たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

奥さんが旦那に隠れて読める、エロマンガを考えてみる。

WEB拍手より。

エロマンガというと、いけない!ルナ先生しか思いつかない主婦です。
旦那に隠れてエロマンガを読もうと思うのですが、どれを選んでいいか分かりません。
エロマンガマイスターのたまごまごさんプッシュのエロマンガはありますか?
できれば男性のキャラクターがちゃんと描かれた物がいいのですが。

自分は巨乳マンガに全く詳しくないという致命的な弱点があるので、マイスターになれません!ちいさいいおっぱい万歳!
まあそれはともかくとして、男性キャラがちゃんと描かれた作品エロマンガで探す、と言うのは面白そうなので、自分の疎い知識で色々と考えてみようと思います。
もちろん、性癖的にあうあわない、というのはどうしても存在するので、あわなかったらすいません。
判断基準は下記の3点。
1、男性キャラが「いい」。
2、比較的入手しやすいもの。
3、旦那さんに見つかっても割とセーフっぽいもの、むしろ一緒に読めるもの。
女性向け、とかはあんまり考慮せず(でも一応、初めてのエロマンガを読む既婚女性ということは考慮の隅にいれつつ)、たまごまごが上記を満たした上で「よいもの」だと思った物を列挙してみます。
 

●ヒゲの似合うダメな大人と、女の子●

まずは、男性よりもむしろ女性の方が読んでぐっとくるんじゃないかと思われる、関谷あさみ先生の作品から「YOUR DOG」。
女の子のかわいさに負ける男もまたかわいいよね。関谷あさみ「YOUR DOG」
詳しいレビューは以前書いたので、こちらで。
女の子が援助交際ビデオに出る、というショッキングな題材なのに、読んでいてどんどんハートフルな気持ちになっていくのは理由があります。
ヒロインの歩がとても純粋の塊のような少女で、それに対して汚れた手で触れていたマキちゃんの中の、本当の部分がどんどん回を追うごとにむき出しになるわけですよ。
男から見ても、少女よりも少女っぽい、なんだかわがままで甘えん坊で意地をはってる犬みたいなヒゲの男性がキュートでたまりません。
すごいのは、ストーリーががっちりしていて、二人の心情も痛いほど伝わってくるのに、同時にちゃんとエロいこと。
長編なので、エロマンガ慣れしていない人がいきなり挑むとびっくりするかもしれませんが、マンガ好きな人になら安心しておすすめできるのではないかと思います。入り口としても是非。
 

●ケダモノな彼氏●

表紙の少女漫画っぽさにつられて買った人も多いのではないかと思われる、大朋めがね先生の作品集。短編集です。
で、少女マンガ的なピュアさを求めて買ったのに「エロマンガじゃん!」とショックを受けた、なーんて人は、それほど多くないはず。たぶん満足されているのではないかと。
実はコマ割や人間同士の距離と「余白」の取り方に、少女漫画の技法が取り入れられているため、とても読みやすいです。
肝心の中身なのですが、女の子たちに対して、まるでケダモノのように興奮して男の子達が襲いかかるわけです。エロマンガだしね!
しかしここからがめんこいと思うんですが、事後になると男の子達がやけに神妙に、真剣になって女の子達に愛をほのめかしちゃったりするわけです。
でもそれにデレデレになることなく「ふーん」なんて言っちゃう女の子。この距離感が絶妙。
意外とえっちはねっとりだけど、人間関係は女性視点でサバサバしててちょっと大人。そんな「女の子から見た男の子」がきちんと描かれた傑作だと思います。
 

●実は「青年マテリアル」●

一世を風靡した鳴子ハナハル先生の「少女マテリアル」。最近のカラー漫画はとても明るくさっぱりした「エロいよ!」というショートマンガメインですが、この単行本はどちらかというとストーリー重視になっています。
で、題名のとおり少女達を巡るマテリアル、なんですが、視点を変えるとこれが、「少女達を眺める青年達のマテリアル」だったりします。
かわいいなあ、愛しいなあと心に抱く青年達や、不可思議な性の渦に必死に抵抗する男の子たち。
少女を少女たらしめるのは、それに対する青年の姿がしっかりとそこにあるから、なのです。
読んだ後、じっくり反芻するタイプの作品が多め。むしろ有名なので、旦那さんが知っているかもしれないですね。
 

●地味なやつほどよくモテる●

絵柄は表紙と違って、かなり癖のある絵なので注意。でも同時に、そこがいい
ものっすごくエロの描写も生活感が強く、畳に汗のしみこむようなそんなエロを描かれる作家さんです。
女の子達がもうどうしようもないくらいに男の子にメロッメロなのがかわいいんですが、その相手の男が死ぬほど地味なんですよ。
なんでこいつもてるの?もてるわけないよこんな地味なの!とか突っ込みたくなりますが、あら不思議、読んでいると確かにその地味男君達に対して一緒に恋をしてしまいそうになります。
でも実際、地味でぱっとしないけれどもまじめな好青年の方が、確かに愛されたりするものかもですね。
 

