たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

あの時、予想もしなかったオタク趣味の世界 〜フィクションが現実になるとき〜

WEB拍手より。

> ラブプラスの光景って、20年前の人が見たらどう感じるんでしょうね。予想だにしなかった、とは言い切れないぼんやりしたビジョンが重なる気がしてならないです。
 
20年前=1980年代末〜90年代初頭の人から見ればなんとなく理解の範疇に入るでしょうが、30年前=1970年代末の人からは全く理解不能でしょうね。たぶん、その間に時代の断層があるような気がします。

ラブプラス
ラブプラス
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ラブプラス」のコンセプトは、もちろん万人に受け入れられるとは限らないものだとは思います。「ラブプラスが面白くて当然」だというわけではなくて、逆に言えば「二次元キャラへの没頭の仕方」を分かっている人だからこそ楽しめる、という「土壌」が必要な作品だと思います。
その土壌にいる人に手を差し伸べた・・・いや、二次元に引きずり込んだと言う意味では、ものすごい第一歩なのは間違いないです。
DSに「愛してる」って話しかけた瞬間に吹っ切れてしまう・・・KONAMIおそるべし。
もっとも話題になったのは、宣伝がうまかったのもあります。

「萌え」を押しすぎないのがこれからのテクニックなのかもですね。
 
絵や彫像に恋をする、というのはおそらく歴史を通じて存在するものだと思うので、それ自体は新しいことでもなんでもないです。
しかしそれこそ1970年代の人にしてみたら、携帯機に話しかける状態は夢にも思わなかったでしょうね。「未来のイヴ」がまさかこんな持ち運びできるようになるとは驚いたもんだ。
そもそもときめきメモリアルの衝撃はやはり忘れられないわけで。確かにそれまでもゲームの女の子に恋はしましたが、それが題材として成立し、心を恐ろしいほどかきたてるものが作られたというのは革命でした。
 
1970年代のSFが、今は現実になってきている時代。
ならOF(オタクフィクション)はどうなのか。
ちょっと「80年代では考えもしなかった」オタク文化ネタについて適当に考えて見ます。70年代は経験していないので、想像で。
 

●20年前予想もしなかったこと●

個人的にここまでオタク文化圏で浸透すると思いもしなかったのは、抱き枕

いや、もちろん今でも「普及した」とまでは言いがたいです。みんなが持っているわけではないですし。
しかしここまで種類が増え、抱き枕の存在がオタク文化で欠かせないものになるとは思いもしませんでした。
10年前と比べたとしても。
自分が最初に見たのは秋葉凪人先生の描いたマルチの抱き枕だったのですが、ジョークグッズなんだろうなあーと首を傾げつつも確かに一撃で惹かれるものはありました。
今どんな状態になったのかはここを参考に。
にゅーまくらどっとこむ(+18あり)
ものすごい種類だ!
オフィシャル、同人、共に大進化。自分もそこまで詳しくないのですが、多分見えているのは表層で、ものすごく深い世界が展開しているはず。

今はこんなのもあるようです。おっぱいの大きいのが好きな人向け。
 
あと、インターネットの普及に伴っているのが要因ではありますが、同人のダウンロード販売がここまで広がるとは想像だにしていませんでした。
そもそも漫画をパソコンで読むなんて思いもしませんでしたよ。パソコンを知らない時代だったら、当たり前っちゃ当たり前なんですが、画面に映るデータにお金を払うなんて。ねえ。本やCD(フロッピー?)のような形のないものにお金を払う感覚がありませんでした。子供時代だったらなおのこと。不安でしかたないですわ。
パソコン通信を始めて、知らない誰かのMAG16色のCGをダウンロードして初めて見た時、その不思議さも一気に解決。
ああ、お金払っても見たいわ!と。
なるべくしてなった流通体制ですが、「インターネットの普及」「ブロードバンド化」「保存形式の一般化」などが整ったからこそできるようになったもの。やっぱり「当たり前」ではないんですよねえ。
 
