たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

絶望先生の言う「ものさし」を自分は何本持っているのだろう?

さよなら絶望先生(13) (講談社コミックス)
絶望先生」は基本ギャグマンガだから、笑うのが筋。
なんですけど、時々猛烈に心のヒダが刺激されます。そこすらも笑えるといいんですが、時々うっ!とひっかかる。
そんなわけでちょっと真剣に、13巻に掲載されている第百二十二話「断崖の比較」から「ものさし」を考えて見ます。ネタにマジレスな感じで。
 

●〜の方が…●

物を楽しむときに「あれよりもこっちが」「これよりもあそこが」と比較してから考えてしまうよね、というお話。
書いてる事は軽快なんですが、なかなか細かく絶妙に書かれているんです。
 
「客観的に見る」というのは極めて難しい事です。つか相当な眼力を持たないとムリです。それこそ神様レベルの視線で見なきゃ、完全なる客観視なんてできません。
そこはこの話、きちんと押さえているんですよね。

倫「○○と比べてどうだとか、比較しないと評価できない。」
奈美「仕方ないよ比べても。しょせん物事って相対評価だし。」
あびる「ただ、比較対象が問題よね」

さらっとすごい重いことこと言うなあ。
奈美の言うとおり、人間基本的に自分の経験から比較して物事考えます。絶対100%の客観は大人になるほど出来ません。どこかで体験したり読み見聞きしたことから、考えます。何かの言語で考えてる時点でその呪縛はあります。それを飛び越えるのが一部の芸術なのかもしれないけど自分にゃムリ。
 
比較してみるのはごく自然のことで、問題はそこじゃない、と軽やかに語ります。あまりにもさらっと言うからびっくり。

比較は必要なんだけど、問題はそのものさしが何本あるか。
リアル生活だと話がどんどん複雑になるので、今回はオタ方面だけで。
 

●わたしのものさし●

困った事に自分内には強烈なものさしが一本あります。
そう、エヴァンゲ・・・!と言いたいところですが、もう反射的に出てくるのは宮崎駿監督アニメ。
なんせ子供の時に見た衝撃ってそうそう抜けないです。特に「天空の城ラピュタ」は、当時ビデオデッキなかったのでカセットテープに録音して、フィルムブック見ながら何度も聞きました。もう一言一句覚えてる気がします。ビデオに撮ってから見た回数なんて覚えてません。
だから壮大な作品を見たら「ナウシカと比べて…」、アクション作品を見たら「ラピュタと比べて…」、子供向き作品を見たら「トトロと比べて…」。
もうこればっかりはどうにもなりません。自分もエヴァフリークスですが、それでさえ最初の放送時にはナウシカと比べてみてました。まあ庵野監督だからなおなんですが。
 
一般生活だと色々なこと考えて暮らすので、比較するものさしって一本じゃなくなること多いです。しかし、いかんせん趣味に関しては好きなものを好んでみるのでどうしてもものさしが偏りがち。相当な量を見こなしている人じゃないとアニメやゲームなんかは好きなものに偏ります。
もっともそれで問題はないです。自分の中での最高の作品があるんなら、誰かが文句をつけるようなものじゃないです。
ですが「SF知るなら1000冊読め」みたいな気持ちもわからないわけじゃあないんです。いやむしろ「ラノベを知るために哲学書も読み漁ったよ」「アニメを理解したいから海外旅行行ったよ」という人の話はやっぱり新鮮で面白いんですよ。あるいは一人で黙々と読むのも楽しいんだけど、人と交流することで新しい発見もあるわけですよ。
 
自分のものさしがあるのは、恥じることじゃないし、それは大切にするべきもの。ただ、その本数は増やしたいし、人のものさしなんかも参考にするとどんどん楽しくなります。もちろん合わないものさしも、あるんだけれども。
あとはそのものさしが直線的なものじゃなくて、地図のように縦横無尽になるとさらに視点が広がります。
縦、横、斜め。所詮趣味なのでそこまで気合いれなくてもいいんだけど、同じものを上下左右から見ることでどんどん新鮮さが増えていくからたまらない。
 
さてはて、自分はものさし、何本持ってるのかな。…まだ一本だったりして。
「このシーンのジャンプの仕方ってエヴァだよね!」とか。ギャー言ってそうだ、自分。
 
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