たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

ここにいるみんなと一緒にバンドが出来て、最高です!「けいおん!!」第20話 その2

その2では、主要キャラごとの心情描写を掘り下げてみようと思います。
 

ではネタバレ有りなので収納。

ペロペロ(^ω^)
 
 

●みんなのかお●

今回は全員にバランスよくスポットが当たる演出が見事でした。
一曲目が始まる前、最後の曲が始まる前、最後の曲の時の顔、並べてみましょう。
いずれも、会話のない、目だけで語るシーンです。
 

  
 

  
 

  
 
ムギ
  
 

  
 
全員がどんどん汗をかいていきます。
そして全員の顔がどんどん晴れやかになっていきます。
ライブ最中ですので、当然おしゃべりはありません。全部アイコンタクトなんです。
個人的にはムギの1・2枚目と3枚目の違いに注目して欲しいんです。どちらも充実眉毛なんですが、1・2枚目の「やるぞ!」がもう、最後の方で完全に昇華されているんですよね。
人間こんなに心地良さそうな顔を出来るんだよ!
言葉にしなくても伝わる、こんな表情になれるんだよ。
 
一年・二年のライブの時と違って、今回の衣装はシンプルなTシャツ一枚。
量産しなければいけない、という理由もありますが、さわちゃんは多分、分かっていたんだと思います。
Tシャツで十分だということ、もうこの子達には着飾る衣装は必要ないということを。
だって、こんな顔できるんだよ?!
 

●開かれた澪●

今回見ていて最高にたまらなかったのは「全員」なんですが、その中でも最もキたのは澪でした。
一年目のライブで歌うのを極度に嫌がっていたのを覚えていますでしょうか。
二年目のライブでは唯のピンチ代役ということで、追い詰められた状態の彼女が思いっきり歌ったのを覚えていますでしょうか。
そして三年目、彼女はいいました。


わたし、ここにいるみんなとバンドをやってこれて最高です!

あの澪がだよ。
あの内気で、人前に出るのが苦手で、目立たないからといってベースを選んだ澪が、こんなに最高の表情するんだよ!
思えば、二期に入ってからも色々ありました。修学旅行で壊れたり、律と小突きあったり、スランプになったり、律と小突きあったり。
元々彼女は「人に思いを伝える」技術のある子ですし、人一倍練習をする努力家でもあります。だけどそれを動かすのと動かさないのでは大違い。
澪は、自分の力で動かそうと決意しました。無論このセリフのように、「ここにいるみんな」がいつも側にいたから出来たこと。それも分かってる。
澪はみんなの前で、自らの口で「最高です」といいました。そんな彼女の成長こそが最高だよ。
彼女の力のこもった口元と眉毛を見ているだけでうるうる来てしまいます。これ、澪の親来てたとしたら号泣してるんじゃないかな。

あの歌うのを嫌がっていた澪が、こんなに歌いながら最高の笑顔見せてるんだよ。
正直この瞬間に「もう何があろうと満足だ」と思った。この子はもう、強い。
 
澪は決して、放課後ティータイムのムードメーカーではありません。どちらかというと大黒柱として支える、まさにベースのような縁の下の力持ちです。
最初は澪は「目立ちたくない」からその立ち位置を選んだのですが、二期3話を見ていれば澪は「今この立場にいるのが幸せ」なのが分かります。ベース+ボーカルとして、このバンドにいたいんです。
ライブが終わった後、会話の中で「有り得ない未来」を話したのは澪でした。
「次はクリスマスパーティーだよな」
「それから、次の新歓ライブかあ」

誰が言い出してもおかしくないセリフでしたが、この「有り得ない未来」を言ったのが澪なのは非常に重要だと思うんです。
だって、そんなの出来ないって一番分かっている子じゃないですか。むしろ今まで律がそういうこと言って、突っ込む側だったのが澪だったじゃないですか。
逆なんです。言い出して止まらないのは澪なんです。


みんな泣くよねライブの後。分かるよ。
でも澪って今まで、ライブになるまで最も弱音見せなかった子ですよ。受験勉強も誰にも言わずに黙々とこなし、進路のことも目をそらさずに真剣に考えている子ですよ。誰に相談するでもなく(律とかにはしてたかもですが)、一人で進路掲示板を見ていた澪の姿を思い出してください。そこにきて一番最初に泣き出して、一人で突っ伏してしまう澪。こらえきれず泣いているのを見せまいとする澪。でもまさに「泣き崩れた」としかいいようのない澪。

よかったよな!
本当によかったよな!!