フィギュアの大量生産体制も、自分としては驚異でした。
フィギュア自体をアニメ・漫画キャラで意識して今のように作り始めたのって、いつくらいなんでしょうねえ。「人形」はたくさんあったと思うんですが、明らかに一見さん向けではない「フィギュア」。色のついていないガレージキットですごい高い印象があったのも、そんなに昔ではない気がします。
気づいたら彩色されていて当たり前、グラデされていて当たり前、みたいなことに。中国の工場のおばさん達ご苦労様です・・・!
もっともフィギュアに詳しい人の「当たり前」は、ワンフェスなどで売られている無彩色ガレキだと思いますが、最近オタクになったばっかりの若い人だと「塗ってあって当たり前」の時代なんじゃないかしら・・・石油高騰により値段はちょっとあがったとはいえ、少し頑張ればすぐ手に入るレベルになりました。
加えて、まさか「キャストオフ(フィギュアの洋服を脱がすことができる仕様のこと)」がここまで普及するなんて!・・・うん、はるか昔から望んではいましたけれどもー。
 
存在しないバーチャルアイドルが受け入れられるようになった、というのはなんともSFな話。想像している人はいたかもしれませんが、よもや本当になるとは。具体的には「アイマス」やボーカロイドあたり。
とはいえバーチャルアイドルを作ろうとして、何度も多くの人が涙を飲んできたからこそ・・・なのですが。試行錯誤と苦労と、オタクの共有できる環境とがそろってやっと出来た気がします。
加えてただのアイドルじゃなくて、個性があったり自分でいじくれたり、ファンの間での設定を交流しあったり、という変化があってこそのバーチャルアイドル。むしろ普通のアイドルからは見ることの出来ない二次元ゆえの利点を生かしたなあという印象です。
今後さらにすごいバーチャルアイドルは生まれるのかなあ。
 
オタクとは限りませんが、ネット上の擬似人格、アバターの普及や、ハンドルネームの一般化が進んでいるのは、なんともサイバーで面白いなと。
それこそ「サマーウォーズ」の世界が今現実に進んでいるわけですものね。
ネット自体が発展していない世界で、個人情報の安全性なんて分からなかったですし、よもやどこの誰かわからない名前をそれぞれが持って交流するようになるとは。男か女かもわからない、年齢も不肖な世界です。不思議すぎる。
この点に関してはSF作家さんなどで、はるか昔に予想をしていた方もいらっしゃるかもしれないですね。
 
はっきりした形ではなくても予想ができていたものもたくさんあるとは思います。「簡単に描けるCGツールの普及」「歌う機械」「同人誌即売会の肥大化」「オンラインゲーム」などなど。オタクフィクションであると同時に、SFの世界ですよね。
「pixivのようなイラストSNS」も、こんなきれいなまとまった形になるとは思いもしませんでしたが、漠然と「絵が集まる場所ができるんだろうなあ」というビジョンは多くの人にあったのではないかと思います。
予想すらできるわけもなかったのは「おっぱいマウスパット」でしょうか。今でもなんのこっちゃわからん人も多い、でも気づいたらものすごい数増えている不思議アイテム。
オタクフィクション実現化の大きなポイントは「ちょいエロ(ストレートではない)」「利便化・簡易化」の二点のような気がします。
 
・・・いやいや、エロは夢をかなえるためには大事なファクターですよマジで。
インターネットも、VHSビデオやDVDも、エロあってこそ普及した気がしますし。
 

●これからどうなる?●

突き詰めていったら「こんなの20年前に想像もしなかった」というのはもっといっぱいあると思います。
個々の感覚で違うとは思うので、自分なりに考えてみると、今のオタク文化の面白さが分かって楽しいです。
ここで逆を考えて見ます。
「将来こうなるかもしれない」オタクフィクションを勝手に考えて見ます。
 
