緑髪キャラを見るときの、三つの視点。

以前「緑の髪の子の立ち位置って、どうよ？」という記事を書かせていただいたのですが、いやはや、驚くほど出てくる色々な緑髪。みなさんの知識量すごいです。
面白かったので早速紹介してみようと思います。
まず先に、「うる星やつら」のラムちゃんの話から。

ラムちゃんはアニメではセル塗りの関係で緑ですけど、原作では「光の当たり具合によって色々なカラーに変化する虹色」と言う設定だったはず。コミックの表紙なども、ほぼ全部虹色ですね。
ですからラムちゃんは「最初に緑ありき」で設定されたキャラじゃないので「緑っぽくない」のは当然かと。

祈月 『うる星やつらのラムですが、確かにアニメ版は緑色ですが、原作では見る角度によって変化する虹色（ＣＤやＤＶＤみたいな感じ）なので、微妙に本エントリーとはずれているような気がします。』

となると、いわゆるアニメ文化圏の「緑髪」とはちょっとベクトル違いそうですね。玉虫色、かな？
その設定を異質な存在で表現した高橋留美子先生はすごい。

●色々緑髪さん。●

『緑髪っ娘っというと自分の中でのファースト緑髪っ娘が魔神英雄伝ワタルのヒミコだったので癒しというか』
　
『緑髪には超人ロック以来の超能力者の象徴という面も
ラムやよつばは癒しより、異界人の象徴という面が強いのでは 』
　
『緑髪といえばヤダモン！ティラクル・ラミカル・レルラミルー！』
　
とおりすがり 『トリトンもそうだべ』
　
ローゼン 『うちの翠の子はいらない子なんかじゃない！癒されるのは確かだけど。』
　
si『ひぐらしだと魅音、詩音姉妹とかそうですね。翠星石は髪の毛とは違うかな…』
　
doapon 『仮面ライダー電王の緑キャラも癒し系・・・。おお！　なるほど！』
　
ついでに見ちゃう仮面ライダーもそれ、当てはまりそうです。
　
ち 『緑髪と言えば君のぞのマナマナも忘れてはいけません。当時、このキャラの所為で緑髪が不遇の時代を迎えましたから。』
　
うに 『おねツイはキャラが積極的に変わったと思うが』
　
まぜ 『髪の色とはちょっと違うけどケロロ軍曹は？』
　
江戸 『ロロノア・ゾロも緑だけど・・・
こうして見ると緑だからどうって特徴はなさそうですね』
　
ぐるっぽ『ブレスオブファイア５のニーナとグランディアのフィーナ(名前にてるな…)を連想しました。特徴がバラバラですね。』
　
とうりすがり2『みどりは癒し系、は面白い着眼点ですね、ガチャピンとかか。そういえば、毒を持った生き物もミドリ色(毒のブレスを吐くグリーンドラゴンとか)ですよね。』

Tobishima 『「うる星やつら」ラム、「コンバトラーV」南原ちづる、「ToHeart」マルチ、「銀河漂流バイファム」カチュア・ピアスン、「エウレカセブン」エウレカ、「機動戦士Zガンダム」フォウ・ムラサメ、「ヴァンパイア」モリガン・アースランド、「リンダ3」リンダ、「コードギアス反逆のルルーシュ」C.C.、「ドラゴンクエストIV」女勇者、「デ・ジ・キャラット」でじこ、「ケンコー全裸系水泳部 ウミショー」蜷川あむろ、という感じですが、あんまりこれと言った傾向は無い気もします。
その他↓
外見要素-髪-髪色（鳶嶋工房ゲームザッキ）』

緑髪って言ったら『敷居の住人』の本田君だろう（レーダーテクニカ）
緑色の髪といえばこれでしょ。（Something Orange）
似曲（MP_KI-MOの日記）
すごっ。
言われてみたら納得のものがずらり。「超人ロック」や「敷居の住人」は緑髪であることがすごいポイントになってましたね。
ケロロ軍曹や翠星石は確かに髪の毛が緑なわけではないえすが、イメージカラーとして定着しているので確かに路線は同じかもしれません。
はて、赤や青に比べるとそれほど強烈な方向性がなさげな緑色。以前も書いたように、主張の弱さと目に優しい色彩で、どちらかというとサポートする部分も強いのですが、こうして並ぶと３通りの方向性が見えてきました。
　