真っ先に感無量になって、一番に叫ぶのが澪なんだよ。
これ以上の言葉あるか!?
そんなふうに言われたらさ、「本当によかった!」って泣けてならないじゃないですか。
澪はどちらかというと、二期においてはむしろ目立たない立ち位置でした。単に周りの子、ムギや唯や、特に律が破天荒だからその後ろを小さくついて歩く部分があったからです。笑顔でみんなの後ろ姿を見守っていられる、そんな子でした。
だけど一番叫ぶんだよ。その澪が思いっきり涙流しながら「よかったよな!」って叫ぶんだよ。
よかったに決まってるじゃん。「最高」って言っていいに決まってるじゃん!
 

●ムギは思いっきり楽しんでこれたと思う●




澪に触発された部分もあるのか、もう一人思いっきり叫んでいる子がいました。
ムギです。

バンドって! すごく楽しいです!
今も、スッゴク楽しいです!!

ムギの言葉は、本当に飾らないですよね。
最近、「思ったことがそのまま脳から飛び出している」みたいだと理解しはじめました。だからこの子にはモノローグがいらない。
二期に入ってからのムギの全力全開っぷりには目を惹くものがありました。常に一瞬一瞬を大事にし、全力でおもいっきり頑張ろうとするムギの姿勢と、ムギの頑張りには心を激しく揺さぶられました。
この後どうなるかとか、これをやったらどうなってしまうかなどほんっと考えなくなった、いい意味で躊躇がなくなった。
とにかく今を逃すまい、精一杯喜怒哀楽を爆発させて、高校3年間を完全燃焼させようと一番しているのはムギです。一番と言っていい。彼女が二期の方向性を大きく決定づけたキャラだと思います。みんながムギに動かされているんですよね。
軽音部の子だけかと思いきや、彼女もうすっかりクラスのみんな全員に愛される子になったことがすごいさりげなく描写されていて、そこで泣いた。だよね、楽しいことを楽しいって言える子は愛されていいし、愛したい。
 
彼女の前向きな姿勢が現れていたのが、「ごはんはおかず」のメロディラインだと思います。
「ごはんはおかず」の歌詞ってぶっちゃけどうでもいい中身じゃないですか。いやそりゃ、ごはんはえらいよ! 日本の米だよ! でも深い意味がある歌詞ではないですよね。
しかし作曲家琴吹紬は、この曲を最高のライブソングに仕上げるんです。
1・2・3・4・ごっはーん!
一回聞いてみんなが乗れる曲を作るというのは実はものすごく難しい。覚えた上で会場が一体になるならともかく、3分とか、下手したら1分で初めて聞いている人をも燃焼させる曲を作るってのはすごいことです。
ムギはそれに挑みつつ、かつ全員が見せ場のある「今最高に楽しい曲」を作り上げました。友人と「アンドリューW.K. みたいだよね」と話していました。最高のパーティーソングだよ!
(ちなみにこの曲は、本当の作曲家のbiceさんの遺作となってしまいました。謹んでご冥福をお祈りすると同時に、その分思いっきり拳ふりあげて一緒に歌い続けようとおもいます。)
U&I」でも彼女イキイキしていましたね。

最高の笑顔じゃないか。
ラストの曲でまさに、超完全燃焼していたのがムギです。この軽音部のライブ、というくくりのみならず、3年生として過ごしてきた日々の最高の完全燃焼です。見てよこの眉毛!
だからこそ、もうこの一瞬を見るだけで涙が止まらない。

他の子は「残念だね」「ないない」と受け入れて泣きじゃくるのに対し、ムギは「やだやだ!」なんですよ。一番めちゃくちゃに泣きじゃくるんですよ。鼻水までたらして泣くんですよこのお嬢様は。
でもここまで感情爆発させてくれるのって、同時に見ているぼくら側の代弁でもあります。
学園祭が終わる。『けいおん!!』が終わる。
やだ! やだやだ!!
そしておもいっきり泣いて、泣いて、泣きじゃくる。
それでいいと思うんだ。

