たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ロリコンは「正しく」なんてないから〜LOが払った小さな配慮〜

ロリコンは「キショい」●

非常に興味深いコメントをWEB拍手でいただきました。もったいないので全文掲載。

LO画集についての対談を、とてもとても興味深く面白く読ませていただきました。
…ですけども。
たかみち先生の絵はすてきだと思います。雰囲気があって、女の子たちが本当に可愛い。暖かい視線だなーと思うのです。思うのですけれど。
LOって18禁雑誌なのですよね。中身はエロだったりもするんですよね。(それだけじゃないというのは日頃拝読してますが) 
なんていうか、この「表紙」からエロにつながる回路がよくわかんないんですよねー 雑誌のスタンスとかそういう話じゃなくて、感覚の問題として。
この表紙を見たときに感じる「あたたかい気持ち」は、そう、いわば「ねこ鍋」とかを見たときの感じです。で…わたしにとっては、エロにつながる感覚は、ねこ鍋方面とはまったく逆方向なんですよー 表紙でほっこりしたあと、エロ漫画を読まなきゃならないとしたら、気分的に大転換をしなきゃならないというか。
「だから悪い」とか言いたいのじゃないんです。「あー ここからエロにつながる人もいるのかー!」というのが発見でした。わたしには。今までロリ趣味な人を「気持ち悪い」と言う人の言い分がわかりませんでしたが、ふいにわかっちゃったというか。「ねこ鍋」で勃起してる人見たら、ちょっと引くじゃないですか。そんな感じ。
「だからダメ」とかいうことじゃないです。ロリ趣味のもつ「問題の深さ」を、初めて認識できた気がします。
他人の趣味をどーたらと言うのは変だと思ってましたけど、こういう視線(日常的な少女のかわいらしさがエロスに結びつくような)を持つ人が…もし、自分の幼い娘のそばにいたら、「見るな!」って言いたくなると思いますもん。実際に行動に出るとかでないとかじゃなく、「そんな視線で見て、うちの子をけがさないで」という感じかしら。(幸いにして?わたしには子どもがありませんが) 
…でも、実害が無い限り、人の趣味はそれぞれだし自由だとも思うので… 
うーん、難しいなぁ。 「自分にはどうしても理解できない、共感するための手がかりさえ無い」という感覚に対して、どう付き合って行ったらいいのか、迷います。悩みますわ。(頭の中ぐちゃぐちゃにしながら終了)

ものすごく優しい人なんだろうな、と思ってこの文を読みました。
だってね、自分を多分ロリコンだと思って言いますが、ロリコンはキショいですよ。
町中で大声で叫ぶようなものじゃないし、職場でも公言はしません。
子供のいる親なら順序や原因を考えるより先に、生理的嫌悪感がわいてしまうのも無理はありません。
そんなもんです。多分。
なのに、それについて一生懸命考えてくれるこの方はやさしいですよ。
でも、理解して「ロリコンは素晴らしい趣味」なんてこと決して思わなくていいと思うのです。「キショい」でいいと思うんです。
 

●LOを人目につかぬよう処分してくださってかまいません●

今月のLOは、まさにこのコメントのように感じられる方に非常に配慮を払った物でした。
「LO画集」がやはりものすごく売れたため、画集発売記念の「たかみち描き下ろしイラストカード」が欲しいからLO買うという人もたーくさんいるわけですよ。
でもね、たかみち先生の絵は好きだけど、少女達があんなことやこんなことをされているのなんて見たくないよ、って人もまた多いと思います。
マンガ的な技術とか、ストーリーの深みとか、少女というイメージの追求とか、欲望とか、色々なものがうずまいていようがいまいが「や、それ無理」って人は絶対います。エロマンガが大好きな人でも「ロリはちょっと」という人だっているんです。
それに対して、LO曰く「イラストカードのかなり余分な説明」が掲載されていました。

そういう性的嗜好が無い方には不快を催させる表現が多いと思われますので、そこに付いているカードだけを(もちろん購入後に)切り取りあとは人目につかぬよう処分してくださってかまいません。

自分は自ら「捨ててもいいです」という本を初めて見ました。
 
もちろんそんなこと、本気で望んでいるわけがないです。多くの作家さんが血の汗と涙を流し、いばらの道を踏み越えて描いた作品がたくさん並んでいるのです。編集さんもそれをできるだけ多くの人に読んでもらいたいと思って、出版しているんです。売れるためによいものを作ろうと尽力しているはずです。いくら売れたらいいといっても、捨てられた雑誌を見て喜ぶ作家と編集者はいません。
後半にも書かれていますが、もちろん楽しんでもらえたらうれしいと心から望んでいます。自分もファンですし今月もいい作品がいっぱいあるので読んでほしいです。
でも「処分してくださってかまいません。」の言葉に同意せざるを得ないのです。
 
