たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

LOの裸表紙は、まだたったの3回目。

いきなりLOの表紙の話なんですが、今回は苦手な人もいるかもしれないので収納。
 
 

久しぶりのお風呂絵。
裸絵は12号、18号の二回だけなので、実に3回目になります。
なので、最近LOを知った人は結構驚くんじゃないでしょうか。え?いいの?って。
うん、いいんです。っていうか、お風呂入っているだけですよ。だけですよ!
 

12号目。キャッチコピーは「脱・子供宣言」
この頃はまだ「子供」っていう言葉を使っています。この後編集部の意向で「子供」の文字は入らなくなっていきます。
この脱の下に小さく(衣)と入っているのがミソです。
LO画集を持っている人なら分かると思うのですが、実はこの号の没ラフはもっと年齢が上なんですよね。それこそこれは幼女ですが、没ラフは少女でした。
しかし「子供から脱しないで!」という意味と「子供の脱衣はかわいいじゃない」というダブルミーニングで幼いこちらが採用されたんじゃないかな?と思います。推測でしかないんですが、編集長Wちゃんは明確にまーるい曲線がエロスと言っています。
ええ、それをエロスと感じてしまうスイッチは、ある。
実際この号めちゃくちゃ売れて、しかもご存じの通りフィギュア化されています。これですね。シークレットになってます。
友人が「これの長月みそか先生フィギュアの出来がすごくいい」と絶賛していました。現物持ってないんだよなあ…。


さて、18号目。
キャッチコピーは「あなたは芸術である」
少女の持つ芸術性についてはもう遙か昔から語られていることなので、納得するしかありません。もっともそれは被写体である少女そのものに対しては失礼な言葉にあたるかもしれませんが、なんせ二次元です。思い切りそこに美を求めてもいいじゃない。
しかしなぜ少女の裸体に美を感じるのか、というのは多くの画家や写真家が抱いてきた疑問でしょう。いわゆる「均整のとれた体」にはまだなっていないわけです。
しかしそこにある「未成熟」は、あらゆる二律背反を包含します。きれいな心も、汚い視線も、やさしい気持ちも、裏切りの思いも、大人の落ち着きも、子供の元気さも。
確かにヌードで「はっ!」とさせられるのですが、でもやっぱりよくよく見るとこれはエロスを飛び越えたモノを感じさせます。だから12号と違ってストレートに「芸術」という語を使っているのでしょう。
 
そこに来て、なんと61号目にして3度目のおヌードです。


ここで「わーい!」と喜びそうになって自分に「ちょっと待った」がかかります。
 
この子の視線はどこを向いている?
こっちじゃないんだよ。いわゆるここで言われている、LO愛読者な「ぼくら」ではなく、その横にいる誰かに向いているじゃないか。
たかみち先生の絵は視線がこっちに合うことがあまりありません。それは少女を、ファインダーを通して覗き込んでいるのを表現しているからです。あくまでも自然体の少女の姿を、横からカメラで撮っている姿勢なのです。
だから、この子は「ぼくら」には向きません。きっと家族とか、友人とかに向いているのでしょう。それを「ぼくら」はカメラのレンズを通して見ているのです。
 
その時どんな感情がわくでしょうか。
なんてきれいな肌なんだろう。なんて美しい笑顔なんだろう。なんてきれいな体なんだろう。
うん、そう思います。心の底からそう思います。
しかし正直に言うよ。
「エロい」っていうスイッチが入りますよ。入るとも。「エロ漫画らしいな!」とか思いましたとも。
 
そこにエロスを感じるのは自由です。感じるだけならいくらでもいいのです。
だけど、視線の先にいる人物は彼女に対してエロスは感じていないでしょう。
ああ。
「ぼくらはなんで えっちになった?」
 
ロリコン的な視線をもってしまうことは、「善」ではないですが「どうしようもない」です。
この絵を見て「微笑ましいね」と言う人に「ぼくはエロいと思いました」なんて言えません。きっと同じように頬をゆるめながら「微笑ましいですね」と言うでしょう。
思っちゃったものは仕方ない。
 
…あれ?これって変だね。そもそもこの雑誌って、エロ漫画雑誌でしたね。
なら、エロいと思って当たり前なわけじゃないですか。エロいよ!エロい!エロ…。…ごめん。
…なんで、えっちになったんだろう?どこで、スイッチ入ったんだろう?
後悔はしないけれど、不思議ではあります。
 

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「なんで」の部分が黄色くなっています。
これは8号、23号、28号なんかでも使われているデザイン遊び。先月の60号でも「春」の字の「日」の線が赤くなっていることが物議をかもしました。えーと、LO愛読者の間のごく一部で。

ロリコンに春は来ない」のキャッチコピーと、その解答については感激に近いものすら覚えたモノです。
今回のは難解ではないですが、無邪気に「エロいよーエロいよー」と喜ばせるだけではない何かを絵と文字がつついてきます。ニヤニヤしてしまいながら、ニヤニヤしている自分に嫌気がさすかもしれません。
嫌気はささなくてもいい。でも不思議、ではありますね。
特殊な性的嗜好、ことロリコンという性的嗜好については「ロリコンでもある」タイプの人(大人が好きだけど少女も嫌いじゃないよ、という人)も含めて「なんでだろう?」の疑問符の多い部分。
また絵が微妙なところを攻めてますよね。少女というには幼い、幼女というには育っている。胸はほぼ無いに等しい。エロを感じる人は感じるし、感じない人は全く感じないんじゃないでしょうか。
 
まあ、いずれにせよ彼女がどんなに美しくても、「ぼくら」と視線を交わすことはないんだけれどもね。
ごめんね、えっちな目で見て。
 

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そうそう!重大なこと忘れていました。
今月号は宮内由香先生が載っているよ!!!!!!!!11111
月吉ヒロキ先生もひさしぶりだよ!!うおー、今月も熱い!そして毎月掲載されている執筆陣のパワーもすごい。
ベテランと新人がいい具合にローテしていて、今のLOは本当に面白いです。
 
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