たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

なんでも楽しめる少女、唯にみんな惹かれてく。「けいおん!!」第六話

けいおん!!」六話見たよー。
いやー、最高でしたね。

唯の生足な!
生裸足な!
(あ、いや、生って付けたかっただけです)
しかもこれ、黒い服たれさがってるほう、中裸ですからねフー。
しかし、「けいおん!!」って直接的なエロ・あるいはヌードにはあんまりエロティックさを感じないのに、どうしてこうフェティッシュな部分は妙に生々しいのでしょう。
正直唯の風呂シーンよりもこっちの方がエロく見えるんですが。
 
そして、もう一点気になるのがこれ。

憂の部屋のベッドなんですが。
なんで枕二つならんでるんですか。
そうかそうかー。一緒に寝るの基本ですかー。そうかー。
……いやほんと、マジでそれしかあり得ないですよね。
どんだけお姉ちゃん好きなんですか憂さん。
 
さて、今回は原作の通りの梅雨回。
「楽器に対する愛情」をテーマ軸にしながら、徹頭徹尾、唯とはどういう子なのかをあらゆる角度から描いた作品になっていました。
ではネタバレ有りなので収納。
 

ペロペロ(^ω^)
 
 
 
 

●楽器☆愛●

原作の梅雨回をまるまる消費して作られた1話。
特に何か大きなイベントが有るわけではない回なのですが、原作では「楽器を大切に、愛すること」をテーマにして描かれていました。
それをうまく増幅しているのがアニメ版になっています。

雨の中、唯が楽器を持っていくシーン。
カバンの濡れと肩の濡れ方が涙を誘います。
カバーをかけるという行為が頭に浮かばない唯らしさに涙が浮かびます。
よく見ると、修学旅行土産の「ん」がちゃんとカバンについているのがいいですね。
 
自分は基本ドラムなのでそれほど雨で苦労したことないですし、ましてや車という文明の利器があるのでこういう悩みはかかえたことがないんですが、楽器が濡れないように、歪まないようにというのは本当に悩ましいところでしょう。
とくに木でできているため、ネックの反りでの音の狂いは大問題。

ここでオクターブチューニングの話も出ていますね。このへん原作通り。さすが元々バンドマンだったかきふらい先生というか。
 
言うまでもないですが簡単にオクターブチューニングの説明を。
オクターブ調整
ギター初心者でも絶対上手くなる!ギター講座 オクターブ・チューニング
ギターやベースは12フレット目の音が1オクターブ高くなっています。1オクターブ違うだけで同じ音が出る、はずなんです。
が。ネックが湿気を吸って反ってしまったりすると、弦の高さがネックより高めになってしまったりすることがあります。そうすると、弦を押さえる時の弦の伸びがかわるため、12フレット目のオクターブが微妙に、本当に微妙にずれてしまうことがあります。この「微妙」が、実際演奏してみるとかなり違和感あるので非常に重要。今回は8分の1ずれている、という話になっていましたね。
唯「それじゃあ直してください!」 澪「自分で直せよ」なんてやりとりがあって笑えますが、実はこれ直すの結構面倒です。
上にある一つ目のリンクを見てもらえば分かりますが、弦の高さを調節しないといけないんですよね。
普通に弦を上のペグ(上部の、弦を伸ばして音を返るネジの部分)で調節しても直りません。正直唯のことあんまり笑えないメンドくささ。
とはいえこれ、重要なので、湿気で、あるいは弦の張りっぱなしで(ベースに多い)オクターブチューニング狂っちゃって直せない人は楽器屋さんにGOした方がいいです。場合によってはネックの反りも調節してくれます。
自分でやれるようになるのもいいけれども、プロに見てもらう方がよいこともあるかと。
 
このへんのネタをさらっと描いて入れ込んでくるのが原作・アニメともに面白いところですね。
それをわかっていたら面白いけれども、わからなくても、ドラえもんのび太が馬鹿なことやってゲラゲラ笑えるように、「唯アホだなー」と笑えるあたりが魅力です。
 
楽器愛といえば、ギター弦張替のシーンも面白かったですねえ。

うん、安心のダダリオ!

