たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

学校という場所での、オタクの過ごし方は難しい。

ちょっと真面目なWEB拍手があったので、ピックアップしてみます。
これ実際その立場になったら相当迷いそうなお話です。

どうもはじめまして、いつもオタク文化に対しての考察など楽しく拝見させてもらっています。
毎週のみつどもえに関する記事もいつも本当におもしろいです。
少し聞いてもらいたいことがあるのでもしお暇でしたらお願いします。
 
自分は学校で放送委員をやっています。昼の放送ではリクエストを受けた音楽を流すのですが、
このごろはアニソンの量が多い。
自分も嫌いではないのですが給食の時間に流すのはどうしてもいやな空気になってしまいます。
ある日アニソンのリクエストが来たときに他のリクエストの曲を流したのでそれを流せませんでした。
そしたら、人伝いにその持ち主からクレームがきたのです。
「なぜ流さなかった」と。
それはたしかに流さなかった自分も悪いですから、会って話そうと思ったのです。
なので、その伝言を伝えにきた人にクレームの人を聞いたのです。
しかし、「教えるな、と言われた」の一点張り。教えてくれません。
要するに「流して欲しかったけど自分がその音楽を流したのが知られるのは恥ずかしい」というわけです。
自分も隠れオタク気味ですからその気持ちはわかります。ですが、それは卑怯だと思うのです。
自分が好きなら好きだと堂々と言えばいい。知られたくないならリクエストするな。こう思いました。
自分はあのとき頭に血が上ってしまいました。自分もオタクですが、そんなオタクは許せない。卑怯です。
 
これもオタクの特徴の一つなのでしょうか?そうであるならばとても悲しいです。
 
長々と書いてしまい申し訳ありません。無視して大丈夫です。
ただ、こういうオタクは本当に許せないと思うのです・・・

自分なんかは適当な単なるオタクでしかないので、あまり意見として参考になることはお話出来ないと思いますが、これ学生さんだと本気で大変な事だと思います。
いかんせん大人ならサイトにしても冊子にしても「見せる自由」「見ない自由」があるのでスルーすればいいのですが、学校放送となると強制的に聞かされることになります。テレビと違ってチャンネルを変えることすらままなりません。難問です。
しかもこの方、自分もオタクだ、という風におっしゃっておられるから、きっと心中複雑でしょう。
なので、ちょっと自分なりに順序立てて考えてみました。学生からは卒業した年寄りオタのいうことだと思って聞いてくださると幸いです。
 

●根本的な誤り●

まず「オタクかそうではないか」以前の問題が一つあると思います。
それは「リクエストを流さなかったからと言って文句を言う」ということです。
そもそもリクエスト自体、あくまでも「かかったらいいな」程度の希望としてのもので、選ぶのは放送する人自身。選ばなかったことで「悪い」って事はないと思います。
これがたとえば「どうしてあのヘビメタを流さないんだ!」と怒っても同じ事です。
なのでその時点でまず気にしなくてもいいと思います。
むしろ、どうしてもそこで「オタクって…」と歯がみしてしまう気持ちは痛いほど分かるんですが、オタクじゃなくてもあり得ることで、「オタクがわがまま」ではなくて「わがままなオタクだった」が正解かもしれません。自分もオタクだとそういうの辛いですよね。でもそれは「オタク」が原因ではなく、その個人の人間性の問題です。
 
放送委員は自分も経験があるのですが、どうしても色々なものを「発表する側」です。となると帰ってくるのがいい意見ばかりじゃないんですよね。時々は反感すら買う。これは辛い。
しかし、それでも放送委員が楽しいのは、みんなに伝えることや楽しませることが、何よりも手応えのある仕事だから。多少の反論はスルーしながら、頑張ってください。
 

●給食時にかかったアニソンの気まずさよ●

はて、こっからはオタクの話。
給食の時間にかかるアニソン、ってのはほんと気まずいですね。おじさんおばさんオタにしてみたら「学校でアニソンがかかるなんて!」という人もいるかもしれませんが、高校生くらいだったら割と一般的になってきていると思います。
ぱっと聞き(いい意味で)アニソンっぽくないのは問題ないのですが、問題はがちがちの(いい意味で)アニソンアニソンしている曲。あとはオタク臭がぷんぷんしまくる曲。
給食食べていて、魔理沙は大変なものを盗んでいきました」とか流れてきたら牛乳吹くわ!
まあ、知っているから、なんですが。
大人になってからでも、商店街でアニソンが流れているのを気づいたときの気まずさといったらないですね。なんでしょうあれ。なんで恥ずかしいんだろう。
 
もちろん、そのかける曲が「恥ずべきものかどうか」は誰にも判断できません。
ただ、知っているオタクは恥ずかしがり、知らない人は変な気分になるのは目に見えています。
なんででしょうねこれ。ほんと不思議。日本がずーっと長いこと培ってきた、独特かつ極めて複雑な感性だと思います。
 
ガンダムドラゴンボールはセーフ」という感覚、自然とあったりしますよね。エヴァはセーフ?アウト?
一方、たとえば自分はプリキュアが心の底から好きですが、その曲が給食の時間にかかって「ぷりっきゅあの魔法、はっぴーかみん、いえい!」の瞬間にクラスから顔見られたら穴掘って埋まるわ。
このへんの「アウト」「セーフ」感覚は、それぞれ独自の物なので、「いえい!」にあわせてポーズ取る人がいても別にかまいません。が、自分はちときついです。

