たまごまごごはん

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梓の、夢から覚めた夢。「けいおん!!」第13話 その1

けいおん!!」13話見たよー。
いやー最高でしたね。

純ちゃんの写真な!
なんでよりによってあくびしているこのシーンを写真に撮って送るんだこの子は。しかも自分のケータイの写メってことは自分で撮っているわけで、つまり偶然ではなくてわざと。
すげえ、まじ純ちゃんすげえ。純ちゃんの面白さがとどまる所を知らない。
ところで写真を撮るときにポーズを決めてカメラ目線じゃない人って、実は照れ屋という説もありますね。
うふふ。
 
さて今回は梓回でした。
梓主人公回、というどころではなく、ずっと梓視点の話という、俯瞰が多い「けいおん!!」としては極めて珍しい回です。原作3巻のラストの回をうまい具合に調理し、100%梓視点で描いています。
これまた変わった手法を用いており、とても面白い回でもありました。
今回は梓の見た夢と、梓の未来について二つに分けたいと思います。
 
 
ではネタバレ有りなので収納。

ペロペロ(^ω^)
 
 
 
 

●いま見ている夢。●

WEB拍手ですごく端的にまとめてくれていましたのでそのまま抜粋。

今回のけいおん!夢落ちネタが多かったですけど実はその場面が夢か夢じゃないかは割と簡単に見分けがつくようになってます
まず夢のなかの梓はプールの夢を除いては日焼けしてないんですよね
あと同じくプールの夢を除いては憂は制服を着てます

以降、黒梓を「こげにゃん」とし、夢梓と分けて考えていきます。
 
今回の物語は現実と夢の境界線がないとても不思議な作りの作品でした。
人によっては、夢と現実の境界線が曖昧なデビットリンチ作品や押井守作品を思い出した人も多いかもしれません。
中には「エンドレスエイト」を思い出した人もいたかもしれません。しかし多くの人が気づいているように、手法は似ているけれども「エンドレスエイト」とはまったく逆ベクトルです。「エンドエイト」ってくらい、「終わり」への匂いがこれでもかというくらい漂う回になっています。
先に言ってしまえば「終わってほしくないから見ている夢」です。
 
まず一つめの夢から。

 
平沢家に遊びにいく梓。
白いですね。つまりこれは夢梓です。
西瓜を持って行って、半分まるごと唯に食べさせるという大胆な展開。ここで鍵になるのは「天ぷらそばの天ぷら」。

そしてもう一つは、唯は姿を現さないということです。
これから他のキャラも見てみますが、梓の中で唯だけは夢の中に登場しないんですよね。

夢から覚めます。
一回目の夢なので、ものすごい動揺が見られます。あれ、平沢家に行ってない。
現実は、こげにゃんの家に憂が遊びにやってくる、という逆のパターンになっています。だから平沢家で何が起きたのかは梓は知りません。(これも鍵の一つ)。
まあ、最初の夢なので「そんなこともあるんだろうな」程度で梓は考えています。
 
二つめの夢です。
 
映画館でホラー映画を見ていると、自分の前の席に澪が一人で座って観に来る、というもの。暗くて分かりづらいですが、色は夢梓ですね。
この時、澪はしゃべりません。
梓の中の認識として澪は「怖がり」「がんばりや」「落ち着いた人」という印象なのでしょう。
そして、唯の時は姿すら見えませんでしたが、今回は姿だけは見えています。

そして目覚めたこげにゃん。二回目の目覚めです。
目覚めた原因は純ちゃんからのメールでした。
 
三つめの夢です。

お金をフェスで使いすぎちゃったから(よくあること)バイトをしよう!ということになって、なぜか福引のバイトをすることに。
はい、白いです、夢梓ですね。
さすがに三度目ともなると「これって夢だろうな」というのが分かってきます。

ここで出てくるのはムギ先輩。
福引をするためにわざわざフィンランドから帰ってくる……なんていう驚くべき展開なんですが、それが梓のムギに対する印象なんでしょう。
つうかポケットティッシュでけえな!
しかもそのあとに憂が本物の小さいポケットティッシュを渡しているという意味不明さ。ここらへんは夢なので突っ込んでも仕方ないんですがすげーシュールです。

で、噂になっていた憂が梓のほっぺたを笑顔でつねっているシーンですが、夢か確認するためにお願いしたものだったようです。
リアルで笑顔でほっぺたつねってたら怖いよ憂さん。夢でよかった。結局夢だということを確認して、フィンランドに行くことが決定した矢先に。

目が覚めました。
唯が声も姿も無し、澪が姿だけ、ムギは姿も声もあります。
が、身体的接触はなしです。
 
四つめの夢です。

こげにゃんですが、夢です。
今までは白かったので分かりやすかったのですが、今度は焦げています。しかし一番内容的に突拍子も無いために、夢であるのが非常に明快。
 
最後に出てきたのは律でした。
なぜウォータースライダーの係員をやっていて、しかも焼きそばで、しかも焼きそばスライダーなのか全く意味がわかりません!
つまり梓の中の律は「訳がわからないけど強引に物を進める人」なんでしょう。

今度は姿も、声もありつつ、身体的接触もあります。
徐々に夢が現実的な形を帯びてくるんですよね。
と同時に、夢が夢らしくおかしな方向に進んでいきます。
例えばすげー超一瞬ですが、焼きそばの中をアップにしてみると。

先輩たちの面々が。
もう何が何だか!
律+キャベツ=「キャベツうめー!」でしょうか。
 

●夢のままならよかったのに●


そして最後に、全員の顔を見て目が覚めます。
 
ここまで執拗に繰り返し夢と目覚めを繰り返すと、見ているこちらが不安になります。
これは現実なの? 夢なの?
 

目が覚める度に、梓は非常に不機嫌な顔をします。
決して、悪夢ではありません。むしろ何も考えず腹抱えて笑っていいような夢ばかりです。
ぼくらはね。
しかし笑えないんですよ梓は。だって夢でみていることは、やはり夢なんだから。
 
梓の見ているものは総て、「いずれ失われていく世界」です。
突拍子も無いシーンもあるけど、今は割とリアリティのあるものばかり。梓が軽音部に対して感じている感情そのものです。こういう風に梓には見えているのです、軽音部が。
めちゃくちゃで、よく分からなくて、だけどもちょっとだけ楽しい。そんな大好きな先輩たちのいるこの世界が、ちょっとだけ好きなんだ。
気づいてしまうと寂しさはさらに増します。

先輩たちが卒業すると、私は一人なんだ。
後輩は入ってくるかもしれないけど、少なくともいまの「放課後ティータイム」のままではいられない。
これは避けられないことです。とはいっても色々あるのでそれは「その2」で書こうと思いますが、どうあがいても「いまのまま」でいることはできません。絶対変わるのです。
夢を見ている状態は不愉快ではあったけれども、夢に見るほど彼女は軽音部を好きだった。
いまのこの5人で演奏していることが、過ごす日々が楽しかった。
 
せめて夢なら夢のままどこまでも続いて、永遠に楽しく笑っていられればよかったのに。
 
その2へ続く。
今ここにある、梓とぼくらのしあわせ「けいおん!!」第13話 その2