たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

雑破業先生と目黒三吉先生が組んだら、なんだかとんでもないものができました。「どみなのド!」

チャンピオンREDはどうやら作品入れ替えの時期らしいです。
そんな中始まったどみなのド!
これが原作・雑破業先生、マンガ・目黒三吉先生という、強烈なタッグすぎて名前だけで噴出しました。
や、やっちゃうんですかまじで。
 

雑破業先生のめくるめく淫語ワールド●

最後のコメントページに雑破業先生は一言だけ載せていました。
「淫語、大好き!(雑破)」
ストレートすぎる。男らしすぎる。
 
雑破業先生というと最近だと「ちょこっとsister」や「魔法使いのたまごたち」が有名かと思いますが、なんといっても90年代に少年の心にトラウマレベルの性感覚を産んだのは「ゆんゆん☆パラダイス」なわけですよ。
ジュブナイル・ポルノ*1の神様みたいな人です。どうやってもその印象がぬぐえない人も多いでしょう。自分もです。「おませでゴメン!」とかもうね。
そんな雑破先生がアクセル全開べた踏みでスタートを切ったから大変。
 
物語は冴えない少年が、お嬢様ひかりに拉致されるところからはじまります。完全なる主従関係が入り口なんですが、そうなると欠かせないのがこれ。

少女はだし大好きなわたくしの心に、このひかりという少女が刻まれた瞬間でした。
しかも先っぽだけとか、しゃぶったらだめとか…いやいや、これは自分の心にしまっておきます。はっきりと「主従の快楽を書きますよー」と打ち出している潔さには好感が持てます。
 
問題はその妹のあかりです。

ものすごい勢いで、断崖を駆け抜けていったようなコマ。
言葉もすごいんですが、この目!
実はここに引用したのはまだ序の口。このあとのセリフときたらとてもじゃないけどここには書けません。いやほんと、書けないんですって。
あえていうならば「淫語、大好き!」は本気だった、ということです。
90年代をリードし、頂点を見たエロと萌えの天才が、現代の燃え文化を吸収して何かを解き放つ準備をしています。さあ、ジュブナイルポルノの天才が、火を吹こうとしている…。
 

目黒三吉先生の描く少女は、不機嫌に暴走する●

目黒三吉先生といえば、最近だと低俗霊DAYDREAMが傑作でした。いきなりSM女王がヒロイン、しかも処女でパイパンという、そこまでやっちゃうの?な設定でどぎもを抜きました。そこに乗っかるハードな物語が面白いんだなあ。
そんな、不機嫌な顔で暴走する女性を描かせたらピカイチの目黒先生、今回もしっかりその魂を生かしています。

あかり・ひかり姉妹とぜんぜん別ベクトルのメイドさん。平気で人も殺せそうです。
 
昔の目黒先生の作品集に「さんま」というものがあります。
目黒三吉「さんま」(AA)
 
その中の一編より、題名「テレビちんちん」

とてもテレビちんちんなマンガです。
その他にも収録されているのは、非常にインパクトが強く、時にはその暴走でシュールさすら感じさせるものがたっぷり。しかしその中になんともいえない物寂しさや心の不安定感を描き出す鬼才です。同作品集収録の「消えた22号」と「モイットレム・カ・ネルドース」は空虚さと精神の歪みを描いた傑作です。
また、少し前にヤングガンガンで書いていた読みきり「ぶっちゃけ!?庭子先生」も、とても他の作家さんが描けない独自の世界を展開していました。

この暴走感と、読み終わったあとなんともぽっかり穴があいたようになる寂しさが、目黒先生のすごさです。
どうしてもエロ分に目が引かれる今回の連載も、先ほど引用したあかりの目がそのへんの隠し玉を物語っている気がしてならないのです。
 
はて、今回は「萌え」を理解しつつも個性が強烈な天才の雑破・目黒コンビ。ただで終わるわけがない(一回目からとばしすぎてますが)
化学反応みたいに組み合わさって撃ち出すロケット弾は、どんどんあさっての方向に飛んでいきそうです。それを受け止めるチャンピオンREDもまたすごい。
何でもあり、というわけではないです。どこまで飛んでいけるかの、「萌え」を利用したマンガの挑戦。
派手なチャンピオンRED連載陣の中でも極端に目立つ淫語の数々がどう料理されていくのか、しかと見守らせていただきます。もっと撃ってください、両先生。
発禁にならない程度に。
 

隔月連載なのが残念ですが、単純にマンガとして見ていて密度が濃くて面白いので、じっくり期待。
こちらも楽しみですが、雑破先生の純エロ小説が読みたいなあ。
 
〜関連リンク〜
目黒三吉の血豆丼(御新香付き)
目黒三吉「さんま」考察
雑破庵
「どみなのド!」の問題のシーンのAA
思いっきりネタバレですので注意。でも本当にこんなシーンだからちびる。ぜひドSを追求していただきたいです。

*1:ようするにイラスト入りエロラノベ