次に何が来るかは分からないけど、今は泣いていいんだ。
この号泣するムギを見てから、第一期第一話のムギの顔を見てください。最初から号泣しますよ。この子がどんどん居場所を見つけて、前向きに進んでいるのがわかるから。
 

●補助系ジョブに転職したりっちゃん●


逆にもっとも今回ローテンションに見えたのが、律でしょう。
ライブの自己紹介のシーンでの不思議な落ち着きっぷりは唯すらも不安にさせました。自分のことは何も言わない。澪やムギみたいに「今最高に楽しい」とか言わない。ほんと部長としてまっとうしただけ。
なぜ?
理由は二つあると思います。
 
一つはこういうのが極端に苦手な子だから。
このへんはうちのサイトでもしつこく書き続けていますし、気づいている方かなり多いので、今更言うまでもないですね。
律は普段からムードメーカーとして活躍してはいるし、目立ちたがり屋ですが、むき出しな感情の爆発が苦手な子です。一番大雑把に見えて一番繊細。
MCの最中の「ジュリエットの再現シーン」あたりは律らしさが顕著に出ていましたね。
 
律の方が澪より遥かに背が低いんですよね。
普通、こういう時ってマイク下げるじゃないですか。下げても問題ないじゃないですか。
違うの、彼女が背伸びするの。それが律なんですよ。
 
その後目立とうとするでもなく、クラスメイトのちゃちゃにシャイになる律。このクラスメイトの子たちも、律という子の性格をよく把握して空気読んでるよね! 最高のフォローだったよ!
 
二つめは、彼女は後押し役に徹する決意ができているから。
ある意味、第三話「ドラマー!」でそれは確定していたのかもしれません。
目立ちたがり屋で、盛り上げる時はどんどん盛り上げる(澪ファンクラブパーティーとか)ムードメーカー、でもムードメーカーって逆を言えば「私が目立つ」んじゃなくて「場が盛り上がればそれでいい」という立ち位置なんですよね。
ほんとはこのローテンションな律がまだ心配でなりません。卒業に向けて一番崩れ落ちてしまいそうなのが律と梓だから、不安でならないです。
でも今回の律の描写でやっと理解できました。
彼女は補助職なんだと。
例えばRPGでいうところの吟遊詩人とか踊り子みたいな位置です。自分が先頭切って敵を殴って目立つんじゃなくて、目立つキャラ(たとえば今回で言えば、戦士にあたるのは唯)の力を最大限まで押し上げるために空気を盛り上げ支援するのが律なんですよ。
そう考えたとき、後方支援にあたる律が「苦しんでいるのか」と言われたら、決してそんなこと無いじゃないですか。支援に回っている彼女は、彼女なりに最大限に今回も燃焼したんじゃないか?

このシーンもいいですよね。「最高のライブだったな!」とかつてないほどに盛り上がる澪に対して「バッチリあってたし」とさらに背中を押してくれる律。みんな最高だったよ、と気分を盛り上げる律。
「ギー太も喜んでたんじゃないのか?」「おぉ、梓のギターはむったんっていうのかー」
自分のことはどうこう言わない。みんなのことを叱咤激励する彼女の姿は、最高に部長だったよ。
 
澪の語りだした「有り得ない未来」を聞きながら、それを当然わかってはいても乗っかって盛り上げて、そして彼女は言ったよ。
「って次は、ないない」「高校でやる学園祭は、もうないの」
みんなが泣き崩れる中、笑いながら、でも涙声で語るりっちゃん。もうここは声優さんの力です、ヘッドフォンで聞いて欲しい。笑いながら泣く最高の演技です。
そうなんだ、律は笑いながら泣ける子なんだ。それが確かに彼女の精一杯の張り詰め背伸びしたものだとしても、律はそれを力いっぱいに楽しみ、後押しする覚悟がもうできている、と感じたときに、不安は少し溶けてなくなりました。
 
