たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「音楽コンプレックス」は解消できる。

「音楽コンプレックス」という言葉はありません。造語です。
具体的に言うと。

・音楽に対して苦手意識があり、素直に楽しめない。
・過去の経験(音痴・楽器下手など)で音で表現するのが極端に怖い。
・好きな音楽が劣っていると感じて人に言えない。

などなど。
それぞれ全然別のように見えて、根っこは「誰かに否定された」という経験であることが非常に多いと思います。
音楽は「音が楽しい」とは書きますが、「楽しいなんて思えないよ」という人も多いのではないか、というおはなしです。
 

●過去の記憶●

WEB拍手より。

たまごまごさん!自分は小学生のころからピアノを習っていました、兄も妹も一緒に。
練習は大嫌いで、ほぼ練習しないでレッスンにいって怒られる・・なんてことはしょっちゅうでした。
でもなぜか好きだったんです、ピアノ。何時間も譜面とにらめっこ&何度も失敗して、うまく弾けるようになる優越感とか一連の流れとして演奏できるようになった楽しさとか。
中学に入ったとき、兄も妹もやめました。でも自分は続けたいといって、ピアノ講師をしている「妹の友達の母親」のもとでレッスン受けてました。練習は昔に比べてまじめにやるようになったとは言え、真剣になることはありませんでした。
ヤマハグレードテストというものがあって六級までは必死で合格したのですが、試験会場は小学生女子児童ばかり。フリルのついた服装などの子供が俺の何倍もうまいんです。年上はおろか、男子ですら俺だけ。
「グレードテストは居づらいからやめよう」と思った中三のころ、親に「そろそろやめないか」と言われ決心しました。そのときやっていた課題曲があったんですね、一年かけてもうまく弾けなかった曲。
それを「辞める」と決めてから、一週間本気で練習したら弾けるようになりまして・・。
正直なところ「今までなにやってたんだ」と後悔はしたものの「やっぱピアノっておもしれーな」と実感しました。
けいおん」の話でみなさん盛り上がっていますが、自分はギターやTAB譜というものがまったく分かりません。でも「楽器を演奏する楽しさ」というのを思い出したので、二話から見てみようと思います。
グレードテストでの嫌な雰囲気を思い出すかもしれないですが・・。

これ、実は自分も全く同じ経験をしています。
ピアノではなく別の楽器なんですが。
その楽器は好きで、演奏も楽しくて・・・でも教えている先生の基準には全く達していないためいつも言われたんですよね。
「どうしてこんなのも出来ないの?」
なんだかマンガみたいな話ですが、言われるんですよ。
というのも、音楽教室ってマンツーマンのことが多いんですが、1対1で「どうしてもつかえる」ところがあると、先生側もいらだってしまうんですよね。気持ちはわからんではない。
でもそれを言っちゃあおしまいよ。
追い立てられてさらに失敗、失敗、失敗。
お金払って習いに行って、怒られて「畜生!」となって猛練習するタイプならよかったのですが、その前に「なんでこんなに楽しくないことを必死になってやっているんだろう?」と疑問が生まれてしまったらもうおしまい。結構ぎりぎりまで食いついていたのですが、結局やめてしまいました。
考えてみたらさっくりそんな先生切って別の先生に習いに行けばよかったんですが、狭い空間にいると「逃げたらダメだ!」とかおかしなこと思い始めちゃうんですよねえ。
強烈なほど、それはコンプレックスになって未だに残っています。
今でも、そのことを思い出すと指が動かなくなります。
 
たぶんWEB拍手くださった方とまるまる同じではないとは思います。周囲に人がいるタイプの複数教室は、「自分だけ出来ない」というプレッシャーが凶悪なほどのしかかるからです。
でも、きっと今思っている「足止め」は同じものなんじゃないかな、と思って読んでいました。
 
だけど、それでも言いたいのです。
楽器は手放したらダメだ。
トラウマかもしれない、コンプレックスかもしれない。
けれども、その「音を鳴らす」という行為自体が嫌いではないわけです(その楽器の音が生理的にだめならやる必要皆無ですが)。
楽器は、一生出来ます。死ぬまでいじることができます。寝たきりだって鍵盤は弾けるのです。
 
触っていて辛ければ、触らなければいい。
無理矢理、矯正をするのは決して正しいとは思いません。むしろ悪化すると思います。「ああ、結局出来ない」と自分を追い詰める結果にもなりかねません。
 
