たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

目標と希望の階段、そしてのぞみのある方向へ。「プリキュア5第48話」

プリキュア5も残すところ明日の1話のみ。
今まで5人がそれぞれ、日々の中で「自分たちはこれからどこに行くんだろう?」と試行錯誤をしつづけ、敵との戦いとは別のベクトルでどんどん成長を遂げていたのが今回のプリキュアでした。
にしても、「夢を持つ」というのはなんとも漠然とした言葉です。奇麗事でいうのは簡単なんだけれども、実際にそれを中学生女子に問うときに答えなんて出るの?
そのあたりがじわじわ、1年かけて描かれ続けてとうとうラスト2話。
結論からいうと「具体的な目標をおくことには意味がある」でしょうか。そのへんを48話からちょっとだけピックアップしてみます。
 

●それぞれの絶望●



「絶望」って言葉はなかなか体感的には分かりずらいです。
以前中盤で4人がカワリーノさんの作った絶望に追いやられたとき、「なにがどう絶望なのか」を具体的に表現していたのは面白いところでした。個人的に傑作回な、23話です。
5人それぞれの心の闇へ。「プリキュア5第23話」
 
「絶望」と一言に言っても、こまちが陥ったように現実逃避的なものもあるんです。解釈の幅の広いところだなあ。
ようするに今目の前にある目標をいかに見失うか、というところなんだと思います。
 
カワリーノさんはそういう面ではこのプリキュア5という作品で、相当がんばっておりました。もう絶望させるためなら手段は選ばない上に、部下はがんがん切るし心の弱みに付け込むし、と。いやはやすばらしい敵っぷりでした。特にプリキュア5人の心のスキに付け入ろうと目をギョロギョロさせる様は、視聴者側にも怖さと嫌悪感を与えたものです。いいキャラですわ。
無敵と思われたカワリーノさん。しかし彼にも強烈な弱点があるわけですよ。
 

●それぞれの夢●

「絶望」を武器にするというのは、割と現実味がある気がします。
やはり人間の意志を陥とすには、相手の心を挫いて絶望的な状況をつくるか、欲望に負けさせるか、じゃないですか。
しかしこれって強烈な欠点があります。絶望を武器にしている側も、結局は絶望することを糧にしているために、状況次第であっさり見限られる可能性があるコト。
いやいや、前回は、必殺技は吸収されるわ、力でどうやってもかなわないわ、がんばってたドリームコレットはあっさり使われるわと間違いなく絶望的だったんですが、今回絶望させられる側にころっといってしまったカワリーノさんの捨てられっぷりときたら。

どう考えても助けてくれそうにないじゃあないですか。
日々「絶望絶望」言っていた側が、本当に絶望に堕ちたとき、もう言い訳は出来ません。
 
同時に、絶望は具体的なカタチを持つことで突破口ができます。
一旦23話で絶望にやられた5人です、免疫注射済みってとこですよ。あとリアルタイムに半年過ごして成長したのは伊達じゃありません。

組み合わせとしては2組出来ていました。
うらら・こまちは「作品を作る」という面で、明確な夢を持ちました。
何かを作る、というのは目の前に目標を作るうえでかなりよいのかもしれません。人生の夢がマラソンのゴールだとしたら、作品を完成させ次に進むのは、遠くに見える電信柱までがんばろう、というものに似ているのかもしれません。
二人はまだまだどんどん作品を作り続けて、そして二人で作品を作って…そしてまだまだ先に目標が。ガケをの登る時に手をかけるところがあれば登りやすいように、具体的な目標を重ねることも大事なんだ、と二人は表現します。
そういえば初期ではぜんぜんこの二人の絡みなかったなあ、と考えると感慨深いものがあります。

