たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

明るく楽しいロリコンの温室。「あッ!りとるふらわ〜」

●表紙は温室へ向かうトビラ●

いさわのーり先生の作品はもう表紙のとおりで、今の風潮の波のてっぺんをかけぬけるような、明るくお天気なロリマンガオブロリマンガです。コンドームクチにくわえてる女の子表紙はエロマンガの象徴でもあります。
自分大好きなんですこういう表紙。だって、もう底抜けに「これからえっちな時間がはじまるよ!」って伝わるじゃないですか。鬼束直先生の「Life is Peachy?」(AA)もそういう意味で好きです。
「そんなシチュエーションありえない」とか言われたらまったくもってそのとおりなんですが、ロリマンガでのゴム描写は、ファンタジーの入り口でもあります。
あれですよ。ファンタジー小説の表紙のドラゴンみたいなものです。 
 

●今愛される「ロリ」のカタチ●

帯にある「COMIC LO読者アンケートで最も支持されている 次世代萌え作家のファースト作品集 ついに発売!!」というのには正直驚きました。確かに自分も予約して買ったくらい好きですが、まさかそれほどとは!
余談ですが周囲のコミックLO読者+WEB拍手などの感想に書かれた「LOで好きな作家」を聞くと、雨がっぱ少女群先生ダントツです。こんなにLO読者が周りに多い自分の環境に乾杯。
 
話を戻します。
いさわのーり先生の描く少女はものすごく華奢なのにぷにぷにしています。顔が今のアニメ風味なぷっくりした顔なのですが、骨格がとても細いのですよ。それが品を作ってすりよってくるんです。
これってものすごくロリマンガにおいて重視され続けているところで、最近はどんどん洗練されていっている+分化が進んでいる気がします。さらにアニメ調になっていくか、あるいはリアル体型になっていくか。
いさわのーり先生はそのへんのバランスがうまいと思います。先ほども表紙の話で書いたように、ファンタジーの入り口を通ったらそこにいるのは、少女の姿の壊れそうな「とてもかわいいもの」なんですよね。
 
物語はそんな「かわいいものたち」を壊すことはしません。性行為も攻撃的ではないし、レイプもない。男性と「かわいいもの」たちのとってもほんわかした二次元の花園。フラジャイルなものをやさしくやさしく愛でる感覚です。
無論それは「少女=かわいいもの」としての認識を現実と切り分けて見ることの出来る人のものです。それを「萌え」というのかもしれませんが、どちらかというと「少女コレクション」に近い気がします。実際読んでみるとかわいいものたちがこちらに微笑みかける博物館のようです。
 

●あくまでも箱庭なパラダイス●

ロリマンガはやっぱり扱いが難しいし、根底ではリアルとファンタジーの境界線が行ったり来たりするため万人が受け入れられる類のものじゃないのです。しかし、いさわのーり先生の作品はそこをあえて見分けた上で、箱庭を楽しむ感覚で見ると読後が妙にさわやか。
 
収録作品の「ボクは居候!」とかすごいですよ。
考古学オタクで居候しているデブでさえない男が主人公。
そこのツインテール娘さんに日々擦り寄られてラブラブ関係築いてているんです。

それがお母さんにばれても「あっやっぱり!責任取ってね☆」の一言で済むんだもの。
何コレ!どんな理想郷ですかっ。そんなシチュエーションに・・・いたいじゃないか。
脳内楽園として楽しめたら、こんなに落ち着く場所そうそうありません。
 
ここは温室。その中でだけでこんなにも満足できる。そんな姿勢が清清しいじゃないですか。
  
これがLOの帯にあった「次世代萌え作家」という表現なんでしょうね。
「清く明るく」に加えて「楽しく」過ごすロリコンライフです。
 
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余談。LOの帯っていつも何気に思想色強くて好きです。
たまらなく居心地のいい温室がありつつ、町田ひらく先生の現実へのしっぺがありつつ、雨がっぱ少女群先生の独自な少女世界がありつつ、陵辱もありつつ、ドラマもありつつ、うさくん先生の爆発もありつつなLOって、やっぱり「ロリマンガ」包括しているみたいですさまじいです。
今月のLOは鬼束直先生も最高でしたが、水無月露葉先生の「永久少女」がよかったです。