問題を解決してくれるのは、「時間」と「感動する音楽」と「人」です。
コンプレックスになっていたことは、出来る人から見たから「出来ない」のであって、出来ない人から見たら「出来る」のです。そのちょっとした視点転換で、あっという間に「なんてことなかったんだ」となります。
なにより、やってきた経験はトラウマかもしれませんが、耳は音楽を覚えています。音を聞くように人間が出来ている限り、耳に触れて心地よい音には必ず一生に何度も出会います。
そのとき、楽器がそばにあればそれだけで何かえられるはずです。人差し指で鍵盤を押すだけでいいんです。もう、誰も否定する人はいません。
音楽の究極は「自己満足」と「商売」と「芸術」の三つだと思います。芸術ってなんだかようわからんけどね。
ただ「自己満足」できる瞬間があったなら、音楽はそこから回復していくと思うのです。
 

●楽器コンプレックス●

いつも楽しく読んでます。
気軽に「楽器やろうぜ!」とおっしゃるたまごまごさんが大変うらやましくも妬ましいwので投稿します。
けいおん!2話で個人的に一番衝撃だったのは、「ろくに練習もしてない」唯がいきなり(チャルメラとはいえ)メロディをひけて、しかもみんなが「まだそれだけかー、しょうがないなー」な雰囲気だったことです。
やっぱそれが普通なのか。普通なんですね。
私は楽器が絶望的にできません。小中学校時代にピアニカやリコーダーで1曲通して演奏できたことなど一度もありませんでした。
頭の中の運指バッファ(なんだそれ)が1小節で空っぽになり、手が止まってしまうのです。
次の音の出し方を頭で確認する時間がなくてパニックになるというか、そんな感じ。
「超難度の強制スクロールアクションゲームをポーズ不可でやらされる絶望感」と言えばお分かりになるでしょうか。
なので、カスタネットしかできないと言ってる唯を引き込んでいきなりギター買わせちゃうとかなんて無謀なやつらだ!という気分で今まで見てたんですが、あれ、そんな心配してたの自分だけ?と気付いてちょっとめまいがしました。
ちなみに他人の演奏を聴くのは大好きです。曲を聴くことだけに集中できます。
同様に他人のゲームプレイを見るのも大好きです。ゲームセンターCXは神番組ですね。自分はゲームやらないんですが。
というわけでけいおん!も自分らしく徹底的にオーディエンスとして楽しみたいと思います。澪がカッコかわいいです。

けいおん!」の唯は天才気質なアニメキャラなので、まあおいておくとして。
ギターでチャルメラは、実はほんとすぐ弾けます。
実は3音しかつかっていないため、
開放弦、2、4、2、開放
の順に弾くだけで、一本の弦で出来ます。
これはすべての弦で使えるので、「正しいチャルメラ」というのはありません。これだけわかってれば、リズムやスピードも適当で「チャルメラ」になるため、誰でも弾けます。
 
しかしです。もし。あの「チャルメラ」を「澪とあわせよう」となったら唯はおそらくあわせられなかったでしょう。
「自分で弾く」のと「人とあわせる」のは別なのです。
自分もへたっぴなので、ドラムはすぐ走りがちになりいつも怒られます。テヘ☆(致命的です)。
 
たぶん、「音楽は好き」「だけど人とあわせることにプレッシャーを感じる」という方なんだと思います。
そういう方はすごく多いです。脚を引っ張ってる、と思った瞬間パニックになります。自分もそうですが、もうどこ見ていたかわからないのにどんどん進んじゃうんですよね。で、曲が止まった瞬間、自分に責任が押し寄せてくる恐怖。
 
ブラバンなどを真剣にやるつもりなら別ですが、正直楽しむ分には「気にしなくていい」が解答だと思います。
一人でやるなら、どんなに遅くてもいいんです。どんなに間違っても誰も文句を言いません。だけど、何百回も繰り返せば不思議な物でなんとかできるようになるものです。
ええ、何百回です。うまい人でも出来ないところはそれだけ繰り返します。
で、一人で遊ぶのなら、そこが出来ないならぶっちゃけ「飛ばせばいい」です。避けて通るのは、慣れるまでは意外と有効な手です。楽しいし。
好きなとこだけ気取って弾けばいいです。汚い言い方ですが、バンドとかでも「誤魔化す」ことも「アレンジして難易度を上げること」も出来るから、音楽は自由だと思います。
「簡単に変えちゃう」のはかなり有効な手です。なにもスコア通り弾く必要なんてありません。「ドミソミド」が弾けなければ「ドドドドド」でいいいんです。ギターでF*1がおさえられなかったら、簡易コードなんてのもあります。押さえる場所を減らしたコードです。あとはパワーコードで遊んでみるとか。
そんなむずかしくないので、慣れてくるとやっぱりちゃんとやろうかなと思うようになります。意外と。
 
