たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

本当の意味での体育教育。「みつどもえ第141卵生」

あのですね。
自分はものすごーく運動音痴だったわけですよ。
具体的に言うと5段階の2くらい。
んなもんだから、体育って憂鬱でしかなかったわけです。運動会とか地獄です。運動会死ねばいいのにとか思ってました。まじで。
そもそもなんで体育なんてやるの?体鍛えればいいだけならマット運動とか跳び箱とかいらないじゃん!球技とかいらないじゃん!
って、そう心の内に秘めながら、顔は笑って「いやー、苦手だからー」。
今思い出すだけでも心が痛い・・・。その後大人になってからようやくスポーツ面白いなあというのが分かって、好きになりましたが、小中学校では苦痛でしかありませんでしたわー。
そんなお話。
 

●運動のできない子の憂鬱●

なんでしょうね。運動音痴って「何かの能力が抜けている」わけじゃあないんですが、なぜか出来ないんですよね。ほんとなぜか分からない。
だから「どうして出来ないの?」とか言われたらほんと困る。「こっちが教えて欲しいです・・・」と泣きべそになります。

みつどもえ」で運動出来ない子は多いです。みつば、吉岡。そして、ひとは。
逆上がりが出来なくて・・・なんてエピソードもありましたね。
案の定というか、今回は跳び箱なんですが、ひとははクリア出来ないわけですよ。
 
でもひとはって、泣いたりするキャラじゃないわけです。
「こんなの無駄だよ。」「興味ないよ。」「やらなくても生きていけるよ。」
そうやってスカす子なわけです。

真剣に教えようとする矢部っちをからかって遊ぶひとはの図。
また矢部っちが一生懸命教えているんです。
どうやったらこの子が跳び箱を跳ぼうとするだろうか。いかにしたら彼女が興味を持とうとするだろうか。
このすれ違いこそが永遠の「教育」の課題なわけです。
 
とは言っても、生徒は先生の気持ちはわからないから仕方ないのです。
だって「無駄だよ」って本当に思いますもの。
小中学生で「なんで英語なんてやるの?」「理科とか大人になって使わないよね」なんて考えちゃうこと、多々あると思います

しかも教育現場は先生1対生徒多数です。比較されちゃうんですよ。
(っていうかみつば・・・飛べたの?!)
コンプレックスがあると比較されたくないから、避けようとします。どんどん嫌いになってしまいます。そして、学校そのものに疑問を持ち始めてしまいます。
「使うんですか?」と言われたら、そりゃーほとんど使いません。しかし、大人になってからなら「やっておけばよかった」はいーっぱい生まれます。
何かを楽しむことが、新しい世界と可能性を無数にひらく。それを知っているから。
矢部っちは、それを知っていました。
 

●本当の楽しさを伝える教育●

矢部っちはいい先生だと思います。
だらしなくて、弱くて、痛々しいことばっかりやってますが。でもね、生徒に何かを教えるときには自分の中にある「楽しい」を伝えようと必死なんですよ。

一人のために、労力を惜しみません。もちろん他の子が終わって、もうすぐ授業が終わろうとしている一瞬だからではあるんですが、彼には使命感とすら思えるほどの勢いでひとはに「跳び箱を跳ばせたい」と願うわけです。
そこまでして跳ばなきゃいけないのか?人生が変わるほどのことなのか?
 
跳び箱は「跳ばなきゃいけない」ものではありません。
矢部っちも「跳べない」ことを責めたり絶対しないんですよ。
跳べるかどうかという能力的なことは別にいい。
問題は「跳ぼうとしたか」「跳んでどんな気持ちになるか」です。

ひとはは自主的には跳ばないわけですよ。「運動なんて無駄だよ」という子だから。
でも他の子達みんながクリアしていることへの寂しさはあるんです。「無駄」だって思ってるけど、心につっかかるものはあるんです。
「跳んだ後の世界」を、ひとははまだ知らない。
 
矢部っちの熱意がそれに火を付けました。

自分から選んで行動すること。それが一番大事。
跳べなくてもいい。でも「跳んだ後」に見える世界は、ちょっとだけ跳ぶ前の世界と違うんです。
 
「知る」と言う事は、紛れもなく人生の幅を一つ、二つと広げていくことになります。
やらずに後悔するより、とりあえずやっておく。それが子供の時は出来ないから、多種多様な可能性を子供に与える「学校」が存在する。
論理立てて計算が出来るようになったとき、新しい知識を理科社会で得て発見したとき、読書の面白さが分かるようになったとき・・・その子の中の可能性はどんどんふくれあがります。
だから、ほんのささいな事でも達成してほしい、と言うのが真の願いでもあります。
矢部っちはその点の視野がずれていないのが好感持てました。
特訓して跳べるようにするとか、補習をさせるとかじゃないんです。彼が取った行動は・・・見てのお楽しみに。
現実にあれは出来ないですが、そういう方向に考えを持って行った矢部っちはステキだと思うんだ。
 
矢部×ひとはのときめき的な関係もいいのですが、こういうしっかりした「先生と生徒」が描かれるのが嬉しいです。あったかいなー。
桜井先生は教育現場を色々研究しているんだろうなと思った瞬間でもありました。
 

                                                                                                                                            • -

 
んで、今回のベストな1コマはこれだと思います。

みんなが体育終わって帰ろうとして、誰もいない時を見計らって跳び箱をしていたひとはを、ふたばがちゃーんと見ている!
ふたばが「ひと」って呼ぶときは、ひとはに対して思いやりの念を持っている時。
ふたばの優しさがきちんと軸になっているなーと感じる1コマです。
 
にしてもだ。

ひとはのおしりは相当にぷるんぷるんだなあ。
これはなで回したい。
 

 
みつどもえ 1 (少年チャンピオン・コミックス) みつどもえ 2 (少年チャンピオン・コミックス) みつどもえ 3 (少年チャンピオン・コミックス) 
みつどもえ 4 (少年チャンピオン・コミックス) みつどもえ 5 (少年チャンピオン・コミックス) みつどもえ 6 (少年チャンピオン・コミックス)