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色的にこれですねー……ってヘビーゲージ!?
ギター弦で一番太いヤツじゃん。
唯の握力……恐るべし……。
 
・追記・
これではないか?という説も出ているようです。
DADDARIO ( ダダリオ ) >EXL140 【サウンドハウス】
10から52。うん、このくらいならヘビーゲージよりはましかも。十分太いですけどね。
 
関係ないですが、というか言うまでもないことですが。
唯のように弦を張った状態でニッパーで切ると、場合によっては弦が目に飛び込んでくる可能性があるので絶対にやめましょう。
必ず緩めてから切りましょう。
あれは唯だから……許される行為なんだきっと……。
 
面白いのは、唯は弦の張替すらもコミュニケーションの一つとして捉えているところ。
最初にあげたこれも興味深い。

着替で裸になっているの、ギー太には見せたくない、恥ずかしいからというのはなかなか独自の感性です。
他の女の子達の前では平気なのにねー。このへんがらしいというか。
あ、ちゃんとひっくり返したときにギター弦の音がします。注目!
 
ギー太といい、澪の「エリザベス」あずにゃんの「むったん」と、楽器に名前をつけるあたり、経験ある人多いんじゃないでしょうか。
自分も(また自分の話だよ!そうだよ!)はじめてAria Pro IIのベース買った時、名前つけましたよ。名前はミシュリーヌ。
こういうのを「キモイ」と思うのも「面白い」と思うのも人それぞれなので、特にこうしなければいけないという答はないです。
 
大事なのは「擬人化というわけではない」ということ。
別に人間としてみているとか、同等の存在としてみているわけじゃないんですよ。
ギターはギター、ベースはベース。
一応、唯も自分とギー太が仲良し状態なことに対し、梓を茶化して「やきもち」なんて言ったりしていますが、当然そのへんは理解の範疇内。わざとです。
人間とか、ペットとか、そういうんじゃないんですよね。楽器って。
どちらかというと相棒でしょうか。
あい、ぼう……は、恥ずかしいな。
 
楽器に関しては「愛さなければいけない」というルールは当然ないので、人によっては「道具」として用いる人もいるでしょう。それこそThe Whoピート・タウンゼント(唯が最初に腕をぐるぐる回しながら演奏していた、元祖の人)は、「求めている音を鳴らすためにこうするんだ」といって楽器を壊すわけですし。
しかし逆に、どんな安物だろうと、どんなに何本もギターを持っていようとも、その楽器を伴侶として愛し大切にする人もいます。
このへんは「中村メイ子をかき鳴らせ」や「ハレルヤオーバードライブ」を見ると面白いのでオススメ。音楽漫画に楽器愛は欠かせない。
ハレルヤオーバードライブ! 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス) ハレルヤオーバードライブ! 2 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
中村メイ子をかき鳴らせ!!!(1) (KCデラックス)中村メイ子をかき鳴らせ!!!(2) (KCデラックス)中村メイ子をかき鳴らせ!!!(3) (KCデラックス)中村メイ子をかき鳴らせ!!!(4) (KCデラックス)
どっちも名作なので是非! 特に「ハレルヤオーバードライブ」は、ドラマーがヒロインな上に、楽器愛が深くてスティックも、折れようが総て大事にしているというのに深く感動しました。感動しすぎて思わず同じTAMAのスティック買っちゃたよ! 愛用しまくりだよ!!!
でかい音を打ち鳴らす、あの女の子が大好きだから!「ハレルヤオーバードライブ」

 

●それぞれの楽器愛●

はて、唯はギー太という存在をとてもとても慈しんでいます。
その割に扱いが正しくありません。抱いて寝たり、洋服を着せたり……そして弦を変えていないのでサビサビだったり。明らかに大事にする方向を間違えています。
これは笑っていいところなんですが、冷静に考えてみると唯は感覚的にギターを愛していると見ることが出来ます。感覚なんですよね。
 
