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「俗・さよなら絶望先生」OPに隠された謎

季刊エスの22号を買ってきました。
毎回主題を決めて「オタ文化」から「芸術」まで幅広く扱うコンセプトマガジンなのですが、今回は「和風幻想絵巻」とのことで、「俗・さよなら絶望先生」のインタビュー*1とアニメ原画が載っております。
そこでOP空想ルンバについて、驚きの事実が一行載っていました。

「実は、話数を追うごとにフィルムの傷が増えているのだそう。」

へっ、まじで!?
 
早速検証してみました。
一番最初にOPが流れたのが第三話。

この時は、まだ背景もくっきり見えていますし、輪郭も一本です。
ちなみに第三話OPはかなり色味が濃く、全体的に薄暗いです。


んで時間を置いて、中間で6話。色味が明るくなった代わりに画面全体がじんわりとぼやけはじめています。
背景はもう見て取れないですね。画面に傷も増えています。

うわ、ぜんぜん違う!これは10話のもの。自分は手加えてないです、念のため。
もうすっかりノイズが乗っているんですが、画面のぼやけはもちろん傷だけでなく、全体がざらざらしているのが見て取れます。
動画で見ると分かるのですが、このへんになると画面じたいも古いフィルムのようにブレるんですよね。
にしてもここまで細かく変化させているとは…驚愕しました。



上が3話のもので、下が10話のもの。顕著に違う上に、画像に細かな焼け付きの加工がちらちらと入ります。
 
なんと細かい修正。回を重ねるごとに少しずつ変化するとか、あまりにも細かすぎて気づきませんでした。
余計な心配だとは思いますが、そうなってくるとどうにも「何か伏線があるんじゃないか」と考えてしまうわけです。

・同じフィルムを使って何度も繰り返すうちに劣化している、という描写
・最終回にはもう映る事すらままならなくなるのではないかという感覚
・フィルムとともに絶望先生の希望も擦り切れていく描写
・途中でフィルムがダメになって、急に現実に引き戻されるのではないかという感覚

あああ。いや、考えすぎですがそんな末期感、侵食感が出ているのがたまりません。
デチューン?ソフトランディング?あるいは破滅への序曲?

 
※追記※

12話見ました。
OPさらに劣化してブレや焼きつきも増え、もう切れ切れ状態。そしてさらに目を引く脅威の演出が。

うあ、カラーになってるし!このまといのシーンだけですが急に変わるのでびっくりします。
ところがそれもつかのま。
 
特殊効果が入ることでフィルムが切れたようになり、最後まで流れなくなってしまいます。
一瞬のろうそくの輝きのように美しいこのシーン、最後に燃え尽きてしまいそう。
 
 
左が10話、右が12話。このように首吊りのシーンのフィルムは完全に消失。
うーむ・・・。ただのネタにしては妙に思わせぶりすぎて色々考えてしまいます。
 
季刊 S 2008年04月号(22号) [雑誌]空想ルンバ
今回の号には電脳コイル墓場鬼太郎の記事も載ってますヨー。
それと並列で妖怪浮世絵の記事がまじめに載っているのが面白い雑誌なのです。
 
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*1:久米田康治新房昭之・龍輪直征・宮元幸裕。久米田先生がすごいことになってます。