●緑の髪の、３種類の方向性●

拍手レスの中で、すごい興味をひかれたのがあったので、紹介。

中世欧州では、緑は森の色、つまり人外やアウトサイダーの象徴でもありました。

ほほう、人外！
ポンと思いついたものとして、「ToHeart」のマルチ、「ヨコハマ買出し紀行」のアルファが思い出されます。このへんロボットですね。
異質さ、という意味では確かに「緑の髪」であるだけでかなり、他者と違うことがクローズアップされるキャラ多そうです。
　
そしてもう一つこちらのエントリ。非常に詳しく考察されているので、緑髪に興味ない人でも面白く読めると思います。
ならば集めてみましょう、緑髪キャラを！（二浪農工）

個人的な意見としては基本緑の髪色ってその作品の自由さを表していると思ってます。

実際にすぐそばにいたら驚く、赤・青・緑の髪の毛。中でも「緑色の髪の子がいる＝現実ではない」、というのすごい強いですよね。
だからこそ、ギャルゲー方面ではそれらのカラーの髪の毛の子が多いのもうなづけます。あ、もしかしたら「ＲＧＢ」？
こうなってくると、一概にパターン化はできないですが、方向性がかなり見えてきた気がするのでまとめてみます。
　
・１、癒し、やさしさ、心の支えとしての存在。
例・「プリキュア５」こまち、「魔神英雄伝ワタル」ヒミコ、「東京ミュウミュウ」碧川れたす、「ケンコー全裸系水泳部 ウミショー」蜷川あむろ
元気だったり、やさしかったり、おっとりしていたり。癒される存在として、見ている側の心の支えになりそうな存在として、緑は落ち着く色なので感覚的に理解できます。ただ、その場合「他のキャラも比較的髪に色がある」という前提がありそう。
　
・２、異質、特殊、他との関係での明確な違い。
例・「ヤダモン」ヤダモン、「超人ロック」ロック、「美鳥の日々」美鳥、「PSYCHO+」緑丸、「君が望む永遠」穂村愛美*1
明らかに他のキャラと一線を画しているのを表現するのに分かりやすい手段です。先ほどの「緑は異質・アウトサイダー」のイメージと重ねると面白い。世界観が現実的であればあるほど、特殊感がまします。確かに赤や青が一人だけいる、ってのも違和感にはなるんだけど、緑のインパクトと違和感にはなかなかかなわないのは、見慣れているせいもあるのかなあ。
　　
・３、クールさ、冷静さの象徴。
例・「ワンピース」ロロノア・ゾロ、「らき☆すた」岩崎みなみ、「ヴァンパイア」モリガン。
こちらのコメントも参考に。

ええと 『ごめんなさい。乙女ゲームの髪の色がどーのこーのと書いたものです。こんにちは。
乙女ゲーうんぬんと書いたのは、乙女ゲームだとけっこう青とか緑がメイン（「王子様ポジション」とか言いますね）のことも多いなぁと思ったから。
女の子が求める「かっこいい男（の子）」としては、「熱血」より「冷静・おとな」ってタイプなのかなーと。
もちろん赤髪クンがメインのものもありますが。
「緑」って「緑の黒髪」って言葉があるからか、（ありえなくない）自然な色として使われてる場合もありそうですね。』

詳しくないのであげれませんでしたが、おそらく乙女ゲームでここいっぱい埋められる気がします。なるほど、男性が見る視点と違って、女性視点で「クール」さを求めると緑髪に、ってのはすごい分かる気がします。
１とも通じるんですが、落ち着く色だからこそ、大人っぽさの表現でもありますよね。あとは青ほどクールではないけど、柔らかに冷静な芯の強いタイプとか。
　
・１と２の間に入るもの。
「ヨコハマ買出し紀行」アルファ、「ToHeart」マルチ
とりあえず癒し型で人間じゃないものを。
　
・２と３の合間くらいに、入るもの。
「エウレカセブン」エウレカ、「コードギアス反逆のルルーシュ」C.C.、「機動戦士Zガンダム」フォウ・ムラサメ
ここはもっといっぱいありそうですね。綾波レイとはちょっとベクトルが違うけど、何か裏がありそうな美形ヒロインの土壇場かも。
　
当てはまりずらい独特なキャラもまだまだいます。「ひぐらし」の園崎家なんかはあまり何かに当てはまるものではないと思いますが、確かにあれが赤髪や青髪というのは考えずらいのでかなりキャラの深い部分に根ざしているでしょう。
あと個人的にずーっと違和感があったのが「よつばと！」の小岩井よつば。あれは「外国からきた」という特別さなのか、「この子の視点は特別」という意味なのか。あのリアルな世界で、一人だけデフォルメキャラ（鼻がずっとない）な上に緑髪ですもんね。最初「そういう風に特別に見えているという表現」なのかなと思ったのですが、ちゃんとセリフでも緑の髪の話がでているので、やっぱり現実。うーん、これ色々な説が今すでにとびかっていそうです。
　