自分が一番好きなシーンの一つ。
「みーおー、リコピーン」
ばかっ・・・トマト見るたびに泣きそうになるじゃん・・・。
もちろんこれは、2期4話の修学旅行回の意味のない笑いワード「デコピン」の延長線。こういう時に澪を支えるには自分が道化に徹する方がいいのもよく分かっている律がいます。しかもアレンジまで加えてきやがって・・・どんだけいい子なんだよ! もっとも、澪に自分が寄りかかれるのも分かっているから、こうして澪を茶化すことで自分を保っているというのもあります。それも含めての関係が出来ているんです。澪にならこのくらい言ってもいい、って。
最後の最後に、彼女も爆発出来たのはよかったですね。

澪やムギや梓に対してはある程度一定のポジションを計算しながら立ち回っている律ですが、唯に対しては割と自分そのものをぶっつけることが出来ています。唯といるときは思いっきり泣いていいんです。
このあとすぐに唯の鼻水を茶化すあたりも律らしい。

最後に握り締めあっていたカットが、唯と律なのも印象的ですね。
律にとってはもちろん澪は特別なんですが、同時に唯の存在も非常に特別です。律がいるから今の唯があるし、唯がいるから今の律がある。共に笑い合って泣きあった大切な仲間だから、手をぎゅっと握り合う。
少女たちが握り合う手は、ホント特別。特別中の特別。一生の宝もの。
律はまだまだ不安定で、明るい分自分の見をすり減らしがちな傷つきやすい子だけれども、この手の温かさは一生の宝ものだって絶対分かってる。
 
そんな律のことが愛しくて抱き締めたくなるけど、その役は澪のものだからぼくは部室のホワイトボードになって彼女たちを見守るよ。
誕生日おめでとう、りっちゃん。
 

●梓は今はまだぐっとこらえているから●

今回、今まで「けいおん!!」を見ている人がドキッとしたのは、梓がリードギターになっていたことなんじゃないかと思います。
今までリードギター(メロディを奏でる方)が唯で、サイドギター(リズムやコードを弾く方)が梓だったんですよね。

二曲ともリードギターが梓。「ごはんはおかず」に至っては途中ボーカルに専念して、ギターは完全に梓に任せているシーンすらあります。
これでOPの、筆箱をマイクにしている唯につながりますね。
完全に唯のバトンは梓に引き継がれたことになります。
 
と言っても全部梓に渡されて、唯がいなくなったという意味ではないです。
梓の感情はモノローグだけじゃなくて音楽そのもので表現されることが多いんですが、今回梓描写で一番グッと来るのはここです。

U&I」で、全員が「ジャッジャッジャッジャ」と揃うすげーいい音の部分があるんですが、曲の入りで唯と梓の音が、動きが、完璧にシンクロするんです。
二期三話「ドラマー!」で「だめです、私の目が届く範囲にいてください」と言っていたのを覚えているでしょうか。

完全に梓視点からみた唯です。梓には唯がこう見えるんです。

それに対する、唯から見た梓。
この二人の見たお互いの顔は多分、一生忘れられないものだと思います。
 
今回は号泣する三年生にスポットが当たっていたため、梓にはそれほどスポットはあたりませんでした。
しかし、梓視点は限りなく視聴者視点に近い部分もあります。去っていく人、残される自分、楽しいこの瞬間。
だからこそ、梓は今はまだ泣きません。
  
そりゃ泣きたいでしょうよ。泣いたほうが楽ですよ。でも梓はぐっとこらえます。
「みなさんと演奏できて、幸せです」という言葉、掛け値なしの本音だと思います。
むしろ一番泣きたいであろう梓が踏ん張ってこらえたことが愛しくてなりません。ここは「泣いてもいいんだよ」ではなくて「よく頑張ったね」と言いたい。
彼女だって緊張してないわけじゃなかったんです。心に余裕があったわけじゃないです。

慌ててギターをマイクスタンドにぶつけてしまう梓は非常にリアルでした。あるある。すごいある。梓みたいに落ち着きがあって、ライブハウスにちょこちょこと行っている、おそらく音楽歴はムギと並んで長いであろう彼女ですらあるんです。
むしろそんな彼女だからこそ、でしょうか。
梓は唯に言いました。

