たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「りびんぐゲーム」に感じた、リアルな性の温度〜わたしのヰタ・セクスアリス〜

WEB拍手より

たまごまごさんがヰタ・セクスアリスを感じた作品を教えてください(今月のエロFの特集の質問を持ってきてみました)

マンガ・エロティクス・エフ vol.50


マンガ・エロティクス・エフ50号:特集[私たちのヰタ・セクスアリス](黒い天使のブログ )
めちゃくちゃ面白い特集ですよねこれ。性にどう興味がわいたか、というのは自分もそうだし人のも気になります。
 
自分が一番最初に目覚めたのは学研の科学か何かでときどきついてくるムック形式の特集号でした。
もううろ覚えでしかないんですが、それに出てくる女の子って割とセクハラまがいのことをされやすいので、それを見て何かが開いたのは間違いないです。
その後、エスパー魔美らんま1/2、ナディアと経て成長しました。まあそのへんはわりとありがちなので省略。
今回書きたいのは、自分の中のリアルの性を、自分が割と成長してからくっきりと目覚めさせてくれた作品である、星里もちる先生「りびんぐゲーム」です。
それまで漠然と「女の子ってかわいいなあ」なんて考えていたのを、ものすごくリアルな輪郭で感じさせてくれたのが、この作品なんです。
だって、部屋にいるんだぜ。15歳のいずみちゃんが。
 

●一緒の部屋で●

自分世代の男女をリアルタイムで描きあげてくれたのがこの星里もちる先生でした。感覚が非常に自分達の生きてきた時代の流れにマッチしていて、感情移入はたやすく…。
なんてそういう難しい事を言いたいわけじゃない。
何はともあれ氷山一角(ひやまいずみ)ちゃんなんですよ。
東京の大都会の中、色々あって狭い一部屋に、15歳の女の子が一緒に住むことになった会社員。
15歳の女の子が一緒の部屋に。
一緒の部屋に。
 
衝撃でしたね。
もちろん当時すでにさまざまな、もっとエッチなマンガはあったわけですが、同じ部屋に一人の少女がいるという生々しさは半端ではありませんでした。

自分の年はこの中のキャラクターに及んでいない程度だったのですが、パンチラ見てエローイとか思っていた年代の人間にしてみたら「同じ部屋に住む」というリアルはかなりクるものがありました。
しかもいかにもなラブコメ展開が本筋ではないため、さらになんだか生々しいんですよ。女の子を描くためのマンガじゃないからこそ、女の子が本当に同じ部屋で呼吸しているような錯覚があるわけですよ。
 
それに加えて、一角ちゃん(以下・いずみちゃんと表記)がまったく着飾らず、女の子女の子していないのが私の心をわしづかみにしていきました。これが一つ目のヰタ・セクスアリスポイントです。

だらしないTシャツと短パン。化粧をしない顔。太い眉毛、そしてはだし。
ヒロインもだらしなければ、主人公もだらしない。着飾って接するわけじゃない
思えば、わたくしの太眉好き裸足好き気を抜いた、だらしない雰囲気の女の子好きはこのときに芽生えました。
 

●彼女の息遣い●

二つ目のポイントは、同じ部屋にいることがやたら意識させられたことです。
もちろん自分はこのときサラリーマン年齢じゃないから実際の感覚はわからないですが、大人が15歳のオンナノコと暮らす生活の中に匂う、独特の温度が自分の中の性の感覚をやたらくすぐりました。
ああ、このマンガに出てくる女の子は、キャーキャーとかいってブリッコして女の子女の子している子と違う、でも絶対髪の毛から女の子のにおいするんだ、と。
もう一人の女性、時子はそりゃあもうぷんぷん女臭をだしているわけですが、いずみちゃんはまったく出していないわけです。幼いからというのもあるし、なるべく意識しないように、と主人公の雷ちゃんが意識しているのもあります。

でもね、意識するだろう。するよ。しないわけないじゃん。
このなんとも言えず意識していながらも、必死にこらえている様子がすげーハートをぐいぐいっと押すわけですよ。
ああそこにいる、幼い少女の息遣い。そこに性を感じたらだめなんだ!と押さえつけるプラトニックさと、リアルな体温の比較!
ああ、エロいよ、エロすぎるよ!
完全にここでわたくしのチャクラは開きました。
 

●15歳だから。●

15歳という年齢が、第三のポイントでしたね。
自分は雷ちゃんの年齢ではぜんぜんなかったわけですが、描写が繊細なため、間違いなく「15歳の少女を見ている大人の男性」視点なわけですよ。
この15歳がまた絶妙。結婚できる年齢である16歳じゃないし、幼くて悶々としたエヴァ世代14歳じゃない。その狭間なのです。
そこに、育ちかけの性の体温を挟み込んでくるんだから、星里先生はもう…大好き
 
いずみちゃん自体は「ガール」してはいないんですが、先ほども書いたほどほどのだらしなさと生活感が、性のにおいをものすごく漂わせています。

自分はエロマンガの表紙で、コンドームの袋持った少女のデザイン(例・鬼束直先生の「Life Is Peachy?」等)がとっても大好きなんですが、間違いなくこのシーンのせいです。
この子が持つとエロいアイテムが「エロくなくなる(大人から見た純粋さ)」という効果と「危ういエロさ増幅(大人から見たアンバランスさ)」という効果をいっぺんに加えるんですよ。ということに気づいたのは大人になってからですが。見た当時はこの組み合わせだけで興奮したものです。
そう…クラスの清純な女の子がエッチな話をしているのを聞いてしまったかのようなドキドキ…。
 

