たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「オナニー しないと 死ぬぞ。」

コミックTENMA1月号の広告が超絶すごかったので紹介。
 

 
死ぬよ!
 
これなにかというと、「COMIC LO」の宣伝。
一度見たら忘れないようなものすごいインパクトと共に、「ですよねー」と一部男子を納得させるだけの妙な説得力。
 
ここで「死ぬわけ無いジャン」とか「不謹慎だ」とか言うのは野暮っつうもん。そんなのはエロマンガを読む年齢の大人ならみんなわかっちょるのです。
あえて、ここでは広告の中で削られた文言があるとしたら「心が」とか「感性が」でしょうかね。全員に当てはまる文言ではありませんが、10人いたら2人はこの言葉に貫かれるのでは。

コミックハウス(LOやTENMAの編集会社)には、才能のある漫画家のみならず、才覚のある編集さんもいるなあとしみじみ思いました。エロ漫画にはこのくらいのぶっとんだパワーが今必要なのだと勝手に思ってます。マンガとしてももちろん、維持すべき文化としても。マンガを表現する「言葉」の部分として、そのバイタリティは偉大。LOコミックの帯なんかも強烈な個性の物が多いですが、あれも見ていて楽しいです。そんなマンガと言葉が、マイノリティな性を抱える人を救うことだって、あるんです。そういう意味でも「生き延びる」と言っていい。
それにしても、よきにしろ悪しきにしろ、この広告みたら二度と忘れないですな。これぞエロ漫画だからなせる広告の力。
 

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オナニーといえば、朔ユキ蔵先生の「セルフ」が各地で話題沸騰中ですね。
普段セックスしかしていなくてオナニー経験がなく、「俺は彼女達の性器のドレイだ。」と感じているイケメン青年の話、と書くとものすごい反感を買いそうなのですが、実際はこれが読んでみると非常に面白い。徹底的に「オナニー」という行為を「人間が自分の体を、振り回されず自由に愛すること」として描いているのから痛快なのです。
そうなんですよね。恥ずかしいこと、汚らわしいこと、という見方もできますが、視点を変えればそれは自分の体を自分で知る行為、自分探しなのです。

女の子達もかわいいし、やってることもコミカルですが、あえて一貫して「自慰」に焦点をあてて描いているこの作品には、むしろ何か哲学的なものすら感じます。「自分のためだけの性」は、自分にとっての大切な個性、とも言えるのです。
それに相反して、女の子達がキュートながらも人間関係でドロドロしている対比も面白い。

朔ユキ蔵先生は、アホっぽい中に人間の性を通じた微細な心理を盛り込むからすごいです。
 
自分にあったおかず探し。
自分にあったセルフプレジャー。
人には言えない、自分のためだけの冒険に今出発だ。
 

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余談ですが、私的意見としては「エロ漫画=抜かないといけない物」とは思っていません。そもそもマンガなので、楽しんで読むべき所に性が入っている物、とも思っています。
しかしそこに「自分だけの性」を見つけるのもまた、このエロ漫画というジャンルの醍醐味でもあります。自分好みのエロ漫画に出会えたらそれは本当に幸せなこと。心は明日をつかんで、生き延びるよ。
 

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エロ漫画雑誌のキャッチコピー
LOはなんだっけと言っていたMOON CHRONICLEさんへ。LOは「ONE AND ONLY COMIC MAGAZINE」で統一されています。結構色々なところに隠されていて探すのが面白いので、是非ともLOを買ったら探してみよう。こんなお遊びもデザイナーの宮村さんあってこそであります。