一方、梓は全く正反対だったりします。
これすっげーわかるんだよなー、自分は梓型です。

楽器が好きで好きで、好きすぎるくらいなんですが、唯みたいな感覚的な愛し方ではなくて愛していることを知識と形式で表現するタイプなんですよ。
上にあげた3枚は、明らかに使わなさそうな楽器関連のアイテム。乾燥剤、どこでもつかえるギタースタンド、指のストレッチゴム。使わない、それは絶対使わない。いや、使ってるかもしれないけど全部は使わない。
(どこでもつかえるギタースタンドは欲しいぞ!)
唯みたいに名前を付けたり出来ない、だから形式から入ったり、ギターの知識をめきめき増やしたりして愛情を表現するタイプ。わかるわあ……。ひっくり返して言えばギターオタクにすら見えます。
3枚目の律の呆れ顔がいい味だしてますね。

ここで、何もなかったかのように話題を変える梓がすごいいいんですよ。
わかってはいるんです、唯のように自分も楽器を愛しているけど、表現の仕方が不器用なのが。
でも、ね。そうしちゃうんですよ。
こういう愛情表現もいいじゃない。
 
澪は原作にもありましたが、とにかく楽器をピカピカ状態にしておかないと気が済まないという、腫れ物に恐る恐る触るタイプの慈しみ方の楽器愛。
これもわかる、わかるよ……。

ギターやベースなんて、極端な話傷ついてなんぼ、練習でついた傷の分だけ味があるようなものです。
飄々と弾く人のギターに、無数のピック傷がついていたりしたらキュンとくるよ!惚れるよ!
しかし、買ったばかりの楽器って傷つけたくないし、怖いんですよ!触るのが。
青春デンデケデケデケ」でドラムを買ったばかりのキャラが、言うシーンでボロボロ泣いたのを思い出します。

「叩いても…えんやろうか?叩くの悪いみたいな気がすんじゃ…」
「真心込めて叩くんならえんとちがうか…?」
「ほうじゃの…それやったらええやろの…」
(「青春デンデケデケデケ」より)

主人公のちっくんも、ギターが好きで好きで好きで、でも買えないからノートにギターの絵をずーっと書いていたりするあたり、キュンとなります。あるある。

スポーツも絵画も音楽も、若い時はみんな、何か向こうに見える新しい世界に必死に手を伸ばしてるんです。今だって昔だって変わらないよ。

ただ、無謀なだけじゃない。最大の尊敬と憧憬の目線を持ってそこに挑むから、いつだってワクワクするんだ。

今こそよみがえれ!オールディーズの青春と興奮。「青春デンデケデケデケ」
手前味噌の文章ですが、今「けいおん!」で澪が泣いていたのを見て思ったことそのままなので再引用します。
本当はね、笑うとこなんですよ、澪のベースに傷がついた、ちょっとじゃん!って。
でもね、笑えないんですよ。この最初の傷が、どれだけ不安になるか分かっている身としては!
うちのミシュリーヌ(Aria Pro IIのベース)を倒しちゃって、最初のへこみ傷ができたとき、本気で修理に出そうとしました。
(実はそういうのを直すのはえらい額かかる上に、音は変わらないのでほっといてよいのですが!)
唯も、梓も、澪も。それぞれベクトルはばらばらだけど、楽器のこと愛してるんです。
その思い、一生モノ。
 

●唯のクラスでの立ち位置●

さて、ここからが本題です。前置き長いね!
今回は楽器愛を一応軸にはしていますが、唯というキャラクターが、他のキャラからどう見られているかを示す回でした。
それは軽音部からだけではなく、特にクラスメイトから。
たとえばここ。

ムギ視点ですね。最初にぐしょ濡れになった唯がクラスに入ってきた時のシーンです。
「濡れているから」というのもありますが、クラス全員が見るんですよ唯のことを。
これはちょっと、なかなかないですよ?
 
二期に入ってから、クラス替えがあって人間関係がシャッフルされています。
その中でものおじせず、総ての子に話しかけることが出来るのが唯です。
もちろん「軽音部チーム」という女の子集団の中に所属するわけですが、それ以外のグループの子(言うまでもなく、この時期の女の子はグループ化が基本)にも余裕で話しかけちゃうんですよね。兆候が見られたのはDVD14話の「ライブハウス!」からだと思います。

