たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

「男爵校長High!」のアリカと小蘭の関係って最高じゃね?

男爵校長」シリーズすげー好きなんですよ。
好きすぎてどこから書けばいいか分からないくらい。
あらゆる要素が本当に細かく計算されているのに、きちんとアホなことをやって笑わせ、4コマとしてオチが付いている。見事な作品だと思います。
まー、色々苦労をしてきたロングラン作品です。2004年に「もえよん」で掲載が始まってから、もえよんが亡くなって「まんがタウンオリジナル」に移転し、「コミックハイ!」で連載、今に至ります。実に6年間高校生をやっているのですが、「男爵校長」、「男爵校長DS」と続いて、ついに「男爵校長High!」で三年生になります。
長かったけど、三年生、三年生か!
終わってほしくないよ男爵校長
でも馬鹿ばっかりやっているようにみえて個々のキャラが人間的に成長し、人間関係を育んでいるので、クライマックスに向かって突っ走っていくのは楽しみでもあり。さみしくもあり。
書きたいことは多いんですが、今回は主人公のアリカと小蘭さんの話をしてみたいと思います。
 

●アリカの大きな変化●


小蘭さんの話の前に、ちょっと説明というかおさらいも兼ねて。
アリカは元々「男爵校長」「男爵校長DS」ではポニーテールがトレードマークの元気っ子でした。
しかし「DS」のラストとある事件があってバッサリ切ってしまいます。「High!」ではもうショートカットになっているところからのスタートですね。なのでいきなり「High!」から読んでも分からないかもです。できればもうこれは男爵校長5巻」だと割りきって読んだほうが吉。
さて、上のコマですがアリカって最初ものっすごいバカキャラから始まってるんですよ。考えるより先に行動するタイプの。
それが色々なキャラとのコミュニケーションや、とある重要人物との関わりがあって、髪の毛をバッサリ切って少しだけ大人になります。
ここで「恋」という単語もでていますが、アリカの思いが恋なのかどうかも曖昧なんですよ。人間関係ってそんな線引きできるもんじゃないよねーという軸があるんですよね、男爵校長シリーズ。だから曖昧なまま色々な人間のつながりが進んでいきます。
その曖昧さを受け入れたのが、「High!」のアリカなんです。
ここから、アリカと小蘭のはなしをします。
 

●小蘭さんとアリカ●

アリカは今まではポニーテールで、ちょっと貧乳で爆走気味だった女の子。元気印。
小蘭さんはショートカットで巨乳、トイガンマニアのおませさん。元気印。
ダブル元気印なこの組み合わせはちょっと異質です。たとえば元気なアリカとおとなしい小夜子さん(上のコマですね)の組み合わせだと、気を使ったり使われたりの会話が成立します。そしてお互いの立ち位置が割とストンとはまります。
しかし元気印×元気印だと化学反応が起きやすいんですよね。
 
男爵校長」一巻時点では転校生で、実は前の学校で友達がいなかった小蘭さん。誰のおかげというわけではなくみんなの力なんですが、すっかり打ち解けて極めて前向きな性格になりました。特に暴走列車気味なアリカとの絡みで吹っ切れただけでなく、色々な部分で絶対一人きりじゃなくなったんですよね。気づいたら側にいるアリカ。別に気を使っているわけじゃなくて、単にアリカが小蘭を好きなだけです。
 
一方アリカは逆境に弱い部分がありました。明るく元気で常に超特急なんですが、どうにもいざという時に弱い。今が幸せで楽しいからあんまり前に進まなくていいかなあと思っている部分のある子でした。月彦さんの登場により彼女の元気玉は崩れを見せ始めます。色々考えすぎちゃうと、あんなに暴走していたのに一歩が踏み出せなく成る子でした。そこで思いっきり背中を押すのが小蘭さん。少しませている性格が幸いして、アリカが足踏みしているときにグン!と引っ張り上げる貴重な友人になりました。
 