「とっても頼れる先輩です」
今回の梓は、これで十分。ほんと、よく言った!
もう今後何があろうと、梓は大丈夫。卒業式で号泣するかもしれないけれども、大丈夫。
絆、みえてるよ。
 

●唯は一生懸命●

演奏シーンの少ない「けいおん!!」ですが、その分演奏シーンが丁寧で、個性が出る作品でもあります。
ようは「演奏を描きたい」んじゃなくて「演奏も日常生活も総てひっくるめて、キャラを描きたい作品」なんですよね。
この唯見てくださいよ。

歌が全部終わってからのギターソロの部分だけ唯がリードギターをやるのですが、ものっそい一生懸命でしょ。
技術的には一年生の時から比べたら上手さは格段にアップしていますが、最高度までに必死なのはずーっと変わってないんです。夢中で一生懸命でかっこつけるとか忘れていて。猫背になって必死にフレットを見ている彼女は、天才肌とは言われるけれども、同時にものすごい努力家。ただ「努力を努力と思っていない」だけで、見ての通りギリギリ限界まで頑張っています。

一生懸命な人を見ると、人間って感動するように出来ている気がします。
唯は演奏もボーカルも、全く尻込みしません。全部本音、全部唯そのもの。
一期12話の二年生の学園祭で、いっぱいいっぱいになっていた唯。泣きながら走っていた唯。
そして今回は、ミスをしつつもきちんと最後まで全力で燃焼した唯。
 
唯を見て「まるで娘のようだ」という人がいます。自分は子供の親じゃないけどその気持ちすごくわかる。
19話でもそうですが、必死であるが故に、もうわが子のように一挙手一投足が愛しくてならないんですよね。それが彼女の一生懸命だと分かっているから。

なんせはじまった瞬間から泣いてますからね。
唯がんばれ!
唯、がんばれ!!
唯! がんばれ!!!
人によっては「がんばれ」は重荷になるかもしれませんが、唯はがんばっているから「がんばれ!」って言っていいんですよ。言えるんですよ。




普段のほほんとした唯の感情が爆発した瞬間。

唯「来年の学園祭は、もっともっとうまくなってるよ?」
律「お前留年する気か? 高校でやる学園祭は、もうないの!」
唯「そっかあ、それは残念だねえ」

唯がいくらアホでも、分かってないわけ無いんです。分かってるんです。
本当に、残念なんです。
ここは、繰り返しになりますが本当に声優さんの力を感じました。もう演技の域を超えてシンクロしてますよね。収録現場を想像するだけで泣けそうになる。声優さんたちにとっても、このライブシーンが「けいおん!!の学園祭」としては最後なんです。
 
唯は全力投球で燃えました。でも「燃え尽きてない」んですよ。
こればっかりは、体感したことのある人と無い人で、差の生まれるシーンだと思います。学園祭なり、仕事なり、遊びなり、燃え尽きても燃え尽きない経験をしている人なら心のフックに引っかかるものがあるはず。
 

●最高じゃない、最高のライブ●

今回が最高に素晴らしかったのは、最高じゃないところです。
もうグダグダなんですよね。決して「上手いライブ」ではない。

今回カウンターとして置かれていたのは、純ちゃんでした。ほんとこの子はいつもいい位置にいますよね。「軽音部は最高にすごいです!」とのめり込み過ぎ無い、冷静な視点を与えてくれます。
放課後ティータイムのライブ、決して「めちゃくちゃうまい」わけじゃないんですよ。無論1年よりも2年、2年よりも3年でうまくなっていますが、素人丸出しです。プロと比べ用がない。
なのになんでこんなに心を揺さぶられるのか。
言うまでもないですよね。
プロ野球の選手の試合と、高校球児の試合は全く別物。なりふり構わず全力で魂込めて投げるボールは他に比べるものないんスよ。

失敗は反省するけど、やりきったことは「最高だったよな!」って言っていい。
今最高。明日も最高。常に最高。
最高を楽しんでいる彼女たちだからこそ、このライブは最高だった、と言いたいんです。
 
その3に続く。
 
泣いてもいい、泣いてもいいんだよ「けいおん!!」第20話 その1
わたしたちみんなの『青春』「けいおん!!」第20話 その3