●イケメンカップルいちゃいちゃ祭り●

イケメンなカップルを描いたらピカイチ、マンガの生産量もピカイチなCuvie先生。ほんと、あれだけのクオリティをよく出し続けられる物です。
作品数がものっすごい多いため、どれにしようか悩んだのですが、鬼畜度が一番低くて純愛度高め、かつ「もう好きで好きでえっちしたくてたまらねえよ!」っていう男と女がびっちり詰まっているこの本を。
(ちなみに鬼畜系Cuvie先生の、女の性と男の暴力描写は、必見ではあります。あの女性視点で、バッドエンドなのにハッピーにすら感じる世界のズレていくノリは、そうそう描けない!)
男キャラが不細工なのはちょっとなー、という人にもCuvie先生は薦めやすいんですが、それよりなにより、Cuvie先生はえっちの時の女の子の体で感情を表現するからたまらなく好きです。筋肉の力み方はもちろん、陰唇の様子にすら女性の「離したくない!」という感情が出ているんです。
男の方も、もうどうしようもないくらいバカだったり、ダメだったりするんですが、やっぱり愛しくて仕方ない。そして相手の女の子のことを必死に好きになろうと突っ走るからかわいらしい。
全部そろえるくらいに自分は大好きな作家さんです。
 

●鬼畜男の義●

かなり古いマンガですが、エロマンガ史を飾る歴史的作品でもあるため、今でも簡単に手に入ります。町田ひらく先生の「卒業式は裸で」。
中心になる「内藤」という男がいるのですが、この男が独自の義で動いているのが非常に面白いところ。
やっているのはそれはもう極悪非道な性の搾取です。少女達はなすすべもなくレイプされていきます。
しかし、その分の代価として、エリートに彼女たちを育て上げ、かつ「いつ復讐したっていい、告発するのは簡単だ」と彼女たちへの隷属を誓うのです。
少女に対する男性の乱暴な性衝動。そして少女に一生かかっても叶わない男性の愚かで弱い部分。町田ひらく先生のすべての作品に通じる大人の男と少女の関係を読むことが出来る一作。
 

●振り回す女、振り回される男●

陸乃家鴨先生の「彼女の残り香」。内容は表紙が一番よく描いているので、それであうかどうか判断するといいかもしれません。
陸乃家鴨先生自体は18禁じゃないエロマンガが舞台で活躍することが多い作家さんですが、これはしっかり18禁。そして、是非とも18禁の方を見てもらいたい!と思う作家さんでもあります。
なんせえっちが生々しい。ものっすごく汗のにおいとか家屋の埃のにおいとか、残したビールのにおいとかタバコのにおいとかがしそうなんです。
そして、18禁じゃないエロもそうですが、女の子が恋愛もこなしながら自由奔放なのが最大の魅力。びっくりするぐらい気ままに飛び回り、人を思いっきり好きになるんですが、それで振り回されるのは男達。
その男どもも、弱々しいながらも一生懸命相手を愛するまじめ君だからかわいいわけです。
生活感あるエッチと、わたわたしながら一生懸命な男が見たい人向け。
自分はピロートークが大好きなんですが、布団や、下手したら畳の上で、事後に裸でごろごろだらだらする関係って最高ですよね。しかも男だけそそくさとパンツ履いちゃったりして。
 

●ロボット少女と男の子の物語二編●

三浦蘘冬先生の「とわにみるゆめ」。18禁マークはないですが、エロマンガに入れていいかなと。
ロボットの少女と、それに接する青年の物語を、とてもレトロで、懐かしくて、そして少しだけ未来な世界で性を絡ませながら描きます。
ロボットの少女はセックスができ、心も持っています。透き通るほどにそれは純粋ですが、周囲の環境は淀み、彼女は「せめて自分が人間だったら、彼を癒せるのにと涙するのです。
青年もきわめてまじめで、一生懸命に少女ロボットを愛しているからたらなく切ないです。
まさに、永遠に見る夢。海野螢先生の「時計じかけのシズク」。
こちらは「心を作るにはいかにすればよいのか」を一人の少年が真剣に悩み苦しむ、AIと人間の心の境目を彷徨う物語です。
人を愛することなんてロボットにできるんだろうか?肌を重ね合わせて愛し合うのは疑似行為にすぎないんだろうか?自分が抱いているこの感情はなんなのだろうか?
苦しんで、時に失敗して、彷徨って、そして最後の最後に彼が見つける性と生の中にある答えがあまりにもまばゆくて、すてきな作品です。
ロボットとの恋愛感情って、本当にありうるの?「時計じかけのシズク」
 

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割と無難というか、安牌なチョイスになっちゃいました。「旦那さんに見つかっても割とセーフっぽいもの」のくくりはいらなかったかしら。
キャノン先生トばしすぎ」とか入れたかったのですが、ゴージャス宝田先生作品は「エロマンガが大好きな人向け」なので、今回は外しました。
とはいえ、もうちょっとエロ重視なのも入れたかったのですが「男がいいキャラ」ってなかなか面白い視点なので、きちんと読み直してみたいです。
あとやっぱりというか、男性をしっかり描写するのは女性作家さんが多いですね。