たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ラジオってさ、ぼくらの青春だろ?「ラジオでGO!」

深夜ラジオがダイスキな自分が通ります。
オールナイトニッポンはそこまで全部聞くほどでなかったですが、北海道だったので「うまいっしょクラブ」と「アタックヤング」は欠かさず聞いてました。ローカルすぎですねすいません。
アニラジ系だと、「集まれ昌鹿野編集部」。これは絶対面白い。声優さん二人のラジオだから、とかなめてはいけない。小野坂さんと鹿野さんのやりとりは本当に計算されていてうまい。熟練の技です。聞こう昌鹿野。
そしてちょっと前ですごい好きだったのはカレイドスターすごラジ。年齢層が低かったにもかかわらず、時々大原さんと広橋さんのあまりにも百合百合しい会話にはときめいたものです。
あとは基本で島本和彦
 
そんなこんなで、ラジオは動画に負けず、まだまだずーっと続くジャンルなのはいうまでもなくわかる気がします。
好きなラジオ番組、ぱっといくつもあがる人多そうです。
 

●ニコニコワイワイみんなでラジオ●

「なぐも。」先生の「ラジオでGO!」がツボに入ったので紹介します。
もちろん、ラジオ番組好きじゃない人でも十分楽しめるだけの要素はあると思いますが、これはラジオ番組、特に声優系で面白いネタを仕込んだ番組が好きな人向け。そういう人なら30倍楽しいと思います。
まず、雰囲気がいいんだ。

ラジオ番組だから当然パーソナリティが何をどうやって話しているかなんて想像できません。時々出ている写真でぼんやり妄想するくらい。
んで、現実を知りたいってよりは、その声から想像して楽しそうにやっているところを見たいわけですよ。

そういう意味でもこのマンガの収録スタジオの楽しそうな雰囲気は見事。この空間で一緒に仕事をしたい!と思わせるだけの魅力に満ちています。
まあ、パーソナリティは女の子、プロデューサーも女の子、営業さんも女の子、なんてそんなのは妄想だってのはわかってます、わかってますが、僕らの見たいのはそんなラジオ番組の光景だろう!
 
そのような意味でもとにかくキャラクター一人一人がきっちりと立ちつつ、仕事としてラジオ番組を作っていく様子の細かい部分が面白いんですよ。もうゲラゲラ笑えるという4コマではないんですが、読み進むにつれてキャラの魅力がじわじわ深まる…そう、まさにラジオのパーソナリティに対する「愛着」と同じです。

プロデューサーの風見さんがまたいい人で、好きな男の人にはめっぽう弱い乙女でありながら、シメるところはきちんとシメる敏腕。この顔のかっこよさときたら。
みんなを楽しませるためのプロの仕事がここにある。
 

●一生懸命少女●

さて、この手の「お仕事マンガ」だと欠かせないのが、必死にがんばる女の子。パターンなのではなく「一生懸命に打ち込む姿が見たい」というのは共通の強い願いだからです。
それをしっかりになうのが、主人公の一人、沢渡ちとせちゃん。声優さんです。イイネ。

絵的にはすごいかわいいんキャラですがそれだけじゃあない。
他のキャラとのやり取りを見ていても、裏表なし、いつも一生懸命いっぱいいっぱい、全力で生きていく姿が非常に気持ちいいです。
ブリっ子(死語)でもなく、こずるくもない。ただただ愚直でまっすぐさん。
で、自分に正直で、仕事もこなす。いいキャラじゃあないですか。

だからだらしないときも思い切りだらしない。声優さんだから仕事の練習もするけれど、ダメなときはダメ。まさに人間味のオンパレード。
実際、ラジオの声を聞いていてパーソナリティの人に求めたくなるるのは、その人の自然体(もちろん準備しつくした上でのきっちりとしたすごさの)なわけです。んでそれが天然なのかどうかは問題じゃなくて、いかに「私ラジオ好き!」が伝わってくるかが重要です。
アドリブクイーンなちとせちゃん。読み進むほどに「ラジオが天職」のような味が出てきます。

まっすぐさんですが、こんな計算もちゃんとしているあたりがにくいね。
もっとやって!
 