一方、初期から仲たがいをしていたかれんとりん。この二人がここに来て一気に近づいたのは最高の演出ですね。求めていた絆ができたと言うか。
りんちゃんとかれんさんは、確かに合わないんです。性格のねっこの部分では。しかしそれを踏まえたうえでお互いを認め合い、そしてお互いの夢が出来たときには真っ先に伝えよう、といいます。
夢を言葉に出来る相手がいることは強力な手助けになるんですよ。自分一人というのは崩れ落ちやすいもの。実際今までもカワリーノさんは、絶望させるために一人に出来る環境を作ろうと苦心惨憺していました。
しかし、「この人には伝えられる」という相手がいるとそこにぐっと踏みとどまることもできるわけです。それが力になるわけではないけれども、支えの一つにはなるのかもしれません。
 

絶望を打ち払う時のりんちゃんのカットは燃えるよね。だって右手に、自分の夢のアクセサリ握り締めているんですよ。まさに自分の未来を切り開く光じゃあないですか。
 
「パルミエ王国復活」というでかい夢がトップにはあるものの、本当の意味で個々を動かしているのは自分たちの、大きく、あるいは小さい希望だったりするのがいいと思うんです。
でっかくて漠然としている夢は簡単に壊れてしまいます。しかし本当は、自分のリアルに即した目標の数々こそが大きな希望への階段の一つになるんだよ、とこの作品は提示しているのかもしれません。
 
あれ、のぞみさんは?
 

●とりあえずがむしゃらでもいいじゃない●


最後まで個人的な夢を作らず、あくまでも「パルミエ王国のために」だけを目標にしていたのぞみさん。
彼女は他のキャラと違って、明確な夢がわからないままでした。本人もそれを時折困惑の種として抱えていました。しかもその夢かなえたらココいなくなっちゃうし。
だけどのぞみは、走る走る。ただひたすらに、時には目をつぶっているかのように。
 
そもそもまだ中学生です。幼いわけです。むしろこまちやうららの大人っぷりは落ち着きすぎなくらいです。自分が中学生の時に「夢を持て」って言われても、漠然としたものは持っていても「どうせかなわないしなあ」程度のものでしたってばよ。そんなもんです。
しかしのぞみは、たいしたもんだ。

かなうかどうか、正しいかどうかはいいんです。まずは「やれる」ことがのぞみさんの最大の強さ。じっくり考えて冷静に石橋たたいて渡るのも時には大事ですが、彼女はそれをしません。もちろん捨て身ではないですが、ポジティブに信じて信じて、「まず行動」します。
ギャグのように挿入される「けってーい!」「なんとかなるなる」がここにきて、カタチになった気がします。
他の4人が比較的大人びた、安定した部分を個々で探すことが出来たのも、のぞみが蒸気機関車のように突っ走ったおかげ。引っ込みじあんで心を開けなかったうららなんて、のぞみがいなかったら、今のようにならずネガティブさんだったんじゃないでしょうか。友達も作らず。
だから、のぞみはとりあえず今は走れるから、具体的な夢は無理に作らなくてもいいのかもしれません。ただ、いずれ具体的な目標がまたできる日がくるんでしょう。こまちが一つ一つ手をかけて登るタイプなら、のぞみさんはハードルめざして一直線にガンガン乗り越えていくタイプ。
次の目標は今は見えないけど・・・超えたら見えるよ、なんとかなるなる。
 

●ひっさつわざがつながったぞ!●

今まであまりにも個々がバラバラに必殺技をうつもんだから、時々ごりおしすぎて負けていた彼女たち。もっと頭使えよ特に知性!とか思っていましたが、今回打ち合わせもなく必殺技連携をしました。はじめてかも!?
そんなわけでみどころ
 
その1

マッチ。
りんちゃんの必殺技って直線的な部分があるがゆえに、もっと応用がききそうです。地上オプティックブラストと空中オプティックブラストみたいな感じで。補佐にも切り込み隊長にも。うららのは補佐向きだあね。
こまちさんのバリアの使い方は今回は割と必見。やはりバリアつえー。
 
その2

すごいさりげないシーンで、のぞみを頻繁にかばっていたりんちゃんGOOD!
これもりんちゃんの願いだものねー。そうだよねー。
たまごまごごはん」はのぞみxりんを応援しています。
 