驚いたのは、噂の立花姫子が話しかけてきたことでしょうか。唯の隣の席の、ルーズソックスでちょっとかっこいい感じの少女です。

姫子「愛してるねぇ、彼氏みたい」
唯「え? いやぁ、それほどでもー」
姫子「お幸せに」

スッゴク楽しそうに話しているのを見てわくわくしましたね。
そうなんすよー。この作品のヒロインが唯である限り、この作品は「閉じた空間」にならない!
数人のメインキャラだけがワイワイやっているパラダイスも楽しいんですが、唯がとにかく他の子とどんどん絡み、外へ外へと向いていくので絶対閉じないんですよ人間関係が。澪や梓が主人公だったらきっと閉じているでしょう。それはそれで面白いのですが。
かと言って、律のように渡り鳥的に他のグループに飛び込んだり、戻ってきたりするわけでもない。
じゃあどういうこと?
 
唯を中心軸にこのクラスが成立している、ということです。
 
唯は裏表ありません。唯は自分の思ったとおりに動きます。唯は常に100%です。
そんな唯をクラスほぼ全員が微笑ましく見ています。
あちこちにブレて飛び回る律と似ているようで正反対。唯は完全にマイペースなので、周りが唯のブレなさに付き合っていくことでこのクラス成立しているかのように見えます。

全員が「唯が大好き!」ではないあたりもリアルですね。
このカットを見ると分かりますが、「この子ほんと面白いなあ」という顔の子もいれば「ほんと仕方ないなあ」という顔の子もいます。
(一番前でびびっているのが律で、ジャージもってきたのが和ちゃん。)
唯のクラスでの位置は、「全員に好かれる」ではないけれども「全員に嫌われていない」とてもいい位置にいます。さわ子先生もそれをなにげにうまく利用している感はありますね。
クラスをまとめる際に、和ちゃんのように「よくできた子」が一人必要ですが、同時に律や唯のように「ムードメーカー」になる子って必須です。その子を軸にクラスの生徒たちが、良きにつけ悪しきにつけ色々な局面でまとまるものです。
今回も唯の制服騒動で、クラスの雰囲気はひとつにまとまったわけですし。
 
もう一つ、印象的なシーン。

「あー、制服だー」
「なんかつまんないね」
「だねー」

クラスメイトの子達目線で見た唯はどんな感じなのか?というのが端的に描かれているめずらしいシーン。しかもセリフ入り。
このセリフから見るに、クラスの子達の間でも「唯は面白い子」というのは定着しているのがわかります。
しかもこれ、大事なことですが「それをバカにしている」わけじゃないんですよ。
唯が面白いことをするのを、楽しんでいるんです。
 
梅雨の時期。一番つまらない時期。
休日もないし、学校も勉強が停滞するし、気分も落ち込む時期。
そんな時期に、面白い台風を運んできてくれる子、それがクラスの中の唯のキャラクターです。
 
特に、さっきも出てきた隣の席の姫子の「唯好き」っぷりには目をみはるものがありますね!

ここですここ!
唯と和ちゃんのやりとりを見ている姫子ですが、アップにします。

めっちゃ微笑んでますね!
もう姫子、隣の席の唯がめんこくて仕方ないといった有様ですよ。今回の姫子の唯好きをカウントするだけで、数回は描写されているんじゃないでしょうか。
この「仕方ないなあもう」という顔がたまりませんな。
最初の方でこれ、そして最後の方での姫子ときたら。

席横にしてガン見ですよ!
ドンダケ好きなんだよ姫子ぉ!
いいね!
姫子がクラスの中でどんな立ち位置かちょっとわかりませんが(少なくとも話しかけているシーンがあるので、仲良しさんはいる様子)、隣の席のちょっと変わった子、唯に興味津々、そして彼女を見ていて非常に癒されているのは事実でしょう。
 

●なぜ唯は愛されるのか●


言うまでもなく、クラス全員だけじゃなくて軽音部員にも愛されまくっている唯。
実質唯は部の中心じゃないかと思います。大黒柱が澪、エンジンが律、マスコットが梓。……運転手がムギ。
誰一人として欠けてはいけませんが、クラスが唯がいることでまとまっているように、軽音部も唯がいることでまとまっています。
ではなぜか?
 
