しょうがない隊の話はいつもイイハナシダナー？「みつどもえ２０２卵性」

いやーもうね。「佐藤が好きでしょうがない隊」の中で一番影が薄いというか常識人だった加藤さん（真ん中、ポニーテール）ですが、最近の株のあがりかたは半端じゃないですよね。
その原因の一つは、加藤さんの話になると大体がいい話になる、という点なんですが。
今回はしょうが隊の活動を中心にした加藤さん回だったので、少しゆっくり見てみましょう。
どこを見るかというと「加藤さんはどんな子なのか」。
　

●笛なめのロマン●

あなたは好きな子の笛をなめたことがありますか。
ここで「オレはあるぜ」といったらネタ的においしいんですが残念、ないです。
でも好きな子が帰ったあとに、そのイスをなでなでしたことはあります。
……こっちの方が妙にリアルで気持ち悪いですね。はい。
以上のことは踏まえずに、加藤さんの衝動を見てみましょう。
　
たまたま３つに飛び散った佐藤くんの笛を、しょうが隊がゲットしてしまうんですが、これが運よく加藤さんに一番ベストポジションが行ってしまうんです。

そう、吹き口。
縦笛においてここ以外には価値がない！というくらい重要なパーツですね。変態イズム的には中間層のつばの貯まる部分がいい、という人もいるかもしれませんが、単純に考えて間接キス出来るのは吹き口。
　
縦笛なめ、と書くとなんか変態的な感じがしますがペロペロ、縦笛キスだと、かわいいでしょう？
あ、同意しなくていいです。
しかも女の子がそうだとしたらどうですか！？

のりお先生……あなた、縦笛キスのロマンを分かっている！
縦笛をべろんべろん舐め回すんじゃないんです、あの縦笛の吹き口に唇を近づけて間接キスするまでのドキドキが一番クるのを描いているんです、精神的に！
このコマだけ見て「うわー変態！」と言い切れない部分あるとおもうんです。いや、確かに勝手に一人で持ち去ったらあかんですよ。でも、でも、この気持ち分かるじゃん！好きな子の縦笛の吹き口見て、ちょっと口近づけたくなる気持ち！
小学六年生にしたら大冒険です。むしろピュアなんじゃないだろうかこの子のこの感覚。
　
というわけで、「オレ基準」で加藤さんの気持ちは「分かる！」判定しました。
ぶっちゃけ羞恥してときめいている加藤さんがかわいいので、それだけで満足だったりします。ほんとかわいいなこの子は。
しかし、彼女がマジョリティな感覚の持ち主かというとそうではなくて。

ごめん、さすがによだれはたらさない。
やっぱりちょっとアウトローな加藤さんです。
　

●タガが外れているけど外れきっていない加藤さん●

加藤さんのいいところは、まあ頭のネジは数本抜けている部分もあるから「しょうが隊」に所属しているわけなんですが、何もかも吹っ飛ぶほど分からなくなってしまうわけではなという所だと思います。
最も分かりやすいのはここでしょうか。

佐藤くんの笛が飛び散ったときに飛びつく伊藤さんとおがちんの顔は狂気にあふれていますが、加藤さんは笛よりもまずはおがちんのスカートのディフェンスなんですよね。
（注・おがちんはまだノーパンです）
なるほど。
この子にとっては「おがちんとの日常の楽しさ」＞「佐藤くんが好き」なんですよね。
そもそもこの子、単独で佐藤くんが普通に好きだったんですが、ここまで社交的で元気になれたのは、おがちんがどんどん加藤さんの手を引いて笑顔でいてくれたから。
それを加藤さんはわかっているので、彼女がしょうが隊として活動をしているのは、当然佐藤くんが好きだからという前提はありとして、おがちんたちと一緒にいたいという思いなのが非常に丁寧に描かれています。

良いシーンだなー。
自分の願望や欲求を満たすよりも、みんなと一緒にいたい！
このあとのおがちんもいいんだよねえ。

おがちんのいいところは、ここで出し抜こうとしかけた加藤さんを全く責めないところですね。
本当にいい子だと思います。むしろ出し抜いた加藤さんがいたらそれすらも認めようというくらいに。
おがちんは加藤さんよりもさらに頭のネジの飛んだ子ですが、やっぱり加藤さん同様「みんなでいられるこの時間が幸せ」なのがいいですね。
　
しかし、この回最大の笑いどころはこのシーンがいいシーンに見えることだと思いました。
だよね。
三人で佐藤くんの笛を奪いあうマンガでした。
感動するところと違ったのにジーンときかけた。
いや、感動してもいいのか・・・？いやいやいやいや。
でも「３人で一つじゃなきゃ！！」はいいシーンだと思いますほんと。
いやいやでもリコーダーと同じかどうか。
　

●腹黒お嬢さんマジ腹黒●

ところで加藤さんとおがちんが友情を深めている間に、伊藤さんは相変わらず真っ黒でした。

つい吹き口をとってしまった加藤さんの顔を見る伊藤さんまじこわい。
彼女の目、マジだぜ。
　
そして、「３人で一つじゃなきゃ！！」と感動していたのを完全にぶちこわす見事な単独行動。

なんかもうあれですね。
伊藤さんはいっそ徹底してひどい腹黒っ子でいつづけてほしいです。
絶対に自分の意志を曲げずにゆずらないまま退場した某ナージャのローズマリーさんと張り合えるくらいに。
　