たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ナギはスーパーしりげやのテーマも歌えます。「かんなぎ」の奇妙な魅力

ところで「かんなぎ」4巻とか面白い本が目白押しだったのですが、北海道は連休のせいで売ってないよクソウクソウ!
かんなぎ (4) (REX COMICS)
ナギ様ファンクラブ
スーパーしりげやの歌を聴きたいです。
武梨えり「かんなぎ」 つぐみ可愛いよつぐみ (Trick×Trick)
 

●中毒性の高い「かんなぎ」●

はて、Trick×Trickさんも書かれているように、かんなぎの魅力ってどう説明すればいいのかいつも戸惑います。
いやね。「萌えですか」といわれたら確かにそうなんですが、そこが重要なポイントじゃない気がしてならないのですよ。萌えるから好きなのかといわれると明らかになにか違う部分で惹かれている自分が、何かに向かって悶え転がっているわけですよ。
 
そもそもナギもつぐみもざんげちゃんも相当、ビジュアルとしてもかわいいですし、確かに「萌え」のジャンルに入ると思います。
それぞれのほっておけなさ、感覚のズレ。それが存分にかわいく描かれています、が。そこだけが魅力じゃない。
そう、朝コーヒー飲まなきゃほっとできないような中毒性が含まれている気がしてならないのです。
自分にとっての「かんなぎ」は、寝る前の枕元本の代表選手です。
 

●一歩踏み込み一歩引く●

かんなぎ」というマンガは、設定をいろいろ掘っていくとかなり重い話にもなりえる要素はたくさんあります。
ナギの真相、ケガレの話、神として・母親としての存在。等々。
実際3巻ではそのへんが描かれていくわけですが、それでも「ハロー大豆の歌」や貴子ダンシングのせいでかなり薄まっています。そして後半にくる怒涛のラブコメ展開。
でもその怒涛っぷりもうまいこと小さいコマでオチをスカすんですよね。
 
かんなぎ」の描き方のうまさは、ものすごい盛り上げ方をしつつ、その振り上げた拳の行き先がないかのような状態をつくりあげることだと思います。
1巻は特に顕著で、ケガレとか大パニックになりそうなネタをたった1コマで片付けてしまいます。そのテンポは今の連載分でも続いていますネ。結構重いネタでもなんかふんわりと片付けられることがあります。
もちろんそこにいたるまでに大きな成長や進歩も描いていますが、それでもガチで全身で受け止めず、うまく受け流しつつ吸収できるやさしい雰囲気があるのがたまりません。
 
そりゃ、全身全霊で現実を受け止めるマンガも楽しいし、全力でスルーしまくる現実逃避も面白いです。
でも、深いところに足を一歩踏み入れて、同時に引き抜くような、そんな「まあちょっと進めばいいかな」というテンポが「かんなぎ」全体に流れているから、安心なんです。
だからこそ、その分の力でナギやつぐみの笑顔に萌えることができる、と言えます。
 
もちろんやるときはやるんです。彼らも。
でもその後にやはりスコーンと力を抜いてくれるんだろうな、という期待ができるのが、非常にリラックス効果を呼びます。
全力でスキーやって汗かいたあと、温泉が待っているような物です。帰らなくていい、泊まっていこうぜ、くらいのゆるさ。
ナギが真剣で純粋ながらもわりかしアホの子なのもその要因のひとつだと思います。
 

●「アホの子」はいつの時代も好かれる●

「アホの子」という言葉ははるか昔からもうあるわけですが、今でもじわじわと愛されております。
ナギもつぐみも、このマンガのヒロイン達はかなりアホの子の王道でしょう。テンションは高すぎず。迷惑はかけず。でもどこか浮世離れした視点で、空振りし続け、まわりに癒しオーラを与える子たち。
作中の「ナギ様ファンクラブ」はそこをよく理解しているなあと思います。そうなんだよ、ほっとけない、というのもあるけれど、見ていて安心するんですよ。変わらないものがあるようで。
ストーリーやコマわりのふんわりした抜けっぷりもさることながら、ナギも仁も、ピュアすぎて「まあ裏切らないよね」と不安を感じさせません。
いや、この先彼女らが不安を引きおこすかもしれないけれども、でもなんとかしてくれるだろう、それよりも彼女の天真爛漫な笑顔ところころ変わる表情を眺めていたいんだよ!
 
そういう意味で、アホの子を見る視点、ひいてはナギやつぐみや仁を見る視点は、割と第三者的なのかもしれません。でかい盛り上がりのあと、小さいコマでさくっとかわしてオチを見せる方法は、そんな遠くから見ているぼくらの視点そのものなのかもしれません。
ナギさまの「恋人」になりたいのではなくて、「ファンクラブ」の会員になりたい、んですよね。
 
そんなわけで明日4巻探してきます。ここまで書いて全部ひっくり返ったらどうしよう。というハラハラもこめたエントリでした。
そのくらい好きなんだい。具体的に言うとナギの生脚が特に。

かんなぎ 1 (REX COMICS)かんなぎ 2 (REX COMICS)かんなぎ (3) (REX COMICS)かんなぎ (4) (REX COMICS)