たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

のぞみは本当にポジティブなのだろうか。「プリキュア5第47話」

さて、プリキュア5も今回を含めてあと3回。佳境です。
そうなってくると強い敵のオンパレードになってくるわけですが、中ボスカワリーノさんがとうとう変身しました。
そのお姿たるや。

きたぜ世紀末。
というか、今まで黒仮面かぶった敵の、わりとふわふわした体格と比べてずいぶんかっこよすぎじゃあありませんか。

変身後って崩れた顔が多かったのですが、カワリーノさん、超美形。なんですかこのいやらしげな目元。変形元よりエロくなっています。
 
そんな回でした。
いやあ、中ボスらしい強さを存分に見せつけてくれました。これはどう戦うのか見もの。ファイナルエクスプロージョンも封じられ、個々の技を逆手にとって利用する上に、最強のミントバリアーまで吸収されるとなるとどうしたものか。
とはいえ、逆境を突き破ってこそのヒーロー・ヒロイン。ここからが本番ですね。
 
さて、今回戦闘がメインの回ではありますが、この作品のテーマ「夢」「希望」に直接ぶつけられた部分が大きな回でもありました。
そもそも、夢とか希望とかって、かなわないこともあるわけです。
ましてやそれが、将棋のコマを詰めるように一手一手と追いたて、逃げ場がなくなる今回。「それでも負けない!」というのがやはりヒーローイズムとしてはうれしいところなんですが。
果たして主人公の夢原のぞみさんは、本当に心からそれらの発言をしていたんだろうか?と改めてみてみたいと思います。というのも、以前のぞみが「ココと別れなければいけない」という現実に揺れていたことがあったからです。
本当に、彼女は心のそこから言葉を出しているのだろうか。
 

●「大切なのは、これからどうするか」●

前回、カワリーノがココに化けるということで、ざっくりコレットを奪われてしまった一同。
いやあ正直ミルクが、どう見ても怪しいヤツにだまされて、苦労に苦労を重ねて守ったコレットを敵に渡した時は「ミルクのバカー!!!!」とついついこちらも言ってしまったものです。
言っちゃいますよね、あれは。あんまりにもあんまりすぎて。
しかし、今回のミルクの落ち込みようとみんなの鬱な気分を見ていると、こちらもぐったり落ち込んできます。そうだよなあ、ミルクは別に悪いことしようとしたわけじゃあないんだ。ごめんミルク。

全員がもう打ちひしがれていたときに、のぞみさんが本領を発揮しました。
「大切なのは、これからどうするか」
当たり前のことだけど、なかなか目を向けられなかった言葉をがっちりと言います。
 

全員が落ち込んでいるときにぼそっとのぞみがつぶやくこのシーンがすごいいいんですよ。
初期では何かもめごとがあると「まあまあ」とか言っていたのぞみさんですよ。ことなかれ主義的な台詞回しが多かった初期のことを思い出すと、この一人で外を向きながら全員に語りかけるシーンはぐっときます。ああ、この子こんなに成長して、みんなに対しての自分の立場を理解しはじめているんだと。
実際、今までの彼女だったらこうはならなかったでしょう。そこにはココの助力があり、みんなとヤバい事態を乗り越えてきた経験があるから。
しかしそれが本当に自信だったのだろうか?
 

とにかく印象的なシーン。
「だって、空はまだこーんなにきれいだもん!」
もし一度限りのアイテムを使ってしまっていたら、もうこの世界に影響が及んでいるはず、でもそんなことはおきていない!と言い切るシーンです。
そのへんの心の状態がうまいこと描かれているインパクトがあります。それは、今までのぞみの姿は基本的にこちら向きが多かったのにもかかわらず、ここは特別に逆光で向こうの外側を見つめているから。珍しいですよね、この構図。
 
確かに一度こちらを向いて笑顔を見せている彼女ですが、キメで後ろを向いて表情が見えないというのは色々な感覚をこちらに呼び起こさせます。
まず、彼女が全員と視聴者を引っ張る立場に立っている、という事実。
次に、のぞみという人物を見つめる、他の4人+3人からの視点。
そして、彼女が必死に前を向こうと精力を尽くしている、という状況。
 

●何も考えていないわけじゃない、必死なんだ●


のぞみさんは、「何も考えていない」と他キャラから評されることもあります。
実際、あまり深く考えていないことが多いです。直感で、とりあえず「なんとかなるなる」と口癖のように言い続けてきました。
「なんとかなる」というのは確かにそう思ってから言うことも多いのですが、考えるよりもさきに言っておくことで安心感を得る、という場合も非常に多いと思います。
のぞみさんの場合は前者が今まで多かったのですが、今回のこの状況はおそらく後者なのではないかと思うのです。
 