その3

オロカメン爆破。なるほど、そういう正体でしたか。
あとコレ見るたびに、ACのいじめのCMを思い出してなりません。
 
その4

なんかあんまり痛くなさそうなうららのかかと落とし。
いやっ、うらら強いですよ。映画版のは最高に強いですよ。
 
その5

次回予告より。この東方不敗師匠のような決めポーズの後に爆破!
こまちとかれん・・・あんたら輝いているぜ。
 

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月2本ずつ発売中。
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映画版DVD情報。2008/03/19発売。これは初回限定版です。
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Yes!プリキュア5 企画ミニアルバム ココ(小々田)&ナッツ(夏) 
ココナツCD,二枚も出てるよ。
 
以下過去記事
 
 
大人になったら何になりたい?「YES!プリキュア5」第一話
プリキュア5が二話目にしていきなり百合展開でした。
実力の伴わない夢は持ってはいけませんか?「YES!プリキュア5 第4話」
これからのヒロインはもりもり食う時代へ!「プリキュア5 第5話」
やけにリアル社会人な敵のお仕事。「プリキュア5第6話」
少女たちの絆は、少しずつ歩き出した。「プリキュア5第7話」
学年や身分による感覚のカベってありますか。「プリキュア5第8話」
有名なみんなと、そうでない自分と。「プリキュア5第9話」
社会の仕事は甘くない。「プリキュア5第10話」
今がんばることは、ムダじゃない!「プリキュア5第11話」
アイドル業は、その一歩から。「プリキュア5第12話」
自分のために生きる?誰かのために生きる?「プリキュア5第13話」
お金で買えるの?その価値は。「プリキュア5第14話」
少女達の友情はいつまでも。「プリキュア5第15話」
自分の視野を仲間内だけで満足してはいないか。「プリキュア5第16話」
どんな時でも、そばにいるよ。「プリキュア5第17話」
友達は、必要ですか?「プリキュア5第18話」 
心配は何のためにするの?「プリキュア5第19話」
まっすぐ進むだけが道じゃない。「プリキュア5第20話」
ミルク視線で楽しむ「プリキュア第21話」
大人としてのココの立ち位置。「プリキュア5第22話」
5人それぞれの心の闇へ。「プリキュア5第23話」
追悼・ギリンマへ。平社員の憂鬱と哀しみに敬礼
さあ、その手をつなごう。「プリキュア5第24話」
4人の心がここから開くんだ!「プリキュア5第25話」
見終わった後の顔は鏡では見られない。「プリキュア5第26話」 
夏に女の子を怖がらせたくはないかい。「プリキュア5第27話」
あなたがいつも側にいたから。「プリキュア5第28話」
人をつなぐ架け橋になる人って、大切なんだよね。「プリキュア5第29話」
自分が輝くのではなくて。「プリキュア5第30話」
乙女の感情の高ぶりに、ニヤけたりへこんだり。「プリキュア5第31話」
結婚ドリームなんてお父さん許しませんよ!「プリキュア第32話」
マスコミという名前のコミュニケーション。「プリキュア5第33話」
影から支える人たち。「私があなたの騎士になる!」「プリキュア5第34話」
信じてくれる人がそばにいる、それだけでいい。「プリキュア5第35話」
あなたと一緒に、自分達のペースでゴールまで。「プリキュア5第36話」
バランスよい食事と、バランスよい人間関係。「プリキュア5第37話」
プリキュアたちの関係をファンタジーな角度から見てみよう。「プリキュア5第38話」
叶わない夢。消えていくこの瞬間。「プリキュア5第39話」
大きなお友達向け、プリキュア5映画版の楽しみ方。
影で支え、見守る人こそが。「プリキュア5第40話」
夢と言うのは、形が必要なのかい?「プリキュア5第42話」
かなわない希望なら、最初から抱かなければよかったの?「プリキュア5第43話」
いつも私たちのそばには、あの人がいたんだ。「プリキュア5第44話」
手にしたものを失うのは怖いよ。「プリキュア5第45、46話」
のぞみは本当にポジティブなのだろうか。「プリキュア5第47話」