・「萌え」の恥ずかしさ(性的な意識からくる恥じらいの感覚)
・「マンガやアニメは幼い」という誤解やそう思っている感覚
・かつて人からオタク趣味について笑われた経験があるか否か
・「オタク」という言葉やアニメ・マンガ系文化への感覚の壁

などなど…。「これだ!」という答えはありません。多分これからもないと思います。
しかし教室が「気まずい」のでしたら、それは上記のような感覚がそれぞれに働いていたのは間違いないでしょう。
こっそり鑑賞するのがオタクの嗜み…なんていう隠れオタからしたら顔から火が出そうですね。
学校という特殊な環境の場合は、それを「自分のキャラクター」にしてしまえば、かなーり楽ではないかとは思いますが…そういう人ばかりじゃないですよねー。
 

●発表するオタ●

しかし、自分の好きな物を「好き!」といいたい気持ちでうずうずするのもまた人間のごく自然な感覚。
多分このWEB拍手くださった方は、その曲をかけられなかった事に対して相手の気持ちが分かるやさしい人なんだろうなあと思うのですよ。
自分もアニソン流れるのはそりゃ恥ずかしいけれど、でもかかってきたら嬉しい気持ちも0ではないです。好きだから。でも好きって教室ではあんまりいわないけど。もしかしたら好きな人同士では嬉しい気持ちを共有できるかもですね。
クローズドなんじゃないです。むしろオープンなオタクが増えているかもしれません。仲間と共有したい。楽しい物を一緒に楽しみたい。
だから形を間違えさえしなければ、とてもいいことだと思います。音楽を作ってアップするとか、pixivに絵を描いて載せるとか、サイトをつくるとか、アニソンバンド組むとか。ね。
その気持ちは大事にしてほしい、けれども場所が「公共の放送」となると話は別です。
 

●マナーと気配り●

アニソンに限ったことではなく、学校放送で一つのジャンルにばかり組織票が行くのは問題有りです。
たとえば毎日デスメタルばかりかかっていたら同じように気まずくなりますよて。
リクエストの仕組みは分からないので何とも言えませんが、比率の問題だと思います。何十曲もあるうちの何パーセントかがアニソンなら、問題はないと思います。
 
推測でしかないんですが、反発が出た理由の一つにオタクのコンプレックスがあると思うんです。
テレビとかでベストテンにアニソンがはいらない時に「オタクの文化がスルーされた!」と憤慨するあの気持ち。
まあ正しい情報じゃないものを流すのはちと問題あると思いますが「オタクだから○○が許されないのか!」という独自のコンプレックスを持っている人もいるでしょう。「好きな物を笑われた」「相手にされなかった」などの辛い経験からどうしても生まれてしまいます。
だからといって「全てアニソン」というのはこれまたおかしなことです。趣味のネット放送局じゃないんだから、偏っているんじゃない?と言われても仕方ないです。
 
これが10のうち2くらいがアニソンだったら、丸くおさまるかもしれないですよ。全くかけないわけじゃないですし。
それで文句を言うような人なら、ただのわがままでしかないので、全スルーした方がいいかもしれません。
 
あとは、そこまで好きなのならば「自分がその音楽を流したのが知られるのは恥ずかしい」じゃなくて胸張って欲しいですよね。(単に怒られると思っただけだったら…ちょっとめんこいね。)
 
「誰だよプリキュアリクエストしたのは!」
「俺だ!」
くらいの勢いで。
 
 
言えねー!
もっとも言えないならリクエストせず、あるいはリクエストしても文句言うべきではないですね。
「発言には責任を持とう」というすごく単純なことが、今回心に引っかかったことなのかも。
 

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だらだらと、卒業してからながーくたっている自分が書いてしまいました。いつもエロリマンガの話ばっかりしてるのに急にまじめだと気持ち悪いですね。
なんでこんなにだらだら書いてしまったかというと、これを送ってくださった人が、このことで「人に発表することへの不信感」を抱いてしまったり、「オタクって結局歪みがあるのかな」と自分たちの趣味を否定してほしくなかったからです。
好きな物は好きでいて欲しいし、それを真剣に形にしていってほしかったのです。
思うだけなら簡単ですが、放送・発表する側になって形にし、見せたりきかせたりするのは非常に勇気のいることです。おそらく今後、様々な場面において人前で発表する機会が出てくると思います。特にオタク趣味はどうしても隠してたしなむ人が多いのですが、それをやはり形にしたり、あるいは共有出来る仲間と話したりすることもたくさんあるわけです。
そんなときに、これよりもさらに辛い事態も起きると思います。裏切られた、もういやだ!と思うことだっていーっぱいあります。あるんです。あるんだってまじで。
それでも自分が好きで頑張ろうとしたものは、決してマイナスではないです。オタク趣味以外も含めて、「好き」になったもの、形にしようと悩んで頑張った物はマイナスではないです。
だから、頑張って!おいらも頑張る!!
 

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んで、みつどもえで誰が好き?僕は宮なんとかさん!(←なれなれしいオタクの典型)