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「俗・さよなら絶望先生」第7話が、フリーダムなのに原作準拠なのがすごい

今週の俗・絶望の7話のフリーダムっぷりが異常でした。

原作を読んでいる人なら「はっ!」と思わされるあれです。「アヌメージョ」の。
みていて「番組間違った?」と思った人は何人いるか数知れず。と同時に「まさかね…まさか」とも思いましたともさ。ああ思ったさ。
それが「まさか」を形にしてしまうシャフトに感服です。何がきてもおかしくないとは思ったけれども、この一回のために、ネタのためにフルOP作ってしまうとは。

題名は「リリキュア」。何をモチーフにしているかはご想像におまかせします。
ええ、おまかせしますとも。

何をモチーフにしているかは…千里ちゃんのを見たら一目瞭然ですが。
曲名は「リリキュアGOGO!」
ちょっとネタの吸収はやすぎだよ!まだ某G○G○は二回しかやってないというのに!
んで、歌っているのは「カフカ・キッチリ・メル・普通」。
あ、一応普通ちゃん入っているのですね。

いるいる。確かにいる。
んでBパートで本編が流れたわけですが。

いない。
どうにも彼女の扱いが分かりかねます。
 
はて、リリキュアたちは、ピンク・カフカ、青・千里、緑・メルとなっています。
特筆すべきはメルちゃん。普段しゃべらない彼女が本編だとしゃべっています。絶対音感ある人は聞き分けてください。誰だろう。

そして、妙に気になるこのカット。何があったのメルちゃん。
当然それについてはスルーなんですが、今後何かあるのではないかと思わされる意味深なシーンです。

そして必殺技ですよ。
こんなにかっこいいメルちゃん他に見られないんじゃないだろうか!レアです、レアすぎます。

んで、次号予告まで。次号は作者取材のため休載。
…まさか再来週に…!?あったりしちゃう?!
 
とまあ、いいようにスタッフに振り回されるのが気持ちいいOPとBパートでした。
この時点でフリーダムすぎるんですが、本編はまだまだフリーダムです。どうしてここまで詰め合わせるのというほどの濃度。
シャフトの本気は半端ではないことを思い知らされたのは、Cパート。
色々なアニメ技法を使ったという、無駄に苦労しているつくりなんです。

影絵、パステル画、切り絵、クレイ、パラパラマンガ。
センスのよさと無駄に注ぎ込む情熱に感服するやら大笑いするやら。一回で消費するにはあまりにももったいない!
特に見事で目を惹いたのはこのカットと色使い。

そして極めてシュールな、手塚治虫の実験アニメのような描写方法。あるいはイエローサブマリン
このへんのセンス、ただのギャグアニメではないことを思い知らされちゃいますよ。
6、70年代実験アニメを、相当研究して飲み込んだ上での見事なパロディです。これは「わかるかい」という挑戦なのでしょうかっ!わからんよ!
なんとなく連想したのは、アニメラマ。
手塚治虫 アニメラマ三部作
虫プロ・アニメラマ DVD-BOX (千夜一夜物語 / クレオパトラ / 哀しみのベラドンナ)イエロー・サブマリン [DVD]
他にもありそう。にしてもよく雰囲気つかんでいるものです。
 
そのほか、笑っていい○も!ネタや3分クッキング、スプーの絵描き歌まであまりにもフリーダムなパロディの数々。原作マンガの巻末小ネタをさまざまな手段を駆使して料理していました。
ここまできたら「いくらなんでもむちゃくちゃだな!」といいたくなりますが、それでいてきちんと原作準拠で、元のストーリーや面白さをキープしているのがすごいんですよ。
カレーにありえないような具をいれつつ、それでも確かにカレーであるような調理の妙。
ひょっとして、パロディを面白さとして見せる実験として、すごい作品を見ているような気がしてきました。
がんばれ絶望先生。がんばれシャフト。
もっと「まじで!?」と驚かせつつ、原作のネタで楽しませてくれろ!
 
追伸・今回も制作協力にガイナックスが入っています。今回の30分の濃度は、シャフトとガイナによる化学反応でしょうか。
 
〜関連リンク〜
新房昭之×久米田康治の次は新房昭之×唐沢なをき(WebLab.ota)
確かに、カスミ伝の実験っぷりとシャフトの遊び方の方向性は似ているなあ。カスミ伝はマンガだからできること(切り抜きとかベタとか)の限りを尽くしたようなところが面白いです。

さよなら絶望先生(12) (講談社コミックス)マリオネット