●緑のイメージ●

そのほか、イメージとしてこのような話があがっていたので紹介。

あたま 『きゆづきさとこさんの漫画にも色彩のことについて詳しく書いてありますよね。
その中では緑は中性的で、自己主張に向かない色だとか…
まぁ髪の色とかだと少し違うかもしれませんが…』

これでしょうか。うーん、今度読んでみよう！
自己主張に向かない色、というのは非常に重要な要素ですよね。どちらかというと髪の色よりも、キャラクターの服の色に反映されていきそうなので、こちらも探してみると面白そうです。

kari 『緑髪というと、キャラに裏表がないというイメージですねぇ。
後で判明する実はこんな性格・・・みたいなのが考えられない。
ピンクや赤だとそれはありそうなんですがね。』

緑の人は縁の下の力持ち確定したキャラ。ピンクはほぼヒロインの証ですがその他は作品によって違ったり。
緑は固定なのです。主役ないけど副確定。獣拳戦隊ではないけどその分敵側に居るし。

通りすがり 『私は緑髪の女キャラはお姉さんキャラのイメージがあります。男キャラは…知的なイメージ？』

色々なイメージをこうやって聞けると興味深いですねえ。
自分も緑キャラは純朴で年上的、というイメージが強いです。が、今回色々あげていただいたことで、クールさや異質さという古くからの感覚があるのもわかりました。
緑キャラだから裏表がない。緑キャラだから裏がある。どちらもその目に入った緑の印象で大きく変化しそうです。緑じゃなきゃそれらの感覚が成立しない、というキャラ付けでしょうか。

うー『緑は概ね微妙ですね・・・最近見返したアニメだとシャッフルとかで思ったかな・・・
ただ微妙なのがある一方で自分が今見返してる最近というか昨年一昨年あたりのだとこいこい7のひふみや絶対少年の美紀とか（エルルゥは違う？）いいキャラもいるんですけどねー。ここら辺は癒しや自己主張しないとか当てはまってたせいかいい印象
ところで緑に反して紫髪のキャラはかなり癖が強くてその存在自体が特殊なキャラが多い希ガスる（準にゃん、羽入など』

今回あまりギャルゲ系の緑の子は取り上げてないですが、おそらくギャルゲ内だと他にも髪色が特殊なキャラが多いこと、全体の色彩のバランスなども絡んでくるんでしょうか。ただ、おっしゃるようにゆったりした癒し感、というのは共通してそうですね。
紫はクセや自己主張強そうですが、これも並べてみたら面白い結果出そうですね。高貴なイメージもありそうです。

ゆゆ 『緑はいらない子、ピンクは淫乱という定型句があるような無いようなあるような』

しかし、ピンクは淫乱なんですか！！！ですか？ｗ
関連・ピンクの髪のキャラでいちばんかわいいのは （２ｃｈ）
マジレスすると、ケロロ軍曹の夏美。
　　

●他との兼ね合いで。●

最後に、非常に納得させられた意見をひとつ。

hyu-rock 『マリオに対するルイージの扱いは「緑」に相応しいと思います。一方でヨッシーは単体での人気を確立していたりと、緑キャラといってもいろいろなんですけどね。
それと私の場合、赤がメインキャラだったら、その対比として青が来るか緑が来るか、という印象があります。色はそれ単体でも意味を持ちますが、他のキャラや要素との噛み合わせで大きく意味が変わってくるのが面白いところですね。』

ルイージは髪が緑ではないですが、確かに緑系キャラの代表選手！そしてサブキャラ、サポートキャラの代表選手。マリオは赤ですね。
もし周囲が黒髪で、その中に緑髪が一人いたら相当目立つので、メインキャラになる場合は多いでしょう。まさに異質の証です。
しかし、全員ありえない髪色の中で緑がいたとしたら、あくまでもそれは性格づけの比重が大きくなります。そして、周囲のキャラとの対比の中で「比較的クール」「比較的おだやか」という、他キャラとの差異を一瞬で感じられます。
同時に、緑といっても深い色から青っぽいのまでさまざま。そのへんの色のこだわりこそが、新しいキャラクターの繊細な魅力を生んでいくんでしょうね。
ファンタジーなればこそ。

やっぱり今は、「緑の印象」といえばこの子でしょうか。緑は人気が出ずらい、なんていうジンクスはなんのその。

*1:なんとなくどうしても違和感のイメージが。