・拡張現実で本が読める
電車に乗っている時、目の前の空間をちょんと押すと、そこに本が! 動画が!
・・・なんていう「電脳コイル」や「攻殻機動隊」の世界はもうわりと近そうです。
さすがに空中に表示するのはまだ無理ですが、セカイカメラなんかを見ていると、携帯できるディスプレイ、まさに「電脳メガネ」さえできれば、宙に自在に浮かぶオブジェができるようになるのも、もうすぐです。
まじめな用途も多そうですが、まずはアニメを見るか、ラブプラスっぽいのをやるね。間違いなく。メガネをかけながらにやける人続出。
 
・オンラインフィギュア
フィギュアはなくならないと思うんですよ。
彫像は人間の視覚と触覚に訴えますから、こればっかりはjpgでは太刀打ちできない。
んで。ここからがドリーム。
レーザーか何かで切り出す機械が安価で手に入るようになって、オンラインでフィギュアデータを買い取り、そのデータを素材に向かって打ち出すことで、家にいながらにしてフィギュアが作れるんじゃないかと。立体座標が精密にやりとりできたら、極端な話色付けまでできるのではないかと。
買うのは素材の塊だけ。うまくやれば、等身大フィギュアも簡単に手に入る時代が来るかもしれない・・・。
とはいえ、やっぱり手作りには永遠に太刀打ち出来なさそうですが。
 
・触覚恋愛シミュレーション
視覚・聴覚ときたら、やっぱり満たしたいのは触覚。
まあ嗅覚と味覚は置いといて。というか匂いはもう通過済み
アイマス」のタッチがドキドキするように。「ラブプラス」のタッチペンコミュニケーションにときめくように。
それが、柔らかかったら・・・最高じゃないかな!?
拡張現実でもいいんですが、触れる感触ってすごく大事だと思うんですよ。だからフィギュアも本もなくならないと思いますし。
柔らかいディスプレイを開発するか、手を差し込んで反応する機械、パワーグローブみたいな機械が発展するか・・・。あれ、なんだかとっても「ルサンチマン」。
なにげに割りと近い未来、なんとかなりそうな技術な気はします。
どうしても触覚というとエロ方面を思い浮かべてしまいがちですが、なにげにバリバリなエロはそんなに広がらない気もします。ちょっとだけ距離をおいて、少し紳士なスタイルで「ちょいエロ」を楽しむのがオタク的においしい気がするんですよ。セックス擬似体験より、おっぱいつついて「もう、エッチなんだから!」とか頭なでて「ん・・・もっと」って言われる方が、長く楽しめそうじゃないですか。
触覚については、恋愛じゃなくてもロボットの操縦なんかが体感できる時代ですし。ねえ。「パトレイバー」で内海課長がプレイしていた操縦シミュレーションよりもはるかに高機能なものがゲーセンで遊べるようになるとは思いもしなかったんだもの。
 
1年後2年後、何がおきるか分からないような時代。
だからこそ、そこに挑もうとするオタク文化挑戦者達にエールを送りたいです。
「日本人はイッちゃってるよ。あいつら未来に生きてんな」。
それ最高のほめ言葉だよ。
 

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「だっこしてぎゅっ!」は猛烈な抱き枕ドタバタラブコメディなんですが、・・・正直感動した!面白かったー。「オタクかくあるべし」という力強さを感じるいいゲームでした。詳しくはいずれ。
70年代、80年代、90年代と、やはり科学技術の進歩の差があるので「こんなことできたらいいな」のイメージは当然のごとく変わります。
技術面が当然追いつかないと、オタク文化的なフィクションも実現しないんですが、オタクフィクションに大事なのは想像力だとも思います。足りない部分は想像力でカバーできるのが、ロボだったり美少女だったりへの、二次元への愛。
あと、日本人だけではなく、世界中からも今後思いもしないオタクドリームが開花するんじゃないかしらー。そして未来のイヴができるのはいつぞや。・・・AIの発展はまだまだ遠そうです。