この二人の関係って言葉で表現しづらいんですよね。親友であり悪友。仲良しでありライバル。小夜子さんみたいに自発的に「こうしよう」と考えているわけじゃなく、気づいたらつるんで何かしている不思議な関係です。

ちょうどその関係を表現しているのがこういうコマ。小蘭からネタふりをして、アリカとワイワイやることが多いです。
無精ヒゲで〜のくだりは、実際に男爵校長シリーズを読んで確かめてみよう! うふふ!
初期はそうでもなかったですが、中盤からアリカに対して何でも言えるようになった小蘭さんは、隠れたこの作品の軸キャラです。もちろん主役はアリカなんですが、小蘭さんがいないと今のアリカはありえない、といえるほどです。
このコマを見ても分かるように、特に小蘭さんはズバズバとアリカに対してだけは何でも言えるんですよね。これ信頼の証だと思います。他のキャラにも割とずばっというキャラですが、特にアリカに関しては容赦無い。
アリカもまた裏表のない子ですが、特に小蘭さんにたいしては体当たりでなんでもいいます。言えるんです。小夜子さんもいい相談相手の一人だと思いますが、忌憚ない意見を言い合える小蘭さんはアリカにとって特別な存在でしょう。

ちょっとしたことで昼間にいさかいになったけれども、深夜に慌てて電話をしてきたアリカに対してニヤっとしてしまう小蘭さんの図。そうそうこの関係。さくっとケータイでしゃべれる距離感。どっちが優位とか、どっちが前に引っ張るとかではなく並列な関係
 

●言葉と行動と●

ぼくが小蘭さんとアリカの関係が好きなのは、先程も書いたようになんでも言い合える関係だからというのがやはりでかいです。
ハートキャッチプリキュアのえりかも言っていたじゃないですか。「言わなきゃわからないよ」と。
確かに言葉なしで通じ合える親友像は理想の一つです。「けいおん!」なんかはそうですね。
しかし言うべきことをばしばし、遠慮無く言える関係もすっごいうらやましいんですよ。なかなかできないよ。
 
そして、小蘭さんとアリカは二人で並列に、行動に出ます。

口だけじゃない。一緒になにかやるんです。
このコマめちゃくちゃいいですよね!見てよこの、やったね!という表情。最高じゃない!
 
まずは言葉を交わし合える関係。
そして共に行動出来る関係。
それでいて依存するでなく、なあなあで済ませることもない。気を使いすぎるでもなく、放置でもない。
百合的な関係ではないです。おそらくそれぞれは恋をして結婚するでしょう。
でも絶対この子らはママになっても、こんな感じで「ね?やった!!」とニヤニヤ笑顔を交し合うでしょうね。
そこが、いいんです。
自分の理想の友人関係像の一つをアリカと小蘭さんに見ている気がします。だから、「男爵校長」は面白い。
 

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そんなわけでミリタリマニアでスパッツでショートカットでいい性格していておませな小蘭さんが好きで仕方ありません。
おれ小蘭さんと結婚したい。まじで。
 

男爵校長 1 (アクションコミックス アクションコミックスもえよん) 男爵校長 2 (アクションコミックス アクションコミックスもえよん)
男爵校長DS 1 (1) (アクションコミックス) 男爵校長DS 2 (アクションコミックス)
ほんと「男爵校長」はギャグとしても物語としても非常に面白いので是非読んでいただきたい4コマの一つ。結構変則的な、他に類の無いタイプの4コマだと思います。
またこの手の「女の子いっぱい」系4コマには珍しく、きちんと男女の恋愛も描かれているのも興味深い。恋愛ともいえない曖昧な感情なんですが。
今回はアリカと小蘭さんの話でしたが、ドナさんといい弦音といい小夜子といい、いいキャラぞろいで人間関係築いているのでやっぱり楽しくて仕方ない。一つ一つ細かく見ていくと発見も多そうです。