たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「青い花」OPで絡めた小指は誰のモノ?

●絡まった小指●

友人と「青い花」の話をしていて話題にあがった内容のメモ。
ちなみに現時点では2話まだ見ていません。
 
手が触れあう、というのは女の子同士においてキスよりも重要な役目を果たすことがあります。
ええ、言い切ります。あります。あるよ。
友達同士でもつなぎますが、意図的に大きく描かれる手の触れあいは、信頼の証だったり、愛情の最初の一歩だったり。あなたの空間に私入りますよ、受け入れてください、というおっかなびっくりの重要な一歩です。
女の子同士を関係を描写する際、心の機微の問題で女の子同士は、お互い少し距離を置き気味でじわじわ近づく場合が多いです。なのでなおのこと「改めて手をつなぐ」というのが重要なんです。
 
さて。
OPで手が触れあうシーンがあるんですが、気になるのはここ。

ちょっと分かりづらいんですが、これ小指を自ら動かして絡めようとしているのは左側の子の手なんですよ。
これは主人公のあーちゃんとふみちゃんの手です。

一応説明を入れると、左がふみちゃん。現時点では気の弱くて背が高い、女の子が好きという自覚のある文学系少女。右があーちゃん。元気で男前で芯の通った物語の説明係的な子。いろいろな意味でいい具合の子。
二人の微妙な距離感が物語の柱の一つになるわけですが。
 
ここで重要なのは、左手の子が右手の子の心に触れようと一歩踏み出しているところです。
となると、どちらの手がどちらの子か、というのは非常に大きな意味あいが出てきます。
明確な説明はないのですが、おそらく考えられるのは、右があーちゃんで左がふみちゃん。
一応根拠もあげておきます。

手のサイズと色合い。若干ではありますがあーちゃんの方(セーラーの方)が手が小さくて赤みがあるんですよね。目の錯覚でなければ。
 
ふみちゃんがこの自主的に動く左手だとすると、物語的にも大きな意味合いが出てきます。
 

●千津ちゃんは ひどい……●

第一話(コミック二話では印象だけ出ている)に登場する千津ちゃんというキャラが、ふみちゃんに多大な影響を与えています。

千津ちゃんはものすごいスキンシップを自然にしてくる人です。従姉なんですが、こうやってさらっと手を握ってきます。ふみちゃんは千津ちゃんから肉体関係を求められている経緯も実際にあるようです(4巻でふみちゃん談)。どこまで何をしたのかの描写はなく分からないので(分かる必要もない、ですよね)曖昧な表現しかできませんが、彼女の人生に大きな跡を残したレベルなのは間違いないです。
このへんかなりシビアにシリアスに描かれています。それによってふみちゃんが、千津ちゃんにほのかな思いを寄せていたのも最初の方の現実。が、千津ちゃんはさくっと結婚して裏切るようにいなくなってしまいます。

このふみちゃんの「裏切った…!」という怒りと絶望の混じった顔が絶妙すぎです。あと千津ちゃんの複雑すぎる表情。このへん原作のままですね。
 
で、この二人の関係を見ると、明確に千津がふみを振り回している状態です。
手を触れるのも千津。
体を触れるのも千津。
離れていくのも千津。
文句を何も言わずに泣くのはふみ。
ひどい話だよ…と言いきれないのもまた事実。このへんが非常にシビアで、だけど優しい志村貴子先生流です。
 

●私が私の意志で●

実はふみちゃんの手を握るのは、千津ちゃんだけではないです。
先輩で百合臭の激しいお嬢様、杉本恭己に至ってはキスまで踏み込んできます。向こうから。
でもまだ前があります。幼い頃、泣きじゃくるふみの手を握りしめたのはあーちゃんです。
 
この作品、あーちゃんとふみちゃんを軸に話は回っていきますが、基本ふみちゃんの成長をメインに描写されています。
ふみが自分の世界をどう広げていくか。
 
二巻の映画館のシーンで、ふみが初めて自分からあーちゃんの手を握るシーンがあるんですよね。
これが大きな転機のひとつでもあります。
明確な恋仲とかではありませんが、ふみちゃんが必死に自分を探していく度に、あーちゃんの姿がそこにある。
握りしめたい手がそこにある。
 
いや、握りしめ、なくてもいいかもしれないです。
OPのこのシーン、握りしめていません、指を絡めるだけです。
最初の一歩は…触れるだけで、いいのかもしれません。
急がなくていい。しかし最初の一歩を自分から動いて破ろうとする意志があるかないか、それが一番重要なのです。
 

青い花 第1巻 [DVD]
青い花 第1巻 [DVD]
posted with amazlet at 09.07.09
メディアファクトリー (2009-10-23)
売り上げランキング: 836
青い花
青い花
posted with amazlet at 09.07.09
空気公団
ランティス (2009-07-22)
売り上げランキング: 5624

部屋を片付けていなかったせいで4巻が見つからず正確な確認が出来ない…。
まったく…ばかなの?死ぬの?もう一冊買うの?
にしても、百合と言っていいのか悪いのか非常に悩む作品です。マリみての対抗馬みたいなノリで百合ベースに志村先生が作りはじめていますが、ステレオタイプな「百合」じゃないんですよね。女の子の心理がドコに向かって歩こうとしているか、それだけ。でもそれが一番大変。
で。あーちゃんの性格もしゃべりも好きでしかたないのですが、ぽんちゃんも好きです。ああいう位置にいる子に弱いんだ…。佐々ちゃんとか。
 
関連・『青い花(4)』(志村貴子、太田出版)感想 - みやきち日記 
その手をしっかりと握り締めて。〜プリキュアSSの手の握り方〜(たまごまごごはん)
 
追記・発掘したあああ。やっぱり4巻の展開一番明確で一番痛々しくていい。けど…これテレビでやるんだろうか…。ここからが本題なので、ここまで来ないと意味ないだろうしなあ…。