だって、エロマンガだもん。しかもロリだもん。
どこまで素晴らしくて感動できる大傑作がそこにあったとしても、生理的に受け付けない人がいて当然なのです。理論とかじゃないんだよ。
Fateは文学とか、CLANNADは人生とかありますが、「LOはエロマンガ」であり、「エロマンガはポルノ」です。
自分がLOが大好きなことを話して「キショい」とか「理解できない」と言われたら「ごめんね!」って言いいます。ごめんね。
 

●黙して語らず●

それでも自分はLOが好きです。ちょっと信者気味なほどです。
漫画雑誌としても好きですし、ロリとしても好きです。そして「この作品すげえ…読んでもらいたい」といつも思います。没頭するくらい興奮することもあります。
思いますが、全ての人がそれを受け入れられるとは思えません。むしろ日本人全員がLOを買ってたらちょっと怖いです。
言い換えれば、「普通」という基準値に意味はないけれども「普通ではない」が表現する意味はある、ということです。少なくともロリ漫画は「普通ではない」です。
 
ヘドバンしながらエロ漫画!  あわじひめじ『辱育』
あわじひめじ先生や冴樹高雄先生や片桐火華先生など、LOには明るくラブラブエッチハッピーエンドだけではなく、数多くのレイプ漫画も載っています。それはおそらく男性でも苦手な人も多いジャンルでしょう。
でもね、そこに欲情することもあるのです。それはみんなが指差して「それは悪だ」と言われても、あるものはあるのです。自分もこのジャンルが抱えているいろいろな感情や欲望や、それでも求めてしまう気持ちが分かってしまうスイッチを持っています。
それが「正しい」とか「カタチの違う純愛」とは言ってもしかたない。ただ黙して語らず、好きだから読みふけります。だからこそ、リンク先の後半で書かれている部分に、深く共感します。
ロリコンは、見つけてしまったスイッチを認めるしかありません。そのことを「ほかの人も理解すべき」なんてことはムリです。
だけど好きなものは好きでいたい。だから、白黒つけずにじっとだまって、こっそり隅っこでたしなむだけなのです。*1
 

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はて、以前LOの2006年4月号に、とても自分が好きな言葉が載っていました。
Applerの備忘録(仮): 「Lolita Organization Supported by COMIC LO」による熱い主張まとめ

ロリコンに必要なのは、幼女ではなく友人である。
「このロリコン野郎」とバカにしてくれる友人(非ロリコン)がいれば、人生は上々だ

最初のコメントの方の、共感できるはずなのではないか、という思いはとてもやさしくて、そういう人がいるだけで「世の中捨てたものじゃないなあ」とか感じますが、もし戸惑われるならばもっと気軽に「このロリコン野郎!」って、バックベアードの目つきで言えばいいと思います。
 
いろいろ後ろ指さされても、好きなものがあるロリコン。その美を極めて芸術に仕上げる人も中にはいますが、やはり「キショい」と言われたら「ごめん」と苦笑いするしかありません。人間的に劣っているとかではないです。もっと灰色でよくわからない、感覚的なものだからしかたないのです。

世界のバランスをとるため必然的に我々ロリコンは理性とモラルと社会性を持たねばなりません。それで生きることが最低限許される気がします。それこそが「人間性」だもの。そーゆーモラルの足し算引き算、大人になるとあるよねー。
(LO 12月号 目次より。)

少女を偏った方法で愛し続けながら、せめて他の部分ではよくあろうと生きる人が好きです。偽善?うん、そうかもしれないけどそうするしかないんだな。
 
あ、本文内で「キショい」と書き続けているのは、「キモい」だと微妙に悲しいからです。反論はする意味がないし、黙して語らないけど、傷つくこと言われたらどんな屈強な戦士だって普通に傷つくもの。そんだけ。
 
〜関連記事〜
ロリコンなんだ。キショい。宮内由香「ロリータ」
たかみち先生がのぞき込んだファインダー。「LO画集」対談その1
そして少女に恋をする。「LO画集」対談その2
宮内由香先生の「ロリータ」は、何度読んでも結末に泣ける。ロリコンの自覚がある人ほど泣けて仕方なくなるんじゃないかしら。逆にロリコンじゃない人は苛立つかも。
 

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たかみち
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みんなLO読んで!とは決していえないですが、様々な漫画表現を見たいという人にはやはりLOは読んでほしいのでした。
って書いておいたらほら、LO買うときに「漫画技術の参考にするんだよね」って言い訳できるじゃん!
 

*1:この点に関しては、LO今月号の目次下の文章もあわせてゼヒ。