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放課後ティータイムがみんなにくれたもの「けいおん!!」第24話 その4

大切な幼なじみとの、一つの別れ「けいおん!!」第24話 その3
その3からの続きです。次はさわ子視点と、あの子の話。
 

ではネタバレ有りなので収納。

ペロペロ(^ω^)
 
 
 

●卒業の日の教師●

さわちゃんは、どちらかというと視聴者寄りの立場の人間でした。
まあ見ている人で社会人が多いから、なおのこと「見守る側」としてさわ子が設定されている部分はあると思います。


初期はギャグ要員だったさわ子も、今となってはすっかり人生の先輩です。
正直さわ子がいたから、安心して見ていられた部分ホント大きい。
だって、音楽っていうつながりがあったら、別れようがなんだろうが、いくらでもまたつながれるんだもの。
二期10話で割とそのへん大きなクッションになっていたと思います。ああ、唯達もこうなるのかなと。
唯も薄々、そう気づいていましたしね。
 
ところで、卒業式の日、先生はあまり泣いてはいけません。
だめってわけじゃないですが、生徒より先に泣いたらあかんです。
なぜなら、生徒に伝染するから。
卒業は先生のためのものじゃなくて、生徒のためのものですしね。
だからさわ子は、絶対に生徒の前で泣きません。これは本当にえらい。
だってさー。

色紙なんてもらったら泣くだろ!
サプライズもサプライズ。多分表に出してないけど、ものすごいサプライズになっていたでしょう。
でもここはぐっとこらえて。がっしりとこらえて。

「初めての担任がこのクラスでよかった」
 
さわ子は子供の心を忘れないまま、きちんと大人としての立場をわきまえている素敵な先生だと思います。
もう色々バレバレなので、最後におちゃらけますしね。あれがドン引きだったのまで含めて、さわ子は生徒に愛されていたと思います。

別のクラスの生徒からも写真を求められるモテモテっぷり!
だよねー。
確かに時々だらしなかったりしたけどさ、つーか軽音部にいるときはだらしないシーンの方が多かったけどさ、それでもやっぱり頼れる大人。こうなりたいと願う一つの理想像です。
彼女は、最後までみんなの前ではそれを守りきったと言っていいでしょう。
 

●一人になって●

じゃあ先生は泣かないくらい強いのかといったら、全然そんなことありません。
先生は人間だもの。
むしろ、生徒よりも先生のほうが、こういう時泣き虫だったりします。なんせ「仲間」じゃないですからね。
梓は仲間だから、永遠に「見送る」なんてことはしないんですが、さわ子は「見送る」んです。
軽音部だけじゃないよ。クラスの生徒みんなをだよ。

先生が生徒を送り出してから、一人で教室で泣いていることは結構あります。
職員室で泣いていることもあります。
手がかかって本当に面倒な子たち(例・軽音部)ほどかわいいというのもあるし、1年間の人生をその子達のために捧げたというのもある。
でもそんな自分のことじゃなくて。

みんなが、先生である自分を心から愛してくれた。
それに触れたとき耐えられる人間なんていないよ。
みんなのことは笑顔で送ろう。
笑顔で「ありがとう」って言おう。
だけど。

わけもわからないくらい泣きじゃくってしまいたいくらい嬉しくてたまらない涙も、あるよ。
最終回、泣いたのがパンクした梓と、万感の思いにこみ上げたさわ子だけなのは、本当に重みがあるところだと思います。
さわ子の涙は本当に熱かったんじゃないでしょうか。
 

●最高の場所で●

さわ子と軽音部が別々になって、軽音部は梓のために絆を歌います。
それを外で聞いているさわ子のシーンがあるんですが、自分の今回のツボの一つがここでした。
だってさ。

目真っ赤にして泣きはらしてるんだぜ。
視聴者も見えないところで、彼女がどれだけ泣いたかを考えるだけでもう我慢できませんよ。
「一年って短いわよ」と言っていたさわ子は、自分の言葉がブーメランになって返ってきています。だからこそ重みのある言葉でした。
軽音部の子たちだけじゃない、みんなクラスの子を大事にしてきたさわ子でしたが、やっぱり顧問として一緒にいた時間の長い軽音部は特別です。
 
最初これ、泣いている顔見せないようにしているのかなーと思ったんですが、この意見を聞いてなるほどと思いました。
Twitter / マツリセイシロウ: あれは入れないんじゃなくて…

あれは入れないんじゃなくて、特等席で聞いていたかったんじゃないかしらん。ドア開けたら演奏邪魔しちゃうし。あの距離感がさわちゃんの距離感なんだと思うな

なるほど、これがさわ子の「距離」なんだ。
 
今後もさわ子と軽音部員は仲良く過ごすでしょう。連絡も取り合うでしょう。クリスマスとか一緒に過ごすかもしれません(さわ子的にはベストではないだろうけど)。
だけど、それ以上は踏み込まない。ここが彼女の先生としての特等席。

