで、5巻の雑感を、「オタクとして楽しむ」という視点を元に書いてみようと思います。
 

●かがみこそどんどんオタクに。●

以前読んで心に残っていた記事をちょっと紹介。
かがみだってオタクじゃね?問題。(Something Orange)
らき☆すた」の一つの楽しみ方に、こなた、ひより、こう、パトリシア、そうじろう、というオタクの日常ネタを読む、というのがあります。
つかこうやって並べるとオタク多すぎるな!
ちなみに、次点で黒井先生もそろそろ入れていいと思います。
 
それはさておき、かがみです。
5巻では特に、後半に「夏のコンプ祭」用の宣伝が載っているので、さらにかがみのオタク度アップ。
そこで、このコマです。

オタクの線引きはこう!っていう厳密さはあんまり必要ないです。「らき☆すた」だし。
ただ、先ほどの記事にも書かれているのですが、「私はオタクじゃない!」と言いながら、好きなラノベの話を夢中になってしたり、今日の早川さんばりに趣味を布教(押し付けともいう)するあたりがなんとも、かがみはいまどきのオタクらしさをかもしだしているんですよね。特にラノベ方面において。
非常に「オタクらしさ」を表現しているこれが参考になるので、貼っておきます。
「今日の早川さん」門前払い(coco's bloblog)
これを見ていただいたあとに、かがみとこなたの会話を見てみると。

実はかがみは、割と早川さん的な子だったりします。
ただし、本人は「オタクじゃない!」と言う…そこがさらにオタクっぽい。
加えて何気に突っ込み役としての存在が、こなたのオタネタをさりげなく受け返せるという技につながり、彼女がこっそり知識をしいれていることも判明。
かがみはまだまだ成長しそうです。
 

●ひよりん大躍進●

さて、今回オタク力を最大限に振るってくれているのが、ひよりさんです。

同人作家は伊達じゃない。むしろ美水かがみ先生のエピソードの生き写し的な部分があるので、やたら生々しい。
といっても、本当の意味での生々しさではなくて、かなり前向きな「あるある」感じを拾っています。ひより自体もあまりえげつない部分やネガティブなオタっぽさは出さず、比較的ライトでポジティブ。
そう、どんどんオタクのいいところを浮き彫りにしていってる気がします。だから、ひよりはあまりイヤミがありません。このへんはこなたと一緒です。
はて、ひよりの思想は男性的・女性的・・・でいうと、「どちらでもない」気がしてきました。特に5巻ではあまり性別を意識させないキャラになっていった気がします。
それは、彼女に「オタク的」という記号の濃さを楽しむための工夫がなされているから。
おそらく、5巻でさらにひよりが好きになった人は多いんじゃないかと思います。
同時に、これが作品全体の「オタク」に対する思考の雰囲気作りにもなっているんですよね。
そう、「らき☆すた」の人気の一つは、「オタク楽しいよ、時々笑われるけどすげー楽しいよ!」という提唱力なんじゃないかと思います。ええ、実際楽しいですもの。
 

みさおも大活躍。●

はて、オタクのカウンターとして飛び出した、かがみのクラスメイト、オバカっ子みさお
http://youtube.com/watch?v=q6OsUUkrkiU
http://youtube.com/watch?v=Hj-22JVdyv4
みさおスキーならこっちこっち
なぜかネット上ではえらい人気だなあと思ったら、表紙になるというナイスタイミング。

最初は「あずまんが大王」のトモちゃんとかその系列だと思ったら、ちょっと違う重要なキャラになってきましたね。
むしろ「バカキャラ」というのが、最近では属性化しているのを、うまく逆手にとったキャラだと思います。うまいですよ。
まさか彼女がこんなに人気出るとは思っても見ませんでした。もちろんアニメ効果もあるんだけれども、これは計算されたかわいらしさだ。
彼女、今回は「オタクを知らない」というキャラの立ち位置で大活躍します。
先ほども書いたように、とにかくオタクキャラの多いこのマンガで、完全にカウンターにさせらているキャラというのはなんとも貴重なわけですよ。
オタクを距離を置いてみるキャラ、体育会系というカベのあるキャラ(オタクと体育会系は相容れない!みたいな記号パターンをうまく利用してる)。でもおバカだから許せちゃう。
うん、なんともよくできたキャラです。
彼女の魅力も十分にあるのですが、同時にそれが他のオタキャラを引き立てているというのも、オタ楽しみ視点としては興味深いところです。
あと、その積極的にからむ行動から、みさおxかがみ、なんていう邪推すらも浮かばせられてしまうよね…!自分はこなxかが派ですが。閑話休題
 
こなた・ひよりのストレートドオタ。
かがみのちょいオタ
つかさ等の知らない層。
みさおのカウンター。
それぞれがいい具合に磨かれつつあります。
バランスです。

 

●というわけでオタマンガとしての評価●

あ!丁度いいからこれを「業魔殿書庫・オタク漫画紹介録」の企画に出してしまおう!
むしろこっちの記事の方が適している気がしますのでこっちも。
「らき☆すた」をオタクのお楽しみツールとして考えて見る。

面:4 オタ:4 パロ:5 共:5 痛:1 萌:5 燃:1

「めちゃくちゃ面白れえ!」って楽しむマンガじゃなくて、まったりぬるま湯を楽しむ作品だと思うので、マンガ総合評価点としては4くらいで。つまんないわけではないです。マンガとしてすんげえ!とか、ゲラゲラ笑うわけじゃないってことです。なんなんだろう、現象というか、日々の思考、という感じがします。
また、オタネタがすべてのマンガでもないので、全体的には4。ただしコマによっては5まで上下する感じです。オタクのいいとこ取りで、ポジティブだという面ではかぎりなく高得点なオタク浸透に一役買っているとは思います。
パロディは5。特に5巻のパロディネタは危険すぎます。この絵柄でさらっとやっているのでスルーしやすいのがすごいけど、やっていることは絶望先生並。やるなあ美水先生。
共感度は、やはりこの空間で高校時代をだらだらすごしたいので、5。逆に痛々しさは、それすらもあったかさになっているので1。
萌えは初期よりも磨かれている感じがあるので、5。燃えは、…アニメ店長があったら違うけど、ありえないので1。
オタクである楽しさもあり、オタクじゃなくてもニヤケられる要素もあり。5巻でもその配合のバランスが、温泉をうめる水のよう。ぬくいー。
 
はて、余談的に付け加えますが、アニメ版22話のかなたのシーン、マンガではカラーできっちり収録されています。うん、もしかしたら自分こっちの方が好きかも。
ゆうちゃんとゆい姉さんの話など、すんごいさりげないところでいい話が多いので、じわじわきます。がっつりくるわけじゃなく、ほんのり描かれているからこそ。いいマンガだなあ。
 
 らき☆すた 4 限定版 [DVD] TVアニメ『らき☆すた』EDテーマエンディングテーマ集〜ある日のカラオケボックス〜
DVD限定版4巻での俺の嫁つかさがかわいすぎるんですが!これきっと「学級文庫」って言うんだゼ。
あと、らき☆すた関係のCDは色々出ていますが、間違いなく一番面白いよとオススメできるのはこの「ある日のカラオケボックス」だと思います。元ネタを知っているかどうかというのを超越した面白さとぬるさの塊です。くせになります。
 
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