たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

叙情派詩人スミヤ先生の「リコリス」はエロシーンよりも会話シーンの方がエロティックだと思うんだ。

今日のエロマンガの話。
 

スミヤ先生は大好きなので後日また書くかも。
 
収納ー。
 
 
 
LOは「和姦萌え型」「ドS幼女型」「抒情詩集型」「ガチ陵辱型」とちゃんと作家さんごとに分業されているのが、雑誌の統一感につながっていると思ってますが、スミヤ先生はその中でも「抒情詩集型」。他のエロマンガ雑誌だとなかなかないタイプの作風です。
しかしロリコン漫画は、真剣に描くと絶対抒情詩集のような悩みと苦しみと、心の機微が必須になっていくんですよね。それを排除するか、挑むかで方向性は変わっていきますが、スミヤ先生は挑むタイプです。
ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか分からない、託されるような作りの物語も多いです。しかしスミヤ先生はエロシーンもそうですが、人間関係でエロティックな空間を作るのが本当にうまいんですよね。特に「オハナシ」のふわふわ甘くも酸っぱい空間には心鷲掴みにされました。
 
あと個人的に傑作だと思っているのは「月の姫」でしょうか。毎晩男たちと情交を交わす少女を描いた平安時代ものですが、それに対して真摯に思いを伝える青年の純朴さと、少女のつながりがもうたまりません。きっと、彼女は青年とのセックスではじめてイケたんだと信じてる。
以前スミヤ先生にお会いした時、緊張しすぎて「あ、あの歴史物、さ、最高でした!」とか在り来りな感想しか言えず今大後悔。なんでそこで「あの叙情性と答の所在、気まぐれな少女性が見事なまでに描写されていて感動しました」とか言えなかったの!ばか!ばかちん!
そのくらい好き。

私、少しだけ気づけた気がするのよね。
誰が1番必死で、誰が一番近くにいたか。

作中のヒロインの言葉。あらゆる男に体を許しつつもぽそりと語るこの言葉が猛烈なカタルシスを生みます。
純愛?ううんちょっと違う。この二人独自の関係。だけどそれこそがスミヤ先生の持つ独自のリズム感です。処女かどうかにはあんまりこだわらない方のようですね。それより「今二人がどう思っているか」「壁をどう乗り越えるか」が、大げさな熱意を持たずに淡々と描かれているので、まさに散文詩のようです。
 
あまーい話もある。陵辱もある。でも1番スミヤ先生作品で大事なのは少年と少女が手をつなぎ、笑顔になるシーンだと思っています。エロがあるからこそ産まれる、かけがえのない触れ合い。その人間関係の距離感の機微が本当にうまい!
ロリ漫画と言っても年齢がそこまで幼くない上に、ドラマ性が非常に強いため、ロリ漫画初心者及び女性の方にオススメな作品集だと思います。
 
音楽で例えると、ロックやメタルじゃなくて、インストルメンタル系のヒーリングミュージック。本の種類でいえば、どちらかというと純文学やラノベではなくて叙情絵本。
触れあうことで感じる幸せが暖かい音になって流れ込んでくるのが素敵。陵辱ものもあるので注意ですが、意外とこれも陵辱苦手な人でもはいりやすいんじゃないかな?と思います。
感受性の強い男性や、女性に読んでいただきたいエロマンガです。