たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

いつまでも君と触れていたかった、なつやすみ。Cuvie「チャイルドプレイ」

今月の桃姫で、Cuvie先生がひさしぶりにロリ物を描くと聞いて買ってきたのですが。
いやあ、やっぱりCuvie先生はすごいよ。
もちろんエロい。そしてエロいってことは体の芯から何かを抱きしめたくなるってことなんだと、強烈に読んだ後感じさせるのが、Cuvie先生の本当の意味ですごいところです。
自分もCuvie先生のエロマンガ全部集めてすり切れるほど読んでいるのですが、それでもなお飽きずに読ませ、かつ猛烈に誰かに触れていたくなるんだからこりゃ大変だ。
書きたいことは山ほどある作家さんなのですが、今回の「チャイルドプレイ」がめちゃくちゃよかったので、そこからぽつりぽつりと話してみます。
 

●その町には君がいるから●

舞台は、夏休みに戻っていた田舎のおばあちゃんの家。
少年の暇でけだるい夏休みは、一気に光り輝く日々に変貌します。

夏の、少女がいるから。
 
少年の目から見た少女像は、ひときわマンガ内では「輝く存在」になるのですが、今回のこの作品は特にそれが顕著。
自分が「好き」だと気づいてしまった日から、オトコノコの中のオンナノコ像は、どんどんきれいになっていってしまうものなのですよ。ね、わかるでしょう。
一度気づいた「好き」は、夏であることも加わって、どんどん加速していきます。
好き。好き。好き。
大好き。
 
この町は、この世界は、君がいるからなんだかすごく輝いて見える。
恥ずかしいかもしれないですが、そう見えるくらい、好きな相手のことで頭がいっぱいになってしまう感覚があるじゃないですか。
ああ、これが恋なんだな。
Cuvie先生はそんな、視界いっぱいに相手の顔が広がってしまうような感覚を、躊躇せず描くんです。
 

●触れていたいから●

もちろんエロマンガなので、エロシーンが山ほどあります。
しかし、それは「エロを見せるためのエロシーン」ではないです。でも「必然」という言葉もなんだかちょっとずるい感じがします。
エロシーンはエロシーンなんです。ただ、もうどうしようもないくらい触れたくて、さわりたくて、くっついていたくてたまらないから、そのシーンはエロいのです。

二人に技巧があるわけじゃない、複雑なテクニックを描くわけじゃない。ただひたすらに相手を好きで好きで好きでどうしようもなくて、くっついていたい!
暴走する思いから生まれる性は、とても若くて青々としている、はちきれんばかりに実ろうとする果実です。
 
Cuvie先生が「ラブラブ物」のエロマンガを描く時は、とにかくこの「ひたすらにくっついていたい」の描写が半端じゃありません。だって、日が暮れても日が昇ってもエッチしてるんですよ。毎日毎日しても飽き足りないくらいするんですよ。それでもまだし続けたりするんですよ。
この二人もそんな子たちです。
根底にあるのは「ただ触れていたい」という、ものすごく純粋な欲求
そしてそれが、人間の心を一番揺さぶる欲求でも、あるんだな。
 

●触れていたかったから●

この作品がエロマンガでよかったな、と心から思います。
確かにエロシーンがたまらなくエロいから、ってのもあるんです。あるよ。あるさ。
でもね、それだけ求め合う二人がいるということは、同時に離れる瞬間の苦痛は何物にも代え難いものでもあるということです。


体の一部のようにすら感じていたオンナノコ。たまらなくステキで、たまらなく輝いていた目の前のオンナノコ。目を開けばそこにいつもいたのです。
それを力一杯抱きしめるのは最高の幸せで、毎日がきらめく太陽のようにまぶしくなる時間に変える魔法なわけですよ。
だけどその子と会えない時間もやってくるのです。
 
永遠に別れるわけじゃないよ。また会えるのは分かっているんだよ。
そこは大人なら「信じてる」の一言でなんとでもなるのですが、違う!そうじゃない!
大人とか子供じゃないんです。ただ「そばにいたい」と願い、「触れていたい」と求め合って、肌を重ね合った相手と、ほんのわずかながらの時間離れなければいけないこの辛さ。
いや、幸せなのは分かってるし、相手も待っていてくれると信じていても、つらいんですよ。最高の幸せを知った後で、一瞬でもそこから離れなければいけないことが。

最後の別れ際のシーンが、これまた最高に「エロい」のです。
この「エロい」は、まさに「心」と「生きる」がくっついた「性」が、強烈なエネルギーで引き離される苦痛を抱いて震えている「エロさ」です。
カラッと最後は軽く着地してはいるものの、この過程にエロシーンがあることで、読んだ後に猛烈に誰かを抱きしめていたくなってしまうから困る。
相手の体温をマンガから感じる作品、それがCuvie先生の最高に幸せなエロさだと思うのです。
 

うあ、はやいなあ、もう新刊がアマゾンに入ってます。一水社10月30日発売です。
とにかく幅広いジャンルを描く作家さんで、甘々のラブストーリーから、真っ黒ぎちぎちの陵辱ものまでこなす万能選手。しかも執筆スピードがはやい上に質がはずれなしという鬼才の作家さんだと思います。
ちなみに、初期作品は割と陵辱もの多めです。
どの作品集も好きですが、個人的に大好きなのはこの二つ(選びきれなかった)。

「淫らな素質」は比較的年上女性×オトコノコが多め。表紙にもある女子校の話「DIVING」がまた絶品なんだこれが。
「カノジョの媚態」はロリメインの「ぷれいやびりてぃ」と「せのびえっち」もいいのですが、「ジャンキーズ!」のサル状態のカップルがたまらないです。おさるです。
下品な話に聞こえるかもしれないですが、Cuvie先生の描く性器は猛烈に相手を欲しているのがいいんですよ。どこまでも女性を欲してがちがちに伸びる男性器と、吸い付いて離そうとしないような女性器。ああ、ずっとくっついていたい、ってこういうことなんだよね。
 
〜関連リンク〜
ShootOuts on web by Cuvie