結論から言うと、唯はあらゆるものを楽しむ能力を持っているからです。
絶対音感とかもすごいんですが、そんなのよりもっとすごい力ですよこれは!
今回は梅雨真っ最中という、なんとも精神的に滅入りまくりそうな時期の話なわけじゃないですか。実際、憂ですら「じめじめするなあ」と気分が滅入っています。おまんじゅうに生えたカビを見て、嫌な気分になります。
しかし、唯はずっと笑顔なんですよね。

憂「早く梅雨明け無いかなあ」
唯「雨の日もいいよねー」
憂「ん?」
唯「こうやって一日中、一緒にのんびりできるし」


もし仮に好きな人にこんなこと言われたら、惚れますよね。
憂がお姉ちゃん大好きになる理由が一発で分るすごいシーンです。
 
他のキャラはこの雨の中、休日をどうすごしているかというと。


やっぱり、楽しくていい気分ではないじゃないですか。そりゃそうですよ。
なんとなく、部屋の中で「はやくやまないかな」と過ごすしか無い。
実は律の部屋よく見ると本棚の上に編み物があったりするんですよね。そして、買ってきたばかりのお菓子とジュース。
律なりにこの時間をなんとか楽しく過ごそうとはしているんです。が、出来なくて結局布団の上で抱き枕抱いてゴロゴロ、なのです。
梓と澪も、音楽でこのアンニュイな時間を乗り切ろうとしています。
ムギは……さすがですね、家の様子は描かれません。ここは謎のままでいい。ただ、彼女なりに「雨の日だと髪の毛がもさもさになってしまう」などマイナス面のアンニュイを抱えつつ、どこかに出かけて気分転換をしようとするこの心意気がいいじゃないですか。
みんな必死に気分を切り替えようとしている。
しかし、唯は雨を楽しんでいる!

 
まさにこの歌詞の通りの平沢家。
唯と憂が即興で合唱するシーンは何度見てもニヤニヤするほど素晴らしい。そう、「あめあめふれふれ、うれしいな」なんです。うれしいんです。うれしいこと、いっぱいあるんです!
 
奇しくも、偶然なのかわざとなのかわかりませんが、二番以降の歌詞がまた唯とシンクロしているのが面白いなあ。
「あらあらあのこはずぶぬれだ」まさに唯ずぶぬれです。
「きみきみこのかささしたまえ」和ちゃんや軽音部メンツが唯のために服を持ってくるシーンが思い出されます。
そして、全員が雨の中笑顔になっていく。
 
唯の運んでくる「楽しい!」の奇跡は、軽音部メンバーも、クラスメイトも、みんなを笑顔にします。
だから、愛されるんです。
あったかいなあと感じたのは、唯だってそれなりに悩んでいることや心配があることも描いていたことでしょうか。
決して脳天気なオバカさんじゃないんです。彼女には彼女なりの、プラス方面に向いた悩みがあります。プラス方面だからこそ、悩みが悩みではなくなります。
悩みすらも、楽しみにしてしまう。憂も持ち合わせていないその能力こそが、唯の最大の魅力です。
 

●アンニュイの香り●

はて、ここで話を終りにすればキレイにまとまるんですが、ちょーっと気になるりっちゃん隊員!
さっきの部屋のシーンもう一度見てみます。

一人で過ごすために何かしよう、という一人遊びのためのものが過剰に多いんですよね、律。
いやまあ、これだけ見たら「普通」っちゃまあ普通、むしろうちの部屋の方がよっぽど一人遊びに特化されている感じがしますが、他の子と比べてちょっと雰囲気が違います。
抱き枕の存在もあり、どうにも寂しがり屋の匂いがプンプンするじゃないですか。
 
今回の雨、唯以外の全員がイヤな気分になっています。
そりゃ当然です。気分も落ち込むってものです。
しかし律の表情どーにも気になるんですよ。

唯の服でワイワイやっているムギと澪。
うん、これはいつものとおりですね。アイロンでスカートに折をつけているときにハンカチを乗せているのが細かい。そしてなんだかムギすげー楽しそう。
ところが、律はというと。

一人で黙々と、雨と関係ないボタン付けをしています。
すっごい気になるんですよこの表情。
「なぜ?」と聞かれてもぼくには分かりませんし、たぶん律にもわかってないと思います。