言葉というのは不思議なもので、口にしてカタチにすることでそちらに向かっていくことも多いもの。
大丈夫だよ。なんとかなるよ。うまくいくよ。絶対。

合理的に考えてどうなるのか、というのを組み立てて、悪い方向にイメージがなだれ込んでしまうのは、大人になってもよくあることです。
おそらく今ののぞみさん、その状況を作った途端、崩れて落ちてしまいそうな危うさを秘めまくっています。そりゃもう、つついたら崩れるトランプタワー状態です。敵に今にも負けそうだという事態、うまくいったらココと別れざるを得ないというひっぱくした感覚。これを耐えてみんなを励ますというのは並大抵のことじゃあないです。

しかし彼女は、絶対にみんなの前で笑顔を絶やしません。敵に付け入られてそそのかされても、絶対に言葉をゆるがせません。論理的に説明することはできないけれど「大丈夫!」「負けない!」「夢をあきらめない!」と言い続けます。
 
彼女の中には、ある面ではココらに支えられて生まれた確信もあると思います。
しかし、確信があるから強くなる、とは言い切れるものではないですよ。彼女だってまだ中学校二年生の少女です。少し前の回ではボロボロと泣いていた子です。
だから、彼女は必ず言葉にします。必ず行動にします。
何らかの見える形にして、自分と周りを「とりあえず安心」させるのです。
 
これは逃げとかだましではなく、大人になっても非常に重要な生きるテクニックなのかもしれないなあ。
前向きなことだけ言葉にする。無理かもしれなくても言葉で諦めない。かなわない夢かもしれないけれどまずは出来ると言ってみる。責任なんて後回し。視線を一旦リセットして方向修正です。
のぞみという少女の今の心境が不安じゃないわけないですし、何も考えていないわけもない。彼女はそれでも「諦めない!」と言う言葉で、今必死に心を支えなおしているのかもしれません。
「無理かも」と言ってしまってから踏ん張るより、空元気でも無理やり言葉にするのは効果がある。そんな彼女の姿勢がたまらなく愛しい。
そうあってほしいと視聴者は願い、周囲のキャラは願い、本人も願っているのかもしれません。
 

●りんちゃん羞恥プレイ●

今週の最大の見所はなんといっても、のぞみさんによるりんちゃんの羞恥プレイです。
大声で「ナイトメアー、でてこーい」と叫べと強要するのぞみさんに、イヤといえず答えるりんちゃん!

まず驚いて

ひとしきり悩みつつ(主にのぞみとの関係を)

心を決めて。

いくら自分が汚れたなあと思いつつも、羞恥プレイという言葉以外思いつきません。
ああ、自分がこのとき、のぞみさんになって同じ顔をさせたいとどれだけ願ったことか。やはりのぞみxりんちゃんの構図は自分の中では揺るがないものとして、記録されました。
「のぞみのためにプリキュアになった」というりんちゃんの最初の心が今も残っていたのがちょっといいじゃないですか。やはりのぞみがムチャをやって、りんちゃんが「仕方ないなあ」と思いつつも支えるというこの関係がたまりません。
以下妄想は止まらないのでここまで。
 
見所その他色々。
その1

なぜかご丁寧に、戦闘用のコロシアムの観客として並べられたナイトメア職員。
彼らは本当にヒトなのかどうなのか分かりません。幻?ずいぶんと都合よく使われる割に、なんにもしてないんだものなあ。
 
その2

心理的にいやらしい敵、という意味では、子供番組では出色の出来のカワリーノさん。最後の最後までえげつなさを見せてくれそうですが、今回は徹底してデスパライア様の部下の位置でいる様子。ここまで強かったらピンでもいいくらいなのになあ、何か考えているのかしら。

その詰め寄り方の言葉の使い方も、イヤラシさも抜群。顔つきのインパクトも抜群。いい目してるなあ。
 
その3

プリキュアさんたちは、もうちょっとだけでいいので連携プレーを考えた方が強くなると思いました。
 
その4

相手の能力を尻尾で吸収して、自分の攻撃にしてしまうというのはなかなかいやらしい能力。ミントバリアが吸収されたときは絶望しかけましたよこっちが。
にしても、カメレオンだとばかり思ってたんですが・・・なんの動物がモチーフなんだろう?
 
