たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

BL・百合マンガ表紙の傾向と対策

ちょっと今日の興味深かったWEB拍手から一つ。
素晴らしい濃度の面白い文章に感謝です。なるほど、こういう視点もあるのかあ。

たまごまごさん、こんにちは。
先日、拍手にてBLを4冊ほどオススメさせて頂いた者です。
拍手レスにて表紙が並んでいるのを見て思った事があるのですが、私のも含めたまごまごさんへの皆さんからのBLオススメ作品には表紙に描かれている人数が1人率が高いなと思いました。
(私もおすすめを選ぶ時はそこまで気にしてなかったんですが)
BLの表紙においては受攻2人が主流たまに3人以上のものがあったりで1人表紙は全体から見ると割と少ないように思うんですが、過去の拍手レスを見てもamato amaroとか恋の心に黒い羽とか1人表紙率高いなと。
その理由を少し考えて、自分の蔵書とかも掘り起こしてみて思ったことは1人表紙の作品には内容重視系といいますかサブカル系といいますか、そのような作品が多い傾向にあると思うのです。
例えば、今まで出した作品が一人表紙の多い作家さんでパッと思い出せる人では小野塚カホリ先生、国枝彩香(別PN坂井久仁江)先生、西田東先生などいらっしゃいます。
小野塚カホリ先生の『花』という作品にいたっては一人どころか表紙は無人です。関係性に萌えるという面があるBLにとって、表紙に描かれている受攻の情報は本を選ぶ側にとって貴重な情報のように思うんですが続一人表紙だと、そこに描かれたキャラは受か攻か、相手キャラはどんなタイプかとか二人の関係性を表紙から想像する事が出来ません。
下手するとその本がBLだと認識されない可能性すらあると思うのですがそこであえて一人表紙をやっちゃうというのは萌え要素以外の内容にもある程度自信がないと出来ない事なのかなぁと想像する次第です。
あくまで傾向であってもちろん例外もあります。その作品が内容重視か萌え重視かという判断も個人の感覚によるところがあるので人によって意見が分かれることもあるかもしれませんし。
 
以上のことは一腐女子の勝手な想像であるわけですがこれからたまごまごさんがBLを選ぶ際の一つの目安になればと思い長々と語らせていただきました。
あ、ここまで内容重視がサブカルがと言ってきましたが私は萌え重視の作品も素晴しいものがあると思いますし大好きであります。
百合や男性向けエロの表紙には何か傾向はあるのかというテーマも良ければたまごまごさんの御意見を伺ってみたいです。
それでは、尊敬するたまごまごさんをこれからも応援しています。

最後の一文には穴掘って埋まりたくなります。自分はたかが知れた、少女に裸足で踏まれたいだけのオタです。
 
はてそれはともかく、ふっといわれて思いました。
あれ?確かに百合マンガで一人表紙って、ほとんどないなあ?
 

●BLマンガ表紙のBLらしさ●

BLは本当に詳しくないので、ちょっと有名そうなあたりをちょびちょびと。
百日の薔薇    アクアコミックスくいもの処 明楽 (マーブルコミックス)是-ZE- (6) (ディアプラス・コミックス)窮鼠はチーズの夢を見る (ジュディーコミックス)
「百日の薔薇」あたりになると、言われないとBLとは気づかないです。ぬるミリタリオタな自分だと気にせず買ってそうです。
くいもの処〜も、絵のタッチのきれいさとコミカルな仕草があいまって非常にさわやかなため、書店に思いっきり平積みになっていました。BLとそうでないマンガの境界線にぐぐっと広げられていて「あ、これは店員イチオシだな!」とニコニコしました。いや、それに釣られて買った訳ですが。
とはいえ、一応男性二人が表紙に映っています。漠然としたイメージでしかないのですが、やはり男性からすると「BLマンガは男二人率が高い」という印象があります。
もうちょい参考にしたい方は、「ホモミシュラン・オブ・ザ・イヤー」の方も参照してみると面白いかもしれません。あ、「窮鼠はチーズの夢を見る」の流されっぷりはたまらんですよ。
 
しかし、そんな思い込みはやはり思い込みでしかなかったというのが面白い今回の話題。
ちょっとあがっていた作家さんの作品があまり分からなかったので、表紙並べてみます。
恋の心に黒い羽 (MARBLE COMICS)いつか雨が降るように (バンブーコミックス 麗人セレクション)素晴らしい失恋 (バンブー・コミックス 麗人セレクション)
なにやら、ものすごいパワーを表紙に感じます。先ほどの方もおっしゃっているんですが、BLという土台の上にどんどん育つ樹木のような雄雄しさすら感じます。
そして、「花」はすごかった。
花 (JUNEコミックス ピアスシリーズ)
これ幻冬社って言われても分からないですね。団鬼六とか、どう見てもアウトロー文庫系統。*1
なんだか高尚なにおいがします。あ。読んでないのに適当なこといってすいません。
しかし、確かにこの表紙から内容を推察するのは自分の読解力ではなかなか困難です。有名な作品だからというのもあるのでしょうが、この表紙をチョイスするセンスはなかなかすごい気がします。
 