最後の最後に、観客として大切な二人、さわ子と和ちゃんが来るシーンはそれだけで最高でした。
そうだよ、観客は多い必要はない。梓のためだけの曲は梓が聞けばいい。
そしてここからは、さわ子と和ちゃんが、最高に大切な観客なんだ。
 
この晴れやかな、本当に晴れやかなさわ子の顔は、今回のもう一つの宝物でした。
 

●あの子。●

感想長すぎですが、どうしてもこの子については触れておきたかったので。
宮本アキヨさんです。
と言っても誰かわからんちんですね。
 

軽音部ってなんだかんだでクラスのムードメーカーで友人めっちゃ多いんですよ。
澪とムギは最初そこまで多くなかったとは思いますが、どんどん解けていき、また修学旅行や学園祭という行事を経て、友人がガツンと増えました。
瀧エリと佐藤アカネ(真ん中の二人)とはそこまで仲の良い描写はなかったと思いますが、りっちゃんと唯を通じて仲良しになった感じでしょうか。ライブでもノリノリでしたしね。
そんな彼女のところに、そっとやってきたのが宮本さんでした。

この子。

この子だよ!!!
もう、ずっと、ずっと気になってたんだよ。
そう、学園祭のあの時。

放課後ティータイムのライブで、奥の姫子、真ん中の春子はとてもうれしそうに聞いていました。
そこの手前で、一緒に声をあげたいのに、あげられなかった子です。
放課後ティータイムー!」って、学園祭で叫びたかった!
キラキラとステージの上で輝く、クラスの仲間にものすごく憧れていて、その輪に入りたかった!
でも、でも、入れなかった!!!
 
これものっすごく引っかかってたんです。
彼女はおそらく、普段あまりしゃべらない子でしょう。
目立たない、比較的地味な子でしょう。
だけどHTTの演奏に感動したんですよ。
このドキドキを伝えたいと思ったんですよ。でも出来なかった!
 
それを、卒業の最後の日に彼女はするんです。
勇気を、おそらく彼女の人生最大の勇気を振り絞って!

赤面しうつむきながらも、彼女は溜めに溜め込んだ言葉をいいます。

あの、みんな同じ大学行くんでしょ……これからも、音楽続けてね。
学園祭とか、すごく、面白かった!


ガーン。
いやまあ、そうなるわな。かっこいいっていって欲しかったよね。高校生的に。
 
でも違う、違うんだよ!!!
宮本さんにとっては面白かったは最高の表現なんだよ!
 
寄せ書きを見ると分かります。

今日もやられやく 【モブおん!】『けいおん!!』 やったークラスメイト一覧表の完全版ができたよー

山中先生 この一年ありがとうございました。面白かったです。
宮本アキヨ

宮本さんにとっての「面白かった」はこれ以上無い褒め言葉。
先生と同じレベルです、最高級の褒め言葉ですよ!
宮本さんはきっとここで勇気を振り絞ったことで、今後大きな一歩を大学に行ってから踏み出すことになるはず。
 
さわ子にとって、軽音部は大きな存在でした。今後彼女の教員人生の大きな糧になるでしょうし、おそらく軽音部とは今後もいい縁を築いていくでしょう。
それ以外の場所でも、宮本さんのように軽音部は絶大な影響を与えていました。
決して5人の自己満足部活ではなかった!
みんなにとびっきりの勇気と希望を与えてきたんだよ!
放課後ティータイムは「かっこいい」部ではなかったけれども、最高に「面白い部だった」。
 
昨日の別の記事でもチラッと書きましたが。
彼女たちは、この番組は、偉大なる「日曜日よりの使者」だったんじゃないか。

適当な嘘をついて その場を切り抜けて
誰一人 傷つけない 日曜日よりの使者
THE HIGH-LOWS日曜日よりの使者」)

幼い子どもがはじめて笑うとき、その笑いはなにひとつ表現していない。幸福だから笑うわけではない。むしろ笑うから幸福なのだと言いたい。
(アラン「幸福論」)

笑えるから幸福。
だから「けいおん!!」は笑顔でいい。
だから放課後ティータイムは「面白かった!」でいい。
 
くそう、最高にいい最終回じゃないか。
面白かったよ!
大大大好きって言ってやる!!!!
 

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余談一個だけ。
 
これ完全なモブ(別のクラス?)キャラなんですが、この上履きの取り替えっこいいよね!
(赤が二年生、青が三年生)
泣いているのが二年生だけというのもいいですね。部活の先輩と後輩とかなのかな。
 
 
そして感動をぶち壊す番外編予告最高。
なんじゃこれ。JMF(純ちゃんマジフリーダム)発動か!?
 
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