その5

今回異常に動きのよかったのが、こまちとココが吹っ飛ばされるシーンでした。ものすごい流れるような見事な動き。ちょっとわかりずらいんですが、ココの位置関係と、「べちゃ」っという感じがうまいこと動いていました。
 
その6

デスパライア様の素顔拝見。うわ、美人だ。これは若返ったということなんでしょうか。
結局コレットの力は使い果たしてしまい、ピンキーも全部いなくなりました。「阻止できなかった」というのは面白い展開です。はて、こっからどう這い上がるのか。
 
その7

最高にインパクト強すぎる次回予告。このコマだけ見るとあまりにもシュールすぎて何が何だか。「なんだこれ」って思った人は、それで正解な気がします。
 
その8

次回予告より。りんちゃんの右手に注目!
最初はヒザがよくて見入っていたのですが、よく見たらその手に硬く握られたアクセサリー。そういえばりんちゃん、夢が…とかれんさんに言いかけていたなあ。
もし足元のものが絶望の塊だとしたら、これは何かものすごく熱い魂が動く予感がします…。

それをだいなしにして申し訳ないですが、うららの絶対領域とヒザはエロいなあと思いました。
 
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以下過去記事
 
 
大人になったら何になりたい?「YES!プリキュア5」第一話
プリキュア5が二話目にしていきなり百合展開でした。
実力の伴わない夢は持ってはいけませんか?「YES!プリキュア5 第4話」
これからのヒロインはもりもり食う時代へ!「プリキュア5 第5話」
やけにリアル社会人な敵のお仕事。「プリキュア5第6話」
少女たちの絆は、少しずつ歩き出した。「プリキュア5第7話」
学年や身分による感覚のカベってありますか。「プリキュア5第8話」
有名なみんなと、そうでない自分と。「プリキュア5第9話」
社会の仕事は甘くない。「プリキュア5第10話」
今がんばることは、ムダじゃない!「プリキュア5第11話」
アイドル業は、その一歩から。「プリキュア5第12話」
自分のために生きる?誰かのために生きる?「プリキュア5第13話」
お金で買えるの?その価値は。「プリキュア5第14話」
少女達の友情はいつまでも。「プリキュア5第15話」
自分の視野を仲間内だけで満足してはいないか。「プリキュア5第16話」
どんな時でも、そばにいるよ。「プリキュア5第17話」
友達は、必要ですか?「プリキュア5第18話」 
心配は何のためにするの?「プリキュア5第19話」
まっすぐ進むだけが道じゃない。「プリキュア5第20話」
ミルク視線で楽しむ「プリキュア第21話」
大人としてのココの立ち位置。「プリキュア5第22話」
5人それぞれの心の闇へ。「プリキュア5第23話」
追悼・ギリンマへ。平社員の憂鬱と哀しみに敬礼
さあ、その手をつなごう。「プリキュア5第24話」
4人の心がここから開くんだ!「プリキュア5第25話」
見終わった後の顔は鏡では見られない。「プリキュア5第26話」 
夏に女の子を怖がらせたくはないかい。「プリキュア5第27話」
あなたがいつも側にいたから。「プリキュア5第28話」
人をつなぐ架け橋になる人って、大切なんだよね。「プリキュア5第29話」
自分が輝くのではなくて。「プリキュア5第30話」
乙女の感情の高ぶりに、ニヤけたりへこんだり。「プリキュア5第31話」
結婚ドリームなんてお父さん許しませんよ!「プリキュア第32話」
マスコミという名前のコミュニケーション。「プリキュア5第33話」
影から支える人たち。「私があなたの騎士になる!」「プリキュア5第34話」
信じてくれる人がそばにいる、それだけでいい。「プリキュア5第35話」
あなたと一緒に、自分達のペースでゴールまで。「プリキュア5第36話」
バランスよい食事と、バランスよい人間関係。「プリキュア5第37話」
プリキュアたちの関係をファンタジーな角度から見てみよう。「プリキュア5第38話」
叶わない夢。消えていくこの瞬間。「プリキュア5第39話」
大きなお友達向け、プリキュア5映画版の楽しみ方。
影で支え、見守る人こそが。「プリキュア5第40話」
夢と言うのは、形が必要なのかい?「プリキュア5第42話」
かなわない希望なら、最初から抱かなければよかったの?「プリキュア5第43話」
いつも私たちのそばには、あの人がいたんだ。「プリキュア5第44話」
手にしたものを失うのは怖いよ。「プリキュア5第45、46話」