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放浪息子アニメ化! 不安と期待と。〜志村貴子先生作品はきれいなだけじゃない〜

速報。
コミックナタリー - 【速報】志村貴子の「放浪息子」アニメ化決定
放浪息子」アニメ化きた!!!!!(情報ありがとうございます!)
青い花」が神がかったアニメだっただけに、期待大です。いや、スタッフ同じかどうかは全く知りませんが、アニメで志村貴子作品を描けることはわかったので安心はしてます。
 
少し雑感。
放浪息子」アニメ化は素直にうれしいけど、「男の娘」ブームに乗るつもりだったら手痛いしっぺ返しにあう作品ではありますよね、内容的に。
ほんとそれだけ狙いなわけないよね、と信じたいところ。それだけ狙いならしっぺ返しにあうでしょう。
 
今はまだ優しくされている(いじめらてもいるけれど)かわいい二鳥君。でもですよ。大人になって「オカマ(ニューハーフ)」としての道を送っているユキさんという大人がいるからこそ、救われているようで実は恐ろしいほど道は険しい現実から彼は逃げられないじゃないですか。「男の娘」「女装少年」は歳を取れば、「オカマ」として何処に進めばいいか分からなくなる。
現実は厳しいけど受け止めてくれる場所はある。受け止めてくれる場所はあるけど現実は優しくない。
志村貴子先生の作品は、きれいでかわいらしけど、キレイなだけでは決して無い。
それが、アニメーションの短い尺で、どこまで描けるのだろう……?
 
とはいえ「放浪息子」はアニメ的にキャッチー(女装少年、エキセントリックな少女、ボーイッシュ少女、佐々ちゃん)なので、丁寧な日常描写さえしっかりしてくれればアニメ相性はなんとなくいい気もします。是非そこは活かして欲しいです。十分「萌えキャラ」としての機能はあると思います。
ただ、不安をあえていうなら、下手に「萌え(二鳥君かわいー!だけ)」によってしまって、日常の描写や心理の機微が隠れちゃうこと。だけれども、アニメスタッフはプロなんだから信じよう、そうしよう。だって「青い花」があれだけ日常描写と心理描写で神がかっていたのだから、アニメで「志村貴子エアー」を描けないことはないんだ! むしろ増幅してくれるんだ!
死ぬほど楽しみです。
ぶっちゃけ佐々ちゃんが頭かゆくなる描写を見るだけで1クール生きていける。
 
で、「放浪息子」アニメは千葉さん、高槻くん、二鳥くん、ちーちゃん、あんなちゃんとキャッチーな子がそろっているけど、自分の中でマコちゃんがちゃんと描かれていればそれだけで号泣する自信があります。
マコちゃんって「女装したいのに、ブサイクで女装が似合わない子」じゃないですか。コンプレックスを抱える、それが現実じゃないですか。
ぼくだって女装したいよ。でも似合わないし。似合う人はかわいいから悔しいけど、自分は女の子になれないのを認めるしか無いんだよ!
なのにそれを志村先生はきちんと受け止めて「それでいいよ、それでいいんだよ」と温かく描いてくれる。幸せじゃなくても、救われる道は用意されている。
放浪息子」のキモは佐々ちゃんやマコちゃんのような直接的じゃない子、リアルに苦しんでハッピーのもらえない子が丁寧に描写されていていることだとと思うので、アニメでこの子たちがどう描かれるかが非常に期待してしまうところです。
  
放浪息子 (1) (BEAM COMIX) 放浪息子(2) (BEAM COMIX) 放浪息子 (3) (BEAM COMIX)
放浪息子 (4) (BEAM COMIX) 放浪息子(5) (BEAM COMIX) 放浪息子(6) (BEAM COMIX)
放浪息子 (7) (BEAM COMIX) 放浪息子 (8) (BEAM COMIX) 放浪息子 9 (BEAM COMIX)

10巻は間もなく25日に発売。
 

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はて青い花」アニメは傑作だったと言っていいと思っています。

青い花 第1巻 [DVD]
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が、正直DVDの売上はあまりにも不調でした。
ファンとして失格と怒られるかもしれないけど自分も買っていません。
丁寧でキレイな絵が売りのアニメを、地上波デジタル放送で録画したのよりよくない画質のDVDに高いお金出すのは、貧乏な自分には苦しすぎたのです。
BDだったら間違いなく買っていた、というのは言い訳でしかないんですが……。百合は売れない、というわけじゃないと思うんです。少なくとも自分は、素晴らしい作品なんだからちゃんとキレイな状態で、永久に保存できるものとして作品にお金払いたかった……やっぱ言い訳ですよね、そうですよね。
しかしそれでも、「青い花」の日常描写、心理描写、単にクローズドな空間での憧れではなく「性」として女性が好きだったという描写をアニメでしっかりやっていたのは絶賛します。
特に「日常」を描く際、マンガには限界があるんですが、アニメであれば「生きているから当たり前にこうなる」という丁寧な「当たり前」を追加しているんですよね。
たとえばメガネのふみちゃんが泣けばメガネに涙が溜まる。原作にはありませんが、確かに原作を読んだとき同じ「感覚」は受けた。その「感覚」を拾い上げて作品にしたんです。
そんな細かすぎる描写をやってのけたのは本当にゾクゾクしました。絵を忠実に動かしただけじゃない、原作に色々追加した描写をしつつ、原作とあまりかわりない感覚を得られる、稀有なバランスでした。
二期はなさそうですが(原作も溜まってないし)、今からでもいい、BD化してください!
BD-BOX出たら、買うためにお金貯めるべく働くよ!本気で働くよ!
 
おまけ。
Togetter - まとめ「「放浪息子」アニメ化に向けての期待と、「青い花」の何がすごかったのか?」
Togetter - まとめ「「放浪息子」に出てくる、二鳥君のお姉ちゃんや、志村貴子先生の描く兄弟関係のお話。お姉ちゃんかわいい。」
自分興奮しすぎ。オチツケ。
 
「青い花」2巻に見る、百合のリアルとファンタジーの狭間
マイノリティに対する「変」という言葉が、否定できないこともあるんだよ。「放浪息子 9巻」