もちろん楽器を強制的になにかやらないといけない、なんてことは微塵もありませんが、もし「なんか鳴らしてみたいなあ」と、音を鳴らすことに興味があるなら、DTMがいいと思います。
DTMもきちんとやれば深く深くふかーい世界ですが、遊びでサンプリング音を並べるだけで曲になるから面白い。楽譜を打ち込めばその通り音楽になりますから、焦る必要も一切ありません。
自分もへっぽこDTM好きですが、適当にパズルみたいに並べて音遊びするのが楽しくてなりません。
 
仕組みを知ると簡単、なんてのもあるので、最初は「正しい」に挑もうとせず、詳しい人からちょろまかし方を聞いて「自分で楽しむ」に挑んで欲しいなあと自分は思います。
楽しくなってきたら、楽しいから練習もできちゃうもんです。
 

●一人きりの音楽会●

今は、パソコンがあれば非常に便利なことができます。
楽器って「一曲を完奏しなければいけない」というプレッシャーとの戦いで、くじけそうになってしまう人も多いと思います。
でも、パソコンあれば何度でも取り直せるわけですよ、失敗したところだけ。そして切り貼り。
リズムも、ヘッドフォンで曲を聴きながらやればいいので、そこまで極端にずれないでしょう。曲が速ければ、テンポを落とす機能も今はあります。
すごく丁寧に何小節かずつ、ゆっくり弾いて、録音。
組み合わせて、テンポアップ。
うそんこ?はりぼて?いえいえ、立派な演奏です。
一人二部合奏も、一人バンドもできます。コンピュータ操作が多少面倒ですが、なんとかなります。
 
何も「メンバーを組んでバンド」とか「人に迷惑絶対かけられない」という音楽ばっかりの時代じゃないです。自己満足で終わるのがいやなら、ネットにアップできます。人前で演奏するより恥ずかしくないですし、度胸もつきます。ほめられたら・・・うれしいです。
 
ハードルはいくらでもよけることが出来る、と思うんです。
あとは「いかに自分のやる気を奮い立たせるか」。
焦ることはないです。一生かけて、長いことのんびりやればいいと思います。プロになるわけじゃなければ。
のんきに、温泉にでもつかる気分で楽器を楽しめればいいですよね。
 
あ、トランペットとかのようなマウスピースを使う楽器は、入れ歯だとしんどいのでそこだけは年齢関係あるかも。
とはいえおじいちゃんトランペッターもいるので、なんとかなるもんかもですね。
 

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ちょっと話ずれますが、こんな話も。

私、音楽はさっぱり素人で何も知らないのですが、「けいおん!」見てたら興味が沸いてきました。
でも、たぶん何もしないと思います。なぜならはまりすぎてしまうことが目に見えているから。
マニア体質を持つ者にとって、新たなジャンルに足を踏み入れることは相当勇気がいることだと思います。
「あれを聴いておかないと」「これを知らないことには」「この本は読まないと」と、無限にでてくる欲望。特に音楽なんてジャンルは、誰も把握できないくらい深い海じゃないですか。海底につくまでどれだけかかることやら…。潜る前から息苦しくなってきます。
好奇心は無限にあっても、使える時間とお金は限られてしまっている。オタクの永遠の課題だと思います。
長文失礼しました。

わかる気がします・・・自分もそれで色々切ってる部分があります。
ただ、楽器って「時代物」じゃないので「その瞬間を逃したらもう手遅れ」ってことがほとんどないんですよね。いくらでもなんとでもなる。
だから「今楽器ないけどいずれやりたいから、お金だけ貯めておこう」とか「仕事これから1年忙しくてギター弾けないけど、帰ってきたら練習再開しよう」とか、いくらでも出来ると思います。もちろんギャップはあるかもですが、そこまで人生焦る必要ないです。
せっかくだし・・・浅い海でもちゃぷちゃぷしてみたら楽しいのではないかなと!

*1:みなさんご存じギターの難関。バレーコードの最初の壁。