普通なら嬉々として「ほらできたぞー!」とか言いそうですが、言わないんですよね。すごくさらっと渡す。
おかしい。「こんなのりっちゃんらしくないよ!」と唯なら言いそう。
でも、一期二期と見てきている人なら漠然とわかるはず。
これこそ、りっちゃんらしい。
 
雨のせいで、なんだか少しだけアンニュイになっているのかもしれません。
時間がどんどん流れているんだなと噛み締めているのかもしれません。
あるいは、単に気分がそうなっただけ、かもしれません。全く分かりません。
しかし、律はこういう表情をするんです。それは事実なんです。
 
無論、この後すねたりせず、みんなとまたワイワイやります。
ただ、律のこの表情、毎回ちょっとずつ入る複雑な表情は、今後の大きな鍵になるのではないかと思います。
 
印象的だった、第一話での校歌の時の律と唯。
この二人の反応の違いが、今回もにじみ出ているような気がしてなりません。
答なんてないので、じっくり見守ることにします。
 

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余談コーナー。
 
余談1。

相変わらず遠くから見る妙なアングルの多い「けいおん!!」。
しかし「みんなを見つめる」視点としての距離感じゃなくて、これ、唯がストッキングぬぐシーンなので……のぞき見してるみたいですげードキドキしたんですが。
 
余談2。
以前、クラス写真が出たとき、スカートの長さに差があったのを覚えていますでしょうか。

一番左の子と、右から二番目の子だけスカートやけくそに長いんですよね。
後ろの方の子はどうだかわかりませんが、なんか変だなー?と思いきや、理由が発覚しました。


スカート、腰で折ってた!!!
スカートの長さ調節のために腰でスカートを折りたたむ……これやってた経験ある女性の方多いんじゃないでしょうか。
ということはー、一番左の子(通称・地味子)の長さがノーマルサイズということですね。
となると、後ろの方の子は分かりませんが、少なくともほとんどの子が腰で折っていることになります。
真面目そうに見える澪・ムギ・梓、そして会長の和ちゃんですらも!
お嬢様校っぽいですが、かなりそのへんの服装意識についてはゆるめの学校なのかもしれませんね。一応注意するシーンもありますが、それほど厳しくもありませんでしたし。
考えてみたら、和ちゃんって下縁メガネかけてなにげにおしゃれですし、こういうところかなり気にするタイプなのかもしれません。
 
余談3。

今週のムギさん!
唯は天然に「何もかもを楽しめる」子だとしたら、ムギは「一生懸命楽しいことを探している」タイプの子。
今週のムギさんは一段と輝いていました。一人だと寂しそうだけど、みんなといる時は最上級に楽しさを探している!
そんなムギが、かわいい!
 
余談4。

また純ちゃんが余計なことを言い出したぞ!!
ほんといい具合にうざかわいいな! 
二年生チームで、「押すな」と書かれたスイッチを猛烈に連打して、えらいこと起こしそうな純ちゃん最高。
 
余談5。

この写真の数々はずるい! ずるいよ!
泣いちゃうじゃん……。
特に好きなのがこれ。

律がいい初めて、唯とムギがのりはじめちゃって……やらされている感たっぷりの澪と、何故かやり始めたらテンションあがっちゃったあずにゃん。という感じ。
ホワイトボードに書いてある「田井中組」が光ってます。「音のある●」読めない。なんて書いてあるんでしょう。
キャラの真意や、本当の気持がじわじわ見えてきている今だからこそ、こういう小ネタが鋭く味を効かせてきます。
律はこの写真を撮っているとき、どんな気分だったんだろう?
ムギはこの写真でどれくらい楽しかったんだろう? etc……。
 
あめあめふれふれ かあさんが 
じゃのめでおむかえ うれしいな
ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷ らんらんらん
 
まだまだ「けいおん!!」は続く。色々な回があって、時にしっくりくる回も、肌に合わない回もあるけれども、個々に描かれているのが「軽音部」の子達の「事実」。
なら、それを全力で楽しむよ。唯にはなれないけど、ムギくらいには楽しむ覚悟できてるよ!
 

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※本感想は、本放送放送地域在住の友人が録画したものを送ってもらった上でキャプチャ・引用しております。