たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

萌え型ソフトウェア音源、初音ミクはまだまだ歩むよ。

●ぼーかろいどー、ぼーかろいどー(MEIKOの歌)●

「THE VOC@LOiD M@STER」 
ところで初音ミクが大人気なのですが、そのオンリーイベントがある魔界都市日記さんに聞いてびっくり。確かに初音ミクMEIKOもかわいいけれども!(ジャケ絵と声が)。
MEIKOユーザーだったけれど使いこなせなかった自分ですが、今のニコニコ動画にアップされている、半分機械的半分リアルな初音ミクのテクノっぷりを聞いていると、欲しくなって仕方ないです。また挫折するんだろうけれども。
 
一応説明すると、「VOCALOID」とは、クリプトンから発売*1されている、サンプリング音声で歌を歌うソフトウェア音源。外人が3種類くらい出ていたのですが、日本人版として「MEIKO」「KAITO」が発売。テクニック次第では歌っぽくなるものの、難易度の高さと微妙にロボっぽさが強すぎて、話題にはなりましたが爆発的なブレイクにはなりませんでした。というのも、英語発音を日本語に当てはめるというシステムのままだったから。「ビョ」とか「ガ」がうまくでないんですよ。
しかし今回の初音ミク、そのちょっと「まだ足りない」感じと萌えっぽさが効を奏し、非常にテクノ電波キッズの心をうちました。システムもだいぶ変わったみたいで、ロボっぽさ6割減くらい。
同時にニコニコで発表しやすいという土壌がよかったのでしょうね、話題になりすぎだろうというくらい話題に。
詳しくはこちら。
VOCALOID@wiki
 

●完全じゃないのがいい●

初音ミクは「始まりかけ」なところがいいんじゃないか(エネルギー吸収と発散)
ここで言われているのが非常に的を射ていると思います。
MEIKOは打ち込み方も日本語発音ではなかったので、テクニカルすぎたんですよね。でも声はいいので、バックコーラスなんかに使うとかなりリアルですよ。

これがMEIKOの歌。これはかなり打ち込みの技術的にすさまじいと思います。自分には無理。歌は多分こっちのほうが初音ミクよりうまいです。
 
それにしてもオンリーイベントですか。すごいですな、そんなに同人誌がもうあるのかあ。そこまで人気があるとは思いませんでした。
発売元のクリプトンもうまいもので、「声がいい」だけじゃなくてちゃんと「萌え」を理解しているのがイイ。イラストがビートマニア2DXみたいなオシャレ感と、ポップさであふれているのもウマイ。
そうですわな、こういうのをいじってうまく次につなげるだけのパワーを持つ人間といえば、オタク心あふれるクリエイター達ですもの。その層にピンポイント攻撃をしかけたのは見事だし、それだけの見返りがえられるような技術力とシステムに「MEIKO」から発展させたのも偉大なもんだ。
とはいえ、まだまだ機械的な音声であることは否めません…はっ、でもそこがいいんだっけか。

だからこういう感情がこもらない曲*2に使うとぴったりすぎる。
 
加えて、MEIKOといい初音ミクといい、なんかこの「完璧じゃない感じ」が、妙に「ぼくのゆめみた未来」の絵図を髣髴とさせて、わくわくするんですよね。
だって、こつこつPCで打ち込んで自力でよくしていくわけじゃないですか。かつ「次に出るのはもっと改良されているんじゃないかな!」とか期待させられちゃうじゃないですか。
そして、「ひょっとしたらこれは可能性ある?」なんて思っちゃうじゃないですか。なんか色々な方面に使えそうだなあという妄想と、ここまできたかあという技術力への憧れと、もっといい物が見たいという探究心と。
いわば、PCの中のホムンクルスです。
 
そりゃテクノ音楽フェチとしては燃えますよ。ボコーダーに自分の声を録音して変形させていたのの、逆バージョンみたいです。
そのへんうまくおさえているのが、これ。

いやあ、ワクワクするな!この意味のなさと、グラディウスの音楽を8bitで初めて聴いたときのドキドキ感がじわじわくる。
もちろん、ビブラートとか音の入りが以前と比べて格段に発達しているので、伸ばすタイプの歌なら、ちゃんとした歌も歌えます。

うん、「ちゃんと」じゃなくてやっぱり萌え声でした。
 

●記号としての「萌え声」●

初音ミクは「萌え」と枕詞をつけられることが非常に多いソフト。
うん、名前からしてそういう方面ですもの。
考えてみたら「萌え」という言葉って、時には愛情としても使われつつ、時には人格を奪い記号化するアイテムなんですよね。
それを考えたら、この機械的だけど間違いなく女の子の声、という音声が「萌えだね」と認識されるのはもっともなこと。
初音ミクを聞いて「日本はじまったな」というコメントをついしてしまう人は、まさにその「記号化」の部分に反応させられるんだろうなあと思うのです。自分もこれが本気でリアルだったら、また違う反応をしていたかもしれません。
このシリーズ、とりあえず3弾までは出ることが確定しているので、次はどういう声優さんを使ってくるのか楽しみです。いったんこのシリーズは「萌え型」に特化して、うまく技術ができていったら、普通の(?)声にそれを生かしていけばいいんじゃないかな?と思いました。
そして、同時に初音ミクに興味を持った人は、ここから「自分の好きな声をサンプリングして音楽をつくる」楽しさも!どんどん発展していけばいいなあと願うばかりです。
  
あ、オンリーイベントの日にちは2007年11月3日です。
同じ日に自分も大好きなヘッドフォン娘オンリーみつどもえオンリーまで。全部あわせてスキマフェスティバル。いける人はぜひ。
やはりこういう技術の発展にこそ、オタクのパワーは大切ダ!
 
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ヒドイ。
 
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一番大事なこと。
「発表できる」ってのが、初音ミク&ニコニコで相性が抜群すぎると思うのです。こーりゃ楽しいわけだ。
 
〜関連リンク〜
日記とか初音ミクとか(extra)
ライトノベルと初音ミク(少年少女科学倶楽部)カトゆー家断絶より)


VOCALOID2 HATSUNE MIKUVOCALOID MEIKO

*1:クリプトンから出て、日本ではYAMAHAが扱っています

*2:原曲にはこもっているけど言語が分からない人にはこもってないように聞こえるだけなんだとは思うんですが!この曲は特別すぎです。