BLの懐の広さを知った、という程度の感想しか書けず申し訳ないんですが、これは表紙をずらっと並べて色々見てみるのも面白いのではないかと思っちゃいますよね。二人表紙と一人表紙の比率はどうなのかな?とか、色使いの方向性とか。いや、少女漫画もそうなんですが、BL表紙ってなんとなーく色使いが独特な気がするのは気のせいかしら。
教えて詳しい人。
 

●百合マンガの一人表紙を探せ●

一方、百合マンガ市場はだいぶ潤いはじめて、割と簡単に書店で手に入るものが増えたなあと言う感じですが、こちらの表紙はうって変わって、驚くほど二人表紙しか思いつきません。
たとえばこういうノリ。
ストロベリーシェイクSweet 1 (IDコミックス 百合姫コミックス)楽園の条件 (IDコミックス 百合姫コミックス)少女セクト (メガストアコミックス)くちびるためいきさくらいろ (IDコミックス 百合姫コミックス)
超わかりやすい。
たいていの有名百合作品の表紙は、思い切り二人です。
しかも、大体が抱き合っていたり向かい合っていたり。非常に明快に「はい、私百合です、よろしくお願いいたします!」という雰囲気が漂っています。
 
おそらく、このへんはまだ百合の特性にある気がします。

・どこからどこまでだか分かりずらい
・発展途上で知らない人もまだ多い
・「女の子二人いるのが見たいに決まってるジャン」

このあたりが関係すると思います。
最後はただの本音ですが、でもこれは女性側の百合好きにも当てはまることが多いのではないかと思うのであえて載せて見ました。男子はもう言うまでもない。
しかし、あまりにも二人が多いため、一人表紙の百合作品を見ると不安になってしまうことが自分にはあります。
コミック 百合姫 2007年 03月号 [雑誌]
いつもベタベタ二人カップルが多かった中、唯一一人きりだった表紙。これにはなんだか驚くやらビクビクするやら。いや!かわいいんですが、明らかに二人表紙に慣れすぎてしまったせいです。
 
ちなみに二人組表紙でも、向かい合っているのが圧倒的に多いのですが、時には背中合わせの作品もあります。
Voiceful (IDコミックス 百合姫コミックス)青い花 1巻 (F×COMICS)
voicefulは百合のジャンルに入るかどうかは人それぞれとして。背中向きの場合はかなり、「描かれる人間関係が入り組んでいますよ」というメッセージのようなものを、漠然と感じます。
もちろん作品ごとに違うものなのですが、表紙で雰囲気を読んでみるのも楽しみの一つかもしれません。
 
百合作品がさらに発展して、バリエーションも増えてくると、きっと一人表紙の作品もたくさん出てくると思います。昔の百合マンガや「百合的な空気の小説*2」などではすでにもうたくさんあると思いますが、マンガは「二人のほうが安心する」という感覚が自分はまだ強いです。しかし、ぐっと心を惹く、女の子二人じゃない百合マンガの表紙が、きっと形になっていくはず。
Blue (Feelコミックス)BLUE DROP―吉富昭仁作品集 (電撃コミックス)
ちょっと古めですがこれとか。
そんな、更なる百合ジャンルの裾野が広がる日を楽しみにしつつ「でも女の子二人がみたいね!」と書いておきます。
やっぱりなんだかんだ言いましたが、表紙にバン!と出ている二人の関係を、表紙見ながら妄想するのが、快楽の一つですし。あ、それはBLも同じですね。ただ、BLだと攻め受けが明快なので、受けだけが表紙を飾ることは多そうです。
 
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オマケ。
マリみて」くらい巻数を重ねると表紙の女の子ピン率があがるのですが、これがもし「女の子のいない表紙」になったら、きっとちびると思いました。
マリア様がみてる ―イン ライブラリー (コバルト文庫)
かなりベストオブマリみてな表紙。やはりこういう方が心底落ち着きますや。もっともっとこういうのが見たいです。ええ。
最初のお話には男性エロマンガの話も出てますが、表紙に貼れないものが多すぎるのでいずれ出来る範囲で。

*1:と思ったら、小野塚先生、団鬼六作品をBLに仕立てているのですね。す、すげえ。

*2:いわゆる、今の百合文化とはちょっと違う気もするんですが