●密室だから●

実際のラジオ現場なんてさっぱり知らないですが、夜だと人数少なくて、狭い空間で…女の子のパーソナリティいたらなあ、と色々もんもんと考えてしまいます。
とはいえ元気っ子ちとせちゃんがいるのでそんなドロドロした関係は生まれようも無いのですが、もう一人の天然っ子小石川さんの周りが、ほーんの少しずつ、ほーんのちょっぴりだけ動くからこの作品はドキドキが止まりません。

初期段階。まあこんなハプニングもあるさ(いやない…いやある…いや!いや!)
まあこのころは「ドジな子だなあ」程度でした。みんなの印象は。
しかしこの子の天然と、裏のなさは周囲を惹きつけていきます。

特に一番ベテランで、かつ寡黙で浮つかない音響の藤田さんへの、何気ないアプローチが破壊的。
普段女の子に色目をつかったりすることが決してないマジメ人間だからこそ、でもあるのですが、それ以上に小石川さんの邪念のなさが彼の気を惹いていきます。
そして狭いラジオ空間です。狭いんです。狭いだろ。

アー!
 
…というのも、ちょっとずつこのマンガにちりばめられていて(メインの話にはならないのがミソ)、ウフフとなるやらはがゆいやらです。
藤田さんの不器用さもキュート。とにかくこのマンガは一巻通して読んで、読みきったらそのキャラの魅力にどんどんはまれる作品だと思います。恋愛要素押し出しすぎない、でも小出しってのは、そのキャラをニヤニヤ応援したくもなりますわな。
 

●ぼくらはリスナー●

一応4コマギャグマンガですが、キャラの魅力に重点が強いこの作品で、特にいいなあと思ったのは、時々まったく無名のリスナーが描かれることです。

ともすると滑稽なキャラがドタバタラジオやる、だけで終わってしまいそうですが、ふっと思い出したころにちょこんとリスナーちゃんが混じることで視点が一気に切り替わるんですよね。
この子は決して他のキャラとからむことはないです、今のところ。だからオチになるキャラなわけでもないんです。ですが、その存在によって「憧れの存在のラジオパーソナリティとリスナー」の視点が出てきます。
ハガキ読まれた時の興奮度は忘れられないですよね。その番組の好き度が3倍になります間違いなく。ずっと聞いてようって思います。そこがラジオの双方向性な楽しさだと思います。

加えて、学校祭のように「身近な空間で一緒にラジオを作る楽しさ」も積み重なっています。気楽に見えつつ努力していて、努力しつつ明るくふるまう。そんな作り手一同が本当にステキ。
これ描いているなぐも。先生は、本当にラジオ好きなんだろうな、と思わせるのもまた好きです。「好き」が詰まってるマンガは魅力があるんですよっ。
 

「この番組ぼくも聞きたい!」と「一緒に仕事していい物作りたい!」が同時に生まれる、理想のラジオ番組マンガ。
一話だけ見てもほんとうの面白さは伝わりません。1巻まとめて読み進むほどに、好きなキャラに思い入れが深まるつくりの、じわじわ大事にキャラを描く作品です。
ゲラゲラ瞬発力で笑うというよりも、好きなキャラを見守る気持ちでどんどん楽しくなっていく、まさにラジオのパーソナリティとリスナーのような位置関係になれるマンガだと思いました。キャラが好きになったら、また最初から読むとさらにニコニコできます。
 
にしても、最近のきららはやたら1巻が出ますが、個人的は傑作多いなあ。熟してきてるのかな。
 
しかし余談ですが、「アドリブがうまい」人って、やっぱりちとせちゃんのように常にアドリブのことを研鑽するくらいじゃないとあかんのでしょうかしらね。そういう話ができる人間になりたいので、学ばされるところも多いです。