あとこのFAXには雷ちゃんのみならず自分もやられました。
要するに、15歳は条例にひっかかるからエッチなことしたらだめだ、という結界があったわけですよ。同じ部屋にいてもそれがストッパーになっていたのですよ。だけどこんなこと言われたら意識するなってほうが無理だから!
加えて、やるだのやらないだのというのが自分でもピンときていない年にこれを読んでしまったら、同じシチュエーションをシュミレートしまくりなわけですよ。ルームメイト井上なんちゃらですよ。玄関あけたら2分でいずみちゃんですよ。

手を出さずにしっかり自分をセーブする雷ちゃんですが、まー、いずみちゃんたら無防備なんだもの。
そのあどけなさ、無防備さにもやられました。
しつこいようですが、Tシャツに短パン裸足の部屋着スタイルだって、相当無防備じゃないですか。ちょっと目をやったらぼくの大好きな太ももですようなじですよ脇ですよ。
ああ、15歳。なんと罪なお年頃。それに性をゆさぶられる自分。芽が生えて、そろそろ茎が伸びてきました。
 

●彼女の体温を感じたい●

この作品、流れるようなコマ割が時々ものすごく、いずみちゃんという女の子の柔らかさ、温かさ、においをかもし出すからたまりません。
当時は何も理解せずに興奮していたものですが、今改めてみてもいずみちゃんの描かれ方には、肌を触れた時に伝わる体温を感じます。

風呂上りの少女をおんぶして歩くシーンなんですが、意識がひとところにおさまらず、いずみちゃんの色々な体のパーツに行き渡って、心が千々に乱れている様子がビンビン伝わってきます。
女の子おんぶは憧れのシチュエーションですが、しかも湯上りで、薄着とか。反則すぎですよね。自分がこの状態で太ももから短パンのすそに手を入れない自信がありません。
が、入れられる自信もありません。そんな距離感がたまらない。この子と一緒の部屋で暮らす、なんていう密着間がひしひしと感じられつつ、心通わず、体感じつつのリアルな性。荒ぶる私を嗚呼、押さえつけて。
そしてまあ、成長して一緒にくらして結構色々あるわけです。
そして二人の関係もいつの間にかぴったりくっついちゃって。

エッチなことしてはいゴールイン!じゃなく、そこからさらに「好き」とか「くっついていたい」が膨らんでいくこの描写。しかもさりげなくマンガでは、それが生活の一部になっていくんですよ。この感覚、セックスよりもくっついて抱き合っている方が快感なこの感覚!
幼き日の自分には発狂しそうなほど刺激が強いと同時に、夢のような憧れを感じました。
同時に、性が「いかがわしいもの」じゃなくて「幸せなもの」なんだなあ、と感じさせられました。
 
彼らが本当に「夢物語」のように幸せ一辺倒じゃなく、苦労を重ね一緒に泣いたり笑ったりを繰り返すのも新鮮でした。
もちろん読んでいて、幼い自分は「ああ、裸のいずみちゃんと抱き合いたい!(エッチしたいではないのがミソ)」とずっと考えながらページをめくっていたわけですが、性がもたらす幸せと同時に、色々な責任や生活の苦労も、同等に「生活の一部」として書かれているわけです。
読みながら、エロいこと考えたり、この先自分はどうなるのか考えたり。
それも含めて、ああ、性なんだなあ、って。
 

●それでもいずみちゃんが好き!●

時々幼い体で、時々大人びた体。
イキイキと若い匂いを発しているのに、時々どうしようもなく女性の匂いをさせる。
そんないずみちゃんと同じ部屋で暮らす生活…このマンガは自分の中の色々な性の扉をものすごい勢いでガンガンあけて回りました。今でもその性癖はかなり引っ張られているものがあります。
それに対して「じゃあ他のもっと別なヰタ・セクスアリスのほうがよかった?」と聞かれるならば、自分はこう答えます。
「ぼくは『りびんぐゲーム』に出会えて幸せでした」と。

もうたまらないくらい読んでいる側の感覚はこうですよ。いずみちゃんの存在は男の性をくすぐるにはたまらないものがあります。いや、自分の好みなだけかもしれないけど…トラウマレベルの女性観を持たせるだけの要素と描写のあるキャラなんです。
そりゃもうね。ムラムラムラムラします。
今だから思う。していいんです。するように描かれているんですもの。少年よ、いずみちゃんにムラムラを抱け。

じゃあ君は側にいたらいずみちゃんを襲っていたか?大人の年齢だったら、いずみちゃんを襲っていたのか?
答えは否。未遂はきっとあるだろうけれど、いずみちゃんは守るべきヒロイン性も確かに持っています。あと15歳だったし。
 
今でも、自分は夢に見ます。
いずみちゃんと、同じ部屋で過ごしながら、その体に触れる妄想満載の夢を。
でも夢の中の自分は彼女と時間と心の通じ合いを経るまでやっぱり、エッチなことはできないんです。物語でゆっくりと距離を縮めていく間、性欲を必死に抑えていたように。
この作品が教えてくれたのは、抑えきれないほどの性癖の暴走と、性を冷静に考えようとする大人の姿勢だったのかもしれません。
 
きれいにまとめてみました。
が、読み直すとものすごい勢いで性癖暴露大会になっている気がします。ああー。
 
あなたの「ヰタ・セクスアリス」マンガはなんですか?

りびんぐゲーム (Volume 1) (小学館文庫) りびんぐゲーム 1 アパートの部屋貸します (ビッグコミックス)