たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「絶望先生」でシャフトが布教する、霧ちゃんのスパッツの輝かしさよ。

まずはじめに言っておきます。
絶望先生」アニメ版はシャフトという会社が作っています。シャフトです。シャフト。脳のしわに刻んでおきます。
そして、そのシャフトは現在の混沌の世に降りたスパッツっ子教団だったのです。
 

●霧ちゃんin the スパッツ●

まずそもそも、元になった原作を見てみます。

さよなら絶望先生」第十集より。
これはジャージのハーフパンツだと思っていました。わざと厚みがあって、ぼってり描かれているじゃないですか。それに霧ちゃんジャージで過ごすこと多いですしね。そう、ジャージで気を抜いてすごすあたりもよいのですが、それはまた別の話。
しかし、「俗・さよなら絶望先生」第4話を見てたまげました。

つやがある!
そう、艶があるんです。光っているんです。素材が明らかに何か変わっています。そして、ミニ四駆もびっくりの脅威の軽量化。薄いよ。
この薄さ、そう、これは間違いない。心に強く握りこぶしを掲げた瞬間でした。

ああ、スパッツだ。まごうかたなきスパッツだ。
シャフトは原作に様々な解釈を加えて独自の表現をするアニメ会社ですが、ここまでスパッツにこだわり、スパッツを表現する会社だったとは。「ぱにぽにだっしゅ!」の芹沢やベホイミで完成されてはいたものの、ここに来て力強い心の光、いや、脚の光で闇を照らす灯台になったのです。
 
そもそも原作の先ほどのシーンは一コマです。この後すぐに水着に着替えるので、本当にあのカットしかないんです。
それがここまで見事に魂を込めたスパッツに仕立て上げるとは。
シャフト。それはスパッツの楽園。
 

●シャフトの描くスパッツの素晴らしさを読み込んでみる●

さて、ここに描かれたスパッツの特徴を見てみたいと思います。

もう一回先ほどのものを。
スパッツはひざのラインを殺しません。無論スパッツをはかずともひざは普段出ているものですが、濃い色のスパッツで太ももが覆われることにより、ひざの形がさらに強調されます。太ももが丸くやわらかいことを描き出すため、ひざの骨っぽさを強調するわけです。
前回の藤吉さんは、比較的鍛えられた筋肉が弛緩している様子をよく描いていました。そして霧ちゃんは引きこもりのため、まったく鍛えられていない脚をしています。そう、筋肉が非常に細く、骨にふんわりついているだけの状態なのです。
スパッツが太ももをぴっちりと固めることで、ひざの骨っぽさととふくらはぎのタユンタユンラインが対比されるのは計算された美的センスと言えましょう。

この細い脚。
外に出ないがゆえに、極度に細くなってしまった脚。しかし少しだけ高校生らしいふっくらさが太ももの内股のカタチに出ています。スパッツはそれを包み込むことで、形状をさらに整え美しいものにするのです。
そしてまだ小さく包まれた腰のライン。それをふんわり包み込む衣服もよいでしょう。しかしぴっちりとしたスパッツがそれを包むことで、少女の骨格は一段と色身を増すのです。
そしてよく見てください。スパッツの終端部分です。

この部分はサクっと切って描いてもいいのですが、確かに折り込んで縫っている膨らみがあります。これは非常にスパッツにとって重要なポイントです。スパッツは短いズボンじゃないのです。
そしてこの膨らみの部分こそが、お肉と布の間に眠る「境界線の美しさ」をたたき出します。よくぞ再現してくれました。
 
ところで、霧ちゃんは部屋(つうか学校)でリラックスのひと時をすごしています。藤吉さん、霧ちゃんと、リラックスしている空間を覗き見るような後ろめたさを、スパッツを通してフェティッシュに描くこの技術には本当に参りました。
スパッツは芹沢茜やイサミちゃんのように「躍動感」も与えてくれるのですが、絶望先生アニメは日本らしい「静の中の美」を、スパッツを折り込むことで生まれるくつろいだ空間によって描かんとする心意気を持っています。
ああ、日本に生まれてよかった。
ありがとうスパッツ。ありがとうシャフト。ありがとう日本。
 

霧ちゃん、水着シーンもセクシーでしたが、間違いなく水着よりこの寝そべっているシーンに力をこめていたシャフト。もう足を向けて寝られません。
ちなみに、本編である千里ちゃんのエヴァンゲリオン風格闘シーンも迫力満点でしたが、光り輝く艶を持ったスパッツのせいで印象に残っていません。しかたないよね。スパッツだし。

とはいえ、千里ちゃんの戦闘シーンは相当に和風エロスを盛り込んでいました。ロボットと戦っているのに和風でした。
千里ちゃんもスパッツ履く日が来る気がします。6割くらいで。さあこい。
 
蛇足。
マンガ・アニメともに、「絶望先生」と言う作品には髪にハイライトがありません(網掛けはある)。とある雑誌には「その黒さが絶望の証」のようなことを書いていてなるほどなあと。確かに漠然とした不安さが、特に千里や霧のようなロングヘアの子にはありますね。
 
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