イケメン小学生は、クラスメイト女児と一緒に歩けない。「リコーダーとランドセル」

えー、本屋さんで一撃でやられました。
表紙から出オチというすごい４コマです。

ずるいよ！
イケメンが変なことするだけで「面白い」ってのはずるい。ずるいけどもう手はこの本を掴んで離しませんでした。
だって、帯のコピーが「見た目は大人　中身は子供」です。
某バーローの逆なのです。や、やられた・・・。
　

●でかい弟は小学５年生●

といっても、バーローさんのように何か特殊なことがあったわけじゃないです。単にでかいだけです。
このイケメン少年あつし君は小学五年生。
横にいる女の子があつみさん高校二年生。
表紙だけ見ると「逆だろ！」とつっこみを入れたくなるほどの出オチっぷりなんですが、まるまる一冊最初の出オチテンションを崩すことなく、いかにあつしがガキっぽいかが描かれているからこの作品はすごいわけですよ。
設定は確かに面白いけれども、これで話を作るとなると相当ハードです。が、ちゃんと最初から最後まで面白いです。こうなると、まるで鯛焼きのあんこが頭からしっぽまで入っていたかのような感覚です。
　
んで、「イケメン」ってだけだと「くそーがきんちょのくせに！」と嫉妬もしたくなりますが、このあつしがやたらめったら幼いのでかわいくて仕方ないわけですよ。

先生に抱きつく小学５年生です。何ら問題ありません。
問題ないよ。
先生が下だよ。
とにかくあつしの思考回路は幼いです。まさに「５年生レベル！」という感じ。小学生の高学年男子って結構お馬鹿じゃないですか、あの感覚ですよ。
でも見た目はイケメン。周囲の好奇と奇異の視線がひたすら痛面白いわけです。
　

●純情小学生物語●

個人的にこの作品が好きなのは、あつしが小学生なりの恋愛をせいいっぱいにしているところ。
小学校５年生です。好きな女の子も出来る時期です。難しいことは考えられないけど、好きな女の子と一緒に帰りたい！いよっ男の子！

とは言ってもこの見た目の組み合わせは割とアウト。
「ただしイケメンに限る」は通用しません。アウト、アウトだよ。
どう見ても犯罪者です。

まあ、こうなるよね。
　
あつしはほんと、いい意味で一生懸命な男の子なんですよ。小学５年生なりの、いいオトコノコしてます。
純情でキスもしたことないでしょう。好きな女の子と赤面しながら歩く程度で幸せいっぱいなんですよ。
見ての通り、相手の女の子ヒナちゃんがこれまたキュート。ヒナちゃんはちゃーんとあつしが同級生らしいことを知っているから、気にも留めません。んー、多分気はあるんじゃないかなと思う。ちゃんとオトコノコしてますから。
でもやっぱり外見差は非情なものです。

申し訳ないけどこれはアウトです。自分がおまわりさんなら注意するレベル。
こんな感じで、見た目大人の少年あつしの受難は続きまくり。イケメンだからっていいことばっかりじゃない、むしろ困ったこと続きなので、だんだん哀れになっていくのがまた面白い所。
イケメンが困った顔していると面白く見えちゃうんだから、これまた困ったもんだね。
でも４コマとしては正しいです。

いや、…さすがにかわいそうかもしれない。
　

●ちびっこお姉ちゃん●

さて、あまりにもあつしのインパクトがでかすぎて影に隠れてしまいますが、お姉ちゃんのあつみさんのちびっ子度も半端ではありません。

身長１３７cm。制服でなければ小学生にしか見えない童顔。
あつみさん、結婚してください。
　
…すいません取り乱しました。
あつしがあまりにも大人っぽいのに子供っぽいため、あつみさんが小さいながらもすごくしっかりして見えるのが面白いところ。いわば化石の横に置かれたタバコの箱みたいな感じです。
もちろん比較対象としてだけではなく、魅力的なお姉ちゃんしています。
実はこのあつしの格好が大人っぽいのはあつみコーディネートだったり、家では家事全般をてきぱきとこなしたり、弟が彼氏だと間違えられても全然気にしなかったり。よくできてクールで、ちょっとお茶目な女の子なのです。
あつみさん、結婚してください。
　

●だがやはりイケメンなのにはかわりがなくて。●

表紙からマッハで飛ばしているこの漫画、二人のキャラのかわいらしさと、それをめぐる女性達（ヒナちゃん、先生、あつみの友達）の振り回されっぷりがとにかく健康的で時に滑稽。読後感もすっきりの素敵な４コマに仕上がっています。表紙でなんだか愉快な気分になったら、そのまま買うのをオススメ。
イケメンだからいいことばっかりじゃないんだわなあ。あつしがんばれ、君の初恋は（周囲の目は痛いけど）きっとかなうよ！
ひなちゃんと落ち着いて歩ける日がくるよ。大丈夫、応援して…。
　

ん？

ちくしょうううう！
やっぱりイケメンがいいのか、今時の小学５年生女児！
　
うあー、イケメン小学生になってヒナちゃんと一緒に下校したいよ。
　