たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ああブンビー、その悲しき中年の歴史。「プリキュア5GOGO 第35話」

今回一番笑った瞬間。


ブンビー。
 
そんな回でした。
これをキーワードに選んで子供に言わせるとは、スタッフすばらしすぎ。
 
さて、久しぶりのブンビーさん主役回でした。
ん?メイン敵じゃなくて、主役かって?
主役ですよー。
そんなわけで、以前もちらっと振り返ったのですが、今回さらに「ブンビーさんという一人の男のの哀しきブルース」について書きます。
 

●ナイトメアでの日々〜はじまり〜●

ブンビー黎明期。

いかにも大ボス状態で登場したブンビーさん。
部下を引き連れ、幹部と思えるような位置に座し、とにかく目立っていたのが最初のブンビーさんでした。
 
プリキュア5の特徴でもあるんですが、「敵の組織」じゃなくて「会社」なのを印象づけたのは彼です!
そう、ボスじゃない。彼は上司だったのです。
しかし、中の人効果もあって妙にシャレやアドリブの多いやさしいキャラになりはじめてから、彼の地位はどんどん変わっていきます。
むしろ…哀愁抱えたおっさんになっていきます。
 
ブンビー柔和期
部下のギリンマが初の死亡(つか消滅)。
事態の大きさと、部下を失ったことにショックを受けるブンビーさん。
この頃から、彼はやたらと人間味のあるおっさんになります。
そもそもさ、敵の組織で相手を思いやるってこと自体、観客の心を惹かないわけないですわな。
 
ブンビー迷走期
ブンビーさんの上司、カワリーノさん登場。
上司キャラはさらに上司が出てくると、一気にその立場を失います。社長が出てきたら課長なんて屁みたいなもん、みたいな。
ああ、部下を気遣い、上司に攻められ、おじさん板挟み!
日曜の朝からお父さんたちの胃を痛くするような演出が目をひきました。
 
ブンビー低迷期
カワリーノだけじゃなく、たくさんの上司が出てきて一気に職を失われるブンビーさん。
哀れ、席は十把一絡げなキャラたちと一緒になりました。ようは平社員に降格です。
しかも、みんな休日なのにブンビーさんだけ休日出勤!
だから日曜日になんてものを見せるんですか!スタッフすばらしすぎ。
にしても休日のある敵の組織ってなんでしょう。ほんと会社です。
 
さすがにナイトメアに不安を感じた彼が、やっと1会社員として立ち向かったとき、あわれビルから落とされて退場。
これが幸いして、ナイトメア壊滅に彼は巻き込まれなくてすみました。
が、事実上これが彼の失職でした。
 

●エターナルでの日々〜いらだち〜●

ブンビー失業期
ナイトメアがなくなって、彼はプーになりました。
彼に家族がいるかどうかは分からないのですが、とにかくプーです。
そんな彼が見つけた次の就職先が、「エターナル」という組織でした。
ナイトメアと違って上司部下の関係はそんなにないのですが、実力主義の会社形式です。これもまたなんだか妙に生々しい。
今までは背広で過ごしていたブンビーさん。エターナルでは0からのスタートのため、着ている服は作業服まで降格。
 
ブンビー友情期
そんな彼にも、ついに同僚の親友ができました。

スコルプさんです!
最初はお互いばかにしあうような仲でしたが、気づけば手を組んで共に戦う友になりました。
情に厚いブンビーさんにとって、同僚のスコルプさんはとてもとても大切な人になったのです。

そう、あの共に戦った日々。
確かにあのとき、私たちの心は一つだったんだ…。
つか回想シーンでこのカット挟むとは。いろいろ妄想するじゃないですかもう!
 
ブンビー苦難期
スコルプさんは、「さらば、ブンビー」と言い残し消滅。
ブンビーさんは最愛の友人を失いました。
悲しみに暮れるブンビーさん。しかしエターナルは恐ろしいところで、失策を重ね消滅した彼を最初からいなかったことにします。
「なんて恐ろしいところに入ってしまったんだろう…!」
ブンビーさんはこの会社組織に恐怖を覚えながら、どんどん自分の職が失われていくのを感じるのです。
 
そして、今回。
 

●会社にとって、わたしの存在価値は●

エターナルでも一応上司が一人だけいます。アナコンディさんです。
そのアナコンディさん、今までは冷血な女性で通っていたのですが、イケメンのムカーディアさんがでてからというもの、

女の顔をしてます。
いや、いや、ええんよ。ええのよ別に。
たださ。ブンビーさんの仕事の扱いが。

これは哀しすぎやしませんか。
 
ああ、こんなに尽くしてきたのに、たった一人の気まぐれで存在価値すら与えられず。
生かされず殺されず。
そもそもなんであんたいるの?わたし?わたしなんでこの会社にいるの?
 

哀れブンビー。
がんばっても認められることなく、地道に努力しても知られることなく、人を思いやっても恵まれることなく。
中年男性。会社のために尽くしてきたこの人生。
いったい、なんだったのだろうか?
彼の片手には、求人情報誌。
 

●男の哀愁●

行き詰まった彼は、相当本気で転職を考えております。
まあ、転職できるのならいいですよね。やめたら切腹とかならいやすぎですが。
彼も精神状態が相当混乱していたようで、そこで選んだのが…。

「わたしがプリキュアのリーダーになる!」

ねーよ。
 
いや、正直彼、これが罠とかじゃないと思うんですよ。
ガチでプリキュアになるつもりだったんですよ、このおっさんは!
だってね、今までだって嘘ついたり小細工するほど器用じゃないから、こんな有様でどんどん没落していったわけです。
同時に、そのまっすぐさが視聴者の胸をどんどんつかみ、プリキュアたちメインキャラに次いで人気あるキャラにまで上り詰めました。
だってほら、彼の打ち出す針はまっすぐすすむじゃないか。
 

まあ、からぶりなんですけどね。そりゃむりがありますもの。
でも、この時日本で「ブンビーさんがプリキュアの一人になるのなら…いいのに…」と心から望んだ人は自分だけでしょうか?
彼がもうちょっとだけ大人で謙虚だったら、よかったのに。プリキュアになったかもしれないのに。
 
…まあ、それが出来ないからいいんだけどねー。
 

●安らぎの場所●

それに対して安らぎの場所のあるプリキュア

…なんかさみしくない?
「いつも一緒」だった今までのプリキュアと違って、今回はそれぞれ夢をもって歩んでいるため、5人がいつも一緒じゃないのがなかなかに大人。
のぞみも先生になるための勉強をしているのですが、こうしてのぞみの周りに誰もいない状態はとても切ない物があります。
だってこの子、誰よりもみんなのこと好きなんだよ。
 
しかし、形だけが「安らぎの場所」ではありません。
安らぎの場所があることを信じていれば、それはやってくる。
はてさて、ブンビーさんにも安らぎの場所がやってくればいいのですが。
 

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おまけ、次回予告より。
 
なんつーか、こう、エロスが。うん。
そして初の「前編」「後編」のようです。クイズ大会ということで相当お祭りっぽい内容になりそう。期待!