たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「蟲」分満載、伝奇猟奇系アクションの「幻仔譚じゃのめ」が面白い。

チャンピオン新連載の幻仔譚じゃのめがすごいんですよ。
作者は「フルセット!」の梅田阿比先生。
まあ、まだ第一回目ですし、話の詳細を書くより読んでもらいたいので、簡単に紹介だけしてみようと思います。
 

●ここがすごいその1・異類婚の世界●

日本には数多くの異類婚譚があります。
それが夕鶴のように美しい場合もあれば、半ば生け贄状態のものもあります。複雑怪奇、ハッピーエンドやバッドエンドではくくれない数多くのカタチがあります。
そんな曖昧さこそが日本文化の面白い所だと思うのですが、その雰囲気を第一話で絡めるためにどう描き出すか、とても難しい所です。

しかし「じゃのめ」は一発でたたき出しました。
田舎の村の、桜舞い散る中の幻想的な光景。動物面で動き回る子供達。
意味はまだ全然わからないですが、一瞬で印象づけられる描写には目を見張ります。
 

●ここがすごいその2・エロティシズム●

初回には女の子、男の子、お父さん、お母さんと4人キャラが出てくるのですが、その女の子とお母さんのキャラがまあなんともエロティック。
「えっち」とかじゃないんですよ。ものすごいエロティシズムをかもす描き方なのでぎょっとしました。
たとえば、これは主人公の少年とお母さんのシーンなんですが。

何がどうなるかは読んでください。
その展開でこういう見せ方とは。ゾクゾクっときましたわ。
女の子もキュートでかわいいんですが、話が進むにつれてとてもエロティックでグロテスクな展開になります。
 

●ここがすごいその3・蟲●

蟲です!蟲がすごい!

存在しないタイプの蟲が、わんさか出てきては絡み合います。うぞうぞします。頼むから勘弁して!ってくらいリアルに描かれています。このコマも1ページ大きなものなのですが、ぜひとも本を手に取って大きなサイズで見てゾワゾワしちゃってください。

蟲物は気持ち悪くて苦手なんですが、好き。困った物です。
おそらく今後もめきめき蟲が出てきそうな予感。
 
不思議な村の伝承、かわいい女の子、戦う少年、そして蟲。
これはまた、楽しみな作品になりそうです。
今回は初回で61P掲載。なかなか読み応えがあります。